403 Forbidden   作:装甲歩兵

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時間がない、時間が欲しい。


進展 成果 平穏 再誕

Super SASSの研究室

 

「素晴らしい、稼働時間の割に各パーツの消耗具合は極めて少ない、それに戦闘データの最適化効率も以前よりスムーズになっている、、、。」

 

Super Sassの入っている液体の満たされたシリンダーを取り囲む様に配置された計器類を操る研究員達が忙しなく作業を進めていく中、主任の独り言が研究室に広がっていく。

1人悦に浸るが如く口元を歪め、喜色を浮かべる主任は手元の端末に視線を落とし込んだまま各種情報を読み取っていたが、自身の背後から研究室の扉が開く音と共に聞き慣れた男の声に振り返った。

 

「調整作業の進捗はどうだ?」

 

振り返った先に居た男、この城塞都市の主人にして戦術人形達の指揮官に主任は自信に満ちた表情で応えた。

 

「戦闘データの調整は順調です、Super Sassに使用した<<最新の軍用パーツ>>にも何ら問題はありません。」

 

その言葉に指揮官は「それは良かった。」と応え、シリンダーへと歩み寄る。

 

「ウィリアム君には感謝の念がたえません、彼が趣味で修理し再起動した鉄血製戦術人形の余剰機や稼働データを軍に格安で売却してくれているからこそ、軍から最新の設備やパーツが融通してもらえているのですから。」

 

もっとも、彼は私のことは嫌いみたいですがね。という言葉に特に反応することもなく、指揮官はシリンダーの中で胎児の様に身体を丸めて眠るSuper Sassを見つめていた。

彼女との出会い、低体温症作戦終盤に作戦参加した各指揮官がジュピターを鹵獲せよというグリフィン司令部の命令に従い、ジュピター周辺の敵戦力の掃討に動く中、それを支援する為に送り込んだ自身の部隊が発見したI.O.P.社の輸送機の残骸、そのキャビン内に固定されていた戦術人形用の大型ケース内に保管されていた人形、Super SASSを確保し、持ち帰った事。

グリフィンI.O.P.双方へ報告してすぐ返信が入り、彼女は少数生産された試作機であり未だ量産体制の整っていない存在である事、そのままそちらで預かって実戦データ収集して欲しいと要請され了承した事。

 

「指揮官Super SASS入隊します、これから宜しくね。」

 

挨拶に訪れた時の彼女の声と笑顔。

 

「指揮官、本日の業務内容をこちらに纏めました。」

 

副官に指名した日の事。

 

「作戦区域に入ります、指揮官ご命令を。」

 

訓練を終了し、初めて実戦部隊に編入した日の事。

 

「やりました指揮官、文句無しの完全勝利です!」

 

凄まじい勢いで成長し、多くの作戦で悉く勝利を収めた。

自身の率いる戦術人形の中でも最強の存在となったのだ。

だからこそ、指揮官は自身の計画に彼女を組み込んだのだ。

彼女こそ我が計画を実行するに相応しい存在だと、人類の未来を切り開く聖剣足り得ると。

 

 

 

 

 

M1ガーランド

 

 

二度寝から目を覚ましたガーランドは、目を覚ましたBM59と朝の口付けを交わした後、2人でシャワーを済ませて私服を身につけると、BM59を連れて少し遅い朝食を取るために共同食堂に向かっていた。

 

「ガーランド先輩、今日はいい天気ですし朝食の後は散歩なんてどうでしょう?」

 

BM59のそんな言葉にガーランドは笑顔で頷いた。

 

「それは良いですね、序でに市街地でお買い物なんてどうでしょう?」

 

ガーランドの提案にやった♪と小さくガッツポーズするBM59の可愛らしい姿に薄く微笑み、途中すれ違う職員や同僚の戦術人形と挨拶を交わしながら食堂へとたどり着いた。

 

「窓際の席で頂きましょうか。」

 

ガーランドの言葉にBM59は頷き、トレーを二つ取って一つをガーランドに手渡すと大広間と呼ぶに相応しい食堂、その中央に設置された大きなテーブルに並べられた様々な料理と共に用意された備え付けの皿を取りトレーに乗せ、前菜をトングで掴んだ。

 

 

 

 

ウィリアム アッカーソン所有の倉庫内

 

 

 

システムが起動し、流れ込んでくるデータが自らのあり方を構築していく。

今日は何日で、自分がどういう存在かであったり。

自分の新しい身体の構成と動作方法。

これから所属する組織に現在地や罰則事項、誰が敵で誰が味方か。

そして自らが従うべき存在。

 

「よし、成功だな。」

 

最初に聴覚センサーが捉えた声は、ワタシの新しい主人の声。

 

視覚センサーが起動、映り込んだのはワタしを覗き込む二つの顔。

 

「起きたっすね旦那。」

 

鉄血製人形ドラグーンの身体を与えられた、わタしの新しい同僚の一体。

 

「だな、いやぁ我ながら良い仕上がりだよホント。」

 

嬉しそうに笑う、わたしの主人。

 

 

 

 

 

 

私の

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




イベント、仕事の合間に執筆のなんと難しいことか!?





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