super SASS F05地区より離脱
屋上から離脱後、幾度か戦闘を行っていたところで全ての救出対象を確保した旨の通信を受け取り、迎えのヘリに乗り込んだのが1時間程前の事。
ヘリに乗り込んでいたクルーの補助の元修理用キットを使って損傷箇所の修理を行い城塞へと帰還、ヘリポートに来ていた司令官に報告を済ませた後、ストレッチャーに乗せられ研究棟へ運ばれメンテナンスポッドへと入った。
主任 研究棟内の自室
「作戦成功、と言ったところだが、、、。」
今作戦のsuper SASSの戦闘データを精査する傍ら、救出対象の一体が鉄血によって何かしらの細工をされたとの報告を聞き、暫く考え込んでいたが自分如きではどうにもなるまいと結論付けると現在の解析作業へと意識を集中させる事にした。
司令官 城塞指令室
作戦完了の旨を聞き届けた後、指令室へと戻った司令官はペルシカ博士と彼女の人形への見舞い件礼の品(高級珈琲豆とジャックダニエル、その他いくつかの趣向品)を手配し、16Laboへ発送の手続きを済ませると目前の人形、ゲパードM1へと向き直った。
「色々とゴタついたが、こうしてゲーガーの件について漸く落ち着いて"内密"に話ができるようにしたわけだ、聞かせてくれるかね、その話の内容を。」
ゲパードM1
ヘリが城塞に到着する前から、彼女は鉄拳作戦とゲーガー鹵獲の報告を利用してデストロイヤーの件について話す事を考えていた。
この城塞を預かる司令官に、いずれ捕獲したデストロイヤーの事が露見するのは時間の問題、ならばいっそゲーガー鹵獲とこれまで従事した作戦の功績において辞退していた成功報酬としてデストロイヤーの身柄を、あわよくばゲーガーも手に入れんとこの場を設け、全てを告白しようとしたのだが。
「ああ、"デストロイヤーの件に関してなら何も問題は無い"、あのタイプの機体は鹵獲事例が多い故データも十二分に揃っている、君の好きにするといい。」
ゲーガーに関しても、粒子兵器の出力と制御機能が解析されれば用は無い、君さえ良ければゲーガーも預けるが?と言葉を返す司令官に、ゲパードははじめその言葉が理解できなかった。
「どう、して、、、?」
まだ話してすらいないのにその事を?と続ける前に司令官が口を開いた。
「それは、君があの暗殺任務を終了した後、デストロイヤーを鹵獲するように誘導したのは我々、正確にはこの"城塞にあるAI"がそうしたからさ。」
ゲパードは忘我した、デストロイヤーの鹵獲は誘導されていた?
城塞のAIが?
何故
どうして
「我々はこの城塞が落札されて間もない頃、城塞地下を拡張工事中、偶然発見された超古代文明の遺産、巨大な人工知能を修理し解析した後城塞に配備された全ての戦術人形の演算補助を含むあらゆる面でのサポートに利用している。」
椅子から立ち上がった司令官は呆然とするゲパードに歩み寄るとそう話し、彼女の肩に手を置いた。
「あのAIは好奇心が強くてね、君が任務を終えて帰還する直前にあの地区にデストロイヤーが潜伏しているを感知した後、独断で君を遠隔誘導して捕獲させたのさ。」
司令官は一旦ゲパードから離れ、指令室の窓辺へと向かい外を眺めながら言葉を続ける。
「我々も当初は驚いた、主任からの進言でとりあえず観察するに留める事にしたのだが、AIはデストロイヤー、正確には鉄血の使うオガスプロトコルを含む"何か"に興味があったようで、彼女を中継機に代用して驚異的な速度で膨大な量の情報の収集と解析を行おうとしたのだが。」
デストロイヤーの電脳がその過程で負荷に耐えられず破損したと話し、一旦言葉を切った。
「もうAIもデストロイヤーへの関心は低い、ゲーガーに関してはデストロイヤーの一件で相当慎重に解析させている故、まだ時間がかかるようだが、、、。」
ゲパードはただ黙って話を聞いているのを見やり、俯く彼女に今一度近寄ると今度は彼女の首にある接続端子に司令官が自身の袖口から引っ張り出したコードを差し込んだ。
「っあ、、何、を!?」
端子から電脳に流れ込んで来た強烈な電気信号に驚いたゲパードではあったが、自身の身体がピクリとも動かなくなっている事に気付いて困惑する。
「どうやら君にはこの事実を話すのは早すぎたようだ、だからこの件に関しては忘れて貰う。」
司令官がコードを引き抜き、指令室の椅子に座る。
「代わりに・・・・・"君にとって最も都合の良い話をした事にさせて貰う"よ。」
その言葉を最後に、ゲパードの意識は闇の中へと引きずり込まれた。
うほぁ、暑い、熱中症になりそうだ!