仮面ライダージオウ~Crossover Stories~   作:壱肆陸

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少しぶりです146です。修羅の国に帰ってきました。
ポケモン対戦でタイプ相性をご存じでない案件を連発し、恥を晒しまくりの今日この頃、僕は元気です。

今回は遂に…遂に決着!長い!ここまでもだけど、今回の話も長い!
反省したから次のレジェンドからはもうちょい短縮します。
ついでにキャラ紹介どぞ。あと質問コーナーも活動報告からどぞ。


アナザービルド
2017年の四谷西哉が変身したアナザーライダー。改変された歴史ではビルドを倒し、一年に渡って60人の人間をボトルにし続けた。
ラビットの跳躍力、タンクの破壊力といった基本能力に加え、ボトルの中に人間を才能ごと閉じ込める能力を持つ。また、ベストマッチと組み合わせることで、その才能を行使できる。一定の条件化で撃破しない限り、何度でも蘇る。




だれがドライブの力を受け継ぐのか

「なぁ、俺はいつになったら本当のドライブになれるんだ?」

 

 

時は2013年。黒いシフトカーを弄りながら、走大は“彼”にそう尋ねた。

 

 

『君の頭脳、身体、能力は間違いなく超人だ。

しかし、“心”が足りなければドライブを使いこなすことはできない』

 

 

走大は聞き飽きたようにうんざりした様子で、シフトカーを机に置いた。

 

 

「心ねぇ…一体何がダメなんだよ、アンタなら分かるだろ?」

 

『それは君自身が考え、答えを出すべきだ。

君がその答えを見つけ、“真のドライブ”として共に戦える日を、私は心待ちにしているよ』

 

 

“彼”はそう言った。

 

そしてやって来た最後の戦い。

残る一体のロイミュード、002との戦いで、走大は赤きドライブに覚醒した。

 

 

 

“彼”の存在と引き換えに。

 

 

 

 

 

(……こんな時でも、夢って見るんだな。しかもとびきり趣味が悪い…)

 

 

全身の痛みで走大が目を覚ます。

腕はロープで縛られている。口はガムテープで塞がれ、声が通らない。

 

アナザードライブに攫われ、この状況が数日続いている。

何が起こっているのか、走大には大体察しがついていた。

 

それでも、走大はここから脱出することが出来ていない。

心身共に、衰弱がピークに達しそうだった。

 

 

(はは…分かるさ、笑ってんだろ?“私が居なければ、君は何もできない”って…

あぁ、そうさ。俺は一人じゃ…何もできなかった…)

 

 

一年前の走大が抱えていた、心の欠陥。

それは、自分が正しい、強いという「過信」と、一人で戦うことを拒む「依存」。この相反する心の矛盾。

 

 

失ったものは大き過ぎた。一生忘れることのない、消えない過ち。

だが、それは過去の話だ。

 

 

(あの日に誓った。俺の…使命は!)

 

 

嗅ぎなれた香りが、走大の鼻を貫いた。

 

 

 

_______

 

 

 

時計台の上で、歴史を賭けた決戦が始まった。

アナザードライブに対するは、並び立つジオウとゲイツ。

 

 

「俺が…正義を体現する!!」

 

 

呪言のように繰り返し、アナザードライブが攻撃を仕掛ける。

放たれた棘タイヤを2人が回避。時計台の屋根が抉れ、なおも勢いを止めない威力。まともに喰らうのは敗北に直結する。

 

 

「まだ撃ってくる…それなら!」

 

 

構えられた炎のタイヤが放たれる前に、ジオウが接近し、ジカンギレードで斬りかかる。

盾で防がれて有効打には欠けるが、その背後にはゲイツがいる。

 

ゲイツはジカンザックスをゆみモードにし、ジオウに手間取っているアナザードライブを…

 

連射でジオウごと撃ち抜いた。

 

 

「痛った!何すんの!」

 

「邪魔だ。上手く動かない貴様が悪い」

 

 

なんにせよ、アナザードライブにダメージが入った。

機動力を生かせないこの場所を嫌ったのか、逃げ出そうとするアナザードライブ。

 

 

「あっ…待て!」

「逃がさん!」

 

 

同時に駆け出したジオウとゲイツは、見事に激突。

躓いた結果、時計台の上から仲良く落下した。

 

 

「邪魔をするなと言ったはずだが…!?」

 

「ごめん」

 

 

アナザードライブも着地し、戦いの場は機動力が生きる地上に。

一旦アナザードライブが駆け出すと瞬く間に加速し、数秒の間に何発かを喰らってしまった。

 

一度停止したかと思うと、すぐさま銃撃に転換。

距離を取られながらの連射に、ジワジワと削られていく。

 

 

「前より強くなってない!?」

 

「想像以上に厄介だ。死にたくなければ、上手く俺に合わせて連携しろ」

 

「んなこと言ったって…あぁもう!やるしかない!」

 

 

ジオウとゲイツは一旦分かれて、攻撃を分散させる。

銃撃はゲイツの方に集中。防御が甘くなった側のジオウは、距離を詰めて斬撃を浴びせた。

 

 

「よし!」

 

 

背後から近づくゲイツは、ジカンザックスをおのモードに。

小さく舌打ちするが、ゲイツは苛立った声を張り上げる。

 

 

「しゃがめ!」

 

 

その声に合わせ、ジオウは慌ててしゃがみ込む。

その頭上をかすめ、横一閃のゲイツの攻撃がアナザードライブにヒット。

 

攻撃で怯んだ所に、しゃがんだジオウがジカンギレードをジュウモードに変形させ、ノーガードの敵に銃撃を炸裂させた。

 

 

《タイムチャージ!》

 

 

その隙にゲイツとジオウはそれぞれリューズを押し込む。

 

 

《5・4・3・2・1…》

《Five・Four・Three・Two・One…》

 

 

斧と剣の刃に力が集まり、カウントを刻む。

そして蓄積されたエネルギーを、アナザードライブに開放した。

 

 

《ゼロタイム!》

 

「せやッ!」

「はあッ!」

 

《ギリギリ斬り!》

《ザックリ割り!》

 

 

二つの斬撃がアナザードライブの装甲を穿つ。

火花を激しく散らし、地に倒れたアナザードライブが爆散した。

 

 

が、しかし。

 

 

「ウ…ウオァァァァァァ!!」

 

 

爆炎は一瞬で収束し、アナザードライブが復活する。

さっきまでのダメージも当然のように消えているようだ。

 

 

「復活した!」

 

「早いな。タイムジャッカーが近くにいるのか」

 

「タイムジャッカー…?」

 

「そんな事も知らないのか…まぁいい、説明は後だ」

 

 

アナザードライブが復活した。

いや、何かが違う。

 

 

 

 

『お父さんはね、悪い人をやっつけて皆を守る、とってもすごい人なの。だから…わかってね』

 

アナザードライブ───相場の脳裏で再生される、懐かしい声。

仕事上、父とはほとんど会うことが出来なかった。その度に、母がこう相場に言い聞かせていた。

 

特に不満は無かった。むしろ、父がとても誇らしかった。

将来は自分も同じように、警察官になりたいと思った。

 

 

だがあの日、父は死んだ。

 

 

そして彼は警察官になった。

全ては父の仇を討つため。復讐のため。

 

 

違う。

 

 

全ては、父が果たせなかった使命を受け継ぐために。

 

 

 

「俺は…警察官だ……!この世界から悪を排除する…その使命を!俺が果たす!!」

 

 

とんでもない量のエネルギーがアナザードライブに蓄えられている。

ジオウとゲイツは、そのエネルギーの正体を感覚で感じ取った。

 

 

「あの力、重加速を展開する気か!」

 

「あんなの…四分の一どころか街全部が止まる!早く止めないと!」

 

「言われるまでも無い!重加速が効かずとも、あんなエネルギーが放出されれば辺りは更地だ!」

 

 

 

 

その少し前、時計台から降りた駆は、019と気絶した高尾を連れて逃げていた。

 

 

「クソっ!放せ!」

 

「放すわけないだろ!お前、変に動いたらスパイクで風穴開けっからな!」

 

 

抵抗する019だが、駆の持つシフトカー、ファンキースパイクを見るとその動きを止めた。

シフトカーは、下級ロイミュードならば単体で撃破できるほどの力を持つ。身動きが取れない今なら尚更だ。

 

 

「まずコイツらどうにかして、それから本物のソウさん見つけないと…」

 

 

少し焦る駆。そこに、カツンという音が聞こえた。

足音。いや、杖の音だ。

 

一瞬で目の前に現れたのは、シルクハットを持って首を垂れる、紳士のような青年。アナザードライブを作り出した、タイムジャッカーのアヴニル。

 

上げた顔には、全てを下に見るような余裕に満ちた笑みが浮かんでいた。

 

 

「誰だ?味方…じゃないな」

 

「即決とは心外ッ!吾輩はアヴニル。貴公の敵ではないが、味方でもない。

貴公と吾輩とでは、生きる時間が違う」

 

 

駆が仕掛けるよりも速く、アヴニルがステッキを地面に突いた。

音と同時に、見えない衝撃が駆の体を吹き飛ばす。

 

 

「起きるのだ。貴公にはまだやってもらうことがある」

 

 

アヴニルは気絶した高尾の顔の前で指を鳴らす。

時間が巻き戻るように、高尾は目を覚ました。

 

 

「んだよ、ここ…何が起こって…」

 

 

その時、近い場所で爆発が起こった。

街が震える。さらに高尾の横眼に映るのは、縛られたロイミュード。

 

 

「な…なんだよ!バケモノ!?わけわかんねぇ!」

 

 

いつの間にかアヴニルの姿は無い。

状況はまさしく天変地異。普通の人間なら死さえ想起する。それは高尾も例外ではなかった。

 

 

「ふざけんなよ…俺はまだ死にたくねぇ…そうだ、なんで俺がこんな目に合わなきゃいけねぇんだ!!」

 

 

逃げ出そうとしていた019が、その言葉に反応して動きを止めた。

そこにいるのは凶悪指名手配犯、そして自分と同じ感情を強く抱いている。

 

「条件」は揃っていた。

 

 

「おいお前」

 

「く…来んな!バケモノ!」

 

「待てよ。別に殺そうってわけじゃない、逆だ。

俺とお前が、生き延びる道を教えてやる!」

 

 

019が高尾に差し出したモノ。

それは、赤いバイラルコア。ソレは高尾が持つと、濁った赤い輝きを放ちだした。

 

 

「これは…!?」

 

「心の闇がシンクロした!さぁ兄弟、俺と一つになれ!」

 

 

深紅のネオバイラルコアは、「ロイミュードと人間を一つにする」。

高尾の体に019が同化し、その姿は異形と化す。

 

 

現れた紅き異形は、その衝動と力のまま破壊を続け、力を誇示するように騒ぎの中心へと向かって行った。

 

 

「ハハハ!!力が漲ってきやがる!すげぇ…すげぇぜコイツは!」

『これなら仮面ライダーも怖くねぇな!さぁ見せつけろォ!』

 

 

眼前にいるのは2人の仮面ライダーとアナザードライブ。

ジオウとゲイツもその姿に気付いた。

 

 

「チッ…ロイミュードか、しかも融合進化態…」

 

「アナザードライブもヤバいってのに…!」

 

 

全身が深紅のボディに、長い腕。肩から手にかけては、ネジが幾つも突き刺さったようになっており、両肩にはドライバー、胸にはスパナ。配線がむき出しの頭部には、角のような2本のはんだごて。

一言で言えば、修理用具の塊。

 

 

『名付けてリペアーロイミュード!ぶっ壊しちまえ!』

「おぉ!!」

 

 

リペアーの破壊が一層激しくなっていく。

アナザードライブの方も重加速エネルギーが暴走を始め、今にも放出されそうだ。しかし、いくら攻撃してもエネルギーが散る様子も無い。

 

 

「あのロイミュードも放っておけない!一体どうすれば!」

 

 

慌てふためくジオウ。戦闘経験が豊富なミカドにとっても、この状況は万事休すと言わざるを得なかった。

 

2人では、この状況を覆せない。

 

 

 

《ドロン!トライドロン!》

 

 

 

暴れまわるリペアーが、その音声の直後に吹き飛ばされ、建物の壁に激突した。

突如現れたマシンのアームに弾き飛ばされたのだ

 

 

ジオウとゲイツは思わずその方向を向く。

壮間が資料で見た、トライドロンのタイプテクニックだ。

 

 

トライドロンのハッチが開き、中から飛び出したその男がアナザードライブに飛び蹴りを叩き込む。

 

生身と言えど、その一撃はアナザードライブの動きを止めた。

 

 

「なんで……なんでお前がここに!

栗夢…走大!!」

 

 

アナザードライブが怒りの声を唸らせる。

そこに現れたのは、囚われていたはずの、正真正銘本物の走大だった。

 

 

「残念だったな!俺を捕まえておきたけりゃ、こんなもんは置かないことだ」

 

 

走大が投げ捨てたのは、空になったコーヒー豆の瓶。

手に持っていた数粒のコーヒー豆を、走大は口に入れて噛み砕いた。

 

ゲイツは少し呆れ気味に言う。

 

 

「コーヒー豆を直接食べてドーピングしたというのか。ふざけた体質だ」

 

 

だが、それで体力が回復したわけではない。極度の興奮状態でアドレナリンが異常分泌しているだけだ。それはいわば、命の前借。

 

走大の体はボロボロで、壮間が前に見たときより少し痩せている。極限状態は顔にも現れており、体力が限界を超えているのは自明だった。

 

 

「そんな状態で戦う気ですか!?」

 

「…当たり前だ。いいか壮間、俺は自分が正しいなんて全く思っちゃいない。

でも一つだけ!俺には信じる正義ってやつがある!」

 

 

走大はドライブドライバーを装着。

しかし、その極度の疲労で走大が倒れそうになる。

 

 

「走大さん!」

 

 

そんな走大を支え上げたのは、その現場に急行した白い姿。

 

 

「駆…」

 

「悪い。変な紳士に襲われてさ、俺じゃなかったら気絶してたね全く…」

 

 

少し遅れたと言いつつも、爆速で駆けつけた津川駆。

走大の体を起こし、持っていた銃でアナザードライブを牽制する。

 

 

「壮間くん、ソウさんを止めようたって無駄だよ。こーゆー時は、思いっきり突っ走らせるに限る」

 

「分かってるじゃないか…行くぞ、駆!」

 

 

駆は懐から青い装置を取り出した。壮間とミカドはそれが何かをすぐに理解する。

 

 

「あれは…ドライバー!」

「まさか奴も……」

 

 

駆は「マッハドライバー炎」を装着。それを追って駆けつけたシフトスピードとシグナルマッハが、2人の手の中に収まった。

 

そんな中、激情に駆られたアナザードライブが、彼らに怒号を投げかける。

 

 

 

「邪魔するな!お前達、正義の仮面ライダーなら分かるはずだ!我々の使命がッ!!」

 

「当然だ!俺は仮面ライダーで、この街の交番勤務!この街の人々を守る…それが俺の使命だ!!」

 

 

イグニッションキーを回し、シフトスピードを変形させてブレスにセット。シフトレバーを上げる。

 

駆はマッハドライバーのスロットにシグナルマッハを差し込み、スロットを叩き込んだ。

 

 

《シグナルバイク!》

 

 

「レッツ…」

「「変身!!」」

 

 

《RIDER!》

《MACH!》

 

《DRIVE!》

《type-SPEED!》

 

 

装甲を纏いし、二人の戦士。

仮面ライダードライブと仮面ライダーマッハ。

 

襲い掛かるアナザードライブに、マッハのゼンリンシューターが火を吹く。

アナザーライダーのルールはマッハにも適応されるのか、攻撃は全く効いていない。

 

勝ち目が無いと、ジオウが2人を止めようとするよりも早く、ドライブとマッハは躊躇なく加速する。

 

 

《SP!SP!SPEED!!》

《ズーット!マッハ!》

 

 

そのスピードは、傍で見ているジオウとゲイツの意識を置き去りにする。

攻撃が効かないアナザードライブをも翻弄し、赤と白の風が敵に連撃を決めていく。

 

その攻撃は10秒と少し続いた。

余りの速度、凄まじい勢いの攻撃。たったそれだけの時間にどれだけの攻撃が繰り出されたのかは、計り知れない。

 

ただ、この圧倒的に理不尽なルールを前に、彼らの攻撃はアナザードライブの纏った重加速の力を半分近く散らしていた。

 

それでも立ったままのアナザードライブを見て、マッハがため息をつく一方、ミカドは驚嘆を顕わにしていた。

 

 

「速すぎる。見くびっていた…これが奴らの全力か」

 

 

敵がアナザーライダーでなければ、とっくに勝負が決まっていた。

2068年では見たことのないレベルの力量。これが、この時代の仮面ライダー。

 

 

呻くアナザードライブ。だが、その逆方向で瓦礫が崩れる音と、咆哮が聞こえた。

 

 

「俺を無視してんじゃねぇ!」

 

 

さっき吹っ飛ばされたリペアーが、崩れた建物の中から起き上がっていた。

突っ込んでくるリペアーに、マッハが応戦する。

 

 

「俺が撒いた種だからな。お前の相手は俺だ!」

 

 

リペアーの胴体にゼンリンシューターで殴撃。長い腕で掴まれる前に飛び上がって、すんでの所で躱す。

 

敵のリーチが長く、苦戦を強いられる。

それだけではない。リペアーの腕のネジが分離し、弾丸となってマッハに飛んでいった。

 

その攻撃で体勢を崩されたマッハに、リペアーが腕を伸ばす。

 

その腕が届く寸前、斬撃がリペアーの腕を切り裂いた。

 

 

「大丈夫ですか!」

 

「壮間くんナイス!」

 

 

リペアーVSマッハにジオウが加わり、形勢は一気に傾く。

しかし、リペアーは全く動じていない。

 

 

『2対1だと思ったか?こっちにも2人居るんだよなぁ!』

「俺達の力を見せてやる!」

 

 

ジオウに斬られた腕が再生していく。それだけでなく、これまでマッハが与えたダメージも同様に消えていったようだ。

 

高尾と019を結び付けた感情は「生存欲」。「死にたくない」という強い恐怖心が、「再生能力」として顕現したのだ。

 

 

「なるほど、こいつは面倒だ!」

 

 

そして一方、アナザードライブとドライブ。

アナザードライブの重加速エネルギーは健在で、いつ街が静止してもおかしくは無い。

しかし、ドライブとゲイツがエネルギーの開放をなんとか妨害している。

 

2つの戦いが激化する。

歴史の激流に逆らい、4人の戦士が奮闘する。

 

 

 

そんな様子を鼻で笑うかのように、

その男はステッキを突いた。

 

 

 

その瞬間を切り取ったように、戦いが完全に止まった。

重加速なんて次元ではない。まさに、時間が止まったというのが妥当だ。

 

ただ、その場にいる者の意識と感覚は正常に動き続けている。

そしてジオウとゲイツ、彼と同じく時間を越えた戦士は、止まった時間の中で動くことを許されていた。

 

 

 

「お初にお目にかかる。吾輩の名は、タイムジャッカーのアヴニル!!」

 

 

2人の前に現れた、タイムジャッカーを名乗る男。

この現象の主は、この男だというのは2人にも分かった。

 

 

「タイムジャッカー…さっきミカドが言ってた」

「あぁ。アナザーライダーを生み出している連中だ」

 

「その反応…ヴォードの奴、挨拶もしてないのか。実に…怠慢ッ!極まりない!」

 

 

クルクルと舞いながら叫ぶアヴニル。思わずジオウはポカンとしてしまう。

ゲイツは攻撃体勢で、アヴニルに問いかけた。

 

 

「タイムジャッカー、一体何のつもりだ」

 

「問うのは吾輩の方だ。どうして貴公らは、吾輩が擁立したこの王、アナザードライブの邪魔をする?」

 

 

ステッキを回してステップを踏んだ後、アヴニルはジオウにステッキを向ける。

 

 

「貴公は王になりたいんだったな?だが掲げる正義も大願も無い。王としての器は余りに矮小、論外だ!果たすべき正義も無く、一体何が王だというのか!」

 

 

次にアヴニルが指したのは、ゲイツだ。

 

 

「貴公はまだ見どころがあると思っていたが、それがどうだ。仮面ライダーを憎み、根絶やしにするはずが、今はこうして共闘している。実に嘆かわしいッ!貴公の正義はその程度のものだった!」

 

 

劇のような口調でひとしきり叫んだ後、アヴニルは天を仰ぐ。

 

 

「大した正義も持ち合わせない貴公らに、吾輩の王を否定する資格は無い!違うか?」

 

 

もう一度強くステッキを突く。

カンと高い音が石畳を貫き、辺りに響いた。

 

彼の言葉は暴論でありながら、正論だ。

 

その言葉を受け、壮間が口を開く。

 

 

「そうだ…俺にはまだ、何が正義かなんて分からない。だから、例えどんな正義であっても信じて突き進んでるあの人は…正直凄いと思う」

 

 

王として、壮間はアナザードライブに劣るのかもしれない。それがずっと感じていた、壮間の正直な思いだった。

 

でも、王は暴君であってはいけない。民を守る存在でなければいけない。そうでないと、認められるわけがない。

 

分かっている。だからこそ、壮間が出した答えは───

 

 

「何が正義かなんて迷ってるうちに、取り返しのつかない命が消える。だったら…そんな急ごしらえの正義なんて、俺にはいらない!」

 

「やはり論外ッ!正義も無く人の上に立つなど、出来るものか!」

 

「今の俺は正しくなんてない。それでも!俺の周りには、色んな正義があると知った!

何度も悩むし、何度も食い違うと思う。けど、俺以外の皆が正しければ、いつかそれが俺の正義になる!それが俺の目指す王だ!!」

 

 

ジオウはそう言い放った。

アヴニルは引きつった顔でジオウを睨みつけ、呆れた声で叫んだ。

 

 

「他力本願な王、実に不愉快だ!」

 

「あぁ、同感だな」

 

 

その声は、ミカドのものだった。

 

 

「誰か王かなんて下らない。理不尽な力があるから世界は崩壊する、それだけだ。そんな力は全て封印する、そのために仮面ライダーを歴史ごと消し去るしかない。全てのライダーを倒す、それが俺の正義だ」

 

 

この時代に来ても、ミカドの正義は変わらなかった。仮面ライダーに対する憎しみも、怒りも、消えることは無い。

 

でも、一つだけ、この時代で知ったことがある。

 

 

「だが…真に守るべきものを見失う程、“今の”俺の正義は腐っちゃいない」

 

「やはり軽い!貴公にとって、正義とはその程度か!」

 

「黙れ。それを決めるのは…俺自身だ!」

 

 

ゲイツがジカンザックスでアヴニルに斬りかかる。

しかし、その斬撃は空を斬り、アヴニルはその背後に。

 

アヴニルはステッキに両手を乗せ、シルクハットを深くかぶる。崩れた表情を隠すように。

 

 

「まぁ良し!貴公らが取るに足らん存在と知れたのは、吾輩としても実に僥倖!!だった。この借りはいずれ返すとしよう!」

 

「待て…!」

 

 

ゲイツとジオウが一歩を踏み出すと、その姿は消えていた。

それと同時に時間が動き出す。

 

その瞬間、ドライブが地面に倒れこんだ。

 

 

「走大さん!」

 

 

ジオウが駆け寄る。間もなくドライブの変身が解けてしまった。

それはダメージの限界か、体力の限界か、それとも

 

先の言葉で、安心したからか。

 

 

止まった時間の中で聞いた、彼らの正義。

壮間が持っていたのは、自分だけではなく他人の正義をも信じる心。ミカドが持っていたのは、自分自身を信じて貫き通す心。

 

そのどちらも、あの日の走大が持っていなかった「心」だ。

 

 

「これでいいんだろ…?なぁ、“ベルトさん”」

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

『俺達を信じて!この戦いを見届けて!』

 

 

その壮間の言葉の通り、チノはその場所に留まっていた。

間もなく爆発と騒ぎが起こり、彼の言葉の意味を、何となく理解した。

 

 

「逃げませんよ。走大さんたちが戦ってるのに、私だけ逃げられません!」

 

 

チノはまずラビットハウスに向かおうとする。

その時、ポケットに入っている何かが熱くなるのを感じた。

 

それは、昼にロイミュードに襲われた時、ミカドに渡されたプロトウォッチ。

薄く赤い輝きを放っており、その光はみるみる強くなっていく。

 

 

「これ…は……?」

 

 

プロトウォッチに色が宿り、文字盤に模様が刻まれる。

ドライブの力が、ウォッチに宿った瞬間だった。

 

チノはドライブウォッチを強く握りしめ、成すべきことを漠然と把握した。

 

 

「届けないと、これを…」

 

 

チノは走り出した。騒ぎの中心へ、より恐怖を感じる方向へ。

流れに逆らって人ごみをかき分け、息を切らし、髪を乱したその先に、彼らはいた。

 

歪なドライブと赤いロイミュード。そして、ジオウとゲイツの姿が見えた。

 

ウォッチが語り掛ける。ドライブの歴史を受け継ぐに相応しい者に、この力を渡せと。

選ばなくてはいけない。だが、チノの心に迷いは無かった。

 

 

震える小さな体は、精一杯息を吸い込んで、その名を叫んだ。

 

 

 

 

「ミカドさん!!」

 

 

 

 

 

チノの手から放られたウォッチが、宙で放物線を描く。

彼女の声を聞き、ゲイツはそのウォッチを確かに受け取った。

 

驚きはある。しかし、その行動の意味も分かる。

ゲイツはそんなチノを見て、少し笑うのだった。

 

 

「やはり、分からん女だ」

 

 

ウォッチのカバーを回転させ、ボタンを押して起動させる。

 

 

《ドライブ!》

 

 

浮かび上がるのはドライブの顔。ゲイツは左のスロットにドライブライドウォッチを装填し、ドライバーを回転。

 

 

《ライダータイム!》

《仮面ライダー!ゲイツ!!》

 

 

ドライバーから4文字の平仮名が具現化し、ゲイツの背後にタイヤのビジョンが現れる。

アナザードライブに駆け出すゲイツ。ビジョンもそれを追い、その中にアーマーを生成させた。

 

しゃがみ込むようなポーズをとったアーマーは、ゲイツがアナザードライブに一撃を叩き込むと同時に四散。

ゲイツの姿とそのアーマーが重なり、最後に複眼に刻まれた「どらいぶ」の4文字が琥珀に輝いた。

 

 

《アーマータイム!》

 

《DRIVE!》

《ドライブ!》

 

 

赤い体の中央を走る、2本の白いライン。両肩アーマーにはスピードタイヤを持ち、両腕にはシフトブレスを模した装備が煌めく。

 

 

「まさか、こんな結末になるとは…」

 

 

そこに見計らったように現れた、預言者のウィル。

ジオウの継承を祝いに来たのだろうが、そこにいるのはもう一人の戦士の姿。

 

 

「仕方ない。予定とは外れたが、祝う他あるまい!」

 

 

ウィルは本を開き、その場にいる全ての者に高らかに言い放つ。

 

 

「祝え!全ライダーを打ち倒し、新たな未来へ我らを導くイル・サルバトーレ!

その名も仮面ライダーゲイツ ドライブアーマー!不本意ながら…ライダーの力を継承した瞬間である!」

 

 

力を受け継いだ赤き戦士。その姿を見て走大は立ち上がり、ゲイツの横に立った。

余計な言葉はいらない。ただ最後まで、選ばれた彼と共に戦うだけだ。

 

 

「ひとっ走り…」

「付き合ってもらうぞ!」

 

 

 

________

 

 

 

ゲイツがドライブの力を継承した。

つまり壮間は選ばれなかった訳だが、今の彼には一先ずどうでも良かった。

 

アナザードライブは彼が倒す。そして、今の自分が相手すべきなのは、こっちの方だ。

 

 

「駆さん」

 

「分かってるならオッケー。さーて、出だし遅れた分、こっからゴボウ抜きだ!」

 

 

マッハはリペアーを指さし、高らかにその口上を言い放つ。

 

 

「追跡!撲滅!いずれも~マッ…ハー!

仮面ライダー……マッッハァァァ!!」

 

 

見事にポーズまで決めるマッハに、ジオウは困惑気味に聞く。

 

 

「それいります?」

「いるの!ホラ行くぞ!」

 

 

マッハとジオウがリペアーに攻撃を仕掛ける。

上手く決まるが、やはり数秒と経たずに再生してしまった。

 

 

『無駄無駄!もう俺達がダメージを受けることは無い!』

「サイコーだぜこの力!」

 

 

リペアーは乗り捨てられた車を見つけ、一度完全に破壊する。

そして鉄くずとなった自動車のパーツを一瞬で溶接し、自身の体に装甲として装備した。

 

 

「おいおい、そんなのアリ!?」

 

『アリなんだよ!』

「死ねぇ!」

 

 

リペアーに追加された2本の腕が、マッハを狙う。先端がペンチのようになっており、一度捕まれば腕を切断されてしまうだろう。

 

マッハを援護するようにジオウも動く。が、腕が増えたことでリーチが大幅に広がり、対処が困難を極めている。

 

 

「これなら…!」

 

 

腕を躱しながら、ジオウは銃弾を放つ。

問題なくヒットするのだが、瞬く間に再生してしまう。しかしその様子を見て、気付いた。

 

 

(遠距離の攻撃に対して弱い…いや、そもそも再生にかまけて動きが遅いし、銃を防ぐ手段が無いんだ!)

 

 

受けても平気、そう思っているなら話は早い。

マッハもジオウの意図を汲み取ったようだ。

 

ジオウはホルダーからビルドウォッチを取り外し、ジカンギレードのジュウモードにセットした。

 

 

《フィニッシュタイム!》

 

 

リペアーに照準を合わせ、引き金に指を掛ける。

銃口にガトリングガンのような像が出現し、引き金を引いた。

 

 

「これでどうだ!」

 

《ビルド!スレスレシューティング!!》

 

 

銃口から放たれるのは、鷹の形状を模した無数のエネルギー弾。

ビルドホークガトリングフォームの力を宿した技が、一斉にリペアーへと襲い掛かった。

 

その総数は100。空間を埋め尽くす銃弾を余さず受けたリペアーは───

 

 

何事も無かったように立っていた。

 

 

「効かねえんだよ!そんな攻撃いくらしようともなぁ!」

 

 

体に受けた全ての傷が既に再生している。圧巻の再生力と認めざるを得ない。

だが、そこまでは想定内だ。なにせ、さっきの攻撃は()()()()()()()()()()

 

 

「そいつはどうかな!」

 

 

次の瞬間、マッハがリペアーの懐に潜り込んだ。

先程の攻撃の狙いは「マッハから注意を逸らす事」、そして「アームを破壊すること」だ。いくら再生が優秀であろうと、完全に破壊されたものはすぐには修復しない。

 

アームが無い事で、マッハに気付いても妨害する手段が無い。

まんまと接近され、完全攻撃態勢のマッハのインファイトが牙を剥く。

 

 

「再生能力持ちの敵への攻略。そんなの追っつかない程の連打って、相場が決まってるんだよ!!」

 

 

マッハの連撃は音速をも超える。まさしく文字通りのマッハだ。

焦るリペアー。そして、再生よりも削れるスピードの方が上回り始めた。

 

 

「おい待て!嘘だろ!?」

 

「こいつでフィニッシュだ!」

 

《ゼンリン!》

 

 

ゼンリンシューターのタイヤを回し、光の刃がリペアーの体を切り裂いた。

リペアーの体に亀裂が入り、マッハはそこから融合した高尾だけを引き剥がす。

 

融合進化態は、人間と融合しなければ能力を発揮できない。

高尾を失ったリペアーはその姿を保てず、019の姿に戻ってしまった。

 

 

「ま…待ってくれ!殺さなくてもいいだろ!?なぁ、見逃してくれよ!」

 

 

019は手のひらを返し、ジオウにそう懇願する。

ジオウは黙ったまま019を見る。マッハもその様子をただ見ていた。壮間がどんな選択をするのか、見極める必要があると感じたからだ。

 

 

「そ…そうだ!お前、018のこと知ってるんだろ!?」

 

 

その名前を聞いて、ジオウが明らかに反応した。

藁にも縋る019は、そこに付け入る。

 

 

「俺と018は同時に生産された、いわば兄弟みないなもんだ!だったら俺のことも見逃してくれって!」

 

「018は…優しいロイミュードだった。お前はそうじゃない…!」

 

「同じだ!あぁ同じだよ!俺も誰も殺してないし、人を襲いたいわけじゃない!だから…」

 

 

その言葉が発せられた瞬間、壮間の中で何かが込みあがってきた。言うまでもない、怒りだ。

ジオウはジカンギレードを掲げ、その刃を019へと向ける。

 

 

「おい、やめろ!やめろ!助けてくれ!信じてくれって!」

 

 

その一言一言が壮間の心を煽り続ける。叫び声を上げ、ジオウの剣が019の身体を…

 

 

 

貫く寸前で、止まった。

 

 

「今の俺じゃ…お前を裁けない。こんな感情で…命を裁いちゃいけない。

多分、歴史が消えてロイミュードも消える。でも、いつか必ず…俺は王になって、この歴史を元に戻す。ロイミュードと共存できる世界を作る。

 

お前を裁くのは…その時だ」

 

 

剣を下ろす。マッハはその選択を見届け、変身を解除した。

 

 

《オツカーレ》

 

 

自分なら迷わず殺していた。それが間違いだとは思わない。なぜなら、駆は1年前に019が起こした殺人事件を知っているからだ。

「誰も殺していない」そんなのは真っ赤な嘘だ。

 

壮間は、その事実を「感覚的に」見抜いた。見抜いたからこそ、あの時壮間は激昂した。

駆が驚いたのは、そこだ。

 

しかも、その侮辱ともとれる弁明に対する怒りを、彼は制御した。

 

 

彼の選択は甘い。だが、「人の本質を見抜く力」と、「感情に流されない力」。それはまさしく、主人公どころか王の資質だ。

 

まだお世辞にも、もしかするとなんて言えない。

それでも──

 

 

「いいじゃん、駆け出しの王様」

 

 

駆はカメラを構え、その姿をレンズに映す。

その時、ジオウのブランクウォッチの一つに、白い力が宿った。

 

 

 

 

________

 

 

 

 

ゲイツの姿が、赤い残像を残して消えた。

これまでを遥かに超えるスピードで、アナザードライブに激突。それでも勢いは止まらず、さらにタイヤを高速回転させ、アナザードライブの装甲を削り取った。

 

 

「ふざけるな…!俺が正義だ!“仮面ライダードライブ”だ!!」

 

 

重加速エネルギーが収束を始めた。街を静止させるつもりだ。

しかし、今のゲイツにとってそれは何の脅威でもない。

 

 

「遅い!」

 

 

エネルギーの開放より先に、接近したゲイツのアッパーが突き刺さる。

その勢いで宙に浮いたアナザードライブに、更に追撃。地面に落とすことすら許さない連撃が叩き込まれていき、最後に渾身の蹴りが決まった。

 

吹っ飛んだアナザードライブを追って、ゲイツはジカンザックスを構える。

 

 

「はぁッ!」

 

 

斧の斬撃は、アナザードライブの盾が完全に防ぐ。

反撃に転じようとするアナザードライブだが、ゲイツの動作は止まらない。

 

斧を構えたままドリフトするように高速で回転。複数方向から斬撃が飛び交い、威力は増していく。遂に盾は完全に粉砕され、その一撃が完璧に決まった。

 

その衝撃が全身に伝播し、ドライブの力と重加速の力が相殺。

アナザードライブの重加速エネルギーは、これで完全に霧散した。

 

それは即ち、木組みの街が制止する未来が覆ったことを意味する。

 

 

 

「認めない…認めない!俺の力が、正義なんだ…!!」

 

 

アナザードライブが逃げ出した。

速度は一級品。建物も多く、あっという間に見失った。

 

 

「正義を名乗りながら、敵に背を向けるか」

 

 

ゲイツの両腕から、シフトカー型ユニット「シフトスピードスピード」が分離し、アナザードライブを追跡。それを追ってゲイツも走り出す。

 

木組みの建造物の間を縫って繰り広げられる、戦士たちのカーチェイス。

 

巧みに逃げ回るアナザードライブだが、シフトスピードスピードはその速度を凌駕し、その動きを妨害する。そして、ゲイツの複眼は遂にその姿を捕らえた。

 

 

その時、横から聞こえる禍々しいクラクション音。

黒い煙を出して追突してくる、暴走車両のアナザートライドロンだ。

 

 

「やれ!トライドロン!」

 

 

アナザードライブはこの隙に逃亡するつもりだろう。

ゲイツは動じない。なぜなら、それをかき消すクラクション音が聞こえたから。

 

 

「おらぁぁぁぁぁ!!」

 

 

アナザートライドロンがゲイツに激突する前に、さらにその横の死角から別の車両が突っ込んでくる。

 

 

「全く…無茶苦茶な奴だ」

 

 

こちらもある意味では暴走車両。満身創痍の走大が乗る、本物のトライドロン。

トライドロンはアナザートライドロンと衝突。偽物は脆いと言わんばかりに、アナザートライドロンは木っ端微塵に破砕された。

 

逃げるアナザードライブ。しかし、逃げた先は開けた広場だ。

その先には走大が運転するトライドロンが回り込む。逃げ場はもう無い。

 

 

「俺は警察官なんだ…悪を倒し、悪の無い世界を作る…そんな理想を、俺の正義を!どうして理解しない!」

 

「覚えておけ。正義は強い方が絶対、未来の世界では常識だ」

 

 

アナザードライブを蹴りで牽制し、ライドウォッチのボタンを押して必殺待機状態に。

 

 

《フィニッシュタイム!》

《ドライブ!》

 

「貴様の正義は、俺の正義が打ち砕く!」

 

 

走大はアクセルを踏み込み、一気にトライドロンを加速させる。

ゲイツを中心に高速で周回するトライドロンは、速度のあまりタイヤが地面から離れ、それはさながら赤いサーキット。

 

 

「決めろ、ミカド!」

 

 

アナザードライブの周りに4つのタイヤが出現し、逃げ場を無くすと同時に、アナザードライブをそのサーキットの中に弾き出した。

 

 

飛び上がったゲイツは、トライドロンを足場に方向転換。勢いを強めて、円の中央に来たアナザードライブにキックを入れる。

 

しかし、その威力では鋼鉄のボディを破壊するに及ばない。

ならば、何度だって叩き込むのが道理。

 

ゲイツは更にトライドロンを蹴って方向を変え、再びアナザードライブに蹴りが炸裂。

更にその先にもトライドロンが来るため、もう一度必殺キックが決まる。

 

更にその次も、その次も、加速しながら何度だって叩き込む。

 

サーキットの中央で、四方八方から繰り出される連続蹴り。防ぎようも無ければ、反応できる速度でもない。

 

これこそがドライブの必殺技、「スピードロップ」!

 

 

「終わりだ!」

 

《ヒッサツタイムバースト!!》

 

 

仮面ライダードライブは“心”の戦士。

卓越したテクノロジー、誰よりも強い力、全てを振り切る速さ。それらを操るだけの心こそが、ドライブの資格。

 

 

受け継がれた赤い輝きが、神速の速さで敵を貫いた。

スライディングでブレーキを掛けるゲイツに、トライドロンが並走する。

 

その背後で、アナザードライブが断末魔を上げて爆散。

 

気を失って倒れる相場。爆炎の中からアナザードライブウォッチが浮かび上がり、空中で破裂した。

 

 

戦いを終えたゲイツに、走大は窓を開けて拳を向ける。

そんな走大に、ゲイツも少し渋った後、その拳を突き合わせた。

 

 

 

「「ナイスドライブ」」

 

 

 

 

 

 




終わったぁぁぁ!最後はエピローグでドライブ×ごちうさ編完結です!
設定盛り過ぎは良くないですね。反省しました。

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