仮面ライダージオウ~Crossover Stories~ 作:壱肆陸
今回から響鬼編!クロスするのは…妖狐×僕SSでございます!
何故かハーメルンではマイナーなこの作品…女性向けって言われるけど、割とバトルしてるし凜々蝶めっちゃ可愛いんだけどな…そんなにハーレムが好きか貴様らァ!!(見当外れの怒り)
原作知らなくても大丈夫なように、善処いたしますので見守っていただければ幸いです。
うまいことクロスさせられるよう、原作も繰り返し追いながら頑張りますので、響鬼×いぬぼく編を最後までよろしくお願いします!
ではどうぞ!
偽る鬼
「この本によれば…普通の青年、日寺壮間。彼は2018年にタイムリープし、王となる使命を得た。2068年より来訪した少年、光ヶ崎ミカドこと仮面ライダーゲイツ。彼がドライブの力を継承したことで、2014年での戦いは幕を閉じたのでした。
しかし、そんな彼らに迫る“妖”の気配。何やら…鍛える予感がしますね」
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放課のチャイムが鳴り、一気に教室が騒がしくなる。
そんな教室の隅で、壮間はコンビニのおにぎりを食べながら、ついさっき渡された紙を見ていた。
「C判定。うん、まぁだよな」
前回の模試の結果による、志望校合否判定の用紙だ。
とはいっても、この模試を行ったのは壮間がタイムリープした時点よりも前。その結果は一週目で覚えているし、どんな内容だったかは全く覚えていない。
そんな事よりも、壮間が気になっているのはジオウとしてのことだ。
2014年ではドライブの力を貰い損ねた。今思えば、それって結構重大なミスなのではないだろうか。今のままで大丈夫なのか…と、流れるように不安が出てくる。
不安と言えば、その言葉と縁の深い人物が、もう1人…
「香奈、部活行かなくていいの?」
「……え。あ、あーはい!部活ね!部活!行くよ?行きますけど!?」
自分の席でこの世の終わりみたいな顔をしていた香奈に声をかけると、あからさまな反応が帰ってきた。心配するところだろうが、壮間はその理由を知っている。
「…D判定」
「ちょ、ソウマ!?何、見たの!?」
慌てて机の上の判定用紙を隠す香奈。
見てないけどタイムリープしてるから知ってます。とは言えない。
そうでなくても、このタイミングでそんな顔をしてれば大体察しはつくものだ。
「いや、全然平気だし。D判定はあれよ、デラックスのDだから。全然大丈夫!そう、大丈夫のD!」
「その言い訳はどうかと思うけど…まぁ実際大丈夫だと思うよ。俺も言うてCだし」
「ソウマは難関校じゃん!なんで幼馴染でこうも差が付くかなー!?もうダメだぁぁぁぁ…DはダメダメのDなんだぁぁ……」
情緒不安定になる程度には追い詰められているようだ。
実際大丈夫なのは事実だ。壮間の知る未来では、香奈はダンス部引退後に猛勉強し、一般入試で体育大学に合格する。
だが、それを伝える訳にもいかないので、今は放置しておくしかない。
「とにかく大丈夫だから、今は…ぐおっ!?」
そんな風に励まそうとしたところに、別の男子生徒が壮間に激突。その生徒は壮間には目もくれず、ある席へと慌ただしく直進していった。
よく見れば、その席には異様な人だかりができている。
「痛っつ……ってなんだ、またアイツか」
「あの転校生くん、モッテモテだね!あ、そうだ。勉強教えてくれるかな?」
「香奈、アイツはやめといたほうがいい。“そんな事も分からないのか、貴様に生きる価値は無い”とか言い出すよ絶対」
その席に群がる生徒は口々に「ウチの部活に来ない?」とか「バスケ興味ないか?」とか勧誘のセリフをぶつけている。
その中心にいる生徒こそが、先日編入してきた編入生。
未来から来た仮面ライダーの、光ヶ崎ミカドである。
こんな事態になっているのも、ここ数日のミカドの活躍のせいだ。
数学は暗算で、しかも爆速で解く。
化学と歴史は教科書暗記してる。
英語はペラペラだし、なんなら別の言語もできる。
しかも運動はそれを凌駕するときた。ダンクするわ、ホームラン打つわ、一人でサッカー部全抜きするわ。
高校最後の大会も近いため、皆が血眼になって誘うのも分かる話だ。だが、そんな事情をミカドが気にする訳もなく。
「邪魔だ。俺は馴れ合いに来たわけじゃない」
冷たく強引に突き放し、寄ってくる彼らを散らす。
そんなミカドが睨みつけるのは、香奈の席でその様子を見ていた壮間。
「来い」
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「ジオウ」
「ジオウはやめて。色々と面倒だから」
「チッ…じゃあ日寺、貴様はここで何をしている?」
「何って…勉強だよ。学校なんだし。
そういうミカドはなんで編入なんかしてきたんだよ」
「決まっているだろう。貴様の監視だ」
拳を握り固めたミカドは、壮間の目の前をかすめて壁を殴りつける。
その音で視線が集まってしまい、壮間は慌てて場所を移動した。ミカドは面倒くさそうに息を吐く。
「仮面ライダーはこの俺が殺す。だが、貴様は現時点では余りに軟弱で甘く、力に溺れるほど大した欲も持っていない。その癖、力を捨てるつもりも無いときた」
「あ…そう。お前の都合はよく知らないんだけど…」
「勘違いするな。現時点で貴様は脅威でも何でもない。今すぐ殺す理由が無いだけだ。それで監視することにしたが…なんだその腑抜けた体たらくは!」
なんかいきなり怒られた壮間。つい姿勢を正して目を逸らしてしまう。
「頭脳も半端、運動能力は微妙、存在自体が至って地味!王になると啖呵を切った男がその程度で、そんな奴のために俺がこんな所に来たと思うと単純に腹が立つ!貴様、戦士としての自覚があるのか!」
グサグサと音を立てて、言葉の槍が壮間に突き刺さった。自分で思っていたことではあるが、改めて他人の口から聞くと、なんというかキツいものがある。
「…何か言い返したらどうだ!」
「理不尽!」
壮間が言葉でボコボコにされているところに、コンコンと音が聞こえた。窓に何かが当たっている。いや、小さな赤い鳥のようなロボが、窓をつついて壮間たちを呼んでいるようだった。
「何あれ?ミカドの鳥?」
「タカウォッチロイド、俺の時代の索敵ユニットだ。念のため街に放っておいた」
「索敵…ってことは!」
「アナザーライダーだ。来たければ勝手にしろ」
そう言うと、ミカドは勢いよく窓を開け、躊躇なく飛び降りた。
「えぇ…ここ2階…」
平然と着地し、走り去るミカド。彼は人間なのか疑問すら湧く。窓から遠い地面を見下ろした壮間は、駆け足で階段を下って行った。
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公道に停車する、黒く長い高級車。いわゆるリムジンというものだ。そこから慌ただしく出てくる黒服の男性たちは、手際よく扉を開け、その足元を整備する。
「足元にお気をつけください」
「はっ、ご苦労とでも言っておこうか。他人の顔色を伺う人生は、随分と楽しそうだな」
厳重に守られながら出てきた声は、とても尊大。
しかし、その地に足をつけた体は小さく、可愛らしい少女。恐らく齢12歳にも満たないだろう。歳に不釣り合いな表情を除けば、まるで人形のようだ。
そんな彼女が車から降り、足を進めた瞬間、カキンと軽い音が遠くから聞こえた。
公園で野球をやっている少年たちだ。
そんな彼らを、彼女はぼーっと眺める。
自由に対するお嬢様の典型的な憧れとは、また違うような感情。悲しみと悔しさを含んだような感情が、その幼い顔から溢れ出ていた。
「僕は……」
もう一度その音が響く。
しかし、打ち返された球はあらぬ方向へ。
その球は、物憂げな彼女の視界に入り、顔を目掛けて真っ直ぐ……
激突する寸前、球は炎に焼かれ、灰となって消え去った。
土を踏みしめる音、呼吸の音…
全ての音が畏れを奏でるように、その異形はそこに立っていた。
仁王像のような出で立ちの紫の肉体。肩の鬼瓦。纏う羽衣。歪な二本角が額からは伸び、生え揃った牙の奥には別の口が覗く。
まるで鬼面を被った人間にも思えるが、その瘴気にも似た風貌は限りなく人ではない。
「妖怪…?いや、君は……!」
“何かを知っている”ような少女だが、そんな彼女には目もくれず、異形は公園を見据える。
「ぁあ……!」
小さく声を漏らした異形は、背中から二本の棍棒を引き抜く。そして、炎を纏わせた棍棒で空を一薙ぎ。
公園は、一瞬で焦土と化した。
「白鬼院様!」
“白鬼院”。そう呼ばれた少女は、大人たちに守られ、安全な場所へ連れていかれる。
しかし、やはり異形は気にも留めず、その足は阿鼻叫喚の地獄となった公園へと向けられた。
泣き喚く子供たち。その中で、異形は一人の子供を見つけた。少女に当たりそうになったボールを打った子供だ。
泣き叫ぶ子供に向ける感情も無く、ただ作業的に
異形は棍棒を振り上げた。
《サンダーホーク!》
その瞬間、飛来したタカウォッチロイドが異形に電撃を放つ。異形は「痒い」と言わんばかりに、易々と一撃で叩き落とす。
しかし、それは僅かな時間を生み、その二人を呼び寄せた。
「早く逃げて。コイツは俺達が」
「なるほど、次は鬼退治というわけか」
駆けつけた壮間とミカドは、子供が逃げたのを見届けると、ドライバーを装着。ウォッチを起動させ、ドライバーに装填する。
《ジオウ!》
《ゲイツ!》
「「変身!」」
《ライダータイム!》
《仮面ライダー!ジオウ!!》
《仮面ライダー!ゲイツ!!》
二人の背後に時計のビジョンが出現し、ドライバーを回転。ジオウとゲイツに変身を変身を果たした二人は、各々が異形へと攻撃を仕掛ける。
異形が放つ棍棒の一撃。
ゲイツはそれを躱すが、ジオウには直撃。ジオウは燃え盛る炎の中に吹っ飛ばされた。
ゲイツはそれを全く気にせず、攻撃を続行。
異形の猛攻をかいくぐり、体に刻まれた“文字”を確認する。
胸から腹にかけて「hibiki」、背面には「2005」と赤く縦書きで記されていた。
「ヒビキ…アナザー響鬼か」
叩きつけられた棍棒を踏みつけ、動きを止める。その隙にゲイツは顔に一発、胴体に一発の攻撃を入れ、反撃はジカンザックスでガード。アナザー響鬼の攻めの隙間を狙い、斧で斬撃を刻み込んだ。
「……!」
アナザー響鬼が棍棒を握り直した。ゲイツは咄嗟に身構える。放つ雰囲気がガラリと変わった。呪いのような陰の気配から、まるで燃える炎へと。
「本気を出すとでも言うのか。それなら…」
《ドライブ!》
ドライブウォッチを起動させ、アーマータイムを発動。
ドライブアーマーを身に纏ったゲイツは、滑るように加速して攻め入る。
《アーマータイム!》
《ドライブ!》
「はぁッ!」
先程よりも精度も速度も増した連撃。ドライブの力から放たれる、超速の猛攻。
さらに、それだけでは終わらない。
《アーマータイム!》
《ビ・ル・ド-!》
「おらぁぁぁぁ!!」
炎を突き破り、吹き飛ばされたはずのジオウが戻ってくる。ビルドアーマーを装備したジオウは、ドリルでアナザー響鬼目掛けて突進。
その瞬間にゲイツはしゃがみ込み、アナザー響鬼の視界から消える。
ビルドアーマーの貫突と、ドライブアーマーの死角からの斬撃。この二つが、アナザー響鬼へと完璧に決まった
かに思えた。
「バカな…!?」
「マジかよ!」
その両方ともが、棍棒による防御で受け止められている。反応もそうだが、余裕をもってあの攻撃を受け止める程の、凄まじい腕力。
アナザー響鬼は強くその場で踏み込み、地響きを鳴らす。ゲイツとジオウの、驚きと防御への転換を含んだ“無”の一瞬が、命取りとなる。
「ぁ…ッ!」
声を出す暇も無い。意識の隙間に切り込むような一撃が、二人を襲った。
体に波紋する、鋭く鮮烈な痛み。これは打撃ではなく、“斬撃”。
アナザー響鬼の赤い腕が、変貌している。
そこだけ別の生き物のよう。鱗に覆われた腕に、長く鋭い、刃のような爪が。
「ッ…!あれもアイツの能力かよ…!」
「油断するな来るぞ!」
ゲイツが言い終わらないうちに、アナザー響鬼は目の前に。訓練を積んだ彼でさえも、受け切ることが出来ない打撃が決まる。
「ミカド!」
ジオウが態勢を整える前に、アナザー響鬼が投げた棍棒がジオウに突き刺さった。
ジンジンと響く重い痛み。だが、それに慣れるのを敵は待ってくれない。
反撃をすることも叶わず、振りかぶられたもう一つの棍棒が、ジオウを打ち上げる。
ジオウに投げた方の棍棒を拾い上げたアナザー響鬼は、息を切らすでもなく、ただそこに立っていた。
いい加減、壮間も理解する。
(このアナザーライダー…強い。今までの奴よりも桁違いに…!)
だが、それで諦める訳にもいかない。
《フィニッシュタイム!》
《ドライブ!》
《ビルド!》
立ち上がったジオウとゲイツは、必殺待機状態に移行。
双方が爆発的に加速し、挟み込むようにアナザー響鬼に狙いを定める。
《ヒッサツタイムバースト!》
《ボルテックタイムブレーク!》
アナザー響鬼は両足を広げ、棍棒を持った両腕を交差させるような構えを取った。
気がそこに収束するように、アナザー響鬼の棍棒に炎が宿る。
「異・音撃打……爆殺破獄の型」
左右から迫りくるジオウとゲイツ。その眼前に現れるのは、鼓の幻影。その鼓を打ち鳴らすか如く、アナザー響鬼は左右に棍棒を薙ぎ払った。
二人の必殺攻撃の勢いを容易く打ち消し、音と共に襲い掛かる爆風と衝撃は、二人の変身を解除させるには十分だった。
強すぎる。壮間は気を失い、ミカドはなんとか立ち上がるも、既に戦う体力はない。
しかし、アナザー響鬼は興味が無いことを示すように、一瞥すらせず飛び去ってしまった。
「待て……!」
ミカドは悔しそうに、拳を焼け焦げた地に叩きつける。
そんな彼らを、木の陰から観ていた子供がいた。
「見つけた」
赤毛の幼い少年。歳はあの“白鬼院”と呼ばれていた少女と同じくらいだろうか。
右目を包帯で隠しているが、その左目は気味が悪い程、“何か”が見えているような、そんな目だ。
幼いながら、達観したような顔のその少年は、ポケットからソレを取り出して微笑む。
「君たちは救ってくれるのかな~?
その手に握られていたのはプロトウォッチ。
刻まれていたのは、三つ巴の紋章と“2005”の文字──
あ、原作知らない人いると思うので補足しておきます。
途中に出てきた偉そうな幼女と、最後のメカクシ少年が原作キャラとなります。
原作を読めばなんやかんや分かると思いますが、見ないのもまた一興…かなぁ?いや、やっぱ見て。面白いから。
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