仮面ライダージオウ~Crossover Stories~ 作:壱肆陸
今回は変身&ちょっとだけレジェンド(?)の顔出しです。
日寺壮間 18歳
俺は日寺壮間。19歳……いや、今は18歳だった。
ついこの間、いや厳密にいえば未来なんだけど……あぁもうややこしい!
俺は大学生活を送っていた矢先、突如世界に異変が起こり、そこかしこに怪物が出現。結果として、俺は鹿の怪物に不意打ちをされ、死んだ。
と思いきや、目が覚めると一年前に戻っていた。タイムリープという奴だと思う。もう訳が分からない。
一応は色々確認した。自分の部屋は確かに一年前だったし、3年生で1㎝伸びた身長も元に戻っていた。間違いなく2018年だが、一年間の夢を見ていたとも思えない。
最初の一日は取り合えず取り乱しまくった。落ち着くまでもう一日。次の日からは開き直り、通っていた高校に行くことにした。
それから1週間が経過し、今日も高校に登校。見慣れた高校時代の友人がいる中、俺は自分の席に着く。そして、ポケットからある物を取り出した。
「そういえば、コレは結局何だろう?」
黒い、手のひらサイズの装置のような物。上にはボタンがついているが、押しても反応はない。前面には機械的なモールドが施されている。目が覚めた時、ポケットの中に入っていたものだ。少なくとも、一年前にこんな物は持っていなかったはず…
「ソウマおはよー!」
「おはよ……って、なんだ香奈か」
元気な声で俺の目の前に現れたのは、俺の幼馴染である片平香奈。
幼稚園、小学校、高校と同じで、親同士も仲が良かった間柄。俺達自身も仲はいいと思う。
「なんだとは失礼ね。って、それより聞いてよ!この間のテスト赤点とっちゃってさー。ソウマ勉強できるでしょ?教えてよ」
「別にいいけど…なんで?」
「なんでって…もう大学受験じゃん!ソウマは普通に大学入れそうだからいいけど、私はそうはいかないの!」
「大丈夫だと思うけどな…」
「そうやって無責任な…面倒くさがらずに教えてよー!今度ラーメン奢るからさ。ね?お願い!」
香奈は勉強の方はダメダメだ。しかし、運動神経はなかなか高い。小学校低学年の頃からダンスを続けており、将来はダンサーを目指している。しかし、親御さんから大学に行くように言われており、香奈は大学でダンスを続けるために勉強中。俺の知る未来が正しいなら、その結果、体育大学に合格するはずだ。
ダンス部は割と遅い時期まで3年生が引退しない。おまけに香奈は毎日可能な限りダンスの練習をしている。よくそこから大学に合格できたものだ。
その後、一日分の授業を受け、入っていた部活の練習に参加し、6時半に下校。
今日も今日とて何もなかった。一体なぜ俺は1年前に飛ばされたのだろう?それと、気になるのはあの変質者の言葉…
『君が歴史を変え、夢を叶えるんだ。我が王よ』
あの変質者がこの一件に関与している可能性は大きい。また会えたら話は早いんだけど、そう簡単には出会えるはずも…
「やぁ、また会ったね。我が王よ」
気付くと、本を持った変質者が目の前に立っていた。
「うわっ!?出たな、変質者!」
「変質者とは心外だなぁ、我が王。私の名はウィル。君を導く預言者だ」
そうか、この男もタイムスリップしてきたのか。
色々と聞きたいことはあるが…まずは何を聞けばいいんだ?えーっと…
「あ、そうだ!これどういう状況なんだよ!気づいたら過去って…お前がやったの!?」
「その通り!君の時間を戻させてもらった。君を王にするためにね」
「王?」
そういえば、さっきから“我が王”とか言ってたのが気にはなってた。
すると、変質者…じゃないウィルは、手元の本を開く。
「この本によれば、これからおよそ一年後、ある王がこの世界を支配する。あの怪物はその影響だ。その歴史を変える方法はただ一つ。それは…」
「それは?」
「あの日誕生した王の代わりに、君が王になる。それが世界を救う方法だ。同時に、君が“主人公”になる方法でもある」
俺が、主人公に…
でも待て、冷静になろう。そもそも王ってなんだ?一国ならまだしも、世界の王とか聞いたことない。
「王になれって…どうすればいいんだよ。それに未来の王って誰よ?そもそも王ってどうやって決めるの??」
「まぁまぁ、落ち着くんだ我が王。
誰かが言った、“とにかく笑って未来オレンジ”とね」
「なにそれ?」
「考えていてもしょうがない、という意味さ。明日は休日だろう?二度目の人生ということで、少し羽目を外すのはどうかな。その後コーヒーでも飲んでリラックスすれば、きっと道は見えてくるはずだよ」
「そんな適当な…ってもういないし」
瞬きするうちに、ウィルはどこかに行ってしまった。
羽目を外す…ねぇ。遊びに行こうにもカラオケは苦手だし、大体誘って迷惑に思われたら心が死ぬ。
などと考えているうちに家に着いた。
夕飯は…もう面倒だしカップ麺でいいや。
すると、LINEに通知が入った。俺は基本ネット上で会話はしない。顔が見えないと、感情が見えなくて不安だからだ。万一、言葉で人を傷つけたら…と思うと何も言えない。
そんな悩みに割って入るように、また通知が届いた。
誰かは分かっている。俺にメッセージ送ってくるのは詐欺業者かコイツくらい。
[明日、ダンスのイベントあるから、ソウマも来てね!]
[どーせまた忙しいって来ないだろうけど!(`ω´) ]
「やっぱ香奈か…部活あるって言ったじゃん」
覚えている限りでは、一年前にも同様のイベントがあった。その時は部活があって行けなかったのだが…
気まぐれにネットで検索してみる。あった、「Girls Music Festival2018」これだ。参加者は女子高生限定で、ダンスや歌、バンドなどで構成されたイベント。うちのダンス部はこれに呼ばれたのか。
羽目を外す…か……行ってみよう。そういえば、香奈のステージは一度も見たことがなかった。
「少しは気も晴れるかもだし…ね」
______________
同時刻。壮間の通う学校にて。
校門前で待っていた女子生徒のもとに、別の女子生徒が駆け寄る。
「遅いよー!」
「ごめんごめん。ちょっと部活が…剣道の大会近いから…
陸上はまだだっけ?」
「まぁね。そもそも、うちの陸上部弱いしさ~」
そんなことをしゃべりながら、2人の女子生徒は歩いて帰る。
「そういえば、この話知ってる?“赤い人攫い”」
「知ってるよ~。1年前くらいから噂されてる都市伝説で、二人組を攫っていっちゃうんでしょ?噂によれば、もう56人もいなくなってるとか…でも、私の聞いた話だと、青だったような…」
日は既に落ち、街灯の光だけが帰路を照らす。
そして、2人の後ろから奇妙な足音が聞こえてきた。ゆっくりとこっちに近づいてくるような、重い足音。
気味が悪くなった彼女たちは、後ろを見ずに走り出す。
すると、後ろの足音は突然聞こえなくなる。
ホッとして、足を止める2人。息を整え、顔を上げると……
「剣道…陸上選手……」
2人の少女は叫び声を上げる間もなく、瞬く間に姿を消した。
街灯が照らすその姿は、赤と青が歪に入り混じった異形。
その胸には「BUILD」の文字が。
「ベストマ~ッチ」
ただ一言、その不気味な声が夜道に響くのだった。
______________
ー壮間sideー
翌日。
「人、多っ!」
そのイベント会場にやってきた俺。混むだろうから早めに来たんだけど…既に結構な人数が集まっている。
すると、そこに香奈たちダンス部も到着した。
「あれ?ソウマがいる!なんで!?」
「なんでって…呼んだのお前だろ。部活サボってきたの」
「へー、なんか以外。でも、嬉しいな」
そう言って笑う香奈。ちょっと可愛い。
まぁ、元から美少女といって差し支えない程度には可愛いが…幼馴染だしなんともなぁ。
香奈はそのまま会場の控室に向かっていった。
さて、イベント開始は昼からだし、まだ大分時間があるけど……
「人いっぱいいるね~緊張する~?」
「別に。あたしたちは…」
「“いつも通り”だろ?」
「それじゃあみんな!はりきって行くよ~!えいえい…」
「それはちょっと早いんじゃないかな…?」
そんな会話をしながら、女の子5人組がすれ違う。楽器を持ってたし、多分イベントの参加者だろう。女の子にしてはやたらイケメンなのが2人ほどいたような…
それから数時間後。
なんとか割といい場所を取れた。ステージは野外。司会の開会宣言も終わり、パフォーマンスが始まる。香奈の出番は最初だ。
紹介が入り、香奈たちダンス部がステージに上がる。なんか俺まで緊張してきた。
当の香奈は…すごい緊張してるな。大丈夫だろうか。
そんな中、ダンス部のメンバーは所定の位置に並びだした。
そして、音楽が始まり、香奈が体を動かし始める。
そこから先は、圧巻だった。
観客がその踊りに魅了され、盛り上がる中、俺は何も言葉が出てこない。
分かっていた。アイツは昔からそうだ。本気で優しく、正直。
目標に向けて一直線で、躊躇いがない。当然のように努力を続け、結果が出ないからと言って凹みもしない。ただ次を考えるような奴だった。人の評価を気にせず、ただ前を向くような奴だった。
それを何度も繰り替えし、こんな大きなイベントに呼ばれるまでに成長した。
やっと気づいた、俺はわざと香奈のステージを避けてた。
香奈は俺の憧れた主人公に近しい存在だ。身近だから、ずっと一緒だったから、認めたくはなかった。
こんな姿を見てしまうと、自分がひどく情けなく思えてしまう。
分かる、この感情は“嫉妬”だ。
俺が望んでいたものは全部、自分から取りに行かなければ手に入らないものだ。それを俺は、周りのせいにした。社会のせいにした。それで自分の愚かさを隠したつもりになっていた。
俺の中で心のメッキがはがれていく。
俺は主人公から、憧れから最も遠い存在になっていた。
ダンスが2番に差し掛かる。
やめろ。もう見たくない、俺は……
その時、突如として音楽が止んだ。
会場がパニックになる。司会が慌てて確認するために舞台裏に戻ろうとする。
俺はなんとなく上を向いた。
すると、そこにあったのは落下してくる何か。赤…いや、青い石?いや、人?
違う。あれは……
「ダンサー…ダンサー……ダレダ……!」
怪物だ。
右腕と左足は赤、左腕と右足は青で、赤い右足にはバネのようなものが装備されている。
胸は赤青の2カラーで、文字が書いてある。片目ずつ赤青と色が違うバイザーの奥には、しっかり目が見え、鋭い牙を生え揃えた口を露出させている。あれは間違いない。俺が死ぬ直前、世界を侵食した怪物に似ている。
何だよこれは…こんなの、1年前には起きなかったはず!?
音楽が止まった時とは比較にならないパニック状態。観客は蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
ただ、怪物が降り立ったのはステージ上。つまり、香奈のいるステージ。
香奈たちは逃げようとするが、ダンス部の一年生の一人が、恐怖のあまり全く動けないでいる。
香奈はその子を守るように、怪物の前に立ちふさがった。
「オマエガ…ダンサー…」
ジリジリと怪物が近づいていく。
オイ、何してんだよ。早く逃げろよ!そんな人の事を気にしてる場合かよ!!
怪物は俺に気づいてない。助けに行くなら今しかない。だが…
あの時と同じだ。恐怖で足が動かない。また、俺は何もできない。
仕方ないんだ。俺が行ったところで、何も変わらない。助けることなんてできない。
俺は主人公でも何でもない。それなら……
俺の足が後ろに下がる。怪物は香奈に近づく。
その時、俺の脳裏にある記憶がよぎった。
それは幼少期の記憶、そして、これから少し未来の記憶。俺はずっと見てきた。アイツが雨の日も、雪の日も、毎日努力を重ねる姿を。
香奈が死ぬ?おかしいだろ。
努力したアイツが死んで、俺が生き残る?なんだよそれ。
アイツはこれからも努力して、夢を繋ぐんだ。だから…こんなとこで終わっていいはずがないんだ!!
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
近くのパイプ椅子を掴み、俺は何も考えずに走り出した。
そこには善意なんてなかった。もっとシンプルな感情が、俺を突き動かした。
パイプ椅子が怪物の頭部を強打。
だが、全く効いている様子はなく、怪物は造作もなく俺を片腕で弾き飛ばした。
「ソウマ!?」
香奈が俺を気にしているうちに、怪物が近づいてくる。
俺は立ち上がり、怪物に突っ込んでいく。
「早く…早く逃げて!!」
立ち上がれなかった一年生の子は、他の部員に連れられてなんとか逃げた。
でも、香奈は逃げだそうとしない。
「なんで…!」
「嫌だよ!ソウマを置いていけない!!」
「俺の事なんか気にすんな!お前は…報われなきゃいけないんだ!
お前は凄いやつなんだよ、努力のできない俺なんかより、何倍も!!本当に優しい人が救われて、努力した人が幸せになるべきだろ!?だから……香奈をここで死なせない!!」
抵抗虚しく、またしても俺は怪物に吹っ飛ばされた。
あぁ…俺何やってんだよ。やっぱり何もできず犬死にすんのか、カッコ悪い。
ていうか何だよコイツ、どんなパワーしてんだ、反則だ。
今、切に願う。
力が欲しい。主人公とかヒーローとか、そんなのはどうでもいい。
世界なんか守らなくたっていい。生きるべき人が生きる、その当然の権利を守れるだけの力が欲しい。
今、香奈を守れるだけの力が……!
「再び祝おう。おめでとう、我が王よ」
怪物が突如として吹き飛ばされる。
聞き覚えのある声が聞こえたかと思うと、そこに悠然と立つウィルの姿が。
それと同時に、俺のポケットの中が光り輝く。
ポケットに入っていたのは、あの謎の黒い装置。俺がソレを手に取ると、装置は変化し始めた。
正面に時計の針を思わせるようなエフェクトが現れ、一回転。すると、黒かった装置に白いカバーのようなものが現れ、模様が刻まれた。これは…時計か?文字盤にあたる場所には、「カメン」と「2018」の文字が。
「さぁ、選ぶといい。君は力を得る権利を手に入れた。
このまま何者にもなれず朽ちるか、王の覇道を進むか……」
ウィルは俺の前に跪き、別の装置を取り出した。
それは少し大きめの装置で、正面にはディスプレイがついており、これも時計に見える。
そして不思議なことに、俺はこの装置の使い方を知っている。
「王とかはよく分からない。でも…今、俺の力で戦えるなら…!」
俺はその装置───“ジクウドライバー”を手に取り、腰に装着。ベルトが展開し、自動的に腰に巻きつく。そして“ライドウォッチ”のカバーパーツを回転させ、上部のスイッチを押す。
《ジオウ!》
ライドウォッチを起動させ、ジクウドライバーの右側に装填。俺の背後にいくつも重なった時計が現れる。
さらに、ドライバーの上部スイッチを押し、ロックを解除。ドライバーが傾く。
俺は左腕を前に持ってきて、構えを取る。そして、心に浮かんだこの言葉を叫んだ!
「変身!!」
左腕でロックの外れたドライバーを一回転。その瞬間、背後の時計の針が止まり、10時10分を示すような位置に。時計のベルト部分のようなサークルが俺を中心に回転。背後の時計は「ライダー」の文字を刻む。
《ライダータイム!仮面ライダー!ジオウ!!》
俺の体にアーマーが現れる。胸から胴の中央を時計のベルトが走り、全体的に黒いボディ。時計の「ライダー」の文字は、俺の顔に刻まれた。
ドライバーに表示されるのは「ZI-O」、そして「2018」。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろ示す時の王者!
その名も仮面ライダージオウ!まさに生誕の瞬間である!!」
「ソウマが…変わった…?」
ウィルと香奈がなんか言ってるけど、俺の耳には入らない。
集中しているとかそんなのではない。普通にパニクっていた。
「うわぁぁぁぁ!!なんだこれぇぇぇぇ!?」
なんとなく勢いでやっちゃったけど、ナニコレぇぇぇぇ!!??え、どうなってんの!?変身って何!!?
「カメン…ライダー……!」
怪物がなんか言いながら襲い掛かってきた。パンチをモロに喰らう俺。
「痛ってぇ…ってあれ、痛いけど…そんなに痛くない」
襲ってくる怪物の攻撃を躱し、試しにキックで反撃してみる。
「ハァっ!!」
「グアァァ!!」
キックを受けた怪物は体を抑えて悶える。間違いなく効いている。これなら…イケる!
「この力があれば…そうだ。俺が…やるしかない!」
「ウォォォォォ!!」
叫びながら怪物が突っ込んでくる。俺はその攻撃を捌き、パンチ。間髪入れずにもう一撃。最後にキックをお見舞いする。
妙だ。運動は得意じゃなかったはずなのに、動き方が頭に流れこんでくる。そんで、その通りに体が動く!
「ベスト…マ~ッチ!」
怪物は2つの小さな物体を取り出し、宙に放り投げる。そして、それらは怪物の口の中に。
すると怪物は腰のバックル部分のレバーを回した。
《陸上選手…、剣道…、ベストマ~ッチ…》
構わず攻撃をすると、一瞬で怪物の姿が消えた。
と思ったら、今度は俺の体に鋭い痛みが走る。殴られた痛みじゃない。これは…
「なるほど。用心するんだ我が王よ。彼は取り込んだ人間の能力を使うことができるらしい」
見ると、怪物の手には光る竹刀が握られていた。さらに目を離した隙に、一瞬で接近してくる。
取り込んだ人間とかよくわかんないけど、なんか厄介なのはよく分かった。せめてこっちにも武器があれば…
そんな考えに呼応したように、ドライバーから「ケン」という文字が現れ、形になる。
それは文字通り「剣」。「ケン」と書いてある「剣」である。
《ケン!》
「名は体を表す…ってか?」
高速移動を続ける怪物。だが、こっちに攻撃するときは接近してくるはず。タイミングを見計らって……今だ!
「せやッ!!」
怪物の剣撃が俺に届く前に、この剣──ジカンギレードで、怪物を斬り付ける。怯んだ隙にもう一発。もう高速移動の余裕は与えない!
だが、そう簡単には事は運ばない。
《DJ…、ジャグリング…、ベストマ~ッチ》
怪物を中心に爆音が鳴り響く。言葉で形容できない音量だ。足元の床にヒビが入っていると言えば分かるだろうか。とても近くにはいられない。
俺はいったん距離を取る。だが、それを見計らっていたかのように、怪物は自分の周りにボールやボウリングのピンみたいなの、あとリング状のエネルギー弾を作り出し、俺に放った。当たったところから爆発する。そこまでじゃないが、地味に痛い。
「ジャグリングって、そんなのじゃない気が…」
そんなこと言ってる場合ではない。近距離しか攻撃手段がない俺にとって、万事休す。銃とかあればなぁ…でも、そうは上手くいくわけが…
《ジュウ!》
ジカンギレードが変形。ケンって書いてある部分が「ジュウ」に変わり、銃の形に。
「なんか上手く行きすぎな気もするけど…まぁいいや!」
トリガーを引き、とりあえず乱射。めちゃくちゃ銃弾が発射される。
まずは攻撃を全て撃ち落とし、銃弾は怪物に炸裂。音が止んだ。
今がチャンス。一気に決める方法も、頭に浮かんできた。
ドライバーにセットされたウォッチのスイッチを押し、ドライバーのロックを解除。
《フィニッシュタイム!》
変身した時と同じように、ドライバーを一回転。時計台の鐘のような音が鳴り、俺の足にエネルギーが満ちていく。
すると、怪物の周りを囲うように、ピンク色の「キック」の文字がいくつも現れ、怪物の退路を塞いだ。
俺が飛び上がると、「キック」の文字は重なっていく。一つとなった「キック」は怪物を迎撃し、隙を生み出し、キックの構えを取った俺の足裏に刻まれる。
《タイムブレーク!!》
顔の文字、そして足裏の文字が順に「ライダーキック」と輝く!
「おりゃぁぁぁぁぁ!!」
「グワァァァァァッ!!」
必殺キックは怪物の胸部に突き刺さり、吹っ飛ばす。
飛んで行った怪物は断末魔を上げ、爆散するのだった。
「おめでとう!君の勝利だ」
「俺が…倒したのか…?あの怪物を……」
そう、忘れもしないこの日。
この瞬間から、俺の王への道は始まった──!
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「かくして、仮面ライダージオウとなった我が王は、その覇道を進み始める。
しかし、彼の覇道の先は、まだ閉ざされたまま。その鍵は…失われた過去にある」
夕焼けの空の下、赤く染まった太陽を背中に、赤と青の戦士が佇む。
NEXT>>2017
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次回予告
「羽沢珈琲店…?」
「羽沢つぐみです。よろしければ、少し寄っていきませんか?」
怪物を倒した壮間。次に待っていたのは、始まりの邂逅。
「ミツケタ……!」
「お前、倒したはずじゃ!?」
何度も蘇る怪物。迫る悲劇。
「時を越え、全ての力を手にする。それこそが時の王者」
「この人もだ、なんでそうやって…」
歴史を変えるため、タイムスリップ再び!?
そして出会う、最初のレジェンド!
「俺は仮面ライダービルド。そこで見てな、未来人君」
次回、「アフターグロウ2018」
「さぁ、実験を始めようか」
はい、という訳です。とりあえずオリキャラだけの回は終わりで一安心。変身もできたし。
次回からはビルド編。クロス先はもうお分かりでしょう。
感想、評価などお待ちしております!
今回の名言
「とにかく笑って未来オレンジ」
「エレメントハンター」より、レン・カラス。