アヴァロン城塞 作戦司令部
「murder bird 作戦空域を離脱、当基地到達まで1時間32分。」
オペレーターからの報告が入るや、司令官は自身の側に控えている主任に視線を向け、口を開いた。
「主任、第1から第8班を率いてハイエンドモデルの解析準備にかかれ。」
主任は司令官からの命令を聞き、手元の端末に素早く召集命令を打ち込んで送信するや足早に部屋から出て行くのを見届けた司令官は、椅子から立ち上がって指令室中央でコンソールを操作するオペレーターの1人に近寄る。
「オーダー35と44を実行中の第2部隊に繋いでくれ。」
「了解しました。」
司令官の言葉を聞いたオペレーターはそう言うと手元のコンソールを操作し、自らが担当する部隊に通信を繋げた。
某地区 第2部隊
『アヴァロンコントロールより第2部隊各位、現在の状況は?』
無線機からのコールを確認し、即座に接続するや司令官の声が響く。
「こちら第2部隊PzB39、作戦は極めて順調よ司令官殿。」
第2部隊狙撃要員のpzB39はそう答えつつ、自身の獲物である対物ライフルを背負い直して
手足を縛られ猿轡を口に付けられた男は喚こうとしているのか、はたまた命乞いでもしようと言うのかモゴモゴと口を動かしているが既にこの男が持っていた情報は、回収地点に向かっている間に全て絞り出している以上何の価値も無い。
「Auf Wiedersehen Boku、次は真人間になって産まれてきなさいな。」
一層もがき始めた男の頭に向けて発砲、更に胴体に三発撃ち込んだ後ポケットから前もって入手していた包み紙を取り出して男の遺体から少し離れた所に放り投げた。
銃剣に斧が交差した絵が描かれているソレ、男の所属する組織と潜在的に敵対関係にある組織が要人等を処刑する前に必ず使う気付け薬という名の麻薬が入っている包み紙を男を取り返そうとこちらに向かっているだろう血の気が多いだけの頭の悪い跳ねっ返り連中が見つけ、報復を声高に叫ぶ様とそこから引き起こされるだろう血で血を洗う争いが容易に想像でき、愉快で仕方ないとばかり口元が少しだけ緩む。
「さぁて、帰りましょうか。」
pzB39はサイドアームをポーチに仕舞い、周囲を警戒していた部隊員だとともに回収地点へと歩き出した。