仮面ライダージオウ~Crossover Stories~   作:壱肆陸

26 / 112
自動車学校に通い、ドライブへの理解を深めた146です。ドライブ面白いっすね。見返すつもりがかなり見てました。そのせいで遅くなったんですけどね、はい。

仮面ライダー絶許のゲイツと、今回もまた迷うジオウ。そんで木組みの街フリーズ&アナザードライブです。どうぞ。


彼らの時間はなぜ止まったのか

「全てのライダーは…俺が倒す!」

 

 

壮間の目の前には赤い装甲の戦士、仮面ライダーゲイツ。周囲は時間が止まったような空間。壮間は今の状況を再び振り返る。

 

白い毛玉を追ってきたら、人形みたいに動かない人たちを見つけ、タイムマジーンから降りてきた少年が変身して襲ってきた。

 

あまりの急展開に頭痛がしそうだった。しかし、相手はそれを気にするはずもなく、生身であるにも関わらず、壮間へと殴り掛かった。

 

 

「危なっ!」

 

 

これは本当に殺しにかかっている。そう感じた壮間はドライバーを装着し、ウォッチを装填。

 

 

《ジオウ!》

 

「変身!」

 

《ライダータイム!》

《仮面ライダー!ジオウ!!》

 

 

即座にジオウへと変身し、ゲイツの拳を受け止めた。

 

 

「ッ…!仮面ライダーなんだろ!?なんで俺達が戦うんだよ!?」

「貴様に理由が無くても俺にはある。仮面ライダーは悪の象徴…人類の敵だ!」

 

 

ゲイツの蹴りがジオウに刺さる、反撃はすんなりと躱されてしまい、その隙に顔面に殴打を、さらにモロに回し蹴りを喰らってしまった。

 

 

(強い…なんというか、訓練されたって感じの動き…)

 

 

戦闘の技術では勝ち目はないのは分かる。

しかし、壮間にはそれよりも、さっきのゲイツの言葉が気になっていた。

 

「仮面ライダーは悪」。壮間の知るライダーは、自分と仮面ライダービルドの羽沢天介のみ。その彼が、最後にこう言ったのを覚えている。

 

 

「悪…?そんなわけない。理不尽な悪から、人々の自由を守る戦士…それが仮面ライダーだ!」

 

「世迷言だな、ならば教えてやる。俺は2068年から来た。俺の時代では二つの脅威が人類を支配している。

 

一つは怪人、もう一つは…それを上回る力を得た人類──仮面ライダーだ!」

 

 

《ジカンザックス!》

《Oh!No!》

 

 

ゲイツは「おの」と刻まれた赤い斧型の武器、「ジカンザックス おのモード」を生成し、ジオウに振りおろす。

重く空を切る音が聞こえ、残像を残す勢いでジオウへと落ちていく。

すんでの所で避けることが出来たが、ジカンザックスの衝撃は石畳をも粉砕する。

 

 

「俺には家族が3人居た。両親は仮面ライダーの操る怪物に喰われて死んだ。そのライダーは別のライダーに殺され、そいつは俺から金と食料…最後に妹を奪っていった!」

 

 

続くゲイツの攻撃は次第に速度を増し、ジオウの装甲を抉っていく。

 

壮間の知っている仮面ライダーとは全く異なる話。いや、壮間が知らないだけで、それが本当の“仮面ライダー”なのかもしれない。そんな思考がよぎる。

 

 

「……嘘だ」

 

「貴様がどう思おうがどうでもいい。俺は俺の思うまま、仮面ライダーの存在を歴史から永遠に消し去る。仮面ライダージオウ、まずはここで貴様を殺す!」

 

 

ゲイツがジカンザックスに備わったスイッチ「ザックスリューズ」を押すと、リミッターが解除され、オーバーロード状態に移行。

 

 

《タイムチャージ!Five・Four・Three・Two・One…》

 

 

刃が赤く染まっていき、カウントと共にその一撃が迫る。

しかし、その迷いがジオウの体を縛り付ける。

 

仮面ライダーが悪の存在。だとすれば、その力で王になろうとする壮間は、他から認められる主人公どころか、悪以外の何者でもない。

 

 

《ゼロタイム!》

《ザックリ割り!》

 

 

寸前まで避けることが出来ず、怒りのこもった斬撃がジオウを横一閃に叩き割った。

体が軋む音と共に、ジオウの変身が解除されてしまう。

 

そして壮間の眼前には、未だ殺意を放つゲイツの姿が。

 

 

「自分が悪と同種であることが不快か?所詮はその程度という訳だ偽善者。貴様に堕ちてまで戦う覚悟は無い!」

 

「それは……」

 

「この力を使うたび、己の首を掻っ切りたいほどの憎しみが俺を襲う。自分が仮面ライダーであることが耐えられないと、俺の魂が暴れ狂う!

だが俺は違う!俺は例えこの腐った力と名を掲げてでも、歴史を変える!」

 

 

生身の壮間を前に、ゲイツは斧を振り上げた。

死の恐怖が壮間の体を蝕んでいく。足りなかった覚悟を呪いながら、短い人生が走馬灯のようにフラッシュバックし、一際大きい機械音が、壮間の脳裏を駆け抜け…

 

 

「……機械音?」

 

 

 

明らかに幻聴ではない機械音と金属音の後に、チェーンソーが回転するような音が聞こえた。

次の瞬間、ゲイツの死角から棘の付いた円盤のような物が飛来し、火花を散らしてゲイツの体を弾き飛ばした。

 

 

「何ッ…!?ガハァッ!」

 

 

 

壮間は音の先を振り返る。だが、命が助かったわけではないというのは、すぐに理解した。

そこにいた機械人形の怪物が、それを雄弁に語っていた。

 

 

「あれって…」

「アナザーライダーか」

 

 

赤いアーマーを纏った左右非対称の姿。装甲の隙間からは機械の内部機構がいくつも見えるが、左肩のマフラー、左腕の“keep out"テープが貼られたドアから、それが自動車のものであることは想像に難くない。

 

切れた配線、バックル部分の壊れたスピードメーター、割れたマスクから覗くアンドロイドの右目。

まさしく事故車両の擬人化とも言える姿。

 

そして、白線でスタイリッシュに描かれた左胸の「DRIVE」、それに繋がるように左肩には「2014」。

 

その異形“アナザードライブ”は、鉄の体を動かし、壊れた電子音声のような声を響かせる。

 

 

「ドライブ…車の仮面ライダー!?」

 

「暴行、器物破損、殺人未遂の現行犯を確認。

悪は残らず処刑する……!」

 

 

歪ではあるが、アナザービルドよりも理性を感じさせる口調。

アナザードライブはゲイツに向け、右腕のドアのようなパーツから銃弾を放った。

 

 

「チッ、仕方ない!」

 

《You!Me!》

 

 

弾を避け、ジカンザックスをゆみモードに変形。引き金を素早く引いて放し、3発の矢がアナザードライブに迫る。

が、その瞬間、アナザードライブが右腕を伸ばすと、何かの波動が空間に広がった。

するとエネルギー矢、そしてゲイツの動きがまるで水中のように鈍化する。

 

 

「重加速か…!」

 

 

体がうまく動かせないうちに、アナザードライブは接近。動けないゲイツへ一方的に攻撃を続け、最後に腹部へ連続キックを浴びせた。

 

その瞬間に重加速が解除。ゲイツの体は衝撃のまま跳ね飛ばされ、木組みの家に激突し、変身が解除されてしまった。

 

 

「ッ…!しまった……」

 

 

壮間もただ見ていたわけでは無い。逃げようとするが、身体がうまく動かせない。

変身中は感じなかったが、やはり時間経過と共に体が重くなっている。今の壮間は、10㎏以上の重りが体についているのと同じ状態だった。

 

一人なら逃げられるかもしれない。だが…

 

 

「俺が…やるしかない!」

 

 

壮間は立ち上がり、吹っ飛ばされた少年のもとへ駆け出した。

アナザードライブは少年にしか気が向いていない。重い身体が悲鳴を上げるなか、死角から少年のもとへと辿り着いた。

 

 

「貴様…何のつもりだ!」

 

「うるさい!それどころじゃないだろ!」

 

 

少年の腕を掴み、壮間は建物の裏に逃げ出し、一時的にアナザードライブの視界から消えることに成功する。

 

 

(あの鈍くなるやつ使われたら終わりだ!とにかく巻かないと!)

 

 

機械音で追ってきているのが分かる。鉄の塊の癖に動きは妙に素早かった、すぐに追いつかれるのは自明。

 

 

「体が重くなってる…このままじゃ……」

 

 

逃げる壮間と少年、金属の足音はすごそこにまで迫っていた。

走り寄る絶望。その時、建物の影から伸びた腕が、有無を言わせないまま壮間たちを攫った。

 

 

「!?」

 

 

壮間の腕を掴む人物に導かれるまま逃げる。入り組んだ道や、人が通る場所ではないような所も通り、木の柵に囲まれた場所に辿り着いた。

 

木の棒と紐の簡易的な物干しがあり、ある建物に面している。どこかの裏庭のようだ。

柵に囲まれているため、周りからは見えない。暫く続いていた機械音も消えた。

 

 

「逃げきれたみたいですね」

 

「ありがとう…って、君は…」

 

 

逃げる際中、壮間はその水色の長髪に見覚えがあった。

落ち着いて改めて見ると、壮間たちを連れだした人物は、先ほど香奈の行った先を教えてくれた少女だった。

 

 

「君はさっきの…でもなんでここに?」

 

「それはこちらのセリフです。

でも話は後、今はここから逃げる方法を考えましょう」

 

 

少女はこんな状況でも落ち着いている様子で言った。

そんな中、一緒に逃げてきたゲイツに変身する少年が、壮間の胸ぐらを掴んで声を荒げる。

 

 

「貴様!なぜ俺を助けた!!」

「うわっ!何!?」

「答えろ!情けを掛けたつもりか!」

 

「静かにしてください。気付かれます」

 

「黙れ女。知ったことか!来るなら来い、奴らアナザーライダーも俺の敵だ。次は絶対に倒す。さぁ答えろ!貴様一人なら逃げられたはずだ、今更善人アピールか偽善者!」

 

 

少女が2人をたしなめるが、少年の勢いは収まるどころかさらに燃え上がる。

壮間は目を逸らしつつも、答えた。

 

 

「お前の言う事は…理解できる。だから、許せないわけじゃない」

 

「同情か?どこまで俺を侮辱するつもりだ!」

 

「違う!お前は悪い奴じゃない…と思う。だからお前を見捨てれば、王になんてなれない。そう思った」

 

「王だと?」

 

「仮面ライダーが悪で、その力で王になろうとする俺が悪でも、俺はまだ…やっと見つけた“自分”を諦めたくない!」

 

「結局は己のためか。やはり貴様も奴らと同じ、俺の敵だ!」

 

「はい、二人とも落ち着いてください」

 

 

パンと手を叩く音が、2人を戦いから呼び戻した。

少女を見ると、少し怒っているようにムスッとした顔をしている。

 

 

「協力しないとここから出れませんよ。まずは仲直りです」

 

「仲直り?ふざけるな、貴様らと慣れ合うつもりは…」

「私は智乃、香風智乃といいます。二人も自己紹介してください」

 

 

少女──智乃の淡々とした口調に、思わず流されてしまう。

 

 

「日寺壮間。お前は」

 

「……ミカドだ」

 

「苗字?名前も言えよ」

 

「黙れ」

 

 

少年──ミカドも渋々名乗る。怒りもいくつか冷めたようだ。

なんというか、一発で智乃のペースに持っていかれた。そんな感じがした。

 

 

「あまり時間がありません。3年半前の事件の影響が残っているみたいです」

 

「事件って…?」

 

「やっぱり知らないみたいですね…

2014年、あの怪物が現れて、その力でこの街の実に4分の1を静止させました」

 

 

2014年。ミカドと壮間には心当たりがあった。アナザーライダーの体に刻まれた年号は、誕生した年を示している。

 

 

「当時中学三年生だった私は、範囲外の学校に忘れ物を取りに行っていたお陰で、難を逃れました。その時の余波が残り、今でもこの区域にいると体が重くなっていくんです。

体の次は意識が重くなり、多分1時間ほどで完全に止まってしまいます」

 

「え…ちょっと待って…てことはつまり…」

 

「はい。もう20分を切って…」

 

「智乃さん今19歳!?年上!?」

 

「そこですか。あと12月生まれなのでまだ18です」

 

「何…?どう見ても中学生だろう」

 

「どこで意気投合してるんですか」

 

 

壮間とミカドの言い分も分かる。智乃の身長は150やそこらに見える。容姿も美しくはあるが、成人手前というにはやけに幼い。壮間は驚きのあまり、智乃の顔をまじまじと見つめる。

 

 

「どうりで落ち着いていると…これが大人の冷静さか」

「顔が近いです」

 

「とにかく話は分かった。脱出するだけならタイムマジーンを使えばいいが、根本的な解決にはならない」

 

「あ、その手があったか!」

 

 

本気で気付いてなかった壮間に、ミカドは苛立っている様子で呆れた視線を送る。

一方で智乃は何の話か分かってない様子だ。

 

 

「俺がここに来た目的は一つ。2014年に飛び、アナザードライブと仮面ライダードライブを消す。改ざんされた時間に飛ぶためには、その時間のアーティファクトが必要だ」

 

「えっと…アレか!」

 

 

壮間の頭に浮かんだのは、前回つぐみから貰った黒いライドウォッチ。ウィルはあれを「鍵」と呼んでいた。

 

 

「この街のどこかにあるはずだ。貴様が探してこい」

 

「はぁ!?探すってどこを…ってうおぉっ!?」

 

 

有無を言わせず、ミカドは壮間の体を持ち、そのまま柵の外側に放り投げた。

鈍い音を立てて地面に落下した壮間。体が重い分痛みも相応だった。

 

 

「ミカドさ…むぐっ!?」

 

 

ミカドは何かを言おうとした智乃の口を手で塞ぎ、外で文句を言っている壮間に返す。

 

 

「止まる前に一旦逃げればいいだけの話だ。止まっているだけ時間の無駄だと思うが?」

 

「お前……あぁもう!」

 

 

なんだかんだ言いくるめられ、壮間は体を引きずって駆け出した。

壮間が行ったのを確認すると、ミカドは智乃の口から手を離す。

 

 

「ミカドさん、まさか…」

 

「どう見ても華奢な貴様が、この空間で問題なく動けているのを見て気付いた。

ドライブの力が残留した黒いウォッチ…プロトウォッチを持っているんだろう」

 

 

智乃はポケットから「2014」と「R」を象ったエンブレムが刻まれた、黒いウォッチを取り出す。

 

 

「あの一件のしばらく後、この近くで拾ったものです。

話から大体の事情は分かりました。壮間さんを行かせたのも、これを手に入れるためですか」

 

「そうだ。そいつを渡せ」

 

「さっきの戦いも見てました。確かに、ミカドさん達ならあの怪物を倒せるかもしれません。ですが、さっきの会話を聞いて私も思いました。

 

ミカドさんは私と同じで、自分の中の時間が止まったままなんです。どうしようもない悲しみと、後悔のせいで」

 

 

智乃はミカドの顔を見上げ、その目を真っ直ぐに見つめる。

ミカドは目を逸らさない。自分が悲しみに、後悔に囚われたまま?

 

愚問だ。

 

 

『来るな…お前は…生きるんだ……』

 

『逃げて…貴方たちだけは……!』

 

『助けて…!助けてお兄ちゃん!』

 

『嫌だァッ!死にたくない…死にたくない!』

 

『こうやって…何も残せず死んで…

俺達の命に、意味なんてあったのかなぁ…?』

 

 

 

焼き付いて離れない憎悪が、ずっと心で燃え盛っている。

時間が止まっている。そんなこと、言われるまでも無い。この歴史を消し去るまで、一歩たりとて動けるはずがない。

 

 

「──知ったことか」

 

 

 

ミカドは智乃の目を見たまま、その小さな手からプロトウォッチを奪い取った。

 

 

 

「時計の針が止まったままならば……

一秒ずつ、この手で動かすだけだ」

 

 

 

____________

 

 

 

「4分の1って言っても相当広いぞ。見つかる気がしないんだけど…」

 

 

一方、律義にプロトウォッチを探す壮間。茂みやら建物の間やらを頑張って探ってはいるが、身体の重さも増してきて、タイムリミットが近づいているのが感じられる。

 

少し焦りながら、止まった人の間を縫うように進み、植木の裏など絶対に無い場所まで探し始めた。

 

体を動かすのが辛くなり、眠気のような感覚が襲ってくる。

壮間はベンチに座ると、そのまま動かなく──

 

 

「ッ!あっぶねぇ!」

 

 

受験期に何度も襲い掛かった睡魔と戦ってきた壮間。なんとか自分を叩き起こす。

これが意識の鈍化と考えると、長居は危険。そろそろ撤収の頃合いと考え、ダメ元で座っていたベンチの下をのぞき込んだ。

 

 

「無いよなぁ…遠目で分かってたけど。……ん?」

 

 

暗くてよく見えないが、視線を上に向けた先…ベンチの裏に何かが貼り付いている。

ペリペリと剥がしてよく見ると、何やらよく分からない文章が。

 

 

「なんだこれ。暗号?」

 

 

その瞬間、壮間の体を重力の波動が包み込んだ。

しまった。そう思う頃にはもう遅い。

 

 

「公務執行妨害…お前も執行対象だ…!」

 

「うっそでしょ…!」

 

 

物陰から現るアナザードライブ。

重加速を先手で使われてしまったのは大きい。今からタイムマジーンを呼んだところで、間に合わないのは明白。

 

アナザードライブはその銃口を壮間に向ける。

 

 

 

「誰かが言った。“撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ”」

 

 

 

銃弾が壮間の寸前で止まり、逆再生するように方向転換。身動きのできないアナザードライブに命中し、退けた。それと同時に壮間にかかっていた重加速が消える。

 

 

「我が王に銃口を向けるとは。身の程を弁えろ機械人形」

 

「ウィル…もうなんでいるとはツッコまないけど」

 

「さて、話をしている暇はなさそうだ。あれを見ると良い」

 

 

ウィルが指さしたのは上空。

いつの間にやら空に開いていたのはタイムトンネル。そして、赤いタイムマジーンがその中に消えていった。

 

 

「ああぁぁぁッ!!あいつ抜け駆けしていきやがった!!」

 

「既にタイムマジーンは呼んでおいたよ、我が王」

 

「準備が早すぎる!まぁいいや、ありがとう!」

 

 

壮間はアナザードライブが起き上がる前にタイムマジーンに乗り込み、ミカドを追って逃げるようにタイムトンネルへと向かった。

 

残されたウィルは、本を開いてその姿を思い返す。

その時の彼は、どこかいつもの雰囲気とは違って感じられた。

 

 

「仮面ライダーゲイツの力…一体誰が……」

 

 

 

_____________

 

 

 

タイムトンネルに突入し、壮間の視界に赤いタイムマジーンの形が映った。

ミカドも壮間に気付いた様子だが、壮間は全く気にせず付いて行こうとする。

 

 

「邪魔はさせない」

 

 

ミカドは機内を少し操作。するとタイムマジーンは体勢を変え、パーツの分離、変形を繰り返していく。

そして現れたのは胸に「ろぼ」と書かれた機械仕掛けの巨人。顔にはゲイツのライドウォッチが収まっていた。

 

 

「何それ!?」

 

 

壮間は知らなかったが、これこそタイムマジーンの真骨頂、「ロボモード」。その巨体が方向を変え、壮間のタイムマジーンに迫りくる。

 

なんとなく状況を察してしまい、壮間もロボモードへの変形を試みる。

がしかし、使い方の見当もつかず、モタモタとしているうちに…

 

 

大きく振りかぶった鉄の拳が、壮間のタイムマジーンに叩き込まれた。

 

 

「ちょ…ええぇぇぇぇぇぇっ!!??」

 

 

軌道を外れた壮間の機体はコントロールを失い、フラフラとタイムトンネルの壁にぶつかっていく。

ガンガンと激突を繰り返した末に

 

タイムトンネルの壁を突き破った。

 

 

「マジか」

 

 

無情にも壮間の機体は、時空の間へと吸い込まれ──

 

 

___________

 

 

 

ミカドと壮間を見送った智乃。僅かに重くなり始めた体を動かし、背後にあった建物の扉を開いた。

 

 

「ミカドさんは私と同じ。でも知ってますか?

そういうのを気にもしないで、図々しく距離を詰めてくる人って、結構いるんですよ」

 

 

扉を開けた先にも静止した世界。

智乃は、そこにいた店員と思しき一人の少女に近付く。

 

 

2014年(そこ)に行けば出会えるはずです。きっとみんなが、ミカドさんに見せてくれます」

 

 

少女は何かに躓いた状態で止まっており、お盆からカップとコーヒーが飛び出し、空中で舞っている。

 

この喫茶店の日常を切り取った写真のよう。

ただ、それ以上時が進むことは無いという事実が、智乃の胸を詰まらせる。

 

 

「ですよね、ココアさん」

 

 

涙は最初の一年で嫌というほど流した。だからもう泣かない。

敬愛する姉の前で、もう弱い自分を見せられない。

 

ただ一緒に、信じて待つ。彼らが全てを変え……

 

 

 

この止まった時間を壊す、その時を──

 

 

 

 




主人公(仮)が悩みっぱなしで腹立ってきた(笑)。
今回は大学生チノちゃん活躍でした。あの一件で茶目っ気を失い、なおかつ少し大人っぽいイメージでしたが…難しい。
そして中々エグかった2068年。そんで次回は遂にレジェンド2人目が!

感想、評価等よろしくお願いいたします!評価とか!(2回目)

今回の名言
「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ」
「コードギアス 反逆のルルーシュ」より、ルルーシュ・ランペルージ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。