君がいる理由 作:ショタシドが可愛い
目覚めたら知らない場所だわ、なんか水に浸かってるわ、目の前に知らないイケメンいるわで死ぬほど混乱している俺です。
眠る前を何度も思い出しても自宅のベッドで寝ただけだし、微睡みの中で寝過ごした!と思って飛び起きたら水の音がして知らない場所だしで。見た目はジッと周りを見渡してるだけだけど、内心驚愕しっぱなしだ。
「(取り乱しても良いぐらいだけど……なんか冷静だな、俺)」
こんなに冷静なやつだったっけ?なんて首を傾げた後、ジッとしてても仕方ないと立ち上がる。この際、隣で寝ているイケメンがしがみ付こうとしてきたのは見なかった事にしておく。後一歩遅かったら起きれなかった。
しかし横向いたら息できないんじゃないだろうか。この水、寝転がったらギリギリまであるし。そう思って見ると顔半分が水に浸かりながらも普通に息をしていた。成る程、息できる不思議水か……意味わからん。
水が張ってある何かから出て改めて周りを見渡した。日が入って来ず薄暗いが、何かの遺跡である事はわかる。それと洞窟であろうという事も。
「というか俺、裸足……パンイチとか」
まだ寝てるイケメンさんもパンイチだったがそれはそれ。パンイチな男二人が並んで寝ていたという事に鳥肌がたった。冗談じゃねぇぞ!……いや本当なんだけれど。
淵に腰掛け、はぁとため息をつくと突然腕を引っ張られた。後ろに引かれたそれに伴って身体ごと後ろへと傾く。誰だよ引っ張ったの!このまま行くと石への後頭部強打なんですけど!?いや犯人状況的に一人しかいねぇけどな!?
ヤバイ!と目を瞑ってみるが衝撃はいつまでも来ず、代わりに柔らかな……いや程よく硬いものに当たったようだ。目を開けるとあるのは肌色。この洞窟の中でもわかる真っ白な色合いな俺とは違った健康色。つまり腕だ。
「…………(おーまいがー……)」
【悲報】誰だこいつ【俺氏抱かれる】みたいなスレタイがたっても仕方がない状況だ。因みに抱かれるは純粋な方である。意味深な方だと思って釣られる方々が目に見えるな。
「(って、そうじゃない)」
この状況をなんとかしないと。
俺の頭に頬を擦り付けるイケメンの頭を押さえて、見上げる。思ったより近くに顔があって驚いて悲鳴が出そうになったがぐっと我慢して、目を見開いたイケメンと視線を合わせる。イケメンはその間にも俺を見て周りを見てを繰り返して、ずっと驚いた顔していた。いやお前も俺と状況同じか?
声を上げずともずっと驚いているイケメンの頭を撫でると、びくりと震えた後に肩の力が抜けたのがわかった。小さく息を吐く金髪碧眼に苦笑して、更に頭をひと撫でして腕を下ろす。結構この体勢はしんどいのだ。
「落ち着いたか?」
こくりと頷く。
そうかそうか、それは良かった。じゃ。
「取り敢えず離そうか?」
またもやこくりと頷き離れた。ったくパンイチの男二人が抱き合うって絵面的にも字面的にもヤバイぞ。
「(忘れよう……)」
そうしてため息を吐くと、イケメンさんは立ち上がって歩き始めた。パンイチなのは気にならないのだろうか。さっき驚いた以来ずっと無表情だが、もしかしたら内心慌ててるけど顔に出ないタイプなのかもしれない。
扉はあるけれど上下運動しかしなさそうなそれを押し上げる事は難しいだろう。けれどそんな扉に向かって歩き出すイケメン。一体何をするというのだろうか。
「(そういやあいつの耳、とんがってんな。エルフか?)」
何そのファンタジー要素。
エルフってこんな薄暗い洞窟に住んでるものなのだろうか。そんな事はないと思いたい。
立ち上がろうとしてふと何かが手に当たる。何だろうかと見ると何かの木の実だった。栗のような黄色いそれは、なんかちょっとこう言い難い臭いがするが……まぁ持っておいて損はないだろう。なんか役にたつかも……なんて。
どうやらイケメン君は謎の台へ歩いて行ったようだ。俺だけがずっとこうしているわけにもいかないので、イケメン君の側に寄って手元を見る。何か四角いものを持っていた。
「……何それ」
「シーカーストーン」
思わずといった呟きにイケメン君は返してくれた。声までイケメンか、滅べ。
“シーカーストーン”とか言うそれに指を這わせスライドする。さながらスマートフォンのようで、ちょっと薄さに欠けるのが難点だろうか。何故石で固めた。重いだろう。
イケメン君が謎な便利アイテムを手に入れた途端に扉が開いた。まるでこの時を待っていたかのように。
「行こう」
「えっ、あっちょっと」
急に手を取られて歩き出す。いやお前の事俺は知らんのに何故こうも親しげなのか。
まぁ出ない事には始まらないので、一緒に歩き出し扉を超える。先にあった宝箱の中に二人分のボロい服を見つけたので身につけて、外に出る。途中で岩壁を登らなきゃいけなかったけど、普通に登れた。ロッククライミングの経験なんてないし、そんな体力も腕力もないと思っていただけに驚く。というか元気だなこのイケメン、俺より先先行きやがって。
陽の光を浴びて目を細める。薄暗い洞窟の中から出たからか、薄手だからか太陽の光がとても暖かく感じた。
目の前を先行していたイケメン君は小走りで駆けだし、小高い丘の先へ到達する。そこから見える景色は雄大で、綺麗で自然が多くてやはり俺の知らない場所なんだなと改めて痛感した。
唯一不可解なのはあの誰が見ても禍々しい城。絶対ラスボスダンジョンだーと思いながら、そんなものがここから見えるとかどういう事だろうと首を傾げ、ふと視界の端に何かが写る。
「人だ」
イケメン君が代弁してくれた。ありがとう。これでさっきのやつは帳消しにしてやるよ。うわ俺って優しい。
そうして歩き出す。途中でイケメンは木の枝とか拾い、武器のように振り回していたがそれは無視して、焚き火のもとで休憩しているおっさんらしき所へ到着した。話しかけると彼はここでずっと暮らしているようだ。ちょっとワイルドすぎない?小屋もないけど。
何やら話した後に立ち去ろうとする彼を横目に、足元に転がっていた焼けたリンゴを指差して貰っていいか聞く。
「ふぉっふぉ、良いぞ。リンゴはまだまだあるからの」
ふーんと呟いて、ありがとう!と笑う。そうして笑った瞬間に先に行っていたはずのイケメン君がいつのまにか戻っていて、俺の手を引いて歩き出した。後ろ歩きしながらおっさんに手を振ってから前を向く。
「どうした?」
「……別に」
「別にっておま……はぁ」
思わずと言ったようにため息を吐く。別に何もないわけではないだろうに、此方を見ようともせず何処かに歩き始める。
途中で豚鼻の赤い皮膚を持った三頭身の何かが襲ってきたが、イケメン君がさっき拾っていた木の枝を頭にクリティカルヒットさせて倒してくれたので問題はなかった。ただ、その生き物?が落とした棍棒をまた振り回し始めたのにはため息が出そうだったが。
いや武器がないから危ないのはわかるが、なりふり構わないんだなぁと思う。形も大きさも違うのに同じように扱えるのは単にこいつのセンスが良いからだろうか。
しかしながらさっきの生き物、悲鳴を上げて倒れた瞬間に黒い粒子になって消えてしまった。しかも素材であろう角と牙だけを落として。
「(ゲームかよ……)」
ゲームなんだろうな。でも多分主人公たるイケメン君が誰かわからないので確信はないけれど……俺がいるのも謎だよな。
「どこ行くんだ?」
そういや目的地聞いてなかったなと問いかける。すると彼は迷わずあっちと指差した。そこには小高い丘があるだけで何もない。一つあげるとするならば、周りに先ほどの生き物が二、三匹いて、その丘の上には何か遺跡のようなものがある。石碑、みたいなものだろうか。遠くからじゃよくわからないや。
移動する間もしっかりと手を握るイケメンさん。何を思ってそうするのかはわからないが別に手を握らなくても何処かへ行ったりはしない。ここがどこかわからない今、頼りなのは一緒に寝ていたイケメンさんだけ。一緒にという事は彼と何か関係あるのかもしれない。
ま、俺としては心当たりはなさすぎるのだが。
そんなこんなでたどり着いた石碑?である。明らかに他のものとは材質が違うそれを二人で見てから、何かあるとは思えないそれに二人で首を傾げる。
「ここであってるんだよな?」
こくりと頷く彼。
スマホもといシーカーストーンの目印を見ても現在地と照らし合わせてもここだと示している。また首を傾げた。
周りを見渡してもないし、さっきの倒したら消える生き物しかいない。でも示す場所はここ……そうなれば周りを少し探索した方が良さそうだ。
まだ石碑の様なものを見ているイケメン君を置いて、丘を降りる。それから石碑を中心としてぐるっと回るとある事に気付いた。この丘は穏やかな丘ではなく、突き出した地面ということに。そしてその下、屋根のように丘が覆い被さる場所にそれはあった。
「これ……最初に目覚めたところにあった奴と一緒じゃ……?」
シーカーストーンが示していた場所はここだ!と発見できたのが嬉しくなり、慌ててイケメン君の場所へと戻る。
何か焦ったように周りを見渡す彼に手を振りながら笑顔で見つけた!と叫ぶと、こちらに気付いたイケメン君は凄い勢いで走って来て抱きついて来た。いやまて!?
「(またかっ!?)」
体勢を崩しゴロゴロと丘を二人で転がり落ちる。最終的には止まったものの、俺が下でイケメン君が上に被さるような体勢に。見た目華奢なのに割と重いイケメン君には早く退いてほしいのだが、グリグリと頭を擦り付けるそれにため息が出そうになる。
「(犬か、こいつ)あー……離れて悪かったから、落ち着こうか?な?」
頭を撫で、顔を上げたイケメン君に苦笑しながらそう言うと彼はこくりと頷いてくれた。
無口だなこいつ、と呆れていると額に柔らかい感触がしてから腕を引っ張られ立ち上がされた。一瞬のことで分からなかったが、俺の予想通りだとこいつはとんでもない行動に走ったのだが……いや、まさかな。
イケメン君を見ると彼は小さく笑い、口に指を当てた。まるで秘密だと言うようにだ。いやお前……それ秘密になってないけど。
額を押さえて、戯れもほどほどにしてほしいなと思いながら腕を引っ張る。先ほど見つけた場所へとイケメン君を誘導すると今度は抱擁。いやこいつ、無言なくせにスキンシップ激しいな!?
仕方ないとイケメン君をひっぺ返し、二人で台の前に立つ。最初にあったやつと同じだからか、難なくシーカーストーンを設置。
【シーカーストーンを確認しました。シーカータワーを起動します】
シーカータワー?
機械的な声がしたと思えばそんなことを言って来た。それに首を傾げていると周りが青く光りだす。
「なっ!?」
瞬間地鳴りが響き、足元が揺れに揺れて立っていられなくなる。仕方なく両膝と手をついて揺れをしのいでいると周りの景色が凄い勢いで変わって行った。言うなれば俺たちは上に向かっている。
収まったと思い周りを見渡せば、とても高い上空。周りに地面なんてなくて、あるのは俺たちが今いる場所だけ。突然の事に尻餅をついてしまった俺をイケメン君は起こしてくれた。さっきのとかああいうの無かったら普通の優しいイケメンなのに、何故俺に懐いているのかもわからない。まぁ俺がわからない以上こいつしかわからないんだろうけど。
【周辺情報の入手を開始します】
台からまた声が流れて、上にあった大きな石が光り出しやがて先に集まったかと思うと一筋の水滴となってシーカーストーンに降り注いだ。覗いてみると“マップ”と表示された場所の一部が青い格子状のものから地図のようなものに変わった。高低差までも記されたそれはとても正確な地図である。
まぁ言うなれば、さっきこの塔を起動したという時からあちこちで同じようなものが見えることから、この地図を完成させるにはすべての塔に回らなくてはいけないということで、明らかに階段のようなものがないこの場所を何度も登ることになる……という事だ。
……それはちょっとなぁ。
こいつに着いてこうと思ったけれど、絶対こいつは世界各地に周るだろう。まぁ世界各地ってほど遠くは周らないと思いたいけれど、一国ぐらいは周ると何故か確信できる。
そもそもさっきの倒したら消える生き物はこちらを見た瞬間に襲って来たどう猛なやつだ。あれの一種類だけじゃないだろうし、そこら中にいると考えれば結構危険な旅である。このイケメン君は木の枝で難なく倒してたけど。木の枝って凶器になるって俺、ここに来て初めて知ったわ。
「降りよう」
やる事は終わったようでイケメン君が俺の腕を引っ張ってきた。えっ、降りるの?マジで?
普通降りれないだろう!と心の中で叫びながら、塔の周りに足場がいくつかあることがわかった。それも間が結構近く、今の俺の身体能力ならばひょいっと跳べば行けなくもない。イケメン君もそんな感じで降りていき、それに慌てながらも合わせて降りる俺。
というか、どっか行こうとする度に俺の腕か手を引っ張ることになるのか?まだどこかへ行こうと思わないないんだけどな。地図もなしに知らない世界を周ろうとは思わない。
「ふぉっふぉ、只者ではないと思っておったが面白いものを見せてもらったわ」
親方!空からおっさんが!!
突き落とされそうなシチュエーションだ。ツギハギの布のようなものを広げて俺たちの側に降り立ったおっさんはふくよかなお腹を揺らしながら笑う。
ていうか、それ何。
「おっさん、その布みたいなの、何?」
「これか?パラセールと言っての、高いところから飛び降りる時に広げると飛ぶことができるんじゃ。まぁ滑空と言った方が正しいかの」
「へぇ、良いなそれ」
イケメン君もこくりと頷く。
「ふぉっふぉ、ではお宝でも見つけてくれたらあげよう」
「お宝?」
「そうじゃ。あの遺跡が見えるかの?」
そう言っておっさんが指差した方向には不思議な形をした何かが光っていた。赤色に光るそれは不気味ではあるが、どこか魅入ってしまいそうにもなる。でもちょっと嫌悪感の方が強いかな……。
「あれはこの塔が出て来たと同時に光り始めての。あぁ言う場所にはお宝が眠っているもの」
「なるほど、そのお宝と交換ってわけか」
「そういうことじゃ」
まぁ交換ではなく、見せてくれるだけで充分だがの。と笑うおっさんはそこから微動だにせず、さぁ行ってこいと指差していた。
仕方ないか、とイケメン君と歩き出す。結構近かったのでそれほど苦労せずに到着し、本日3回目となる台座にシーカーストーンを設置した。もちろん全て、イケメン君がやった。
閉じられていた扉が開き、奥に青い円が見えた。そこへ乗れと言うことなのだろう、イケメン君と共にそこへ向かって歩き出すが。
---バチッ!
「って!」
元々扉のようなものがあった場所て弾かれる。思わず尻餅をつくと慌てた様子のイケメン君が起こしてくれた。何が起こったのかわからなかったが、弾かれたわけは少し理解している。
心配そうに覗いてくるイケメン君を宥めながら立ち上がり、もう一度弾かれた場所へと近づいて手を差し出した。あと少しで越える、というところでバチリと静電気のようなものが走る。冬に金鉄製のドアノブに触れてしまって発生する静電気の比ではない、帯電する電気そのものに触れた感じだ。まぁ黄色ではなく青色なのだが、手を引っ込めて指先を見ると少し焼けていた。うん、意識したらとても痛い。
「どうやら俺は行けないみたいだな」
「……」
「んな顔するなって。俺は大丈夫、ここで待ってるからさ」
あまり表情筋は動いていないが悲痛そうな顔をしているのはわかる。全く何故そんなに懐いているのやら。
怪我していない方の手で背中を押して遺跡の中に入らせた。お前が帰ってくるまで待っとくよ、パラセール欲しいしな。
引き返して来たイケメン君にぎゅっと抱きしめられてから見送った。抱きしめるの本当にやめてほしいんだが、あの素早さには敵いっこなさそうだ。
エレベーターの様なものなのか、円だけが抜けて降りて行ったイケメン君が去った後、ため息を吐いて遺跡の縁に腰をかけた。
「…………どうなってんだ、これ」
痛みが無くなっている手を見るといつのまにか治っていた。くるくると手の平を回しても綺麗な手にしか見えなかった。
よくわからないが怪我が瞬時に治るらしい。便利な身体だな。直ぐに死ぬようなことは無さそうだ。
「ふぉっふぉ、付いて行かなかったのか?」
親方!そらからおっさs(以下略。
陽気そうに笑う彼にジト目で見ながらそうだよと肯定した。
「何故か入れなくてな。あの石持った奴しか入れないのかも」
「そうであったか……まぁ何、数分すれば戻って来るじゃろうて」
「励ましてんのか?」
「ふぉっふぉっふぉ。其方はあやつにゾッコン、というやつじゃろうからな」
「言い方!というか違うわ!」
出会って数分しか経ってないんですけど!?行く宛がないだけなんですけどー!?
何を勘違いしたのかよく分からないが、ふぉっふぉ笑うおっさんを無性に殴りたくなった。愉快そうに笑うその態度が上から目線でムカついたからなのかもしれない。まぁ何故かはわからないがムカついても殴ってはいけない、とは思うのだけれど。
俺の少ない良心に感謝しな!と心の中で中指立てながら、おっさんと駄弁る事数分。遺跡の入り口の前にある丸い円がより淡く光り出して、空から降ってきた水色の光が群をなしやがて人の形を取り始めた。イケメン君だ。
「やっとか、おっさんの話相手は疲れる」
「ふぉっふぉ。先達の有難い話は聞いておくべきじゃよ」
「おっさんっていうかお爺ちゃんだったか?頭大丈夫?話してたのほとんど俺なんだけどぉおっ!?」
おっさんへの愚痴を本人に零していると、腕を引かれてたたらを踏んだ。それを受け止めるかのようにイケメン君が抱え込み、流れるように俺を後ろに追いやった。いや、何なの。流れが強引かつ自然すぎるし、なんかこのパターン少女漫画で読んだことあるぞ。
「何、取りはせん。しかし其方、克服の証を手に入れたな?」
「……何故それを?」
この問題進研◯ミで見た!というネタを心の中で披露していると、イケメン君が声を発する。少しだけ小首を傾げているようにも見える。仕草があざとい!実にあざとい!イケメンだから許されるこれ!モテるんだろうな……こいつ。
「歳を取ると色々なものが見えて来ることもあるものじゃよ。“それ”を起動しなされ。あの塔に瞬時に移動できるようになっておるじゃろう。この儂と競争と行こう。あぁ、そのワープはその石を持った者しか移動できんから、一緒に行く場合は身体の一部にふれておけばオーケーじゃよ」
「なんか軽いな!」
パチリとウインクを軽やかに飛ばしたおっさんは塔へ向かって歩き出した。途中で振り返り、こちらに手を振る。
「塔で待っとるからのう!」
いや、競争じゃないんかい!
俺の叫び声はいつの間にか手を繋いできたイケメン君が、ワープ装置を起動させた事によって途絶えた。
というかワープって!時代錯誤過ぎませんか!?
話したの前すぎて老人の話し方忘れた……こんなんだっけ。
BLな話読みたくて、でもなぁーBLなぁー書くのなーとか思いながら書いて、ラストまで思いついてしまったのだから仕方がない。まぁこれ、BLじゃないんですけど……普通に見てもBLなんで、ボーイズラブタグ付けてます。意味がわからんね。
続きは気力次第。でも完結させたい所存。