Super SASSは工場700mで停止、目標の工場南西にある緩やかな丘の上に登ると森の如く密集した大小様々な岩場に潜り込み、工場一帯を観測する
エリアマップ起動 工場とその周辺の構造物を確認 守備及び待ち伏せに最適なエリアをマーク
網膜の内に拡げられたマップと視界に収まっている工場の誤差を細かく修正、構造物やその他の障害物にマーカーを割り振り敵戦力の予測配置図を組み上げると自ら象徴たるライフルを緩く構え、備え付けられたスコープを覗き込む 引き金にはまだ指を掛けない
工場正面50m内 クリア 南東側エリア 反応無し 北西方向 敵捕捉
北西側、工場から200m程離れた平地を小さな四肢を使って歩く箱型の胴体に背負式に取り付けられた機銃という特徴的な機体 第三次世界大戦時に急速に普及した戦闘用自律人形の開発 販売を行っていた企業鉄血工業製造会社の製品の一つである小型戦闘機体 通称ダイナゲート を3機スコープに捉えたSuper SASSはすぐには撃破せず その動きを観察する
対象の移動方向は北西を背に南東へ直線移動 移動先にある工場は既に鉄血の制御下となっており対象は工場から出撃し帰還途中の警備部隊である可能性を検証 工場側からの動き無し 警備部隊の可能性は限りなく低いと判断 工場を調査及び占拠する為の偵察部隊の可能性大 ダイナゲート後方70mに動きあり アサルトライフルを装備した人形ヴェスピド1体 サブマシンガンの装備 リッパー2体 遮蔽物に隠れつつ工場へ距離を詰めているを踏まえ 対象を偵察部隊と呼称 他の反応無し 所持武装の有効射程の長い
作戦司令部
指揮官がSuper SASSが工場付近の丘から平地を移動していた敵部隊に対して攻撃を開始した事は メインモニターに映されているマップの光点とつい先程現場上空に到達したドローンからもたらされる映像から既に把握していたが 特に何かする訳でもなくただ淡々と状況の推移を見守っていた 彼にとってこの作戦は実戦テストであり 計画の一環であるのだから余程の事でも無い限りはSuper SASSに命令を送る事も無い そう彼女がどこまで<<自分で考え 判断し どの様に動くかを見るテスト>>である以上十分な結果が得られるまでに自分が彼女に対してアクションを起こすという事は どうやっても結果が芳しく無い、又は彼女が撃破され テストの続行そのもの不可能と判断された時位なものである だからこそ彼はこの計画を立案し推進する者としてただ事の成り行きを見届けるのみに徹するのだ 少なくとも《今は》
Super SASSの持つ銃に取り付けられたサプレッサーにより減音された発砲音が発せられて間もなく 胸部中心を撃ち抜かれたヴェスピドが仰け反るように倒れる様を見届ける間もなく素早く次の標的を選定 半壊した小屋とすぐ近くに放置されていた車の残骸の影に飛び込むリッパー2体は後回しにし被弾したヴェスピドの位置を中心に射手の位置を割り出し 馬鹿正直に此方に向かって来るダイナゲート3機に照準 流れるような動作で3連射 殆ど同時に3機が徹甲弾の直撃を受け弾け飛ぶ 続いて遮蔽物に隠れたリッパー2体の丁度中間位置に照準するに留める 撃たない事で射手である自分が移動したと思わせ 相手を誘い出す作戦に出たのだ Super SASS自身人形にこの手のブラフが通じるか試す程度の考えでやってみたのだが存外効果はあったようで様子を伺おうと半壊した小屋の影から顔を覗かせたリッパーに照準 発砲 顔面を撃ち抜かれたリッパーがもんどりうって倒れるのを確認 側に放置された車の残骸から未だに動かない最後の標的を捉える 標的が銃だけを出して発砲 射程の短いサブマシンガン しかも狙いも碌に付けてもいない盲撃ちにSuper SASSが怯む筈も無く 腕の位置から胴体の位置を割り出し発砲 7.62ミリ徹甲弾は錆つきボロボロの軽乗用車だった物の影に潜んでいたリッパーの胴体を正確に撃ち抜いた