血に対する恐怖を乗り越えた?ラフタリアがウサピルを倒した翌日、私達はあるところに向かっている。その場所は……。
「炭鉱?」
「ああ、この近くにあって、そこで採れる鉱石を売って金を稼ぐ」
「成程ね。了解」
これで金欠問題から脱せれるかもだし、レベル上げにも丁度良さそうだという事で、いざ行こうとした時……。
グゥゥゥ。
お腹の音が聞こえた。音の主はラフタリアだった。
「……おまえさっき朝飯食ったばかりだろうが」
「ご、ごめんなさいっ……!」
「足りなかったのかな?行く前に何か食べさせたら?」
私がそう言うと尚文はラフタリアを睨んだが、頭に手を置いて……。
「……まぁいい。食ったら行くぞ」
「……はい」
あの2人を見てると家族みたいだね。……私も『野崎』の家柄じゃなかったら維織姉さんや由良里とこんな風に過ごせてたのかな?
~そして~
炭鉱に着いた私達は何か使えそうな物がないか物色している。
「つるはしにロープとここの地図……。結構使えそうなのがあるね」
尚文の方を見てみると何かブツブツと呟いていた。
「エアストシールド!!」ブワッ
「わっ!」ビクッ
すると魔方陣みたいな盾が出現した。
「それってもしかして新しい力?」
「まぁそんなところだ。便利だからこれからも度々使っていくと思う」
私もそろそろ新しいトリガーを取得する必要があるね。今はライトニングである技の練習中だけど……。
「さて、目指すは採掘ポイントだな……」
「奥まで進んでいくってことでいいのかな?」
「ああ」
「……っ!勇者様、ご主人様、コレ……」
話ながら奥へ進んでいくとラフタリアが何かを見つけたようだ。
「これは……足跡だね。犬のモンスターのかな?」
「棲みついたモンスターかもしれないが、これくらいなら大した大きさじゃなさそうだ」
「……犬」
犬というところでラフタリアが怯えたような表情をしていた。もしかしたら犬のモンスターに何かトラウマがあるのかもね。
「ラフタリア」
「は、はいっ」
「……危なくなったら逃げる。しっかり着いてこい」
「はい……」
そのトラウマを私達でなんとか出来たらいいんだけど……。
~そして~
「ここでいいの?」
「ああ」
採掘ポイントに着いた私達は早速鉱石を掘る準備をする。
「よし、さっき解放した盾で掘っていくぞ……!」
尚文が解放したのは『ツルハシの盾』というらしい。その盾によって採掘ポイントを表示してくれるらしい。なんというピンポイントな……。
ともあれそんな便利な代物ならば採掘は尚文に、松明で尚文の辺りを照らすのをラフタリアに任せて私はモンスターが出ないか見張っている。
「っ!」ピクッ
(ラフタリア……?)
今ラフタリアが何かに反応した。もしかしてモンスターが此方に来ているのかな?
「おっ、これは高く売れそうだな」
足音が聞こえてきた……。ラフタリアは足を震わせている。間違いなくモンスターだろう。まだ尚文は気付いてないみたい。
「気を付けて尚文、モンスターが此方に来る!」
「なに!?」
「グルルルル……!」ザッ
出てきたのは犬のモンスターで首が2つある。
「……入り口の足跡よりも大きいね」
「だな。気を付けろラフタリア……!」
「……っ!」ガクガクッ
ラフタリアはかなり震えていた。
「ガアアアッ!!」
「いやぁぁぁぁっ!!」
モンスターが吠えるとラフタリアは悲鳴をあげた。だけど向こうは見逃してくれるはずもなく、ラフタリアに襲い掛かる。
「ラフタリアっ!」ガバッ
咄嗟に尚文がラフタリアを庇い、2人は水流へ落ちていった。
「尚文!ラフタリア!……くっ!アステロイド!!」ボボボッ
私はモンスターに目眩ましのアステロイドを放つ。でも相手はしつこく、何発もアステロイドを放ち漸く追い払うことに成功した。
(まずったなぁ、トリオンが残り少ない……。このままじゃトリオン体が解除してしまうよ。そうなってしまったら私は戦えなくなる)
もしそうなったら自分を囮にして2人でモンスターを倒してもらおう。そう思いながら私尚文とラフタリアのあとを追った。
~そして~
「……なんとか助かったな」
「……ごめんなさい、ごめんなさい」
「2人共無事!?」
「ああ、なんとかな」
よかった……。尚文達が土左衛門になるとかごめんだよ?
「あのモンスターは?」
「とりあえずは追い払ったよ」
けどいつ此方に来るかわからない。その時までに体勢を整え直さないと。そう思っているとラフタリアが口を開いた。
「……私、戦わないといけないのに、頭がまっしろになって」
「何があったんだ?夜泣きの原因もきっと同じだろう?」
「差し支えなかったら話してくれないかな?話すことで楽になるよ」
まぁ私はラフタリアの夜泣きをよく知らないんだけどね。
「…………」コクッ
それからラフタリアは自分がある亜人の国の出身であること、厄災で出てきたモンスターによって両親を失ったこと、それ等がトラウマになってしまったことを話してくれた。
「……成程、それがトラウマになっているのか」
「そしてあのモンスターが両親を殺した奴に見えてしまっていた……か」
この世界の厄災ってのはどうして起こってしまうんだろうね。ラフタリアみたいな小さな子供に……!
「グルルルル……!」
「さっきのモンスター……!もう追い付いてきたの!?」
しつこいなこの犬っころは!!
「ひっ……!」
「落ち着けラフタリア!あれはおまえの両親を殺した奴とは違う!!」
「でもっ……!」
「いいかラフタリア!今ここでおまえがコイツを倒すんだ」
「えっ……?」
「おまえが戦って俺達が強くなって厄災が去ればこれ以上おまえのような思いをする子を作らなくてすむ……!」
「ラフタリア、君の両親を助けることはもう出来ないけど、その子達を救うのはラフタリアだよ!」
「っ!」
私達の言葉が今のラフタリアに届いたなら、このモンスターも恐れることはないはず……。あとはこの犬っころを倒すだけ!練習中のトリガーだけど、ぶっつけ本番!上手くいって!!
「鉛弾(レッドバレット)!!」バシュッ
「ガアアアッ!!」
私が放った鉛弾は相手の動きを封じる技で本来なら銃手用のトリガーなんだけど、原作で千佳ちゃんがやっていたのを真似してみた。上手くいってよかった……。
「今だよ、ラフタリア!!」
「う、うぁぁぁぁっ!!」ザンッ
私が足止めしたモンスターにラフタリアが一閃。これで一安心かと思いきや……。
「ぐあっ……!」
「尚文っ!?」
もう1匹いたの!?攻撃しようにもさっきの鉛弾でトリオンが切れかけてる……!
「ラフタリアっ!!」
「あぁぁぁぁっ!!」
尚文に襲い掛かったモンスターもラフタリアが上手く倒した。
~そして~
「尚文!大丈夫!?」
「……っ!盾の加護があってもやっぱり怪我するんだな……。でもそんなに痛みはないな」
苦笑いしながら尚文は言うと、ラフタリアは尚文に抱き付いた。
「いだっ!」
「し、死なないで……。もう、1人にしないで……!」
ラフタリアの両親はモンスターからラフタリアを庇うように死んでしまった。尚文がその時の両親に重なってしまったのだろう。
「……俺達が死ぬのはおまえを攻め手から守り切れなかった時だけだ」
「その通りだよラフタリア。今回はお手柄だね」ニッコリ
本当にお手柄だったよ。私達だけだったら全滅してたかもしれないもん。
「あ、あのっ、お名前を聞いても、いいですか……?」
「……まだ言ってなかったっけか?」
「そういえばそうだったね」
出会って数日経つのに、私達名乗ってなかったよ……。
「はい……」
「尚文……。岩谷尚文だ」
「私は詩織。野崎詩織だよ」
「……改めてよろしくお願いします。ナオフミ様、シオリ様」
「……ああ」
「うん、よろしくね」
こうして私達はまた1つ強くなった。でもまだまだ課題が山積みである。鉛弾を上手く使いこなせればトリオン消費もある程度抑えられるはず。
スノウ曰く私のトリオン量はこの世界でレベルが上がる度に少しずつ増えるらしい。だからこの面子で波に備えつつレベルアップしていこう!
グゥゥゥ。
……腹拵えの後で。
漫画1巻のお話は今回でおしまい!次回から2巻の内容に入っていきます。
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どちらも出す
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出さない。オリキャラは主人公だけで十分だ