異世界に来た少女は盾の勇者と共に成り上がる   作:銅英雄

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段々詩織が尚文至上主義になりつつある件。信者じゃないよ?本当だよ?まぁ盾の勇者と共に成り上がるお話ですし?問題ないよね?


奴隷獲得。幼女!?幼女なんで!?

私達はレストランにて1番安い御飯を食べているんだけど……。

 

(味がしない。1番安い御飯だから……?)

 

だとすればとんでもない店だよ!そう思いながら尚文の方を見ると私と同じような表情をしていた。もしかして尚文も……。

 

「ねえ尚文、もしかして……」

 

「おやおや~。そこにいるのは盾の勇者様じゃないですか」

 

……なんか破落戸が2匹出たんだけど。

 

「……出直してくれない?今取り込み中なんだけど」

 

「……いや、構わない。何の用だ?」

 

「いやー、勇者様が寂しそうにしているから俺等が仲間になってあげようと思いましてね」

 

「はははっ!俺等って超優しー!」

 

コイツら……!顔面ぶん殴りたい!

 

「……まず雇用形態は完全出来高制、収入の4割は俺達がいただく。残りはおまえらの働き次第で分配だ」

 

「当たり前だけど、装備品は自腹で揃えてね」

 

尚文に付け加えて私が言うと破落戸2匹は反発しだした。

 

「馬鹿言うな!」

 

「勇者の癖にケチケチすんなよ!なんなら今前払いしてもらおうか!?」

 

ふん、これくらいで交渉決裂とは辛抱弱いね。私はスコーピオンを構えようとすると、破落戸の1匹にオレンジバルーンが噛み付いた。

 

「痛っ!?」

 

「オレンジバルーン!?なんでこんなところに!?」

 

恐らく尚文の仕業だろう。此処に来る前に寄った道具屋で店員がぼったくろうとしようとしたのに対して尚文がオレンジバルーンを使ってあの破落戸のようにしていたからね。

 

「……行くぞ詩織」スタスタ

 

「……了解」スタスタ

 

店内がオレンジバルーンの出現によってざわついてるので、その間に私達は店を出た。

 

 

~そして~

 

「それにしても尚文はオレンジバルーンに好かれてるね。今も何匹かくっついてるし」

 

「……知らない間にまとわりついてな。まぁあんなチンピラ程度ならコイツらの方が何倍もマシだな」

 

「言えてる」

 

オレンジバルーンは凶暴だし、さっきの連中が着いてくるよりは全然戦力になるだろう。

 

「詩織は今予算どれくらいだ?」

 

「私の全財産は大体銀貨1000枚くらいかな。でもこれもすぐになくなるし、これからのためにももっとお金が欲しいな」

 

「そうだな……」

 

金欠辛い。オマケに人数は私達だけ。別に尚文を見捨てたこの国がどうなろうと知ったことじゃないけど、このままだと私達が死ぬのも時間の問題だし……。

 

「お困りのご様子ですね」

 

背後から突然声が聞こえた。

 

「……誰だ?」

 

「うふふ、人手をお探しではありませんか?」

 

そう言って現れたのは全身黒い格好をした怪しいという言葉が凄く似合うお爺さんだった。

 

「……仲間の斡旋には間に合ってる。どいつも信用できないんでね」

 

……尚文はあんな目にあったから誰も信用していない。私のことですら完全に信用したとは言い難いしね。

 

「うふふふ、『仲間』等とそんな不便な代物ではありませんよ」

 

「……どういうこと?」

 

「私が提供するのは嘘を吐けず、決して主人を裏切れない人材でございます……」

 

「おまえ……」

 

成程、この人が提供しているのは……。

 

「盾の勇者様と王女を殺しかけた悪魔と呼ばれる人ですね?誰も仲間になってくれず、自分達以外は魔物しかいないと……」

 

「……へぇ」

 

「うふふ、やはり私の目に狂いはありませんでしたねぇ。貴方達は私の好きな目をしておいでだ。きっと良いお客様になられるでしょう……」

 

『奴隷』だ……。

 

……っていうか私そんな風に呼ばれてるの?

 

 

 

~そして~

 

「どうぞ此方へ」

 

案内されたのは沢山の奴隷が1つ1つの檻に閉じ込められているスペースだった。

 

「亜人種が多いですが、これはこれで便利なものです」

 

「亜人っていうのは人とは何が違うんだ?」

 

「基本的には人間とそう変わらないよ。人とは異なる部位があるってくらいだね」

 

「随分お詳しいですなぁ」

 

昔なんかの本で見たことがあるくらいだけど……。

 

「亜人種は魔物に近いと言われておりまして、特にこのメルロマルクでは生き辛いんですよ」

 

「今の私達にはおあつらえ向きだね」

 

「……だな」

 

今の私達はこの国のほぼ全員に嫌われているからね。

 

「そして当店のオススメが此方でございます」

 

奴隷商が見せたのはレベル75で如何にも戦闘向きな狼みたいな亜人だった。

 

「どうです?素晴らしいステータスでしょう?お値段は……」

 

「言わなくてもいい。俺達が買えないのをわかっていて1番高いものを見せているだろう?」

 

「はい、お得意様になって頂くには良い目を養ってもらわなくては……」

 

この奴隷商はかなり良い性格をしているね。こういった商人に向いているのもわかる。

 

「どのようなものをお望みで?」

 

「……安いのでまだ壊れていないような、家庭向きでもない男がいい」

 

今の尚文は私以外の女は完全に信用出来ない。こうして一緒にいる私にだってまだ心を開いてないのに、他の女なんて論外なんだろう。

 

「そうなりますと戦闘向きどころか愛玩用にも劣ってしまいますがよろしいので?噂ですと勇者様は……」

 

「尚文はそんなことやってない!」

 

気が付けば私は奴隷商の胸ぐらを掴んでいた。今の私はかなり切れているだろう。

 

「……よせ詩織」

 

「……ふん」パッ

 

尚文に宥められて奴隷商の胸ぐらを離す。駄目だな私……。冷静にならなくちゃ。

 

「……どうやら噂とは少し違う方のようですね」

 

「当たり前だよ。尚文がそんなことする訳ないから」

 

「ではこのあたりが勇者様達に提供できる最低ラインになります」

 

奴隷商が見せたのはどれも何かしらの問題を抱えている亜人達。

 

(心なしか奥から死臭が漂ってくる……。そういった意味でも最低ラインってことかな?)

 

そう思いながら歩いていると奥の方から咳が聞こえた。

 

「…………」スタスタ

 

尚文もそれに気付いたのか、咳が聞こえる方へと歩いていくので、私もそれに着いていく。

 

「…………」コホッ

 

咳の持ち主は顔を俯かせている。病気持ちかな?奴隷としてこんな所にいるくらいだから仕方ないのかもしれないけどね。

 

「顔を上げろ」

 

「…………」コホッ コホッ

 

(見たところ10歳前後の女の子って感じだね)

 

「おまえ、名前は?」

 

「え……?」コホッ

 

「……名前を聞いてるんだよ。それとも君には名前なんてないの?」

 

「ラ、ラフ……。ラフ……タリア」コホッ コホッ

 

名前はラフタリアというようだ。種族を見るとラクーン種と出た。

 

「……そのラクーン種はフォックス種に比べると人気もない上にパニックと病を患っておりまして、この先も長くは生きられないでしょう」

 

「……いいじゃないか。詩織はどう思う?」

 

「尚文が良いなら私は何も言わないよ」

 

尚文に賛成した私はラフタリアを改めて見てみる。

 

(ガリガリに痩せた体に酷く怯えた様子。そして亜人でもこの子は普通の人間と変わらない……。あのクソ女を奴隷にするって考えたら尚文にとってきっとプラスになるかもね)

 

「……なら決めた。この女にする」

 

「毎度ありがとうございます」

 

今の私達……特に尚文は冷酷な目をしているだろう。こうして私達は奴隷を手にいれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……だが幼女である。




ラフタリア登場回でした。

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