仮面ライダージオウ~Crossover Stories~ 作:壱肆陸
眼魔世界の戦士の男。王族の次に権威を持つ「五王眼」の一人であり、アリオスの側近を任されている。人間に対しては「下界人」と見下す態度を取るが、幼いころから世話をしていたアリオスに関しては明らかに特別扱いしており、忠誠では説明できないほど溺愛している。一方でかなり独善的であり、己の選択を疑わずアリオスの命令が耳に入らない事も珍しくない。ヴラド・ツェペシュの魂を模倣して作られた「スピア眼魔眼魂」を使用し、ゴーストとスペクターを同時に圧倒する強さを持つ。2015年ではアリオスに全財産を貸して協力した(無償で貸すつもりだったが、それは公正じゃないとアリオスの所有物全てを担保として押し付けられた)。
本来の歴史では・・・アリオスが眼魔世界から追われるようになった際、彼女と離反することになる。その後、アリオスを眼魔世界に連れ戻そうと奔走するも、ディープスペクターに敗れた事で人間の強さを思い知り、彼女を人間たちに任せて自身も眼魔世界を離れることを決意した。
チャンピオンシロナを(げんきのかけらで)倒し、トレーナーを隠居してきのみ栽培を勤しむ毎日。シンオウから帰還しました、146です。えぇお久しぶりです。メリークリスマスです。
ファイズ編も後半戦の後半戦(?)、ミカドとミナトがついに邂逅してしまいました。あと怪しい勧誘に乗ったミツルもどうなってしまうのか。
今回もタップorスライドで「ここすき」をよろしくお願いします!
生きる世界が変わるなんてことは、決して突然なんかじゃない。
孤児院に引き取られ、そこでの暮らしは幸せを感じていたのに、引き取り先が決まったと知らない男の家に連れて行かれた。そこで孤児院での全てが偽りだったことを知り、化け物になってしまった。
絶望の瞬間の前には、必ず予兆がある。
「次の方どうぞ……おぉ君か。待っていたよ」
「吾輩に待たされること、光栄に思うといい。貴公はこれより王の誕生に携わることができるのだからな。嘉納明博よ」
「王とかそういうのはそこまでなんだけどねぇ。私には私の目的があるわけだし。まぁデータは多いに越したことはないのは、分かっているつもりだけどね」
喰種捜査官に敗北し、強さを求めてアヴニルの手を取ったミツル。気付けばミツルとアヴニルは病院に立っており、目の前には嘉納と呼ばれた初老の男がいた。医者なのは見て分かる通りだが、医者に連れて来てミツルに何をさせようというのか。
「今しがた材料の調達も済んだところだ。この経験は貴公の未来にとって、大いなる糧となるだろう。約束通り、『手術』を頼めるか」
近付く不穏の感覚。でも逃げた所で未来は無い。
四方八方から迫る死に対し、ミツルは導かれるままに眼を閉じた。
死を超えるものがあると知らないほど、ミツルは無知だったのだ。
________________
「来るな…お前は…生きるんだ……」
「逃げて…貴方たちだけは……!」
そんな在り来たりな悲劇の台詞が最期だった。朽ちた街で暮らしていたミカドの家族は、気まぐれにそこに訪れた甲冑を纏った仮面ライダーに見つかり、両親はミカドと妹を庇って捕まってしまった。
南京錠で怪物を操るその仮面ライダーは、特に理由もないように両親をミカドたちの目の前で殺した。ミカドたちは必死に逃げた。遠のいていく笑い声と怪物の咀嚼音から逃げたくて、嘔吐し、泣き咽びながら走り続けた。
妹を守り抜くことと、あの仮面ライダーに復讐することを誓い、時間が経ったある日。仇の仮面ライダーの『残骸』が、無造作に転がっているのを見た。アレを殺したのはまた別の仮面ライダーだった。
「駄目だ…まだ、こんなのじゃ足りないんだ…このままじゃ俺が…」
そう取り憑かれたように呟く、仇を殺した仮面ライダー。不用意に近づいてしまったミカドと妹を見つけたソイツは、ミカドを撥ね退けて持っていた金と食糧を奪い、最後に妹を捕えて、何かを呟きながら逃げ去って行った。
「助けて…!助けてお兄ちゃん!」
そんな叫びだけが聞こえて、いずれ消えた。
家族、糧、生きる理由、己の価値、その全てを一瞬で失ったミカドは、死を目前にしてレジスタンスに出会うことになる。
そこで知った、妹を攫った仮面ライダーの正体。『ミラーモンスター』を使役する彼らは、契約モンスターに自分が食われないように、定期的に餌を与える必要があるという。
妹が死んだことを悟った少年の心には、仮面ライダーという悪への憎悪だけが焼き付いていた。
過去に来てからよく眠れるようになったせいで、この記憶をよく夢見るようになった。夢の中でミカドはタイムマジーンに乗って颯爽と現れ、家族を救うのだ。しかし、ミカドはそうはしなかった。「あの男」との契約に従い、更に過去に行って歴史を変えることを選んだのだから。
「…俺は、一体何を……」
夢から覚めた時、そこは2003年。暗い〔CCG〕の20区支部に寝かされていたのだが、頭が痛んで前後の記憶が曖昧だ。意識がハッキリしないまま、ミカドは明るい部屋の方へと歩いて行く。
「起きたんだな。突っ立ってないで、取り合えず座れよ新人」
「よ…よっす!おはよう!」
部屋にいたのは分かりやすくよそよそしい土岐と、知らない男だった。しかし意識が濃くなっていくにつれ、今がどういう状況なのか、そしてこの男は何者なのか察しが付く。
「そうだ俺は、土岐がファイズギアを持ちだしたのを追い、そこにいたファイズを討伐しようとして……!ということは、貴様がファイズか!!」
ファイズが人間を襲っているところにミカドは駆けつけた。変身して戦いを挑んだが、数十分に渡る戦いの末にゲイツは敗北したのだ。
「おい昇太、全然ダメじゃねぇか。しっかり覚えてるし」
「い…いやぁー、気絶してたし行けると思ったんだけどな、この誤魔化し。ファイズに負けてピンピンしてるしタフすぎっしょ」
「どういうつもりだ貴様ら。俺を生かし、自由にして、誤魔化すだと? 馬鹿にするのも大概にしろ。一度は後れを取ったが次は無いぞ、ファイズ!」
「わーっ、タンマ! ストップ! 違うんだって光ヶ崎くん! ミナトは俺達の味方で、喰種捜査官補佐! 光ヶ崎くんと同じで、先輩!」
「補佐だと? 馬鹿な、ファイズギアを持ちだした裏切り者の言葉に何の意味がある」
「そりゃそうだけど、今の話はマジだ。信じなくたっていいけどな。もっかい殺し合うのもいいけど、その前に聞きたい事がある。さっき変身してたけど、お前は“オルフェノク”なのか?」
ミナトが見知らぬ『4本目のベルト』。それがこの時代のものではないと知らない以上、ミナトの疑問も真っ当なものだ。しかし、それは同じくミナトにも言えること。
「その質問をそっくりそのまま返してやる。スマートブレインのベルト…この時代のベルトはオルフェノクでなければ使えない代物のはずだ。貴様に、あの瀬尾という男。貴様が捜査官側の人間だとすれば、〔CCG〕とは一体何だ。何故オルフェノクを囲っている!?」
「お前はオルフェノクじゃないのか…ならいいぜ。後、瀬尾はオルフェノクじゃないと思うぞ。嫌な奴だけど、そういう匂いはしない。じゃあな、俺は俺でやる事があるんだ」
ミカドがオルフェノクじゃないと知り、あからさまに敵意をしぼませているのが分かった。そんな態度一つ一つが、ミカドの怒りに油を注ぐ。
「ふざけるな! 煙に巻いて逃げるつもりか!」
「や、だからさ。ミナトは別に悪い奴じゃないんだって。瀬尾特等みたいに何故かファイズに成れるけど、バレると面倒だから隠してるってだけで!」
「俺はコイツが人を襲っているのを見た! 貴様も見たはずだ、忘れたとは言わせない!」
「アレは捜査官の恰好したオルフェノクで…!」
「あぁそうだ。俺は“人”を殺そうとした。お前の見たもんに何も間違いはねぇよ」
「ミナト…お前さぁ…!」
「それで、だから俺を殺したいのかよ。それとも俺がオルフェノクかもしれないからか? 俺にはまるで、『俺が悪者であってほしい』って言ってるように聞こえるんだけどな」
それは核心を突いた一言だった。ミカドもそれを自覚した。
分かっていたんだ、走大にヒビキに朝陽、仮面ライダーが悪ばかりじゃないなんてことはとっくに分かっていた。理解できていても、ミカドはその事実を拒絶するしかない。
「黙れ……! 人間を襲った悪の言葉に、耳を傾けてやる筋合いは無い! 人知を超えた力を持つ貴様らが、俺が! いずれ道を踏み外さないと何故言い切れる!」
「なるほどな…苦しい生き方してんだな、お前も。まぁいいよ、俺が悪だっていうのは間違いないから安心しろ。俺がまた人を襲った時に殺せよ、今はやめとけ」
去るミナトを追おうとするミカドだったが、全身の痛みがそれを許さなかった。しっかりと思い出した。戦いの末、赤い閃光がゲイツにトドメを刺したのを。だが、オルフェノクを一撃で絶命させる「クリムゾンスマッシュ」、それを受けて痛み程度で済むはずが無い。
最後の最後に手加減されたのだ。ミナトはミカドを殺そうとはしなかった。
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奇跡的な傾きで成り立っている日々が歪んでいるのを感じる。今が続けばいいのにと思う時ばかりそんな風になるのは、単純な話で常にそう思っているからだろう。それだけ何もない日々は尊く、得難いのだ。
ゲイツが介入したことで、ミナトはヒポポタマスオルフェノクを逃してしまった。霧嶋一家が喰種であり、アラタが「骸拾い」であると知る彼をだ。何かの間違いでそれが広まれば取り返しがつかない。一刻も早く口を封じなければ。
「…ここは苦手なんだよな」
土岐が調べたところ、ヒポポタマスの生前はアカデミーの教官だった。ならばまず来るとすれば、このアカデミーだ。
ミナトは教官だったという彼の名前、階級、その功績などを調べ上げた。不要とも言えるほど。自分が殺す者については知っておく義務があると思ったからだ、自己保身の偽善と分かっていても。
その情報をもとにアカデミー局員に聞きこむが、彼が帰って来たという報告はない。遺体はなくとも死んだものとして処理されているようだ。
「安心すりゃいいのか、困りゃいいのか…分かんねぇな。それにしてもやっぱり、ここは嫌な臭いがする」
ここに通う者の多くは喰種によって家族を奪われた者たちだ。だから自分の命をかなぐり捨て、復讐だけのために生きる。〔CCG〕は喪失者の集まりであり、このアカデミーという場所は、葬儀か墓場の予約会場のようなものだ。
そんな未来の無い場所の隅に、見知った姿があった。薄々いる気はしていた。彼もまた喪失者なのだから。
「……鋼太朗。またアカデミーに来てたのか」
「ミナト…」
亜門鋼太朗。17歳。ミナトやミツルと同じく、ドナート・ポルポラのもとで育った孤児の一人。あのドナートが捕縛される直前まで手元に置いていたのが彼だった。
鋼太朗と再会したのは何ヶ月か前のことだった。お互いがお互いを死んでいたと思っていたから、再会して驚いた。しかし喜ぶことはできなかった。知らなかった者と知った後も何も出来なかった者、互いに負い目があったから。
この間、会おうと思って引き返したばかり。ミナトはうまく言葉を作れない。
「久しぶりだな…元気、してたか。飯は…ちゃんと食ってるか?」
「あぁ…ミナトはどうなんだ。〔CCG〕の捜査官補佐としての仕事は、喰種は今どんな状況にある。俺の立場じゃ知る事もできないんだ」
やはりそういう話になってしまう。鋼太朗は再会した時から喰種を激しく憎んでいた。当然だ。ミナトだってドナート・ポルポラという喰種に激しい憎悪を抱いているのは同じだ。
「……いや、俺はオルフェノク対策課の補佐だからな。喰種のことは…」
「そうか……オルフェノク、偶発的に怪物となってしまった人間。俺にはそれが悪と言い切れない、悲劇の人物とさえ思ってしまう。でもミナトは覚悟を決めて戦っているのか。俺も早くそんな風になりたいよ」
「鋼太朗。お前はやっぱ…捜査官になりたいのか?」
返答は聞くまでもない。鋼太朗の険しい表情が是と言っている。
しかし、孤児院で共に過ごした時間も長く、弟同然の彼に、そちらの道に行って欲しくないというのがミナトの正直な願望だ。
鋼太朗は17歳。本来なら来年はアカデミーに入学できる歳だ。だが、素養も気概も申し分ない彼に、入学の許可は下りなかった。その理由は、ドナートと共にいたその過去にある。
ある日。鋼太朗はドナートの捕食を目撃し、彼が喰種であることを、孤児院が彼の牧場であることを知ってしまった。そして生かされた。問題はその後の罪の話だ。
「……俺はまだ捜査官になれないらしい。いや、許しが出たとしても…俺はまだ迷っている。俺はドナートの“嘘”に付き合わされた。彼らがいずれ喰われると知りながら、俺には何もできなかった……! この手で殺めたこともある。奴が喰いやすいよう、解体したことも……」
未だ鮮明に残っている。昨日まで笑っていた家族がハンマー越しに磨り潰されていく感触。涙と吐瀉物と血の匂いが混じり、蒸れた教会。それを行っている己への、激しい嫌悪感、憎悪。
「俺には捜査官の方々や、アカデミーで捜査官を志す人たちと並び立つ資格は無い。ドナートの悪行を知りながら、俺は瓜江特等に救い出されるまで何もしなかった。同罪だ」
「……違う。お前は悪くねぇよ鋼太朗。お前は何も気にしなくていいんだ、ドナートなんかに縛られず、お前は普通に生きれば…!」
「そんなわけにはいかないんだ! 俺は……喰種を許さない。ついさっき、俺をアカデミーに推薦してくれていた教官が殉職したと聞いた。喰種に殺されたそうだ……! 遺体も見つかってないと聞く。喰われたんだ…奴らに!」
慰めの言葉を浮かべていたミナトの首に、汗が伝った。
「こんな俺に親切にしてくれた、捜査官のなんたるかを教えてくれた、そんな捜査官だった。尊敬していた! そんな彼が何故死ななければならなかったんだ!?」
ヒポポタマスの事だ。ミナトの知り合いの、アラタが殺した捜査官だ。
そして、ミナトがこれからもう一度殺すオルフェノクでもある。
罪に塗れているのはミナトの方だ。ずっと前からそうだった。鋼太朗に資格が無いとするのなら、ミナトにだってあるはずがない。
「……悪い、鋼太朗」
「ミナト…?」
「生き残ったお前には、もっと優しい場所で生きて欲しかった。こんな間違った世界じゃなくて。あぁ、お前の思う通りだよ。この世界は間違ってる、歪めているのは───」
言葉の続きを呟かず、ミナトは鋼太朗に背を向けて行った。アカデミーの内部へと消えて行くミナトの姿を目で追いながら、鋼太朗の中で『正義』は静かに火を灯してしまった。
「歪めているのは……“喰種”だ……!」
鋼太朗と別れ、ミナトは少しだけ安堵してしまっていた。今回も深く追及されずに済んだからだ。再会したあの時、必然的に浮かび上がったその疑問に対して。
『ミツルは、生きているのか!?』
死んだ。そして生き返り、今もどこかで生きている。人間が住むより深く暗い場所に巣を張って。そうさせたのはミナトだ。
「ミツル……もしお前を救えるもんなら、俺は……」
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漠然とした不穏を感じた直後、時が飛んだようにミツルはまた別の場所にいた。覚えているのは、あの嘉納という男に注射をさされた所まで。今度は眠らされていたのだろう。
知らぬうちに服も変えられている。服というよりは、ただのシーツ一枚のようなものではあるが。感じるのは、腰あたりに根を張る強烈な違和感。
「目覚めたか。気分はどうだ?」
「アヴニル…あの医者、僕に何を…!…ッ…!?」
意識が覚醒するにつれ、違和感が大きくなっていく。違和感なんて温いものじゃない、嫌悪感、眩暈、吐き気、絶叫で掻き消せない苦しみ。例えるなら全身の神経を噛み進められているような耐え難い激痛。叫びで声が枯れてもなお、その痛みは消えない。
「っ…あ゛あッ…が、はッ…! こ、答えろッ!! 僕の体に何を…!」
「ふむ、どうだ嘉納明博」
「大体予想通りだね。体内のRc細胞が増加する第一段階で、『オルフェノクの記号』が拒絶反応を起こしてる」
「…は、何を…言って…!?」
ミツルの皮膚が破れた感触。筋肉と皮の間を潜り、脚の付近からチロチロと血管のような触手が発現していた。見覚えがあった。あってしまったのだ。
「貴公もよく知っているはずだ。わざわざ“コレ”を過去から調達するのは少々骨だった。もっとも死ぬ直前を連れて来たものだから、既に解体してしまったが…」
アヴニルがミツルの前に投げ捨てたのは、生首だった。男の生首。そしてマスク。ミツルの中で最悪の想像が線を結び、そして現実を描いてしまった。
それはあの日、ミツルが一度死んだ日。ミナトとミツルを家ごと焼き、苦しみ燃える様を嘲笑っていた喰種の顔とマスク。彼の赫子は、まるで毛細血管のような“尾赫”だった。ちょうどそれは、ミツルの体から出ているものと同じような。
「ドナート・ポルポラと繋がりがあったピエロマスクの喰種。貴公が求める往来の赫者たる“V”の喰種ほどではないが、此奴の赫子も特異極まる優れたものだ」
「材料としては申し分ないがね。そうだ伝え忘れていたよ樋下くん、君に行ったのは“喰種化施術”。喰種の赫包を移植し“半喰種”を作り出す実験だ」
「喰種化…施術…僕、が…!? な、んで…ぎあ゛か…あああああッ!!」
再来する苦痛。喰種の細胞がオルフェノクの細胞と喰らい合っている。痛すぎて何も考えられない。苦し過ぎて何も感じない。もし今首が落とされても気付かない自信がある。自信しかない。だから首を落としてくれ、殺してくれ。そんな願いに興味がない二人は、話を続けている。
話しているうちに、ミツルの悲鳴は途切れていた。
「ほら見たことか、やはり死んでしまったよ。人間ベースならまだしも、そもそも相性の悪いオルフェノクを喰種化させるのは無謀だったね」
「無謀? 笑止、無ではない。吾輩が望む限り現実になり得るのだ、違うか?」
アヴニルが指を鳴らす。消えたはずのミツルの命が、再び目を覚ました。
手術台に磔にされ、苦痛が皆無な状態で。
「は…っ? 何が…僕は、死ねたんじゃ…」
「吾輩の力で時間を戻した。これで
「…この実験よりよほど、君の方が興味深いね。だが有難く使わせてもらうことにするよ。頑張ろう樋下くん、
動かない体で、オルフェノク化できない体で、ミツルの拒絶は伝わらない。伝わったところで何も変わらないのだ。ただ近づく苦痛に絶望するしかない。
「手を変え品を変え、何度だって試すといい。あらゆる毒物、薬品の投与。オルフェノティン溶液を全身に流し込むのはどうだ? Rc細胞抑制剤も悪くない。腹を搔きまわし、体を切り取り、様々な苦痛、時に快楽を組み込み、思いつく限りの状況で上手くいくまで繰り返そう。吾輩は熱心なのだ、降りかかる罰を顧みず、貴公が立派な王となるまで永遠に付き合ってやろう」
タイムジャッカー アヴニル。高貴を騙り、誰よりも傲慢な、王に己の全てを捧げる狂公。その恐ろしさを前に、ミツルは助けを求めた。
誰に?
誰だっけ…
誰もいない。ミツルは独りだ。
_______________
「答えろ土岐! ファイズはどこにいる!」
「お前それ知ってどうすんだよ!」
「殺すに決まっている!!」
夜が明け、ミカドは土岐に怒りをぶちまけ掴みかかる。当然、体が回復する頃にはミナトは姿を消していた。ファイズギアも持ち去られた後だ。
「なんでミナトを目の仇にすんの! 初対面だろ、ミナトがお前に何したってんだ!」
「…っ! ヤツにはオルフェノクの疑いがある、何より仮面ライダーだ! 駆逐するのに理由が必要か!」
「必要に決まってんだろうよ! ミナトは俺の友達だ、もし本当にオルフェノクだったとしても…アイツは人のために戦って来た! 人間を襲ったりなんてしないんだよ!」
「…ふざけるな!!」
拳を握り固め、人間に向けるわけにもいかない怒りを、ミカドはデスクに叩きつけた。部屋が揺れ、積まれていた書類が床に舞い散る。
「そう言える根拠は!? いいや根拠など存在するものか! 友だった、優しかった、そんなものは何の証左にもならない! 貴様だけが信じるなんてことが許されると思うな!!」
2014年、ロイミュード018の時も同じ激情に駆られた。もし怪人だとしても、心が優しいから大丈夫。そんなはずはない。もしそうだとするなら、『彼』だけが悪だったということになってしまう。
そんなことは有り得てはいけない。だから怪人は、仮面ライダーは、須らく悪でなければならないのだ。
結局、土岐の口からミナトの居場所を吐かせることはできなかった。
怒りだけが募る。ファイズという殺すべき敵を見つけたというのに、あと一歩届かないのがもどかしい。
「ミナトと言ったな…その名前、覚えているぞ。亜門鋼太朗、そしてアナザーファイズが口に出していた名だ」
2018年に至るまでの道程が見えてきた。ファイズとアナザーファイズは同じ孤児院の出身で、この時代から深い関りがあったということだ。そこを調べれば、これから起こる出来事の予測すらも可能なはず。そこに先回りすればいい。
「探したぞ、カイザ」
「……はぁ、名前ですら呼ばないとは不敬通り越して非常識極まるね。他人と違う呼び方で個性でも出しているつもりなのか? アイデンティティの確立に勤しんでいる暇があったら、補佐は補佐として少しでも役に立つ方法を考えるべきなんじゃないのかな」
〔CCG〕本部に向かい、ミカドが探したのは瀬尾だった。不快感を押し付けるような表情をする瀬尾に、ミカドは一つ交渉を持ちかけるつもりだった。関りを持ちたくない人種な彼であるが、その立場は利用価値に満ちている。
「20区支部に俺と同じ捜査官補佐がもう一人いるはずだ」
「あぁ…荒木か。彼は態度のみならず全てが気に喰わない。薄汚さを濃縮したような立ち振る舞い、口ぶり、ドブから生まれて来たと言われても納得するよ」
「貴様の感想は聞いていない。荒木湊、ヤツはかつて喰種が経営していた孤児院にいた。ヤツと同時に施設を出た『ミツル』という男がいる、そいつはオルフェノクだ」
「なるほど、同僚を密告するなんて、そこまで切羽詰まっていたとは同情する。補佐などという捜査官くずれはやはり醜いな。ただ、その話が本当なら荒木湊はオルフェノク隠匿の嫌疑がかけられることになるな」
「ヤツ自身もオルフェノクの可能性がある。そして信頼できる筋からの情報で、『ミツル』は近いうちに大きな騒動を起こすと聞いた。荒木湊共々、犠牲を出す前に捕えるべきだ」
これで特等の地位である瀬尾を動かせれば、ファイズとアナザーファイズの動きを一気に制限することができる。後は犠牲が出る前に2人を始末し、ファイズウォッチを手に入れて2003年での使命は完遂だ。
「……で、それが?」
「話を聞いていなかったのか…!? 荒木湊とミツル、この両名を直ちに捕えろと!」
「だからさぁ、なんで俺がそんなことしなきゃいけない?」
「何故……だと?」
「チッ、順序立てて説明してあげよう。まず信用に値しない不潔な口から語られた情報、出元も意図的に伏せていたな、それで信じろと? そもそも未然に防げれば功績も大きいだろうが、無駄に人員と金を浪費するというリスクもある。それに犠牲者が出たところで失墜するのは、人手を寄越さなかった無能な局長の信用。俺にとってはむしろ好都合なのも分からないかな?」
瀬尾はうんざりとした様子で、そんな長文を吐き捨てた。聞き終わるまでもなく、ミカドは自分の行動の愚かさを嫌悪する。気でも違ったとしか思えない、こんな男を頼りにしようだなんて。
「……確かに俺が馬鹿だった。仮面ライダーを…いや他人を頼る、だと? 過去に来て平穏に腑抜けたのか、俺は…!」
他人の生き方を学びたがり、頼ることを常とする男が傍にいたせいだ。契約に従い、仮面ライダーを全て殺し、己自身の力で未来を変える。そう誓ったはずなのに。
「訳の分からないことを…」
「黙れ仮面ライダーカイザ。もう結構だ、ハッキリした。貴様も、ファイズも、いずれ人々の未来を脅かす悪だ!」
2018年に降り立ったあの日の感情を呼び起こせ。あれ以外にミカドには何も必要無い、そう心に刃を突き立てて、ミカドはドライバーを装着。瀬尾に激しい殺意を向ける。
「そこまでだ。殺気を抑えたまえミカド少年」
瀬尾もカイザギアを展開し、二人がぶつかりそうになった瞬間。
無から気配を現したウィルのストールが、ミカドの姿を殺気ごと包み込んだ。
「───何のつもりだ貴様!」
目を開ければそこに瀬尾はいない。瞬間移動をさせられたようだ。壮間ならウィルが突然現れることに理由を考えたりはしないが、ミカドは別。獲物を取り上げられた怒りをそのまま怒号として発露した。
「今回は我が王がいないからね。手を出すまいと思っていたが、あれは話が別だ。むしろ感謝してほしいくらいさ。しかし、既に手遅れだったかもしれないが…」
「……もういい、貴様の考えは聞いたところで答えないだろ。ヤツと同じ気配がするからな」
「ヤツ……!?」
ようやくその話が聞けた、そんな反応でウィルが目を見開き、ミカドの呟きに食いついた。こんなウィルは壮間も見たことが無いものだ。
「答えたまえミカド少年。私と似た気配のその人物、それは何者だ」
「知らないとは意外だな。だが、俺の邪魔をしながら答えが手に入ると思うな?」
「それは君にゲイツウォッチとジクウドライバーを与えた人物…だね? そこまでは分かっている。それは誰だ。名を名乗ったはず、答えろ!」
「何度も言わせるな、答えてやる義理はない!」
感情を剝き出しにするウィルに、ミカドも苛立ちをぶつけ返す。これ以上の競り合いは不毛だと、先に身を引いたのはウィルだった。
「まぁいいだろう。その話はいずれ改めて。
さて…ミカド少年、ここまで君の物語を見させてもらったが…我が王のものとは随分と毛色が異なる筋道だ。随分、鬱屈としている」
「それがどうした。日寺のように誰かに甘え、信用も出来ない他人と慣れ合い、最後に手を繋いで笑って終われば満足か? そんなもので理想の未来が手に入るなら、誰も苦労はしない」
「いいや、私は別にハッピーエンド至上主義じゃない。ただ、君にその物語は不釣り合いと、そう言ったんだ」
聞き捨てならないと、表情筋に怒りの形を浮かばせるミカド。そんな彼を馬鹿にするように、ウィルはいつも通り本を開いて言葉を送る。
「誰かが言った、“他人のために命を懸けるなんて、馬鹿のする事だ”」
「俺が馬鹿だと言いたいのか!?」
「そうじゃない、私はそんな馬鹿を大いに尊敬している。自分の命を顧みず、誰かのために戦う…弩級の大馬鹿にしかできない偉業だ。しかし…君は他人のために自分の命を投げ出せるほど、馬鹿にはなれていない」
ウィルがミカドから目を逸らし、本を閉じた。
「我が王の自分を過小評価する癖には手を焼いたが、君はまるきり逆だね。過酷な選択や戦いの中でも進んで行けると、過大な自己評価を下している」
「なんだと…!? 貴様に俺の何が分かる! 俺が、どんな思いで生きて来たか……!」
「過去なんて関係ない。今にわかるさ。君は、自分で思っているよりも強くはない」
預言者は言及を放棄し消える。己で決めた主君でもない彼に、そこまでしてやる義理なんて存在しない。
その時が境目だった。過酷に見えてミカドを肯定していた物語は、その一点から逆風を吹かせ始める。ミカドが目の前で消え、カイザギアを下ろした瀬尾は、爪を噛みこう呟いた。
「気に入らないなぁ、あの態度……!」
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ミカドはようやく当然の結論に至った。誰も頼りにせず、アナザーファイズもファイズも全て己の手で殺す。リフレインするウィルの言葉も、不要なノイズとして頭から振り払った。
「貴様に選択権はない…答えろ! 蟻のオルフェノクは何処だ!」
「しっ、知らない…! 本当に知らないんだ! だから……!」
命乞いを聞いてしまう前に、ミカドは掴んだオルフェノクの命を握り潰した。人間を襲っていたオルフェノクに情報源以上の価値なんて無い。
夜の街で、ミカドはオルフェノクと喰種を探して駆け回る。オルフェノクには「蟻のオルフェノク」を、喰種には「隻眼の喰種」を尋ねるが情報は出ない。特に隻眼の喰種の方は、名前を出すだけで騒然とし話にもならない。
元より話をする気がないミカドにとっては大した問題じゃない。ミツルに当たるまで走り、殺し尽くすだけだ。そうしてミカドが〔CCG〕からも離れ、3日が経過した。
「20区支部の捜査官補佐、光ヶ崎ミカドだな」
喰種を追っていた際、夜道でそう呼び止めたのは知らない男。白い特徴的な制服、喰種捜査官だ。その後ろには何人もの部下を引き連れており、全員が「ケース」を持っていた。
「邪魔だ。もう〔CCG〕には用なんて無い」
「光ヶ崎ミカド。君には…オルフェノクの嫌疑がかけられている。抵抗するなら即殺しベルトを回収しろと、瀬尾特等からの命令だ」
「何…!? 俺がオルフェノク、だと? 馬鹿な…!」
唐突に見える疑い。瀬尾が手に余る部下を斬り捨て、ベルトだけ手に入れようとしているのは明白だ。しかし、ミカドがベルトで変身するからとミナトと瀬尾をオルフェノクと断じたように、その疑いには根も葉もあってしまう。
弁明の余地なんて与えられない。化け物と話をする気なんてさらさら無い。
捜査官たちが各々のクインケを起動した。
_______________
「アカデミーに興味でもあるのかね? 捜査官補佐の、荒木湊くん」
ヒポポタマスの情報を探るため再びアカデミーに足を運んだミナト。そこで、アカデミーでは見慣れない男に声をかけられた。亡者のような風貌をした不気味な捜査官、真戸呉緒の名くらいは知っている。
知っているからこそ、ミナトは心臓を冷やした。全てを見透かされているような感覚がしたからだ。そして結論から言って、この感覚は是であった。
「私もよくここに通っている。懐かしさというより下見さ。今はランドセルを背負っている娘も、いずれここに通いたいと言うのだからねぇ。それで君は、今から正規の捜査官でも目指すつもりで?」
「俺も気分転換ですよ。頑張ってる同年代を見ると活力を貰える」
「活力、ねぇ…しかし君は自分の置かれている状況をよく知らないようだ。支部には顔を出していないのかな。君は今、オルフェノク隠匿で捜査対象になっている。樋下ミツル…我々が喰種と間違えて追っていたオルフェノクだ。知っているだろう?」
「っ……!?」
真戸の眼が近づいて来るようだった。ミツルの名を呼びそうになり、抑えたのも全て無意味なようで気色が悪い。
「ククッ…正直な反応だ。私はオルフェノクの担当ではないから、そこに深く関わるつもりはない。しかし、我々はもう一匹喰種を追っていてね…そう、『骸拾い』だ」
「……俺はオルフェノクの担当なので」
「先日、『骸拾い』によって准特等含め複数の捜査官が殉職した。しかしその中に一人、死体が見つからなかった者がいる。上は捕食されたと判断したが、私は違うと睨んでいる。勘だがね。彼は生き返ったのだよ、オルフェノクとして。
それで、君はその捜査官について、随分と詳しく聞きこみをしているようだが……」
真戸の話が、核心に触れてしまった。飛び出すように目を開き、その口元がつり上がり、笑みを形作る。理由の全てが崩れ去ろうとしているミナトに見せつけるように。
「詳しく話をお聞かせ願えますかねぇ、『骸拾い』について」
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夜は愉快だ。正義や悪、道徳や不道徳、どんなものでも反転する。混ざる。ぐちゃぐちゃになってミンチになる。そして気付くのだ、命以外に確かなものはこの世に無いと。
「……痛い痛い。むずむずする。じんじんする。あああああ痒い苦しい吐きたい、来るな来るな来るな来るな来るな!!僕から、ぼくの中から、出てけッ!! 死ね! 死ねよ、早く死ね! 今! 今すぐに! ああああああああああああっ!!!」
ミツルは発狂に疲れた。
あの時から、数えきれないほど死んだ。苦しんだ。手足を千切られ、腹を裂かれ、焼けるような液体で内臓を洗われ、筆舌に尽くしがたい痛みは大体味わったと思う。今、自分が世界で一番不幸だと思う。そう思う。
死ぬたびに、かつて自分を殺した喰種が浮かぶ。死ぬときは必ず、そいつの一部が自分の中にいるんだ。眼を閉じるとそいつが傍で寝ていて、死ぬまで内から犯される。
回数が4桁行ったくらいか、ミツルは諦めた。死なないなら安心だ。痛いのも苦しいのも楽しいことにした。犯されるのを受け入れてみた。気付けば、ミツルとあの喰種は友達になっていて、嘉納先生が「成功だ」と手を叩いた。
まずは吐いた。腹の中に残った、気色の悪いものを吐き出した。そのあと色々「くすぐったい」検査が終わったかと思うと、ミツルは外に出た。そして、まず感じた。
「おなかがすいたな…」
夜の街を歩く。そこに、誰かが来た。匂いで人間じゃないことがわかった。
白鳩の服を着た大柄な男で、何かつぶやいていた。
「ファイズが嗅ぎまわっている…クソ、早く…早く『骸拾い』を殺さなければ…! そして俺はもう一度、捜査官として……!」
考えられない速度で血が駆け巡ったのを感じた。知らないうちにミツルの体はオルフェノクになっていて、戸惑い呻きカバのオルフェノクとなった男に、ミツルはまず噛み付いた。
ミツルはなんとなく理解した。自分は今、毒を撃ち込んだ。散々投与されたオルフェノティン溶液をもとに作った、オルフェノクにだけ有効なフェロモンだ。
それはオルフェノクの性質を抑制する効果を持っていた。だから、ミツルに体を貫かれ、赫子でズタズタにされ、手足を引き千切られて絶命してもなお、ヒポポタマスは灰化せずに形を保っていた。
「いただきます」
かつて父さんが教えてくれたように、手を合わせて。感謝して。
ミツルは喰らった。本能に全身を預け、灰色の体に跨り、乱れ、貪った。知らない味が、知らない悦びが、舌から出発して体中を満たしてくれた。
甘い血の味がやがて口から消えたころ、空の狂気が満たされて、ミツルは正気に目覚めてしまった。目の前の「おのこし」で自分のやった事を理解した。
「ひ…い…あ、は、はは、ひひひははははっ! そうか! 僕は! 僕はもう……!」
人間じゃない。
縋りついていた矜持は吹いて飛ばされ、割れたガラスに映った自分の姿がミツルを再び狂気に落とした。繰り返される苦痛で白く染まった髪、そして右目だけ赤く輝く「赫眼」。
ミツルは喰種になってしまった。同時に、本能に呑まれたオルフェノクだ。少なくとも人間ではない。こんな残酷な生き物が人間であるはずがない。
「再誕おめでとう。美しい姿だ、吾輩が選んだ王として相応しい」
悲しくても、すぐに腹は減る。もう、この本能に委ねてしか生きていけない。憎しみもプライドも何もかも忘れ、ミツルはアヴニルに跪いた。だって、いま生きているのは彼のおかげだ。どんなに殺しても苦しくても、食べて生きていさえいればそれでいいのだから。
跪いたミツルの顎を持ち上げ、アヴニルはウォッチを掲げた。そこに王の姿、アナザーファイズの仮面が浮かび上がる。
《ファイズゥ…》
欲するミツルが口を開け、王の力を咥えて飲み込んだ。
オルフェノク、喰種、その姿は新たな使徒再生を経て、もう一つの化け物の姿を得る。
「高貴なる吾輩が宣言しよう、貴公こそが…『仮面ライダーファイズ』だ」
クソ医者、嘉納参戦! アナザーファイズ、誕生! 唐突に話は加速し、瀬尾のクソ具合も加速します。ミカドの過去もあと少しだけ掘り下げて、次回とエピローグでファイズ編は決着の予定です。畳めるかって?壮間じゃないので浅くダッシュして駆け抜けます。
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今回の名言
「他人のために命を懸けるなんざ…馬鹿のする事だ!!」
「ヒトクイ」より、中村陽太。