仮面ライダージオウ~Crossover Stories~   作:壱肆陸

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146です。追試終わ…ってはないけど書きました。
ビルド編ラストです。まずはあらすじコントからどうぞ。

あ、最後グロ注意です。本当に最後読まなくてもいいので。


さよならムーンサルト

天介「天才科学者、羽沢天介は!仮面ライダービルドとなって日々スマッシュと戦っていた。そんな中現れた未来人の日寺壮間。戦う理由を見出した彼に、俺は仮面ライダービルドの力を託すのだった!」

 

壮間「俺は王になる!王になれば、誰がなんと言おうが俺が主人公だ!」

 

天介「すっごいエゴなのはもうこの際いいとして、王になってどうすんの?色々大変よ?政治とか分かんの?」

 

壮間「いや…それはアレですよ、比例代表制とか官房長官とかあと…」

 

天介「助手君、さては社会苦手だろ?どーしよっかなー、頭悪い奴にビルドを託すのもなー」

 

壮間「今このタイミングでやめてくださいよ!?もうホラ、アナザービルドそこ来てますし!それじゃビルド編ラストどうぞ!」

 

 

 

__________________

 

 

 

「「勝利の法則は決まった!」」

 

 

 

咆哮するアナザービルドに対する、2人の戦士の勝利宣言。アナザービルドにそれを理解するだけの理性があったのかは分からないが、それを聞くや否やジオウに飛び掛かる。

 

相対するは、仮面ライダージオウ ビルドアーマー。飛び掛かってくるアナザービルドに、右手のドリル武器「ドリルクラッシャークラッシャー」で反撃。

 

 

「グガァ!」

 

 

更に左足でアナザービルドに蹴撃を叩き込む。ビルドアーマーの肩部「タンクサイド」で威力が跳ね上がっているため、アナザービルドの体は軽々と吹っ飛び、壁にクレーターを作った。

 

 

「凄い…これがビルドの力!それならジャンプも!」

「あ、おい。ちょっと待て!」

 

 

ラビットタンクの跳躍力も継いでいるのでは?と思い、ジオウは吹っ飛んだアナザービルドに向かってジャンプ。

 

が、勢い余って天井に激突。無様な声を出して格好悪く落下した。

 

 

「痛い……」

 

「あちゃー…まぁ、調子に乗んなってことだ。ビルドの力だからな、ちゃんと考えて使え」

 

 

その隙にアナザービルドが体制を戻す。攻撃に備えるジオウだが、どうやら様子がおかしい。

アナザービルドは警戒している。この数回の攻防で、アナザービルドの方が劣っていることに気付いたようだ。

 

アナザービルドは背中を向け、階段で下の階に逃亡した。

 

 

「あ、待て!天介さんはそこに!」

 

 

 

 

 

「おい、上で何が起こってるんだ?まさか四谷、ここに仮面ライダーを入れたのか!?」

 

「ふざけんな!何やってんだあの無能!」

 

「いいから早く逃げるぞ!このままじゃ俺達まで!」

 

「上で戦ってるのにどこに逃げろってんだ!」

 

 

作戦前、余裕そうに話していた研究員2人が、防護服を着たまま大慌てで右往左往している。他の研究員たちも動揺しており、この地下フロアは大パニックに陥っていた。

 

そして、そこに現れるのは、上階から逃げてきたアナザービルド。

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!!なんだコイツ、スマッシュか!?」

「やめろ押すな!あ…あぁ……来るな…来るなぁぁあぁぁッ!!」

 

 

アナザービルドは朧げな記憶を辿る。

この研究所で自分への陰口と共に聞こえてきた、彼らの自慢話。そして、その才能への嫉妬を。

 

 

「オマエタチノサイノウ…ヨコセ…」

 

 

2人の研究員にアナザービルドはエンプティボトルを向ける。

身体は瞬時に粒子へと分解され、その断末魔と共にボトルへと吸い込まれていった。

 

 

「はぁっ!」

 

 

そこに追ってきたジオウが乱入。しかし、ボトルは完成してしまっている。

アナザービルドは2本のボトルを口に投げ入れ、ドライバーのレバーを回した。

 

 

《水泳選手…、弓道…、ベストマ~ッチ…!》

 

 

能力の発動を警戒したジオウは、即座にドリルクラッシャークラッシャーで攻撃を仕掛ける。しかしその瞬間、アナザービルドの体が消失した。

 

 

「えっ!?」

 

 

と思いきや、今度は背後に現れ、手元に生成した弓で矢を発射。ジオウに攻撃が突き刺さる。

 

振り返ると、またしても姿が消えた。しかし、今度はそのカラクリを確認できた。

 

 

(今アイツ、地面に潜った。水泳選手ってそういうことか!)

 

 

そう、アナザービルドの得た能力は弓矢の射出能力と、地中を泳ぐ能力。死角に現れ遠距離攻撃し、瞬時に消えるヒットアンドアウェイ戦法を可能にする、非常に厄介な組み合わせだ。

 

 

なんて考えているうちにも攻撃を受け続けるジオウ。一発は軽いが、そう何度も喰らってはいられない。

 

 

「クッソ…一体どうすれば!」

 

「我が王、随分と苦戦しているじゃないか」

 

 

そんな時、この地下フロアにウィルが現れる。攻撃を喰らわないよう、少し離れて安全エリアにいるのがちょっと腹立つが。

 

 

「ライダーの力を受け継ぐ…その意味がまだよく分かっていないようだね。

そんな君にこの言葉を贈ろう。“たまたま勝つな。勝つべくして勝て”」

 

「勝つべくして…?それは一体…うおっ!」

 

 

また背後から一発喰らった。ジオウはとにかく思考を落ち着かせる。

さっきのはどういう意味だ?たまたま勝つなって?考えろ!

 

その時、さっきの天介の言葉が脳裏によぎる。

 

 

『ちゃんと考えて使え』

 

「そうだ…考えるんだ、俺!さっき言ったじゃないか、勝利の法則って!」

 

 

そう。仮面ライダービルドは“智”の戦士。

 

状況を俯瞰し、問題解決に向けて思考する。そして得られるのは、撃破までの道筋。その白星を当然のものに変える“勝利の法則”。

 

それこそが、ビルドの真の力。

 

 

(考えろ!まだ攻撃は受けられる。まず地面に潜られないのが絶対条件。アイツが沈んでから出てくるまで5秒前後、遠くには行かない。地上に出てきて撃って戻るまで2秒弱。そんで俺の死角に出てくるってことは、逆に出てくる場所は予想できる。でも瞬発力の調整が…いやそうか、それなら…)

 

 

 

考えること十数秒。今のジオウの頭には、その道筋がクッキリと見えている。今この瞬間に、“勝利の法則は決まった”。

 

 

矢の攻撃を喰らい、カウントを始める。今の自分の座標を踏まえ、わざと分かりやすい死角を作る。当然、奴はそこに食らいつく。

 

 

「そこだ!」

 

 

ラビットの聴覚で、予想した場所の近くにアナザービルドが出現したのを確認。瞬時に床を蹴って距離を詰めるが、細かい場所を確認できなかったため、向かう先がズレてしまう。

 

それを見て不気味に笑うアナザービルド。

 

しかし、そこまでが想定内だった。

 

 

「はぁっ!」

 

 

過剰なジャンプ力は壁にまで届く。ジオウはその前に空中で一回転し、壁を足場にして反射するように方向転換。相手が水泳を使うなら、こちらも水泳。いわゆるクイックターンのモーションだ。

 

そのままジオウは突っ込んでいき、弓矢を構えて空中で待ち構えていたアナザービルドにドリルが突き刺さった。

 

 

「グアァッ!!」

 

 

アナザービルドの体が空中で放物線を描く。

そして空中にいる今なら、()()()()()()()()

 

 

《フィニッシュタイム!》

《ビルド!》

 

 

ジオウ、ビルドの順でウォッチのボタンを押し、必殺技待機状態に。

ビルドアーマーの能力で空間に数式が具現化、ただし円の公式だったり波の位置を求める式だったりと、高校レベルの数式ではあるが。

 

 

「あれ、なんか違う?まぁいいや」

 

 

さらに、アナザービルドの真下を原点とし、x軸とy軸の平面グラフが出現。そこに描かれているのはx軸y軸両方に漸近する分数関数。

 

ジオウは具現化されたグラフに飛び乗り、分数関数をレールのように滑り、なぞりながら重力に逆らって昇る。

 

そして、グラフによって空中に固定されたアナザービルドに到達。そのまま推進力は止まらず、ドリルクラッシャークラッシャーでアナザービルドを押し上げていき、天井までも貫いていく。

 

地面に垂直に伸びる漸近線は、ついに研究所の屋根をも突き抜けた。

 

 

「ハァッ!」

 

 

外の世界に出たところでグラフは途切れ、アナザービルドが放り出された。

太陽は半分ほど沈み、雲一つないオレンジ色の空が広がる。

 

グラフから外れたタイミングを見計らい、ジクウドライバーを一回転。

 

地平線に消えゆく太陽を背に、ジオウはドリルクラッシャークラッシャーを構え、その右腕をアナザービルドに突き出した!

 

 

「貴方は今までの俺と同じだ。だから……

俺は…貴方を越えて行く!」

 

《ボルテックタイムブレーク!!》

 

 

渦巻く光刃がアナザービルドの装甲を抉り、体を貫く。

火花を散らして地面に落下し、理性の消え失せた叫び声と共にその体は爆散した。

 

元の姿に戻った四谷西哉は気を失っている。

そして、それと同時に排出されたアナザーウォッチは、木端微塵に崩れ落ちたのだった。

 

 

 

 

____________

 

 

 

アナザービルドを倒し、全ての戦いが終わった。

天介も地上に戻り、太陽が沈むさまを笑って眺めている。

 

 

「これで助手君の目的は達成。アナザービルドに蘭たちが襲われる未来も変わったはずだ」

 

「ですけど……」

 

「だったら早く行け。

王になるんだろ?だったら、こんな所に留まっている暇なんてない」

 

 

天介の言う通り、当初の目的も果たし、ビルドの力も手に入れた。もう2017年にいる意味はない。ただ…少し名残惜しいというのも事実だ。

 

そんな壮間の心とは裏腹に、タイムマジーンが自動操縦で降りてくる。これはウィルの仕業だろうか。何にせよ、早く戻れということだろう。

 

 

「迎えが来たみたいだな。それじゃ最後に

お前が王様を目指すのは勝手だ。でも、これだけは忘れるな。

理不尽な悪から、人々の自由を守る戦士。それが“仮面ライダー”だ」

 

「はい。……この時代で貴方に出会えて、本当によかった」

 

 

タイムマジーンの入り口ハッチが開き、壮間はそこに足をかける。

 

 

「壮間!」

 

 

その時、天介の口からこの言葉が溢れる。

 

 

「……つぐみを。アイツらをよろしくな」

 

 

その言葉を聞き届けると、ハッチが閉まった。

タイムマジーンが飛び立ち、2018年へのトンネルの中へと消えていく。

 

 

「さよならだ」

 

 

それが、正真正銘最後の…別れの言葉だった。

 

 

 

 

___________

 

 

 

2018

 

 

壮間は2018年に帰還。時間的には、2017年に飛び立った直後に戻ってきたのだが、白いアナザービルドによる破壊の痕は見る影もない。

 

そして、壮間には一つ気になっていたことがあった。

スマッシュ騒動といい、ビルドといい、結構近所であるはずなのに壮間は全く知らなかったということだ。

 

 

「時系列的には一昨年…じゃない去年のことなのに…」

 

 

そして、それは歴史を変えた今でもそうだ。インターネットで検索しても、不自然なくらいビルドの情報は出ない。戦いの場になった研究所にも行ったが、ごく普通の研究施設だった。それも、何年も前から。

 

 

そんなことを考えているうちに、目の前に見覚えのある店構えがそびえ立つ。

天介の最後の一言が気になり、つい足を運んでしまった。

 

そう、羽沢珈琲店だ。

 

 

「いらっしゃいませ!」

 

 

扉を開けると、珈琲の香りよりも先に彼女の挨拶が耳に届く。

羽沢つぐみだ。そして、奥にはAfterglowの皆も揃っている。当然、美竹蘭も。

 

 

「よかった…ちゃんと、変えられた」

 

「どうかされました?」

 

「いや、なんでも…」

 

 

壮間はこのやり取りに少し違和感を感じる。

そこまで深い関りは無かったのだが、それでも気になってしまう。まるで、初対面の相手に対する態度だということに。

 

気になりはしたが、とりあえず席に座る。

そして、気になっていた事をつぐみに尋ねた。

 

 

「天介さん、元気ですか?」

 

 

時を越えたといっても一年。ここに来れば、羽沢天介にも出会えるはず。そう壮間は考えていた。

 

しかし、つぐみから帰ってきた言葉は予想もしてないものだった。

 

 

「すいません…どなたの話ですか?」

 

「え……?」

 

 

その反応は、紛れもなく天介を知らない反応だった。

その時、壮間は気付いてしまった。この時代では“仮面ライダービルド”が存在した歴史が消えてしまっている。

 

いや、敵勢力も騒動も全部。あの物語自体が無かったことになっている。

 

原因はウォッチを継承したから?アナザービルドを倒したから?

詳しいことは分からない。

 

恐らく、天介が記憶を失うプロセスに敵が絡んでいたんだろう。その敵まで歴史から消えたため、天介は記憶を失わず、羽沢家に引き取られることは無くなった。

 

 

(俺が力を受け継いだから、天介さんは…あんなに大切だって言ってた人達に出会えなかった。そんなのって……)

 

 

「あの…お客様?」

 

 

つぐみに声をかけられ、壮間は我に返る。

彼女の顔を見ているうちに、少し考えてしまう。血は繋がってないのだから、やはり似ていない。それでも……

 

いや、違う。天介は分かっていた。こうして忘れられることも、忘れることも。傍にいられないことも。だから最後に、壮間に託したんだ。

 

 

「託されるには、ちょっと重いですよ…」

 

「…?」

 

「い…いや、なんでもないです。

来たばかりでこれ言うのも変ですけど、今言っておきたくて…」

 

 

お盆を持って困惑顔をするつぐみに、壮間は少し深呼吸して言った。

 

 

「また来てもいいですか?つぐみさん」

 

 

名前を知られていることには驚いてなさそうだが、やはり困惑している。よく分からない様子でお辞儀をし、Afterglowの皆の方へ行ってしまった。

 

2017年で、消えた物語の中で、色々な事を教えてもらった。

だから壮間も変わらなければいけない。これは、その一歩目。

 

 

(女子に名前呼びキッツ……)

 

 

内心死ぬほど恥ずかしがってはいるが。

 

 

 

 

 

 

珈琲を飲み、壮間は店を出た。

そこには、嫌というほど見た顔が立っていた。

 

 

「あれ?ソウマ。なんで?」

 

「香奈……」

 

 

会いに行くのが怖かった。救えてなかったらと思うと、どうしても。

分かってはいた。それでも、彼女が目の前に変わらずいるということが、たまらなく嬉しい。

 

 

「香奈!」

 

 

つい感情的になってしまい、壮間は香奈へ駆け寄り、そのまま──

 

抱きつこうとしたところを華麗に避けられ、壮間は顔から地面に激突した。

 

 

「何やってんの!キモイよ!?」

 

「あ、そっか…こっちもあの戦い覚えてないのか」

 

 

危うく変質者になる所だった。いや、もう十分目立ってはいるが。

 

 

「いや…そうか、やっぱ俺のいつも通りはこうだよな」

 

「なんで笑ってんの?受験勉強でおかしくなっちゃった!?

おーい!ソウマ?聞いてる?」

 

 

壮間の顔の前で腕をブンブン振る香奈を見て、また笑いが止まらない。

そんなやり取りを楽しそうに重ねる2人の後ろで、一人の男が羽沢珈琲店の前を横切った。

 

 

その男は少しクセのある髪型で、左右別の靴を履いており──

 

 

 

誰も覚えていない、あの約束。

 

それが果たされる日はきっと、「おかえり」の一言と共に。

 

 

 

 

____________

 

 

 

「かくして、我が王は仮面ライダービルドの力を手に入れた。しかし、これは大いなる覇道の一歩目に過ぎません。次なる物語との出会い。そして、新たな来訪者はすぐそこに……」

 

 

暗闇の中、赤い装甲と黄色い複眼が輝く。

顔に刻まれたその文字は──「らいだー」。

 

 

 

そして、次なる物語のページが開く。

 

 

ヨーロッパの雰囲気を感じさせる街並み。木組みの家と石畳、そして賑やかな人々。

一匹のウサギが河川敷に飛び出し、そこで寝ていた男の顔にチョコンと座る。

 

男はウサギを顔から下ろし、そっと膝上に乗せると体を起こした。

 

警察の制服を着崩したその男は、大きくあくびをし、白いアメを口に放って呟いた。

 

 

「今日も平和だ…」

 

 

 

NEXT>>2014

 

 

 

____________

 

 

次回予告

 

「「木組みの街!?」」

「歓迎しますよ。ですが、十分にお気を付けて」

 

壮間&香奈は木組みの街へ!しかし…?

 

「仮面ライダーは悪の象徴。人類の敵だ」

「俺は仮面ライダーゲイツ。全てのライダーは…俺が倒す!」

 

2068年から襲来、仮面ライダーゲイツ!そして次なるレジェンドは!

 

「Start my engine!トップギアで行くぜ!」

「ドライブ…車の仮面ライダー!?」

 

この男、刑事で…

 

「嘘つかないでください」

 

この男、交番勤務で仮面ライダー!

 

 

次回、ラビットハウス2068

 

 

「ひとっ走り付き合えよ!」

 

 

 




ビルド編決着+エピローグでした。バンドリ勢は多分準レギュラーポジになると思います。
歴史改変の仕組みとか色々ツッコミどころはありますが、把握できる限りは補完計画で順次説明していきますので…

そんで、次のクロスオーバーは…もう先人様がやってるとか気にしない!ごちうさ×ドライブです!性懲りもなくまた日常系です!エグゼイド?知らんな。

感想、評価等よろしくお願いします!


今回の名言
「たまたま勝つな。勝つべくして勝ち獲れ」
「BLUE LOCK」より、絵心甚八。














































































「あぁ、まだ見てるのか。
そうだな…折角だ、少し見て行ってくれないか」

黒いジャケットを着た翠眼の男__あの時、蘭の前に現れた青年は、片手をポケットに突っ込み、右手でライドウォッチをお手玉のように遊ばせる。

龍のライダーやワニのライダー…全部で五つのライドウォッチが宙で回っている。


「贋作に有終の美なんて要らない。クソみたいな理不尽に塗りつぶされ、意味もなく消えてしまえばいい」


青年の前には、吊るされた体が。
脚を切り落とされ、血が床に滴り落ちる。顔が潰され、誰なのかも分からない。

そこにある意味すら失った、残酷なアート。



「そうだ…この作品のタイトルは__“蛇足”」



青年は死体の傷に指を入れ、血の赤色でその文字を壁に描く。


fin.




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