仮面ライダージオウ~Crossover Stories~   作:壱肆陸

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イエス、146です。
ゼロワンドライバー、ショットライザー、フォースライザー。3種の神器コンプリートしました。高い。

今回は文字数の割りに内容薄い気がします。ご了承ください。
ドライブ編は情報量お化けだから…反省したから。


その姿を偽るのはだれか

「この本によれば、普通の青年、日寺壮間。彼は2018年にタイムリープし、王となる使命を得た」

 

 

2014年、木組みの街。人ごみの中で、ウィルは本を開いて語る。

 

 

「ドライブの力を得るため、2014年にやって来た我が王。しかし、仮面ライダーを憎む少年、ミカドもまた時空を超えてやって来た。仮面ライダーゲイツの力を持つ少年…彼はいったい何者なのか…

 

そしてどうやら、我が王には大きな試練が待ち受けているようです」

 

 

 

_________

 

 

ミカドがラビットハウスで働き始めてから数日。

結論から言って、客が増えた。

 

 

「釈然としないです」

 

 

普段より少し忙しい様子に、何故かチノは不満げだった。

 

 

「それにしても、ミカドがこんなに仕事が出来るなんてな。いっそココアと代わってもらったらどうだ?」

 

「ひどいよリゼちゃん!」

 

 

リゼが感心して言う。

ミカドは言動こそアレだが、礼儀はわきまえており、接客も非常に丁寧。仕事ぶりにも無駄がない。

 

リゼやチノは初期のココアを思い返してみる。どちらも初経験だというのに、残酷なまでの差があった。少し悲しくなる。

 

ちなみに、壮間が手伝ったときはココアといい勝負でグダグダだったのを思い出してしまった。

 

 

「そういえば、ミカドくんって未来から来たってホント?」

「壮間さんも言ってましたね。確か4年後から来たと…」

 

「何故お前達に答える必要がある」

 

 

休憩時間でも、ミカドは一人離れた席に座っていた。

接客の時も表情の変化が乏しいが、そうでない時はさらに険しい。少なくとも、出会ってからこの数日、彼が笑ったところを見たことが無い。

 

 

「私は信じてません」

 

「お、意外だな。チノってこういうの好きかと思ってたけど」

 

「4年後の私は、今のココアさんよりも小さいそうです。

……そんなはずないです。牛乳だって毎日飲んでます」

 

「事実だ。奴は2018年、俺は2068年から来た」

「なんで今言い直したんですか」

 

「大丈夫!ずっと小さいチノちゃんも可愛いよ!!」

「褒めてるんですか?」

 

 

驚くココアとリゼ。そして、チノの頭上の白い毛玉のようなウサギ、ティッピー。

チノは驚きより凹みが勝っているようだった。

 

 

「じゃあ!未来ってどんな感じ?やっぱりウサギメカとか飛ぶウサギとかいるの!?」

 

「なんでウサギ限定なんだ…

チノも興味あるんじゃないか?例えば…未来のコーヒーとか」

 

「あるけどないです。ミカドさんの話は聞きたくないです」

 

 

ミカドとはやはり折が合わないようで、チノは顔をそっぽに向けた。チノにしては珍しく嫌いを押し出しているのが、他の2人からしたら珍しい。

 

 

「そこまで言うなら話してやる」

「天邪鬼か」

 

「未来では気候変動、世界紛争でコーヒー豆は高級品だ。そもそも嗜好品自体が俺達レジスタンスには滅多に回ってこない」

 

 

ミカドはそう言って、懐から袋を取り出した。

透明なパックの中には、茶色い粉末が入っている。

 

 

「タンポポの根の粉末に化学合成した物質を加えたものだ。味と匂いは本物のコーヒーに限りなく近づけてある」

 

「タンポポの根っこ…?」

 

「タンポポ茶だな。昔のドイツではよく飲まれてたって、親父に聞いたことあるぞ。

ってことは、ミカドはコーヒー飲んだことないのか?」

 

「カフェインは薬剤で摂取できる。わざわざコーヒーを飲む必要性が見当たらない」

 

 

「なんじゃと!?」

 

 

突然ダンディーな声が聞こえ、驚いたミカドは声が聞こえた方向を向く。

そこにはティッピーの口を押えるチノがいた。

 

 

「今その兎、喋らなかったか?」

「私の腹話術です」

 

「いや、声が全く…」

「腹話術です」

 

 

ココアやリゼも驚いた様子はない。半ば疑いながらも、ミカドはそれ以上考えるのをやめた。

 

しばらくすると、チノがミカドの前に湯気が立ち上るカップを置いた。

 

 

「なんの真似だ」

 

「ウチのオリジナルブレンドです。ホンモノの味を知らないなんて、人生8割損してます。バリスタを志す者として、そんな人を見過ごせません」

 

 

チノはそう言って、ミカドにコーヒーを手渡す。

ココアも欲しがっていたが、チノに「インスタントとの違いが分かってから出直してください」と諭されると、涙目で引き下がっていった。

 

ミカドはチノの理解できない行動にため息をつきつつも、渋々そのコーヒーを口に含んだ。

彼の本能を謎の緊張の中で見守る3人+一匹。

 

 

「味は変わらん」

 

「そんなわけないわい!違いも分からんデコ助が!」

 

 

また聞こえた低い声に、思わずミカドはコーヒーを吹き出しそうになる。

 

 

「その兎、喋っただろ」

「腹話術です。それより、変わらないわけありません。もう一回、もう一回だけ飲んでください!」

「ふざけるな。断る」

 

 

ワイワイと客がいない中で賑わうラビットハウス。

その中で、ミカドは確かな焦りを感じていた。

 

 

(こんな事をしている暇は無い。一刻も早く、仮面ライダードライブを……)

 

 

 

___________

 

 

 

「これは……」

 

 

交番に通報を受け、走大がトライドロンで駆けつける。

街の外れにあったのは、男性の遺体。とにかく現場を保存する走大だったが、妙だった。

 

 

「おかしい、なんで誰も応援に来ない」

 

 

大概の事件はロイミュード絡みである木組みの街で、捜査のほとんどは走大や駆に一任されている。しかし、殺人事件ともなれば話は別だ。普通なら、本庁から応援が駆けつけるはずだが、一向に音沙汰がない。

 

 

「首の骨が砕けてる…死因はそれによる窒息か。首に掴まれたような跡もある。どんよりの市民通報とも一致してるから…ロイミュードの仕業と見て間違いないか。俺だけで分かるのはこのくらいだな」

 

 

そしてこの遺体、身元はすぐに分かった。この街に逃げ込んだとされる、指名手配犯の一人、藤川高重だ。

 

 

「ロイミュードがコピーした…ってわけないか。それなら死体を隠すはずだ。一体、ロイミュードの目的は…いや」

 

 

走大の頭にこんな思考が過った。

状況は間違いなく機械生命体犯罪だ。しかし、何かが違う気がしていた。ロイミュードに限りなく近いが、確かに異なる…そんな像が走大の中で線を結ぶ。

 

走大はコーヒーアメを口に入れ、歯を立てて噛み砕く。

 

 

「Alright!上等だ、絶対に逃がすか!」

 

 

 

___________

 

 

 

その頃、壮間は。

 

 

「……平和だなぁ」

 

 

ラビットハウスの手伝いとして、野菜や果物のお使いに行っていた。

ロイミュードがこれだけ密集しているというのに、平穏が続いている。これも全て、栗夢走大という交番勤務員によるものだと考えると、その凄さが身に染みる。

 

 

「走大さんは凄い人だ。天介さんもそうだった。仮面ライダーになるのが、そんな人ばかりならいいのにな…」

 

 

そうはならなかったから、ミカドがいた未来に辿り着いてしまったのだ。

ミカドがいたのは、世界が崩壊した2019年5月1日の先の世界。一体あの後、何が起こったというのだろう。

 

その世界を支配した王、それは怪人か、仮面ライダーか。何にせよ、そいつを倒すしかない。

 

世界の理を覆すほどの力、消えたビルドの歴史。

 

 

(その王ってのが、もしかしてアナザーライダーなのか?)

 

 

考えに耽っていると、角の先から悲鳴が聞こえた。

急いで駆けつける壮間。その悲鳴の主は女性で、彼女が指さす先にはバッグを持った男が走り去っていた。

 

 

「ひったくりか…!」

 

 

走る壮間。忘れないように言っておくが、壮間はそこまで足は速くない。

 

 

「こういうのは…香奈の専門だから……」

 

 

全く差が縮まらないどころか、引き離されている。

すると、ひったくり犯の前に男が立ちふさがっている。

 

 

「どけぇ!」

 

 

その男は警察の制服を着ている。

走大以外の警官はいないはずであるため、壮間は息切れしながら疑問符を浮かべた。

 

男は叫ぶひったくり犯を前に一歩も動かず、

 

 

「お前のようなゴミは…排除する」

 

 

ひったくりの顔面に、薙ぎ払うような殴打を叩き込んだ。

吹っ飛び、家の壁に激突するひったくり。壮間は思わずその光景を二度見した。

 

 

「えっと……とりあえず、ありがとうございま…」

「うおぉぉぉぉッ!」

 

 

警官の男に礼を言おうとしたとき、吹っ飛んでいったひったくりが、唸りを上げて立ち上がった。奪ったバッグを放り投げ、体が変異していく。

 

現れたのは、バット型ロイミュード。ナンバーは104。

 

 

「うっそでしょ…ロイミュード!?」

 

 

ロイミュードは重加速を展開。周りの人々と壮間の動きが鈍化する。

しかし、駆けつけたパトカー型のシフトカー、ジャスティスハンターが壮間のホルダーに収まり、重加速域の中での自由を得た。

 

ジオウウォッチを構える壮間。だが、その時違和感に気付く。

この重加速の中で、警官は何事も無いようにロイミュードへと近寄っていたのだ。

 

 

「機械生命体…人々を襲う、悪の権化!」

 

 

警官の男の目線は、鋭く104を刺し貫く。

怯みながらも襲い掛かる104。しかし、その攻撃は軽々と受け止められる。

 

黒い靄のような物が男の体から溢れ出し、その全身を包み込んだ。

ドライブが変身するエフェクトが逆再生するように、警官の男は“変身”した。

 

 

「正義は…お前たちの存在を許さない」

「アナザードライブ!?」

 

 

間違いない。2018年で交戦し、間もなくこの街を静止させるアナザーライダー。アナザードライブだ。

 

アナザードライブは104の体を蹴り倒し、その胴体を力を込めて踏みつける。

 

 

「死ね」

 

 

アナザードライブの脚が104のボディを貫通し、その肉体は爆散。

逃げ出そうとする104のコア。だが、アナザードライブはそれを見逃さない。

 

そのコアはアナザードライブに掴み取られ、粉々に握り潰された。

 

 

「壮間!」

 

 

遠くから近づいてくる声が聞こえる。

その声は走大のものだ。重加速を確認したため、既にドライブに変身しており、ドア銃をアナザードライブに向ける。

 

 

「何だコイツ?そうか…これがアナザーライダー!?」

「…!ダメです走大さん!コイツと戦っちゃ!」

 

 

アナザーライダーの前にでは、オリジナルのライダーの力は減衰する。それを知っている壮間はドライブを止める。

 

 

(そもそも、あの人はロイミュードを倒しただけだ。敵かどうかはまだ…)

 

 

「栗夢…走大……そうか。お前も警察も、温過ぎる。この俺が…正義を正してみせよう」

 

 

アナザードライブの左肩のマフラーから黒煙が排出され、アナザードライブの全身を覆い隠す。煙が晴れた頃には彼の姿は消えていた。

 

変身を解除した走大は、怪訝な顔つきでさっきの言葉の意味を吟味する。

 

 

「正義……か…」

 

 

そう呟き、走大は壮間を一瞥するのだった。

 

 

 

___________

 

 

 

その後、特に捜査が進展することは無かった。

走大を襲いに行かないように、ミカドはラビットハウスでしっかりと監視。夜の間も拘束されるという徹底っぷりで走大と引き離していた。

 

そして、再び夜がやって来る。

 

 

「街の周りに現れる、自動車の幽霊…トライドロンに似てるんだよなぁ」

 

 

街の近くの山にある小屋。そこでクッキーをかじりながら写真を眺めるのは、津川駆。

その写真に写るのは、赤黒い車両の残像。今日の昼間から現れたこの車は、外部から侵入する者を弾いているらしい。

 

実際、殺人事件捜査の応援に来たパトカーは全て、この偽トライドロンに襲われて門前払いを受けている。

 

 

「いや~な予感がする。そう思ったら、行動あるのみ!」

 

 

駆はカメラを持ち、立ち上がった。

走大の迅速さに並び、追い越し、誰よりも先に情報を掴む。それこそが、最速の情報屋である、津川駆の仕事だ。

 

ドアノブに手を掛けようとした瞬間、

 

 

「…居る」

 

 

駆は即座にドアから身をずらした。

駆がさっきまでいた場所は、ドアを貫通した弾丸が通過。壁に貼っていた写真を射抜いた。

 

ドアを蹴破り、異形のドライブが姿を現した。

 

 

「勘弁してよ。トライドロンの次は、ドライブの偽物?」

 

「津川駆、その罪で汚れた身で正義を騙るお前も、許されざる悪だ!」

 

「なるほどね…その“黒歴史”、どこで知ったのかは知らないけどさ!」

 

 

駆は懐に仕舞っている“ある物”を取り出そうとする。

手を入れた瞬間、アナザードライブは躊躇の欠片もなく、左腕の銃を発砲した。

 

銃弾は駆の肩、脚、腹、そして心臓を貫通。

 

 

血を吐いた彼の身体は、穴の開いた無惨な姿で木の床に伏した。

 

 

 

_________

 

 

月の下、壮間はなんとなく外を散歩していた。

 

 

「アナザードライブは…悪い人なのかな」

 

 

彼はロイミュードを倒した。一見すると正義だ。

しかし、彼によってこの街が重加速域に包まれるのは事実。そもそも、2018年では普通に殺されかけた。

 

でも、嘘をついたり、悪意だったり、そういうのは何故か感じられなかった。

 

 

「それを言ったら、ミカドだって正しい。アイツはアイツの正義でこの時代に来たんだから」

 

 

ドライブは人を守るために戦う。ロイミュードは自らが進化するために戦う。アナザードライブは己の正義を遂行するために戦う。ミカドは未来を変えるために戦う。

 

 

「俺は…王になるために戦う。並べてみると、すごい自分勝手だな。

でも…天介さんと蘭さんが教えてくれた。これが俺なんだ。それが間違っているとは思わない」

 

 

一体、何が間違いで、何が正しいのか。

どれも正しい、それかどれも間違っているのだとしたら、一体誰と戦えばいいのだろうか。

 

そんな考えが壮間の頭で公転を続ける。

そんな時、壮間の携帯電話にメールが届いた。

 

 

「……これって」

 

 

 

 

メールの指示通り、壮間は近くの山道の先に小屋を見つけた。

 

 

「駆さん!?」

 

 

その中には、自分で自分の体に包帯を巻き、手当てをしている津川駆がいた。

床を見れば、その出血量が分かった。駆も相当辛そうだ。

 

 

「どうしたんですか、その怪我!」

 

「誰にも言ってないな?」

 

「え…はい、指示通り一人で来ましたけど。それより一体何が…」

 

「ドライブみたいなロイミュードにやられたんだよ。対面一番で撃たれた。心臓の一発はトマーレが、後はサーカスとコマーシャルの演出で何とか騙せたけど…フザけてるよ全く…」

 

「それって、アナザードライブ!?」

 

「…心当たりあるんだ」

 

 

壮間は駆に説明した。アナザーライダーについて、そして彼が昼間にも現れたことを。

 

 

「なるほどねぇ…歴史が消えて、未来では木組みの街は止まっちゃうわけだ」

 

「駆さんはあまり会えなかったので、説明してなかったですけど」

 

「ホントだよホント!情報屋なのに俺だけ知らなかったってことでしょ?ショックだわー」

 

「あ、でも歴史の事は走大さんにも言ってません。今は場合が場合なので伝えた方がいいかと…」

 

「それで正解だと思うよ。俺は全然へっちゃらだけどさ。歴史変わっても、可愛い子いるとこに俺有り!って感じだし。ソウさんはそうはいかないと思うからね……“前”の戦いのことや、ロイミュード達のことだって消えるわけだから」

 

「ロイミュードが消えるのは、良いことなんじゃ……」

 

「俺もそう思う。でも、ソウさんはそこちょい違うわけよ。ま、壮間もそのうち分かるでしょ」

 

 

駆はそこまで言うと、咳払いして話を戻した。

 

 

「んで、本題だ。そのアナザーってのがロイミュードと近い存在、つまり記憶と姿のコピーが可能だと仮定するよ」

 

「はぁ……」

 

「この家の場所知ってる人って、割と少ないんだよね。それに、俺の昔の事も知った上で、ピンポイントで俺を殺しに来た。

 

その両方を知っているのは、ソウさん、ココアちゃん、チノちゃん、千夜ちゃん、シャロちゃん、リゼちゃん。あとマヤちゃん、メグちゃんに青ブルマ先生、タカヒロのおっちゃん。正確にはあと一人いるんだけど…まぁそんな感じ」

 

「それって…!」

 

「残念ながら、今は身内が全く信用できないってわけ。

でも新参の壮間だけは、どっちも知らない唯一の味方サイドとして、確実に信用できる」

 

 

犯人は駆と親しい人物をコピーした。

その目的は分からないが、駆を襲ったことから、まず間違いなく敵だというのはハッキリした。

 

まずその正体を暴かなければいけない。それを考えた壮間は

それに気付いてしまった。

 

 

「駆さんは命を狙われてるから、しばらく雲隠れ。ってことは……あれ?俺が……やるしかない…!?」

 

「その通り。大事なダチの姿と記憶パクってる偽物野郎を、壮間は表から、俺は裏から絶対に暴き出す!2人だけの大捜査線だ!!」

 

「マジですか……?」

 

 

 

それこそが、2014年で壮間に課される最大の試練。

それはただ一人で、その正義と真実を以って、己の目で敵を見極めること。

 

試練の火蓋は、既に切って落とされていた。

 

 

 




ミカド空気…?いや、動かしたら走大殺しに行きますもん。もうちょいじっとさせます。
さて、謎解き要素をここで入れましたが…長くなるなぁ。あと3話くらいかな。お付き合いください。

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