……で、今私達は前に私が数日間迷いまくった荒野にいるわけだが。そして突然現れたのは私が幾度も幾度も刻んだ憎き風船擬きだった。
「いました勇者様、オレンジバルーンです!」
「オレンジバルーン?」
ほう、私が刻みまくったあの風船擬きはオレンジバルーンというのか。
「安心してください。とても弱い魔物です」
「そうなのか?」
「うん、私も戦ったことがあるからね。でもそのモンスターはかなり血気盛んだよ」
「へ……?」
私がそう言うとオレンジバルーンは尚文の頭を齧った。しかも沢山の仲間を連れてきた。
「尚文!?大丈夫!?」
「あ、ああ……。なんとか」
「良かった……」
この風船擬きは私のことも喰おうとしてたからね。大切な仲間をこんなところで失いたくない。
オレンジバルーンの群れはマインさんが殲滅させてくれた。私?私は見ていたよ。尚文だけなら私も応戦したけど、マインさんはどこか信用できないからね。
「まさかこんなに1度に襲いかかってくるなんて……。よっぽど舐められてたんでしょうか?」
「ハハ……」
「怪我してない?」
「ああ、不思議と痛くはないな」
「本当ですか?頭も直に齧られてましたけど……」
「大丈夫だ」
もしかしたらこれは盾の勇者としてのスキルなのかもしれないね。流石世界を救う存在といった感じ……。
「って尚文、まだ腕にまとわりついてるよ」
「……本当だ。痛みを全く感じなかったから全然気付かなかった」
「折角だし、最後の一匹は尚文が倒してみたら?」
「そうだな。防御力が高いことはわかったし、今度は俺の攻撃力を試してやる……!」
そう言って尚文がオレンジバルーンを殴るも、簡単に弾かれてしまった。
「こ、この風船ごときがーっ!」ドゴッ
またも弾かれる。
(いくらなんでも弱すぎる。こりゃ私が前衛に出た方がいいのかな……?)
何度も何度も殴り、漸くオレンジバルーンを倒した。そして尚文に経験値が入る。
「やっ、やった!経験値が入った!」
「頑張りましたね!勇者様!!」
うん、尚文は頑張った。頑張ったんだけど……。
「烏が鳴いてるね。とりあえず戻ろうよ」
「……そうだな」
私達は尚文が泊まっているところへと戻った。そういえば私の部屋はどうしようかな……。
~そして~
戻った私達は反省会も兼ねて食事をしている。
「今日私達がいるところの先には森があって、そこを抜けると村もあります」
「そこの村には何があるの?」
「小さな村ですのでこれといったものはありませんが、その先には初心者冒険者向けのダンジョンがあります」
「えっと……。つまり?」
「私達のレベルを上げるにはもってこいってことだよねマインさん?」
「はい!」
「それはいいな!」
「今の私達ならきっと楽勝です!」ニコッ
「そうだな。なあ詩織!」
「……うん、そうだね」
「?……どうしたんだ詩織?」
「なんでもないよ」
やっぱりマインさんは信用できないね。近い内に私達を切り捨てそうな……。あの作られた笑顔からそんな感じがした。
「一先ず今日はお疲れですよね?勇者様達、ワインは如何ですか?」
「あっ、ワインはいいや」
「私も遠慮しておくよ」
「そうですか……」
というか私としては1秒でも速くマインさんから離れたいという気持ちが強かった。
「あの……。マイン!本当にありがとう……。全然戦えない盾の勇者なのに、着いてきてくれて。詩織も俺を庇ってくれてありがとう」
「私は気にしてないし、持ちつ持たれつでやっていこうよ。何れ尚文の防御力に助けられる日が来るかもしれないしね」
「そ、そうかな……?」
「ふふ、本当にいい方ですね。盾の勇者は……」
……また作り笑い。私はマインさんとはやっていけない気がするよ。
「明日もよろしくな。詩織、マイン!」
「はい!」
「うん、こちらこそよろしくね。尚文」
~そして~
私は今尚文のいる部屋の前にいる。さあ、女は度胸だぜ!とノックをした。
「……詩織か。どうしたんだ?こんな夜中に」
「一狩り行こうぜ!」
そう私は尚文を誘った。
~尚文side~
「一狩り行こうぜ!」
「はぁ?」
「私達だけで秘密の特訓をしようってことだよ尚文」
夜も更けてきているのに詩織は何を言ってるんだ。
「もう夜も遅いのになんで……」
「私達、特に尚文のスタートはマイナスなんだ。だから誰もが寝静まっているこの時間にモンスターを倒しまくろうってわけさ」
詩織の言い分はわかる。俺の攻撃力は皆無といってもいいからな。俺なりの戦い方を見つけたいところだけど……。
「……いや、やっぱり止めておくよ。また明日3人で頑張ろうぜ!」
「……そっか。なら私1人で行ってくるよ。おやすみ」
「ああ、おやすみ」
そう言って詩織は出ていった。
この時俺は詩織の提案を呑まなかったことを酷く後悔することになる。
~尚文sideout~
「アステロイド!」ボボボッ
「キューッ!」
ふぅ……。辺りも大分明るくなったし、そろそろ戻ろうかな。
トリオン体だと寝なくても大丈夫だからこうやって1日中戦いに費やせるのは良いことだね。スコーピオンと射手トリガーも大分使いこなせるようになったし、次はカメレオンやバッグワームの補助トリガーや弧月とかも慣らしていきたいね。
部屋に戻ると尚文が騎士に連れていかれていた。それを見た私は嫌な予感がして、こっそりと跡をつけた。
~そして~
「俺はやってない!」
「嘘吐け!じゃあなんでマインはこんなに泣いてるんだよ!」
何?尚文は冤罪を着せられてるの?そう思いながら私はマインさんの方を見てみるとアカンベーをしていた。尚文にしか見えないところでやったつもりなんだろうけど、私はそれをバッチリと見ていた。さらに周りの連中は尚文が強姦した犯人だと言い張っており、尚文は完全にアウェー状態だった。
……なんでコイツらは尚文の言い分を聞く耳持たないの?なんでマインさん……いや、マインが嘘を吐いてるとは思わないの?なんで北村君も天木君も川澄君も勇者仲間の尚文を信じないの?
そう思った私は皆の所へ歩きだした。そして……。
「おはよう、尚文」
「詩……織……?」
尚文に挨拶をした。
「尚文も私と一狩り付き合ってくれたら私の戦いっぷりを見せられたのにねぇ」
「……ああ、すまん。俺も詩織に着いていかなかったことをかなり後悔してる。誰も俺の話を聞いてくれないし、俺の金と鎖帷子も元康にぶん取られるし……」
尚文の目は初めて会った時とは違って酷く荒んでいた。そして事情を聞いた。
「そっか……。それは辛かったね。私は何があっても尚文を見捨てないよ」
「詩織、ありがとう……!」ポロポロ
私は胸を貸して尚文はそこに顔を埋めて泣いていた。
「何故盾を庇う!?そいつは我が娘を強姦した犯罪者だぞ!」
「そうだそうだ!」
国王と北村君を始めとする私と尚文以外の全員が私達を避難する。
……そっか。そういうことか。だったら私がやることは1つだね。
「……スコーピオン」
ザシュッ!!
「が、あああああっ!」
「マイン!?」
私は諸悪の根源であるマインの腹部をスコーピオンで切り裂いた。
「何をするんだ詩織ちゃん!」
「安心しなよ。急所は外してるから。……尤も尚文が受けた痛みはこんなもんじゃないよ」
「何を訳のわからないことを……!」
「それで?王様は強姦未遂の盾の勇者と実の娘を傷付けた冒険者に対する罰はどうするつもり?」
「くっ……!本来ならばこのようなことをする輩など即刻追い出すつもりだが、貴様等は波に対抗する手段として必要だから罪はない」
「懸命な判断だね。……私は罪人上等だよ。でも必ず尚文の無実を暴いてみせる……!行こう尚文」スタスタ
「……ああ」スタスタ
「あっ、そうそう王様」
「なんだ……?」
こんな所にいられるかと一目散に去ろうとして言い忘れたことがあったので、王様……もとい屑の耳元で呟く
「何れアンタの寝首を掻かせてもらうから」ボソッ
「なっ!」
「今度こそじゃあね。次に会うのは波とやらの時だね」スタスタ
こうして尚文は強姦の濡れ衣を着せられ、私は王様の娘であるマインに致命傷の傷を負わせたことによって国中から疎まれる存在に成り下がってしまった。
~そして~
「なぁ、詩織はなんで俺を信じてくれたんだ?国中誰も信じてくれなかったのに……」
「私はね、嘘を見抜く力を持ってるんだ」
「嘘を……?」
「そう、だから尚文が嘘を吐いてないってすぐにわかったよ。……あの女が尚文を貶めるために嘘を吐いてることもね」
あの女次会った時には殺してやろうかな……?いや、そんなことをしても意味ないか。
「さて、これからどうしたものかね?出来ることなら人員補充をしたいとこなんだけど……」
「……今の俺達じゃあ誰も仲間になってくれないだろうな」
そうなんだよね。さてどうしたものか……。
無茶苦茶強引に話を進めてしまった……。
※詩織の姉の野崎維織と詩織の腹違いの妹の川田由良里。当作品ではそういう設定になっておりますが、彼女達はパロキャラ。
よってアンケートの結果でパロキャラを出すことになったら彼女達が登場して本格的に本編に関わります。そうなると詩織がどうなっていくか、そして当作品の展開に大きく影響します。また和解がかなり早くなります。
パロキャラを出さない結果になったら彼女達は名前のみの登場。基本漫画通りの展開で進んでいき、詩織の正体は謎に包まれるルートになります。
この小説にオリキャラ、またはパロキャラ、或いは両方を出しますか?
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オリキャラを出す
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パロキャラを出す
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どちらも出す
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出さない。オリキャラは主人公だけで十分だ