403 Forbidden   作:装甲歩兵

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頑張るゾォ!


調整と改造

Super SASS

 

 

テストを済ませ、自身の研究ラボに到着したSuper SASSは身につけていた衣服を全て脱ぎ捨て、側にいた研究員の1人に手渡すと円形の台座の上に立ち、他の研究員によって手足や背中と首にコードを接続され、最後に天井から吊り下げられていた酸素マスクを被せていった。

 

「主任、接続完了しました。」

 

主任と呼ばれ、先程ウィリアムと言葉をかわしていた瘦せぎすの男はSuper SASSから全員が離れたのを確認し手元の端末を操作、彼女の立つ台座の淵から円筒状のガラスがせり上がり、やがて天井まで到達し完全に密閉される。

 

「シリンダー密閉完了、注水開始します。」

 

シリンダーを囲むように配置されたパソコンを操作する研究員の1人がシリンダーへの注水を開始する旨を伝えた直後、Super SASSの足元から黄緑色の液体がせり上がり、やがてシリンダーを満たすと内部にいる彼女は丁度地面と天井の中間まで浮き上がって止まり、子宮の中にいる胎児の如く自身の体を丸めてゆっくりと眼を閉じていった。

 

 

M1ガーランド

 

基地の一角、かつて古城を訪れる客人をもてなす為に使われていた部屋を改装し、人形達の宿舎となっている四階建て最上階の南側隅にある一室で戦術人形M1ガーランドは目を覚ますとベットから起き上がり、両腕を上げて身体を伸ばした。

彼女の体に掛けられていたシーツがずり落ち、シーツの下から顕となった豊かな乳房とそれに反して引き締まった腹部が朝日に照らされて輝く様は妖艶さよりもある種の神々しさを醸し出していた。

 

「いけない、寝過ごしちゃった。」

 

壁に掛けられた時計が午前8時に差し掛かろうとしているのを見て驚き、慌てて立ち上がろうとしてそういえば今日は急遽非番になったのだと思い出す。

すぐ側でモゾモゾと動く気配、そちらに視線を移してみると自身と同じく一糸纏わぬ姿で眠るlt BM59を扱う戦術人形、妹分であると同時に恋人でもある彼女の姿を捉え、昨夜から長時間に渡って繰り広げられた情事を思い出して下腹部と顔が熱くなって来たが今は朝で、部屋の外からは他の戦術人形達の賑やかな声が聞こえ、外からも基地職員達の声や車両の行き交う音が聞こえている。

残念だけど我慢の時と自身の感情素子をフラットにしようとしつつも普段見せないlt BM59の解かれベットに広がる艶やかな長髪と安心しきった穏やかな寝顔に胸の奥が暖かくなり、口元が緩む。

 

「せっかくの休みですし、もうちょっとだけ寝ましょう。」

 

ずり落ちたシーツを掛け直し最愛の女性を優しく抱きしめると瑞々しい唇に軽くキスを落とし、静かに目を閉じた。

 

 

 

ウィリアム アッカーソン

 

 

戦利品をトラックに乗せ、宿舎近くの倉庫へと向かっていると突如運転席側の高さ5mはある塀を飛び越えた<<何か>>が車道へと着地、トラックに並走して来るのを見たウィリアムは驚くでもなく心持ち速度を緩め、ドアの窓を全開にして並走するそれに向けて呼びかけた。

 

「ようドーラ、調子はどうだ?」

 

ドーラと呼ばれたそれ、彼が苦労して修理していた頃、競馬場で活躍していた騎手の人形が落馬事故でスクラップ送りになったと聞くや現地まで文字通り飛んで行き、人形の所有者にケースにパンパンに詰め込まれた大金とかつて極東で究極のお願いのしかたとして使われたとされる土下座を繰り出して拝み倒し、どうにか手に入れた電脳を搭載して起動させた鉄血人形の一つであるドラグーンは自身の象徴と言える二足歩行タイプの騎乗兵器を巧みに操りつつ口元に笑みを浮かべるや口を開く。

 

「旦那ぁっ、今日はえらく早いお帰りですな!」

 

ウィリアムは巡回飛行がてら鉄血の近接型人形をほぼ無傷で鹵獲した事や、前の仕事で戦場に送り届けたお客さんを回収した事等運転がてら話して聞かせ、それにドラグーンが相づちを打って答えるやり取りが倉庫まで続いた。

 

 

 

倉庫に着いてすぐ、トラックを停めると1番の戦利品であるブルートを抱え、同じく機体から降りて他の戦利品を担いだドラグーンと共に自身のコレクションが保管されている倉庫へ足を進める。

 

「お帰りなさいご主人!」

 

倉庫の屋根の上光学迷彩のローブに身を包んだ鉄血製狙撃型人形イェーガー(警察機構で特殊部隊が使用していた人形の電脳を搭載)が手を振っているのを歪む景色の中に辛うじて捉え、ウィリアムは手を振り返す。

 

「「隊長、お早いお帰りですね。」」

 

倉庫の扉の前で並び立つ大楯を持ったガード(元SPの職に就いていた人形の電脳を搭載)とヴェスピド(軍から払い下げられた旧式の電脳をアップグレードして搭載)とも軽く挨拶を交わし倉庫内へと入ると作業台にブルートを固定、厳重に保管されたケースから工具一式と電脳の一つを取り出して側で興味深げに覗き込むドラグーンを観客に作業に取り掛かった。




タグに百合要素追加しなければ、、、!

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