では本編をどうぞ!
「……っ!」ギリッ
「な、ナオフミ様?どうなさったんですか?」
「……そっとしときなよラフタリア」
「シオリ様……?」
「今の尚文はかなり機嫌が悪いからね」
(まぁかくいう私も腸が煮えてるけどね……!)
厄災まであと十数分。この怒りは波でぶつけよう。
どうして私と尚文がここまで機嫌を悪くしているのか……。思い返すとまたイライラしそうだから簡単に説明すると。
龍刻の砂時計を見に来たのはいいけど槍の勇者である北村元康とあのクソ女が尚文に絡んできたこと、北村君がラフタリアを口説いていたこと、連中が揃いも揃って尚文を嘲り笑ったこと。
この3つの出来事が私達の機嫌を悪くした。まぁクソ女に対しては私がスコーピオンをチラつかせたことで押し黙ったけど、北村君はしつこくラフタリアや私を自分のところへ来させようとしたので私が強引にラフタリアを連れて尚文とこの場を去ったのである。
「あの、ナオフミ様にシオリ様……」
「どうした……?」
「いえ、その……」
「言いにくいことなの?」
「いえ、これから波と戦うことを思うと感慨深くなりまして……」
なんか死亡フラグ建て始めたんだけど……。此処でラフタリアを失うと色々キツいよ?此方としては。
「私はナオフミ様とシオリ様に出会えてよかったと思っています。私に生きる術を、波と戦うチャンスを与えてくださいましたから」
「……死なれたら困るから出来るだけのことはするが、守り切れるかわからないぞ」
「わかっています。……頑張ります」
ラフタリアは俯いたかと思えばすぐに顔を上げた。
「私はナオフミ様の、シオリ様の剣です。何処までも着いて行きます……!」
「……うん、頑張ってね」
「……頑張れよ」
「はいっ……」
そんな話をしていると、私達のいた場所が突然変わった。
「此処は……?」
「転送されたのか……?」
ピキッ……!ピキピキッ!
(さっきから聞こえるこの音は一体……?)
音の方向は上からだと思って見上げた。
「これは……!」
「空が……割れる……?」
割れた空から幾数のモンスターが出てきた。あれが厄災の波ってことか……。
「まずは此処が何処なのかを確認しよう!」
「ああ、そうだな」
場所の確認が第1だと思った私達は辺りを見渡すと横から他の勇者達が一目散に先へと進んでいった。
「アイツ等、一目散に駆け出しやがって……!」
「ナオフミ様、シオリ様、彼処に炭鉱がありました!」
「あれは前に行った炭鉱……。っていうことは此処はリユート村の周辺ってことだね」
「避難の方はどうなってる!?」
「……この状況からして出来てないだろうね」
転送されるのは勇者一行だけで騎士団にはされてない……。城からは遠くはないけど、駆け付けるまでには多少の時間はかかる。
「待ておまえら!先に村人の避難を!!」
尚文も同じ事を思ったのか他の勇者達に呼び掛けるが、狼煙を上げて騎士団に場所を教えただけだった。
「見てください!村は此処よりも亀裂が近いです!」
「あれじゃあ襲われたらひとたまりもないだろうね……」
「……きっとアイツ等は強そうなモンスターを倒すことだけで頭がいっぱいだろうな」
何それ……?ゲーム感覚で厄災に挑んでるってこと!?信じられない……。
「……行くぞ2人共!」
「はい!」
「そうだね。騎士団がまだ来てない今村を守れるのは私達だけだから……」
私達はリユート村へと向かった。
~そして~
「ひっ、うわぁぁぁっ!」
「エアストシールド!」キィンッ
「アステロイド!」ボボボッ
「はあっ!」ザンッ
私達は襲われそうな村人を見つけては尚文のエアストシールドによってモンスターの攻撃を防ぎ、私とラフタリアで攻撃する事を繰り返している。
「はぁっ……はぁっ……!」
「くそっ!これじゃあキリがない……」
「……どうにかして一網打尽にしたいけど、それにはもうちょっと敵が纏まっている必要があるかな」
「敵が固まってると出来そうなのか詩織?」
「恐らくね」
これだけの数の敵だから合成弾で倒す必要があるけど。
「……なら俺が敵を引き付けるから頼む!」
「ナオフミ様、私も行きます!」
「お願い2人共。上手いこと此方に敵を寄せて!」
尚文とラフタリアがモンスター達を引き付けている間に私は準備を始めた。
「……アステロイド+アステロイド=ギムレット」
私は片方ずつにアステロイドを溜め込んで、それによって出来る合成弾のギムレットを作った。
「準備出来たよ!2人共離れて!!」
私の言葉に反応した2人は離れて、2人が引き付けたモンスター達は都合良く此方に向かってきた。
「いけ、ギムレット!!」ボボボッ
私が放ったギムレットによってモンスター達に直撃して全滅した。とりあえずは上手くいって良かったよ……。
「あの数のモンスターが全滅……」
「すごい……」
「感心してる暇はないよ!他の所にもモンスターは沢山いるんだから急がないと!!」
「ああ」
「はい!」
私達は急いで他の区域に向かった。
~そして~
「此処にも沢山いますね……」
「そうだな……」
村人の避難を済ませた私達は各々でモンスターを攻撃していた。
「とにかく数を減らさないことには……」
「……!?詩織、ラフタリア!」ガバッ
尚文が突然私達に覆い被さったので、一体何が起こったのか見てみると無数の炎が此方に飛んできた。
「……今のが魔法ってやつか?」
「そうみたいだね。ありがとう尚文、庇ってくれて」
「いや、気にするな。それよりも……!」
「流石盾の勇者、頑丈な奴だ」
「騎士団……。やっとお出ましか」
この国の騎士団連中だ。それにしてもコイツ等……!
「ナオフミ様達がいると知りながら何故攻撃したのですか!?返答次第では許しませんよ!!」
「何故か知らんが此処にモンスターが密集していて、掃伐のチャンスだった。それだけのことだ」
そう、コイツ等は私達がいるにも関わらず……いや、私達がいるからモンスターが密集しているという建前を使って私達を攻撃したのだ。
「なに、五体満足なのだからいいじゃないか」ニヤ
「なんて言い種……!ナオフミ様達は味方なんですよ!?」
「止めろラフタリア」
尚文の制止によってラフタリアは不服ながらも下がる。
「そう大人しくしていれば我々も間違えなくて済む」
このように騎士団は都合の良い嘘を吐く。正直反吐が出るね。でもまぁ……。
「ガァァァッ!」
「アステロイド……!」ボボボッ
「うわぁっ!」
「ぐわっ!」
騎士団の背後に現れたモンスター達を私は騎士団もろともアステロイドで攻撃する。
「貴様!何をする!?」
さっきラフタリアが言い合った騎士団のトップであろう人物が私に問いかけた。
「何って……君達の背後にモンスターが密集していたから掃伐のチャンスだった。君達と一緒の理由だよ」ニッコリ
「ぐ、ぐぬぬ……!」
向こうの都合の良い嘘と同じ発言をぶつけたことで騎士団のトップ……もとい髭は悔しそうに下を向いた。
「ふっ……。いいか、コイツ等は近い奴から攻撃する!俺が攻撃を受け止めるからその隙を狙え!!」
「貴様っ!犯罪者の癖に我々に命令する気か!?」
「あのさぁ、敵はあの亀裂から湧き出るモンスターだからね?履き違えるようなら君達をモンスターとして攻撃するよ……?」ギロッ
「くっ……!」
私が睨むと髭は渋々ながらも尚文の命令を聞いてくれた。
「ナオフミ様、シオリ様!空が……」
「……元に戻っていくね」
とりあえずこれで今回の波は終わりなのかな……?
「気を抜くな。まだ溢れたモンスターはいる」
「そうだね。態勢を立て直そう!」
あとは残ったモンスター達を倒せば一段落だね。
~そして~
今回の波は終わったけど、村の損害の激しさを見るにこれからの復興は大変なものになるだろう。
もしもこんな波がまだまだ続くのならば、何れこの程度では済まなくなるだろう。
「…………」
「ラフタリア、どうしたの?」
「……私、頑張れていたでしょうか?私のような方を、少しでも減らすことが出来たでしょうか……?」
ラフタリアにとってはもう2度と自分のような者を出したくないという思いもあって戦っていた。ラフタリアは波によって家族を失ったから、そんな子達を守りたかったのだろう。
「……頑張ってたよ。お疲れ様、ラフタリア」ナデナデ
そう言って私はラフタリアの頭を撫でた。
戦闘描写って難しい……。
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出さない。オリキャラは主人公だけで十分だ