全新系裂! 究極東方不敗伝テイルハート   作:天地優介

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今回短い上に戦闘シーンもありませんが、次回から2巻を巻きに巻いて話進めますので、しょうがないね。
……ダイジェストにしたい部分もあるんですが、話を早く先に進めるために原作の過程を、結果は変えずに相当弄ってるんですよね、今。まあ原作との細かな差異は、習がいる事によるバタフライエフェクトという事で納得していただければ。それに完全に原作通りの流れというのも、2次創作としてはつまらないしね………大筋は変えないという方針な以上、要所要所で弄らないと。
まあ3巻こそはハイスピードで行きますよ。なーに、ダークグラスパーの紹介と彼女との戦いだけだ!
え? 2巻?
……登場するメインキャラの数だけなら、原作1巻と同数なんだよなあ……つまり最低7話はかかるなこれ。



第9話 大きなる者、小さき者

 ツインテール部、部室にて──

 

「それで、観束君──そのブレスレットは、一体?」

「────ッ!?」

 

 現在、総二は窮地に立たされていた。

 しかしそう言っても、エレメリアンと戦っているわけではない。しかしある意味で、それ以上の危機に晒されていると思っても構わないだろう。

 

「……そんなデザインのブレスレット、見たこともありませんわ。……気になりますわね」

「え、あ、いや!? え、えええっと──」

 

(……どうしてこうなったんだ!?)

 

 時は、少し遡る──

 

 

 

 

 

 ♢

 

 

 

 

 4人の部員が集まり、ツインテール部が発足した後日──総二たち4人はツインテール部の部室へと集まっていた。

 表向きの活動内容は『ツインテールを愛で、守る部活』となっているツインテール部。もちろんそれは『本来の目的』でもあるのだが、その実態はこの世界を守るヒーロー達、ツインテイルズの隠れ蓑でもあるのだ。

 ということは、ツインテール部の部室は彼らの前線基地ということでもあり、見た目はホワイトボードと簡素な机のみの部屋でも、トゥアールによってハイテク機能を搭載したものに変化している。その機能の例をあげるとするならば、ロッカーなどは、総二家地下のツインテイルズ基地へのワープ装置にもなっているのだ。

 

「……というわけで! ツインテール部の活動初回、その内容は、『新しいエレメリアンについて、どう対処するかについての会議』だ!」

「……いつもとやってること変わらないじゃない」

「わかっておらんのう、愛香。こういうのは、気構えというものが大切なのだ。見ろ、総二の顔を。活力に満ち溢れておるだろう」

 

 愛香の言う通り、ツインテール部といっても、その実際の活動内容は、もはや日常となったツインテイルズの活動と変わらない。だが、総二にとってこの『ツインテール部』とは、『ツインテールをもっと真正面から愛する』という決意の表れでもある。習の指摘通り、今の総二は自信と属性力に満ち溢れた、まさに無敵の状態だ。

 

「おっと、会議の前に……。トゥアール、アレを頼む」

 

 机に肘をつき、顔の前で手を組み合わせ、口元を隠す。総二の母親である未春もよくとっているこのポーズは、どうしようもない観束家の血の絆(中二病)というものを、習達に感じさせていた。

 

「こういうところ、やっぱり未春さんの息子ですねえ……。まあ、それはそれとして。ええ、作ってきましたとも、アレを!」

 

 トゥアールが白衣のポケットから取り出したのは、小さな白い、長方形の箱のようなものだった。彼女はそれを机の上──習と愛香の席の前に置くと、蓋を開いた。

 習と愛香が箱の中を覗き込むと、そこには箱と同じく、長方形のガジェットが収められていた。ちょうど大きさも形状もスマートフォンに近いが、より洗練されたデザインだ。

 

「……これは?」

「私からのプレゼントです! ツインテイルズ用の、高性能通信端末──その名も『トゥアルフォン』! すでに愛香さんは知ってますよね?」

「う、うん……でも、ツインテイルズになってちょっと経っても渡されなかったし、もしかしてそーじ用だけかと思ったら……ちゃんと作ってくれてたのね」

「レッドのテイルブレスの調整、ハートのハートブレスの調査……色々ありましたからね。始めに総二様に渡していたのも、機能が不完全なものでしたし。ですが今回、なんと総二様のもアップデートさせていただきました! トゥアルフォンver.2というわけです!」

「えっ、マジか!」

「ほう……。……しかし、トゥアルフォンか……ふむ」

(……未来世紀ではあまりこういうのは使わなんだからのう……ガンダムぐらいか、ワシが用いていた機械類といえば。しかし、トゥアルフォンとは……ダサいとは思わなんだのか)

 

 トゥアルフォンを手に取りつつも、少し引いたような視線をトゥアールに向ける習。しかしトゥアールは習がトゥアルフォンの使い方がわからず、助けを求めていると勘違いしたのか、彼女に近づくとその手をとって機能を説明し始める。

 

「習さん、どうやらお困りのようですね。……起動ボタンわかります?」

「馬鹿にするな。……前の世界まで合わせても、私は60にも届いていない」

「そうなんですか!? いや、てっきりもうとっくに50は超えていたものかと……」

「まあそれはともかく、早く機能説明してよトゥアール。横でそーじが使ってたのは見てたけど、普通のスマホとは違うんでしょ、これ」

「ええまあ、基本はスマートフォンと同じですが、そうですね──総二様、トゥアルフォンを使って、私に電話をかけてみてください。私も、トゥアルフォンで応対しますので」

「ああ、わかった」

 

 トゥアールに言われるがまま、総二はトゥアールの番号にダイヤル。もちろんちゃんと通話は繋がり、総二はトゥアルフォンに向かって喋り出す。すると……

 

「ツインテール? ツインテール、ツインテール? (どうだ? ちゃんと、聞こえてるか?)」

「私トゥアールちゃん、今あなたの後ろでスケスケの黒下着履いてるの(ええ、聞こえてますよ、総二様)」

「え!? これ……どういうこと!?」

認識撹乱装置(イマジンチャフ)のちょっとした応用ですよ。リアルタイムで声を暗号化しているんです。愛香さんと習さんも試してみてください」

「そうね。さっそく……」

「──待て、愛香。静かに……」

 

 ──その時である。トゥアルフォンを操作しようとした愛香の行動を遮って、総二が立ち上がった。

 

「……ツインテールの気配だ。近いづいてくる」

「はあ!? 突然何エレメリアンみたいなこと言ってんのよ!」

「いや、愛香。──総二の言う通りだ。誰か……2人か? 近づいてくるぞ」

 

 習がそう言った瞬間である。部室のドア──トゥアールの手により、グレネード弾にも耐えうるよう作り直されたそこから、コン、コン、と控えめなノック音が響く。

 

「あの、すみません。こちらツインテール部でしょうか? わたくし、生徒会長の神堂慧理那と申します」

 

「────ええぇ!?」

「ちょ、聞いてないわよ!?」

「落ち着け、お前たち。まず、見られてはまずいものを隠すのだ!」

「そ、そうですね。問題無いとは思いますが、突っ込まれると厄介です。トウァルフォンはしまって──」

 

 全く予想だにしない人物の来訪に、総二達は軽いパニック状態となりかける。しかし習の一喝により、とりあえず冷静さを取り戻した総二達はトゥアルフォンをしまうと、来訪者──生徒会長・神堂慧理那を招き入れた。

 

「ど、どうぞ!」

「お邪魔しますわ」

 

 部室の扉が開いた瞬間──空気が変わる。

 後ろにメイドを携え、優雅に歩みを進める慧理那。まるで一国の姫のような堂々たる立ち振る舞いは、学園内の部室という、日常の象徴のような場所には場違いなほどに洗練されたものだ。

 

(……やっぱり、会長のツインテール──綺麗だ)

 

 そして、総二は入学式の際、壇上でスピーチを行う彼女を見て──そのツインテールの輝きに目を奪われていた。

 

 だからこそ、気づけたのだろう。

 

(でも、なんだか…………おかしいな、少しだけ、曇って見えるぞ)

 

 

 ──彼女のツインテールに潜む、陰りに。

 

 

 

 

 ♢

 

 

 

 

「そうですか……ええ……わかりましたわ」

「活動内容が問題ですか?」

「いえ、問題ありませんわ」

 

 慧理那の用事は、単純にツインテール部の活動について疑問点があるので、それについて直接確認するため、総二達を訪ねたというものだった。総二も当初は慌てていたものの、話すうちに冷静さを取り戻し、慧理那が突然発した『何故、ツインテールが好きなのか』という疑問にも、『理由は要らない』とはっきり真正面から答えた。

 総二の返答を受け、慧理那は少しだけ逡巡していたようだが──彼女も、学園をあげてツインテイルズを応援しようと言った者である。すぐにその顔から陰りをなくすと、話し合いは和やかに終わる──はずだった。

 

 

「それで、観束君……そのブレスレットは、一体?」

「────ッ!?」

 

 

 慧理那が突如として、()()()()()()()()()()()()()()()()()()指摘する。だが、それは本来あり得ないことだった。

 総二が身につけているブレスレットといえば、それはテイルブレスのみなのだが──このテイルブレスは、ツインテイルズ以外の者には見えないはずだからだ。だというのに、テイルブレスを見られた。この、今まで経験はおろか想像すらしなかった出来事を体験して、総二は咄嗟に右手首を隠すが……それがいけなかったのか、慧理那はますます興味を引いたという様子で、総二に迫る。

 

「……そんなデザインのブレスレット、見たこともありませんわ。……気になりますわね」

「え、あ、いや!? え、えええっと──」

 

(……どうしてこうなったんだ!?)

 

 慧理那が訪ねてきた時以上に慌てる総二。その反応を見て、ますます興味の目を強める慧理那。この悪循環に対し待ったをかけたのは、習だった。

 

「慧理那殿。総二が今身につけているものは、ツインテール部の活動の一環として、我らが制作したテイルレッドをイメージしたものです。しかし学生の身ゆえか、その出来は未熟……。ですが、総二も執着があったのでしょう。我らの前では身につけていたのですが、流石に他者の前では恥ずかしかったようですな。申し訳ない」

 

 習の口からするすると、嘘……と言えば聞こえは悪いが、この状況を誤魔化すための言葉が出てきた事に、総二は驚愕の表情を見せる。しかしすぐに顔をとりつくろうと、戸惑いながらも習の言葉に追従する。

 

「あっ、ああ……。習の言う通り……です。だから、えーと、その…………」

「……失礼しましたわ。ですが、テイルレッド……ツインテイルズのグッズを作ろう、ということは……彼女達を熱心に応援しているということですから」

「ええ。それはもちろん」

「それならば、もっと胸を張るべきですわ! ……こらからも、頑張ってくださいね」

「はっ、はい!」

 

 慧理那が見せたにこやかな笑みに、ほっと一息つく総二達。どうやら、予期せぬ危機は去ったようだ。

 

「お嬢様、そろそろお時間です」

「ええ。それでは、ツインテール部のこれからの躍進を期待していますわ、皆さん」

 

 忙しい合間を縫って訪問に来ていたようだ。メイドの言葉に促され、慧理那はツインテール部を後にした。

 ──と、その時。お付きのメイドが振り返り、総二に言う。

 

「時間をとらせてすまなかったな。ところで君、さっきはいい目をしていたな。真剣さが伝わってきたぞ」

「そ、そうですか」

 

 まるで教師のような口調で礼を言うと、メイドは慧理那の後に続き、部室を出て行った。

 突然の訪問を乗り切った総二達。しかし、問題はむしろここからだった。

 

「お……おい、どういうことなんだ、トゥアール! テイルブレスは変身前は、普通の人には見えなくなっているはずなんじゃないのか!?」

「はい、そのはずですが……。私も予測していなかった弱点がある、かもしれません」

「例えば、ツインテール属性の持ち主には、撹乱の効果が薄いとかか?」

「いえ、それはあり得ません。それならば、テイルレッドの影響でツインテール属性を持った他の生徒さんたちにも、見えているはず……」

 

 認識撹乱装置(イマジンチャフ)が、見破られた。これはツインテイルズにとっては死活問題である。個人相手にならともかく、例えば学園の生徒のような多数にレッド(幼女)の正体だと知られれば、総二は耐えきれないだろう。それに愛香も、世間一般で蛮族扱いされるブルーの正体だと知られるのは…………本人にとっては、深刻なダメージになるかもしれない。

 とはいえ、習はマシな方である。それゆえ、彼女は冷静に慧理那とお付きのメイドを観察できていた。

 

(……あの慧理那という少女、まるでつい最近までのワシを見ているかのようであった…………。それに、あのツインテールのメイド……)

 

 習は自身の手に掴まれているもの──婚姻届を見る。くしゃくしゃになってはいるが、妻の欄には綺麗な字で『桜川尊』と名が書かれていた。……おそらく、慧理那のお付きのメイドのものだろう。

 

「総二の懐に、あれほどの神速で──。……波乱の予感がするな」

 

 

 

 

 

 ♢

 

 

 

 

 ──故・ドラグギルディの部隊の基地。

 世界の狭間に存在する、その基地の大会議室に、沈痛な表情で座るエレメリアンがいた。

 ドラグギルディの副官を勤めていた、老獪かつ知的な部隊の調停役、スパロウギルディである。

 

「──報告いたします! タイガギルディ殿、ツインテイルズに……っ!」

「……やはりか…………」

 

 学校水着属性(スクールスイム)の雄と名高いエレメリアン、タイガギルディ。ドラグギルディの盟友と名乗り、一部隊を率いていた彼ではあったが、実際の実力はドラグギルディと大きな開きがある。

 

「テイルブルーを挑発するような事を言い、そのまま無言のブルーにとどめを……。……戦闘記録を、見られますか?」

「…………後でな」

 

 そんな彼が、ツインテイルズに挑んで勝てるはずもなく──。レッドのスク水のような戦闘服に見とれ、ブルーの脅威を忘れたタイガギルディは、あえなく爆散した。

 そして、スパロウギルディもまた、その結果を予期していた。

 

「──ツインテイルズは、強すぎる」

 

 思わず、そうスパロウギルディは呟く。打倒ツインテイルズに闘志を燃やす、元ドラグギルディ部隊の面々だったが……元々がほぼドラグギルディのワンマン部隊であり、侵略に効率ばかりを求めた結果、部下達の育成は疎かになっていた。

 そして、ドラグギルディが倒れた今……。もはや残されたエレメリアン達に、ツインテイルズに対してなすすべは無かった。

 

 だが、しかし──天は彼らを見放してはいなかった。

 

「スパロウギルディ殿! 新たな部隊がここへ!」

「なに……? いや、しかし…………」

「リヴァイアギルディ様と……そ、それともう一部隊……クラーケギルディ様の部隊も、ここへ!」

「……何ィ!? そ、それは確かか!?」

「はっ……間違いありません」

 

 リヴァイアギルディと、クラーケギルディ──リヴァイアギルディはドラグギルディと修行時代を共にした男であり、その実力も彼に匹敵すると謳われるエレメリアンである。そしてクラーケギルディ、彼は作戦にはこだわらず、自らが前線に立ってツインテールほ戦士と戦い続けるという、超実戦主義の戦士。その精神はまるで騎士のようであり、彼もまた、クラーケギルディやドラグギルディに匹敵する実力者である。

 だが──スパロウギルディの驚愕は、彼らほどの実力者がこの地に現れるというのを、理由としたものでは無かった。

 

「リヴァイアギルディ様に、クラーケギルディ様……。巨乳と貧乳で対立し、部隊単位でお互いに強くライバル視されているのは、アルティメギルの誰もが知るところ……。そのお二人が、同じ部隊に合流するだと?」

 

 奇妙な事に、スパロウギルディと習は、全く同じ時に波乱の予感を覚えていた。

 

 習は、これからの日常に対して。

 

 スパロウギルディは、これからの戦いに対して。

 

 彼女達の予感は、すぐに現実のものとなる──。




クラーケギルディとリヴァイアギルディは、本作の最初のサプライズを考える上で、非常にインスピレーションを与えてくれたエレメリアンです。
だからといって、ドラグギルディほど熱い戦いを繰り広げるかどうかは別の話だがな!

習と総二のデートって(番外編以外で」見たい?

  • 構わん、やれ
  • 断固として拒否する
  • メス落ちまだ?
  • 習側が記憶失ってたらいいよ
  • トリニティ!
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