仮面ライダージオウ~Crossover Stories~   作:壱肆陸

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一か月ぶり更新です146です。
今回からはドライブ×ごちうさ編後半戦!結構詰め込んだエピソードとなっております。今後一切使う予定の無い設定も盛りだくさんでお送りいたします。

あ、ビルド×バンドリはクローズ変身回を書くことに決定いたしました!ドライブ編終わったくらいに書き始めると思います。皆さん、アンケート回答ありがとうございました!


EP06 ナイスドライブ2014
少年少女よ、正義に燃えろ


 

体を失った“ただの情報の塊”とも言えるソレが、データの海をかき分けて、消えそうな思念でそこに辿り着いた。

 

端末のスクリーンから飛び出してきたのは、液状合金のボディを不安定に揺らめかせた、019のコア。

ドライブとの戦闘でボディは失ったが、コアだけは破壊されずここまで逃げ延びてきた。

 

019のコアの前に座り込んだ、濃い青のコートとファーマフラーを身に着けた男。

彼は019に蜘蛛を模したミニカー、スパイダー型ロイミュードのボディであるスパイダーバイラルコアを投げ与える。

 

そしてもう一つ、ある物を019に与えると、019は再びスクリーンの中に消えていった。

 

 

「よぅ、久しぶりだなバーン」

 

 

その直後、入れ替わるようにして現れた軍人の男。

幹部ロイミュードの一人、その名はバーン。彼の姿を見て、コートの男は嬉しそうに獰猛な笑みを浮かべる。

 

 

「私は挨拶に来たわけでは無い。ここに私の部下が来なかったか、ガイスト」

 

 

コートの男も幹部ロイミュード、進化して得た名はガイスト。

 

 

「ついさっき019に体をやった所だ」

 

「やはり…是が非でも逃げようとするか。未だに進化態も持てぬ軟弱者が」

 

「まぁ、そう言ってやんな。誰もお前みたいに強いわけじゃあない」

 

 

「そーそー、バーンくんは強いんだから、さっさと戦争起こして超進化しちゃえばいいんだよ。観戦用のポップコーンも用意してるんだからさ」

 

 

バーンの背後に座り込んだ、スマホを弄るヘアピンを付けた少年。スマホには様々なストラップやキーホルダーが付いており、大変なことになっている。

 

 

「004…相変わらず不気味な奴だ」

 

「004、そろそろお前の“名前”を教えてくれねぇか?俺もお前もいつ死ぬか分からない。名前を持っている奴は少ないんだ、せめてそれだけでも覚えておきたい」

 

「ヤだよ。情報は有益、そんで刃なんだ。そう簡単にはあげないよ、ガイストくん。

そーいえば、また同胞が死んじゃったね。バーンくんのとこで珍しいって思ったんだけど……何があったの?」

 

「……死んだのは085、082、018。そしてコンバットだ」

 

 

それを聞いたガイストはマフラーを握りしめ、口元を隠して目を閉じる。

まるで、鎮魂の祈りが聞こえるようだった。

 

 

「085と082は、どちらも寡黙だったが楽しい奴らだった。018…お前は戦いは苦手で、いつも後ろでバーンを支えてくれたな。コンバット…040は愚直で口下手だが、その忠誠心だけで進化して見せやがった誉れ高い男だ…惜しい奴らを亡くしたな、バーン。

お前たちのことは忘れねぇ。お前達が満足に死ねた事を、心から祈る」

 

 

ガイスト、ロイミュードの頭領ともいえる男。彼にとって他のロイミュードは家族も同然。仲間が死ぬ度に彼はその記憶を心に刻み、墓を作る。自分が死んだ後も、彼らの存在が忘れられてしまわないように。

 

しかし、仮面ライダーを恨みはしても、憎むことはない。

ロイミュードは人間を越えるため、その命を容易く奪う。ならば、人間がロイミュードを殺すのも道理。

 

そしてガイストは知っている。彼ら仮面ライダーは、同胞の死に場所として足る存在だ。彼らと戦い、敗れ、死ぬのであれば、その死は満足できるものであろう。

 

 

「…我々のもとに現れた、芸術家のような男……奴はなんだ。まるで底の見えない存在感、この世界に“いてはいけない”存在のような」

 

「芸術家か…ハッ、スタチューの奴を思い出すなぁ……」

 

「そして、またコア・ドライビアを持たない仮面ライダーが現れた。

一体どうなっている。この一連の流れ…少なくとも、好ましいものではない」

 

「そうだな…もしかすると、この世界をひっくり返す、いや…

世界を塗り替えるような何かが……起こっているのかもしれねぇな」

 

 

あくまで好奇の目線で呟くガイスト。

そんな中、バーンの話を聞いた004は、酔いしれるような、恍惚とした表情を見せていた。

 

 

 

「そうか……ついに手が掛かる。この世界の…物語の真理に……!」

 

 

 

__________

 

 

 

「動くな!動いた奴から撃つ!

身代金が来るまで、お前らは人質だ!」

 

 

木組みの街。そこは穏やかで、平和な街として知られている。

しかし、そこにいる警官もそれに伴って少数。それをいいことに、外から逃げこんでくる悪党も少なくはないのだ。

 

休日昼の喫茶店。逃げ込んだ強盗グループが立てこもり、銃を持って喫茶店内の十数名を人質にした。

 

人質の中には小さな子供もおり、とても怯えている。

見張りを続ける強盗犯の一人は、その中で何やら怪しい挙動の男を見つけた。

 

 

「お前!何をしている!!」

「わ…ちょ!」

 

 

その前が開いていない白パーカーの青年は、片手に携帯電話を持っていた。

 

 

「いや、誤解!誤解ですって!ちょっと彼女に、デート遅れるって送ろうとしただけで…」

 

 

携帯電話を取り上げた強盗犯の一人が画面を確認すると、弁明の通りの内容が未発信の状態で残っていた。

 

 

「チッ!こいつは没収だ。今度一人でも怪しい動きをしたら、全員撃ち殺すからな!」

 

 

脅迫と共に人質に銃口を向ける男たち。

その緊迫した状況の中、その空気に耐えかねた子供が、大声で泣き出してしまった。

 

 

「オイ、そのガキ黙らせろ!」

 

 

母親が必死に泣き止ませようとするが、子供は大声で恐怖を喚き散らす。それが主犯の男を苛立たせていく。

 

 

「うるせぇ!もういい…そのガキ撃ち殺してやる!」

 

 

主犯の男が銃を子供に向けた。

母親が子を守るように覆いかぶさるが、頭に血の昇った主犯の男は構わず、その引き金を…

 

 

 

パァン!

 

 

 

銃声が響いた。

 

 

音を立てて、主犯の銃が床に落ちた。

その手に感じたのは、銃だけを正確に撃ち抜かれた衝撃だった。

 

 

 

「まさか…!」

 

 

 

店の扉が開いている。

気付くと、強盗犯の一人がその場で気を失って倒れた。

 

そこにいたのは、この街の唯一の警官にして街の交番勤務員、栗夢走大。

 

 

「警察!?いつの間に…」

 

 

別の強盗犯が、さっきの白パーカーの青年を捕らえ、銃口を突き付ける。

しかしその瞬間、手を上げる動きのフリで、青年は強盗犯の顔面に裏拳をお見舞いした。

 

一瞬怯んだ隙に腕を振りほどき、バク転で強盗犯の頭上を通り過ぎ、即座に背後に。腕を捻って銃を放させ、落ちた銃を遠くに蹴り飛ばした。

 

 

「クソがァ!!」

 

 

そして気付いた頃には、走大は他の強盗犯を制圧しつつ、人質を主犯の男から引き離している。まさしく神業ともいえる、信じられない迅速さ。

 

最後に残った主犯は、ヤケクソに走大に向けて銃口を向ける。

しかし、撃ち慣れていない者には躊躇が入る。

 

その一瞬でしゃがみ込んで、滑り込むように間合いを詰める。

相手が視界から消えたパニックで更に反応は遅れる。そして数秒後には…

 

 

 

「立て籠もり犯、緊急逮捕!」

 

 

主犯の男は組み伏せられていた。

何をされたのか理解が出来なかった。そして、抵抗しようにも何故か体が全く動かない。

 

そのまま成す術もなく、男の両手には手錠が掛けられた。

 

 

 

 

__________

 

 

 

「ふへぇ…疲れた」

 

「お疲れ様です。…また今回も随分と早かったですけど」

 

 

強盗犯を外部の警察署に引き渡した走大は、交番に戻っていた。ミルクキャンディでギアを落とした走大は、机に突っ伏していた。

 

そんな彼の代わりに、交番を手伝う壮間。この数週間見てきたが、やはりこの事件解決までの早さには舌を巻く。

 

この街の人々は、とても穏やかだ。安心しているのが見るだけで分かる。

事件が少ないわけじゃないし、ロイミュードもいる。それでも人々がそうなのは、恐怖が広がる前に、超速で走大が事件を解決するからに他ならない。

 

 

(これが仮面ライダードライブ…車のライダー、文字通り速すぎる)

 

 

頭脳、フィジカル、メンタル、戦闘技術にバイタリティー。どれを取っても優秀。若くして、その歴戦の風格が浮かび上がるようだった。だからこそ、この街を少数で守り、地域課にして刑事事件を請け負うという特例が許されているのだろう。

 

 

「それにしても…立て籠もりを一人で解決するなんて」

 

「ん?あぁ、今回は色々好条件だったのと、中の様子が分かってたってのが大きいな」

 

「つまり、俺のおかげってわけよ。でしょ?ソウさん」

 

 

当然のように交番の椅子に腰を掛ける、白パーカーの青年。

走大からアメを取り上げ、ポケットに仕舞った。

 

壮間も彼の事は知っていた。

彼の名は津川(つがわ)(かける)。この街の大学に通う青年で、走大とは昔からのコンビらしい。

 

 

「お前の写真があったから、あれだけ迅速に動けた。礼を言うよ」

 

「見つかった時はヒヤッとしたけど、ついでにダミー文章打っといてよかったよ。

あ、礼ならブツで。一枚千円ね」

 

「…金取るんですね」

 

「当たり前でしょ壮間くん。今回は5枚写真を送ったから、5000円。ハイ」

 

 

走大は疲れた様子で財布を開け、中身に少し苦い顔をする。壮間も見たが、5000円札と小銭しかなかった。

 

仕方なく5000円札を駆に差し出した。少し差し出す指に力がこもっていたが、構わず駆は走大から札を奪い取り、満足げにポケットに仕舞った。

 

 

「お前、それでまたフルール通いか?ロクな大人になんないぞ」

 

「そりゃもう。シャロちゃん可愛いし?大体、いい大人なのにミニカー集めてるソウさんには言われたくないね」

 

「あー!触んな俺の1/64ランボルギーニムルシエラゴ・ロードスター!!」

 

 

交番は走大の私物化が激しく、給料で買った高級ミニカーが飾ってある。

チノによれば、一か月昼飯を抜きにしてミニカーを買ったこともあるらしい。重度の車オタクだった。

 

 

「大変だ!走大は…ってなんだこの状況!」

 

「リゼ!いい所に来た、コイツを何とかしてくれ!」

「あ、リゼちゃん!元気?あ、今からヒマなら、お小遣い貰ったし一緒にどっか遊び行かない?」

 

 

走大と駆が取っ組み合っている所に現れたのは、紫髪のツインテールの少女。ラビットハウスでバイトをしている女子高生、天々座理世。

ツッコミ気質な彼女は、思わず声を荒げた。

 

 

「私は今からバイトだ。ラビットハウスなら歓迎するぞ?」

「え、嫌だ。チノちゃん怖い」

「おい大学生」

 

「えっと理世さん?さっき大変って言ってませんでした?」

 

「そうだった!さっきウチの近くで、指名手配中の逃亡犯を見たって奴がいたんだ、早く来てくれ!」

 

 

 

__________

 

 

 

「何故俺がこんなことを…」

 

「文句言わないで働いてください」

 

「客がいないじゃないか。どうなっている」

 

「じゃあ掃除してください」

 

 

喫茶店ラビットハウス。

そこで働いているのは、故人であるマスターの孫、香風智乃。ここにホームステイをしている少女、保登心愛。

 

そして、2068年より仮面ライダーを殺しに来た少年、ミカドだった。

 

 

「ふざけるな。俺は仮面ライダードライブを殺す。こんな事をしている暇はない!」

「私だって、貴方のような人は願い下げです。走大さんが言うから、仕方なくです」

 

「うぅ…労働環境がギスギスだよぉ…」

 

 

チノとミカドの仲は険悪だった。というのも、仮面ライダーを憎むミカドと、仮面ライダーである走大を慕うチノ。そんな2人が反発するのは当然だった。

 

そんな彼がラビットハウスで働くことになってしまった訳。それは

 

 

「もとはと言えば、ミカドさんが無一文だったせいじゃないですか」

「黙れ。この時代の紙や金属の金など残っているはずがない」

 

 

ミカドが金を持たず、食料及び寝泊まりの場を確保できなかったためである。2068年は紛争状態であっても電子マネーを使っているようであり、この時代でも使えるものを持ってきたミカドだったが、

 

なんと、木組みの街に電子マネー取り扱い店舗が無かったため、走大から引き離すことも考え、ここに住み込みで働くことになったというわけだ。

 

 

「ふたりとも、喧嘩はダメだよ!

そうだ!仲直りのためにも、シャロちゃんや千夜ちゃんも呼んで、今からみんなでピクニックしようよ!」

 

「仮にも休日の昼時だぞ、商売を舐めているのか貴様」

「ココアさん、真面目に働いてください」

 

「なんでこういう時だけ息ピッタリなのかな!?」

 

 

涙目のココア。そして、顔を合わせないチノと、睨みつけるミカドだった。

 

 

 

____________

 

 

一方、トライドロンに乗り込み、天々座邸に向かう走大と壮間。

走大はカフェオレのアメを口の中で転がしている。コーヒーだとテンションが上がりすぎ、ミルクだと下がりすぎるため、平常時はカフェオレ飴でテンションを保っているのだ。

 

ちなみに、コーヒー牛乳だとカフェオレよりも少しテンションが下がる。

また、アメより飲料の方が効力は大きい。

 

 

「壮間、ロイミュードとは?」

 

「えっと…全部で108体、人間をコピーして感情で進化する機械生命体。進化態は人間と共謀するタイプもあり、人間と融合した融合進化態や、さらに上の超進化態も存在する……でしたっけ」

 

「Exactly!正解だ」

 

 

壮間はロイミュードについての書類を読み込んだ。勉強は好きではないが、苦手ではないためそれほど苦ではなかったようだ。

 

目的地も近づく中、壮間は走大にこんなことを問いかける。

 

 

「走大さん…ミカドは仮面ライダーが悪だって言ってました。きっとアイツが来た未来でそれは本当です。俺はこの力を…使ってもいいんでしょうか」

 

 

壮間は悩んでいた。ジオウとして戦うべきか、その力を受け継ぐべきか。

走大は殺させたくない。夢は諦めたくない。でも、それで自分がこの力を振るうのは悪じゃないと言えるだろうか。

 

 

「……俺が悪に見えるか?」

 

「…いえ。でも、俺は走大さんや天介さんとは違う。他の仮面ライダーもそうかもしれない。本当に仮面ライダーは正義なのか…自信が持てません」

 

「力には責任が伴う、それが分かってるなら上々だ。それじゃあ壮間、ロイミュードだとどうだ?アイツらは悪って言えるか?ロイミュード108人にも一人一人に自我がある。俺達と変わらない」

 

「それは…ロイミュードは人に危害を加えるから」

 

「じゃあ守られる人間は正義か?その正義を守るため、ロイミュードを殺す俺達は?そういう意味では、確かに俺達は悪なのかもしれない」

 

 

壮間は黙り込んでしまう。そんな壮間を見て少し笑い、走大は言った。

 

 

「ドライブの力ってやつを渡すにはまだまだだな。

お前はまだ、他人の正義に縛られてる」

 

 

その言葉の意味を考えているうちに、走大たちは目的地に到着した。

 

 

「はっは、いやーいつ見ても…デカいなぁ」

 

「え。これ家ですか?」

 

 

天々座邸はまさに豪邸だった。壮間も彼女が金持ちなのは聞いていたが、驚いてしまう。

 

 

(そういえば理世さん、拳銃持ってたり、たまに物騒なこと言ったりするけど…危ない家業なのでは…)

 

 

壮間がビビり始めた。その目撃情報を聞くため中に入ろうとするが、

待ち構えていたのは、黒服サングラスのいかつい男たちだった。

 

 

(あ、これ危ないヤツだ)

 

 

 

 

 

そして数分後。

 

 

「凄く紳士的な人たちだった…」

 

「まぁ、初見でビビるのも分かるけどな」

 

 

丁重に案内され、壮間と走大は情報を聞き出し、現場である庭の隅に来ていた。

当然、庭もとても広い。

 

走大は一応、リュックサックとヘルメット、そしてアンテナの装置で辺りを周回する。

 

 

「…重加速粒子なし。ロイミュードは関係ないか」

 

 

走大は辺りを観察する。薄っすらと残っている足跡は、同じ場所でも深さに差がある。その重なり具合から、複数名ここに来ていたのだろう。そして折れてから時間の経っていない、高い位置にある枝。

 

 

(つまり、ここに侵入したのは3人、身長180㎝以上の奴が一人以上…聞いた情報だと、顔を見たのは一人だが、その特徴は合致している。ここに逃げ込んだって通達があった、3人組の強盗殺人犯だ)

 

 

逃げてきたにしては、人の多いここに来る理由がないし、何より荒らされ過ぎている。

一度穴を掘り、それを埋めた形跡がいくつもある。この広い庭を、広範囲に隠れて移動した形跡もあった。

 

 

「まるで、何かを探していたような…」

 

 

 

_____________

 

 

 

時は少し経って、日が落ちる頃。

バイトを終えた金髪少女、桐間紗路。通称シャロ。彼女はハーブ専門の喫茶店、フルール・ド・ラパンでバイトをしてきたところなのだが、その様子は普段より疲れているようだった。

 

 

「全く…カケルってば何時間いるのよ!」

 

 

どうやら疲れの原因は、あの後フルールに行った津川駆のようだ。

ちなみにあの男、クッキー1枚を食べるのに、シャロを見ながら10分かける。

 

そしてバイト終わりのシャロに「遊ぼう」「ウチ来ない?」「家行ってもいい?」等の言葉を浴びせること18回。シャロは心身共に疲れきっていた。

 

 

「はぁ…今日はもうお風呂入って寝よう…」

 

 

帰路に着こうとしたその時、シャロは街道の木の陰に座り込んだ、一つの人影を見つけた。

近付くと、その人影は女性だった。歳はシャロと同じか少し上くらいだろうか。息を荒くし、辛そうな表情で胸を押さえている。

 

シャロは思わずそんな彼女に近寄り、声を掛ける。

 

 

「あの…大丈夫で……きゃっ!?」

 

 

その女性は近づいてきたシャロに鋭い視線を向け、辛そうな様子を崩さないままシャロの肩を掴んだ。そして立ち上がり、シャロを木の幹に抑えつける。

 

 

 

女性の姿が変わった。

骸骨頭の蜘蛛のような姿、スパイダー型ロイミュード。

 

ナンバーは、018。

 

 

 

___________

 

 

 

また時が経って、月が昇りきった夜。

 

この街にやって来た指名手配犯の一人、藤川高重。彼は他の2人と共にルパンの秘宝を探していたが、警察に勘付かれないように、別々に分かれることとなった。

 

その手にはルパンの宝の地図のコピーが。しかし、書いてある内容は分からず、しばらく当てずっぽうに街をうろついていた。

 

 

「本当にあるんだろうな…クソ、高尾め偉そうにしやがって」

 

 

色々と訳あって、彼は共に逃げてきた高尾に逆らうことが出来ない。それがどうにも気に喰わないようだった。

 

 

そんな時、誰もいなかったはずの茂みから、何者かが現れた。

その姿は警察の制服を着た男性。

 

 

「サツ!?マズい……!」

 

「ふ…はは……!感謝するよ。こんなにも早く、この男が見つかるなんてな…!」

 

 

違う、藤川は反射的にそう感じた。

警察の雰囲気じゃない。もっと心臓に直接訴えてくるような、鋭利な感覚。

 

激しい憎悪と、殺意。

 

 

「覚えているか?11年前の事件を。お前に分かるか?父を労うために、なけなしの金で買ったネクタイと待っていた食卓で、訃報を聞かされた時の俺達の気持ちが!!」

 

 

その警官、相場から重加速が発生。

そして、その姿は変わり、赤い装甲を纏いし異形、アナザードライブに。

 

 

「死んで親父に詫びろ」

 

 

もはや意識が鈍化し始め、藤川は恐怖を叫ぶことすらもできない。

 

遠吠えにも似た叫びをあげ、藤川の首を掴んだアナザードライブ。

その復讐心は腕に力を込めさせ……

 

 

 

何かが砕けた音がして、藤川の体は動かなくなった。

 

 

 

なんだ、終わってみれば簡単な事だった。

父を殺した犯罪者は死んだ。この手で悪にふさわしい裁きを下した。

 

これで全てが終わった。

 

いや、何も終わってはいない。

世の中から、悪が一つ減っただけだ。

 

 

この世界の人々は美しい。しかし、その中には生きる価値など無い悪が、ゴミどもが巣食っている。それが許せない。

 

しかし、この仮面ライダーの正義の力があれば、世界をも変えられる。

 

そうだ、悪は全て同じように消してしまえばいい。

そうすれば、この世界から、一片の悪も残すこともない。穢れのない、完璧な美しい世界を創造できる。

 

 

そう、この力は正義の力。

正義の名の下に、悪は残らず討ち滅ぼす。

 

 

 

「まずはこの街だ。

全ては…正義のために……!」

 

 

 

 

 

 




今回登場した(名前だけも含む)オリジナルロイミュードは、過去に私が考えたものでございます。無茶ぶりで他の方のオリジナルロイミュード募集に投げつけたものも、そのまま流用しております。…よくこんなの応募したな、と今なら思います。

さて、今回は強盗殺人犯逃亡事件、幹部ロイミュード、白パーカーの男、ミカドinラビットハウス、シャロとロイミュード018、アナザードライブ、ルパンの秘宝とえげつないくらい詰め込みましたが…大丈夫かなぁ……

とりあえず、感想や評価(大事な事なのでn回言います)よろしくお願いいたします!!
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