全新系裂! 究極東方不敗伝テイルハート   作:天地優介

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オウルギルディが第3巻で出てたことを忘却していたクズは私です。ですが問題なし!今作で既に出ていたオウルギルディはミミズクのエレメリアンということにしたから多分いける!いけなきゃ死ぬまで!
ちなみに本作の習=東方不敗はTSやらなんやら経たことで、なんかメンタル弱化してる気がしますね。まあある程度意図的な部分はありますが。


第19話 はじめてのおつかい・前編

「……それで桜川先生、慧理那についてのことで、大事な話があるって言ってましたけど……」

「ああ、その話か。まあ、私自身についてといよりも、君たちとって、大事かもしれない、というぐらいなのだが……」

 

 

 総二の視線が慧理那の方に向けられ、尊も目線を向ける。もともと尊は慧理那には黙って、総二達にだけ今日の話をするつもりだった。しかしそれを察知したのか、慧理那が今自身の抱える悩みを『仲間達』に相談しようと、自分から言いだしたのだ。

 しかし、いざ相談しようとすると、勇気がわかないらしい。特に総二の方をチラチラと伺っては、口を開く機会を失っていた。

 

「……尊、まずあなたの方から……」

「わかりました、お嬢様」

「桜川先生から、大事な話か……」

「言っておくが、結婚の話ではないぞ」

「それはワシらにとって大事な話ではないな」

 

 結局、先に尊の要件から話すことになった。

 

「とは言っても、まあそこまで重大な話ではない。実はな、この私がツインテール部の顧問となったのだ。お前達の担任の樽井先生からも、ちゃんと許可はとってある」

「「「顧問に!?」」」

「ほう……!」

 

 尊本人は自身の顧問就任を驚いてもらえるか不安だったようだが、この知らせは寝耳に水だったようで、総二達にとって驚くべきことだった。彼らほどオーバーリアクションではないが、習ですら少し驚いたような反応を見せる。

 

「いいんですか!? 部活中、慧理那は基本的に生徒会室にいますけど……」

「同じ校内ではあるし、私以外にも神堂家に仕えるメイドはいる。それに、いつまでも部活に顧問がいないというのも、不自然なことではあるからな」

「確かに、これまでは私の発明品で、怪しまれないようにしてきましたが……。慧理那さんにバレた時のように、何が原因で私達の活動、つまりは正体が発覚するかわかりませんしね」

 

 そう、これまでツインテール部には顧問というものがいなかったのだ。生徒の自主性と個性を重視する校風の陽月学園とはいえ、部活に顧問なしの状態など、そう長くは続かせられない。そこを、認識撹乱装置(イマジンチャフ)のちょっとした応用でなんとかしてきたのだが、ツインテール部の実情を知る尊が顧問になるというならば、願ったり叶ったりである。

 

「そういうわけで、改めて部員名簿を作成することになった。観束、まず部長であるお前から名前を記入してくれ」

「あ、わかりました」

 

 そう言って尊が差し出してきた紙とボールペンを、なんの疑いもなく手にしようとする総二。しかし尊が差し出してきたのは、学校に提出する部員名簿表などではなく、市役所に提出すべき婚姻届だった。そのことに総二が気づいた時にはもうすでに遅く、尊が持っていたはずのボールペンは朱肉へといつのまにかすり替えられ、そこに総二の親指が押し付けられていた。

 

「なっ……!?」

「この間合い、もらった! うおおおおおおッ!!」

 

 婚姻届の『夫』の欄にはすでに総二の名前が、尊が彼の筆跡を模して書いてある。そのため、後は拇印を押すだけ……! ここまできたところで、しかし尊の両腕を掴む者がいた。愛香と習である。

 

「嫌な予感は、初めからしてたわ……!」

「全く、油断も隙もない! 総二、お前は手のインクを拭き取れ」

「ええい、やはり邪魔を……!」

 

 愛香と習というツインテイルズ二大腕力の持ち主に対して、三十路が迫る者特有の執念だけで拮抗する尊。その形相に怯え、『今度から警戒すべきは身内かもしれない』という思考が、総二の脳裏をかすめていった……。

 

 

 

 

 ♢

 

 

 

 

 この日、ダークグラスパーは目に見えるほどに苛ついていた。彼女の『侵略行為』は順調に進んでいる。ならば先日、ついにスワンギルディとアドレス交換を果たしたことで収まっていた苛つきが、彼がダークグラスパーによるあまりのメール爆撃により沈没し、また再発したのか────そう思われていたが、実際にはそうではない。そもそもスワンギルディは修行のため篭っているが、ダークグラスパーのメールへの返信も修行の一環としており、やつれてはいたが、その精悍さは日増しに高まっていた。

 

「……ダークグラスパー様のお怒り、まだおさまらぬのか!?」

「うむ……。あの闇のプレッシャーには、さすがにまいってしまうのだが……」

 

 ならば、なぜここまで苛ついているのか。その答えは、彼女が失くしてしまったものにあった。

 

(っく! まさかメガ・ネがわらわのノートを失くしてしまうとは……! 完全にしっかりと捨てたならばよいが、あれであやつ、抜けたところがあるからのう……!)

 

 ダークグラスパー……いや、イースナの胸の内が綴られたノート、それをメガ・ネが掃除の最中に紛失してしまったのだ。

 

(あれを誰かに見られでもすれば……!)

 

 外側からは単なるノートにしか見えないというのも、ダークグラスパーの焦りを加速させていた。彼女が備える神眼鏡(ゴッドメガネ)も万能ではない。テイルギアを解析できようと、他者の属性力を見抜けようと、外側からでは、ノートの中身一つ確認できないのだ。

 

 つまりは、ダークグラスパーが自身のノートが本当に捨てられたかどうか、それを確認する手段はほぼ無いに等しいということだった。

 

「いや……そもそもメガ・ネが『処分』できていたのならば、問題は何もない」

 

「処分……!?」

「しっ……。余計な行動をすると、お前も目をつけられるぞ」

 

 ダークグラスパーの不穏な呟きに怯えながらも、彼女の苛つきの正体を(勘違いだが)察知し、静まり返る周囲のエレメリアン達。しかしその静けさの中にあって、ただ一人いつものような喧騒を発する者がいた。

 

「いいから一度読んでみてくれ! 必ず、必ず気にいる! 虜になる! この神詩(ポエム)を読めば、きっとエデンにたどり着けようぞ!」

「あなたの気持ちもわかりますが、あまり押し付けてこないでください! 困ります!」

 

 フクロウの姿をしたエレメリアン、オウルギルディ。文学属性(ブック)を愛する彼は最近まで、滅びゆく自らの属性に耐えられず、意気消沈とした日々を送っていた。

 それが変わったのは、ダークグラスパー着任の直後からだった。神詩(ポエム)を見つけたと言い放ち、その普及に精力を注ぎ込むようになって行ったのである。彼の活動は実を結んでいなかったが、この基地にもともといたエレメリアンの中でも、ひときわ闘志に満ち溢れた彼の姿は、ダークグラスパーの目にも止まっていた。

 

「ふむ……。神詩(ポエム)とな」

「ダ、ダークグラスパー様!?」

 

 だからだろうか。気まぐれにも、オウルギルディが布教しようとしている神詩(ポエム)に彼女は興味を示した。

 

「おお、この素晴らしきものを読んでいただけますか! やはり眼鏡っ子に文学嫌い無し! ささ、どうぞ」

「うむ、読んでやろう。ほう、これは立派な装丁を……。どれ、中身、は…………」

 

 その時──その場に居合わせたエレメリアン達は、皆等しく死を覚悟したという。

 

 後に、その場にいたエレメリアンの中で、オウルギルディの誘いを断っていたアリゲギルディは、こう証言している。

 

「いや私もですね、最初はオウルギルディさんの方を少し怖がってたんですよ。あまりにも鬼気迫ってましたから。でも今は、あの迫力に負けてポエムを受け取らなくて、心底良かったと思ってます。え、なぜって? それは────もちろん、ダークグラスパー様の方が、もっと恐ろしかったからですよ」

 

 その神詩(ポエム)を読んだ瞬間の、ダークグラスパーの行動は迅速だった。

 まず、オウルギルディが持ち込んできていた大量のポエムのコピー、それを別空間へ瞬時に転送すると、オウルギルディも自身の部屋に転送。ダークグラスパーもオウルギルディに続いて、自室に自身を転送する。この間、わずか3秒である。

 

「は、え? な、何が……」

「オウルギルディよ、簡潔に答えよ。このポエム、どこで────いや、それは問うまい。()()()()()?」

 

 有無を言わさぬ迫力に対し、しかしオウルギルディはその盲目的な愛の深さゆえか、ダークグラスパーの恐ろしさには気付かず、自らが崇める神詩(ポエム)に関しての問いに、ただ困惑と嬉しさをまじらせて答える。

 

「へ? あ、いえ。こんなに素晴らしい神詩(ポエム)だというのに、誰にも受け取ってもらえず……」

「そうか……誰も、貴様以外は、観ていないか……」

「……ダークグラスパー様?」

 

 さすがに不穏な気配を感じたのだろう。ダークグラスパーから離れようと、ジリジリ後退するオウルギルディ。しかしここは彼女の領域。彼ごときが逃れる術もなく、あっさりと追い詰められてしまう。

 

「な、何を……」

「オウルギルディよ、貴様が神詩(ポエム)と言い放った()()は、わらわの、乙女の秘密……!」

「!? な、なんと! ではこの神詩(ポエム)を書いたのは、ダークグラスパー様であったか! これはなんというぎょうこっ……!?」

 

 オウルギルディの首に、ダークグラスパーの鎌が添えられる。この時、ようやく彼は悟った。自信がどれほど愚かな行為をしていたか。

 

「……許しは、こ、乞いませぬ。何故ならば、この神詩(ポエム)は本当に、素晴らしいものであるからして……!」

「オウルギルディよ、貴様の属性、確か文学属性(ブック)といったな?」

「は、はい……」

「確か、似たような、同じような属性を持つエレメリアンがいたが……奴は情報収集が得意であったな」

「そ、それで……」

「まあ、焦るな。……これをやろう」

 

 そう言ってダークグラスパーがオウルギルディに手渡したのは、エレメリアンのサイズに合うよう調整された片眼鏡だった。

 

「これは……?」

「わらわが実験的に製作した、属性強化器具じゃ。これを装着することによって、貴様の属性は強化される。……オウルギルディよ、貴様の罪を削ぎたくば、その道具を用い、ツインテイルズの情報を集めよ。戦闘員(アルティロイド)は用いて良いが、貴様一人でな」

「そ、それでは!?」

 

「それでは、死にに行けと言っているのと同じことではないか────」そう言いかけたオウルギルディの言葉を遮ったのは、ダークグラスパーの無言の圧力だった。

 

「……了解しました。しかしっ! 任務完遂の暁には──ダークグラスパー様の神詩(ポエム)が布教、お許しをいただきたく!」

「ならん。だが、貴様が私的に楽しむぶんくらいは、渡してやらんこともない」

「ありがたき幸せっ……!」

 

 平身低頭。その言葉を全力で全身で表しつつも、歓喜に打ち震えるオウルギルディ。しかしダークグラスパーが彼を見つめる目は、どこまでも冷たかった。まあ、自身の秘密を覗き見られた上、それを広めようとしていたのだから、当然ではあるが。

 

(こやつでは、ツインテイルズには勝てぬ。だが、闘志は十分、属性も奴らの情報を集めるに適したもの──。せいぜい、小指の先ほどに役立ってくれれば良い)

 

 

 

 ♢

 

 

 

「……で、だ落ち着いて早速で悪いんだが、慧理那の大事な話ってなんだ?」

「……ええ、私も、そこは、気になって、たわ……」

「そう、だな……」

「…………」

 

 真っ白に燃え尽きた尊と、疲れ果てた様子の愛香と習。少し引いたようなトゥアールに慧理那と、死んだ目をした総二。長く苦しい戦いを経て、やっと総二は慧理那の『用事』を聞くことができた。

 

「うむ、実はここのところ、神堂家ではお嬢様の生活態度が問題になっていてな。奥様がお怒りになられているのだ!?」

「うわっ!? ……って、それは本当ですか!?」

 

 いきなり復活してきた尊に驚きつつも、それ以上に慧理那の現状に驚く総二。確認のため慧理那の方を向くと、彼女は恥ずかしそうにこくりと頷いた。

 

「そうなんですの……。ツインテイルズの活動をしていたら、話すわけにはいかないでしょう? そうしたら、どうしても空白の時間帯が増えてしまって……」

「無論、我々メイド隊も最大限誤魔化してはいる。しかし限界と言うものがあるのでな……。慧理那様は手抜きなどしておらぬが、生徒会の仕事にも身が入らないようで……」

「それって、つまり……。ツインテイルズになったために、生活サイクルが乱れていると……?」

「そっ! そういうわけでは…………いえ、ここで誤魔化しても、どうにもなりませんね……。その通り、です」

 

 予想以上に深刻な慧理那の悩みに、総二達も黙ってしまう。慧理那の家はかなりの名家であり、その厳しさも相応のものがある。そんな家で育った彼女の母が怒っていると言うのだから、それはもう想像の範疇を超えかけていた。

 

「相談って、そのことですか? 生活サイクルが……」

「いや、相談というのはそこではない。しかしこの先は神堂家の問題。誓約書にサインを……と言って婚約届けに観束の名前を記入させたいところだが、さすがに疲れたのでな。だが、他言無用なことは確かだぞ」

「仲間の秘密をバラすような真似、するようなのはここにはいないわよ」

「そうですよ。というかそんな恐ろしいこと考えてたんですか?」

 

 総二の追求はスルーして、尊は慧理那から『相談』の内容を喋るように、目線で合図する。慧理那もようやく腹を決めたのか、頷くとはっきりとした目と口調で、語り始めた。

 

「実は……神堂家に生まれた者には、代々18歳で結婚するという掟があるのです。そしてその結婚相手は、16歳から探しておかなければなりません」

「「えええええええええええ!?」」

「なんと……!」

「ええっ……!?」

 

 慧理那の発言に対し、特に愛香とトゥアールは大きな反応を見せた。恋に敏感な乙女の二人のこと、慧理那の発言はよほど衝撃的だったのだろう。

 

「そ、そんな時代錯誤な……!」

「古来より続く由緒ただしき家には、往々にしてこういう掟があるものだ。そして、それを守っているからこそ、家の規律が保たれている側面もある。だが……まあ、古い考え方ではある」

「でも学園での慧理那はそんな掟、背負ってるようには……。いや、俺が気づかなかっただけで……?」

「そこは観束君、あなたの感じた通りです。もともとわたくしは、陽月学園ではなく、他の学園に通っていたのです。そこは女子校で、その、いわゆるお嬢様学校とでもいうべきところでしたが……。生徒会長を頑張るという条件付きで、お母様が陽月学園に転入させてくれたのです」

「トゥアール君のいう通り、今の時代にはやはり古い考えだというのは、奥様も承知しておられる。だから無理に掟に縛らせる必要もないと考えて、奥様もお嬢様のことを思って、まず環境から変えたのだ」

 

『郷に入っては郷に従え』『朱に交われば赤くなる』という言葉があるように、周囲の環境は人格形成、特に慧理那のような若者には多大な影響を及ぼしてしまう。

 その点、慧理那の母親である永夢(えむ)は娘に甘かった。普通名家の長となると、責任感や使命感を負わせるため、あえて子を厳しい環境に送り、周囲も名家だという状況を味合わせようとするだろう。しかし陽月学園は自由な校風が売りであり、慧理那も生徒会長として頼られることはあっても、そこに息苦しさなど感じたこともなかった。そもそも永夢は学園の理事長。自分の娘を自分の手と目の届くところに置いておく時点で、かなり娘に優しい人物であろうことは、これまでの話も合わせ、総二達にも容易く想像できることであった。

 

「そんな娘さん思いの理事長が、怒ってるってことは……」

「うむ。……この数日、お嬢様に見合い話が続々と舞い込んできていてな……」

「あー……」

「ふむ……それは…………」

「普段、怪物と戦ってる私達が言うのもおかしいけど……。……なんと言うか、現実離れした話ね」

 

 話がデリケートすぎるためか、それともあまりに浮世離れしたものであるためか。さすがに総二と愛香も困った顔をしてしまう。それは武闘家の悩みとはいくつも向き合ってきたが、少女の家庭の悩みなどには触れたこともない習も同じだった。

 

「まあ、君たちの気持ちもよくわかる。だが、私達メイド隊だけではやれることにも限界がある。なんとか見合いを妨害してはいるが、それもいつまで……。だから、慧理那お嬢様のために協力してほしいのだ」

「……わたくしからも、お願い致しますわ」

「そうは言っても……。いえ、慧理那のためなら協力は惜しみませんが……」

 

 慧理那と尊も頭を下げるが、話のスケールそのものが違いすぎて困惑してしまう総二。しかしそこで声をあげたのは、先ほどまでうつむき、なにやら計算をしていたトゥアールだった。

 

「ふふ……そういうことなら、この私に名案があります!」

「本当か? トゥアール」

「そう心配しなくて大丈夫ですよ。習いさんに愛香さんと尊さん、それに慧理那さんも、耳を貸してください。直接総二様には聴かせられない話ですので……」

「え? どういうことだ?」

「まあまあ、総二様はここで待っててください!」

「トゥアール、お主私の前世でのことについて知っておるはずだが……?」

「今は女の子なんですしいいじゃないですか」

 

 トゥアールがその場にいた女性陣全員を引き連れ、一旦部屋から退出。総二の耳に彼女達の会話は聞こえて来なかったが、ところどころ「あんた正気!?」と言う愛香の声や、困惑する慧理那の声、怒る尊の声に、さすがにいたたまれないといった様子の習の声など、断片的には声は響いてきていた。

 その声を聞いて、総二の脳裏に存在する常識人部分が、『ここにいては危険だ』という警鐘を鳴らしていたが────その時にはすでに遅かった。

 

「お待たせしました、総二様! ……あれ、どうしたんです?」

「い、いや何でもない。……何を話してたんだ?」

 

 トゥアールとともに戻ってきた女性陣の表情は様々だが、共通していたのは、全員何故か頬を染めていたという事実。これを視認した時点で、脳からの警鐘が最大限にまで高まるのを総二は感じたが、もはや逃れることはできない! 

 

「慧・理・那・さ・ん」

「は、はい……」

 

 トゥアールに促され、慧理那が総二の前に進み出る。

 

「み、観束君……」

「はい」

「そ、その、わたくし────『えろほん』というものを、買うことにしましたわ! 自分で!」

「それこんな状況でわざわざ俺に言う必要あったかなあ!?」

 

 総二渾身のツッコミも、虚しく空に響く。

 

「何を言うんですか総二様! これは慧理那さんの縁談破棄を決意した一言! 総二様が受け止めずして、誰が受け止めるのです!」

「うんまずツッコミどころがありすぎるんだけど一番のところだけに言うよ! なんでエロ本買うのが慧理那の問題解決に繋がるんだよ!?」

「エロ本を買うことで慧理那様の色気は高まります。そうやってどんどんエロくなれば、娘思いの母親であり、家の風習に厳格な当主である理事長……親御さんが、相手方にそんな姿を見せようとするはずありません! 結果的に縁談は破棄され、万々歳! 万事解決です!」

「…………習! いや、みんな!」

「言わんとすることはわかるぞ、総二。……だが、ワシ等に乙女の柔心や、複雑な家庭問題など、わからぬことも事実……ここは、ぐっと飲み込んで、トゥアールの意見に従うほかなかろう」

「習!?」

 

 思わぬ方向からのトゥアールへの援護射撃に、本気で困惑する総二。この時点で彼は気づいてしまった。いつも頼れる習が、この件に限っては全く頼れないことに。

 

「ともかく、今から策を練りましょう! さあ慧理那さん、全力で協力しますから、安心してくださいね!」

「えっ、ええ……?」

 

 ────地獄への道は、善意で舗装されている。

 この場合、善意ではなく純粋な色欲だったが────総二の脳裏には、この言葉が浮かんで離れなかった。




最近忙しくなってましたが、夏休みに入ると病院通い(歯医者)と用事でもっと忙しくなるぞ!


死ぬ!あ、そうそう。最近テイルハートを投稿してる裏で、こそこそと書いとります。近々新作として一気に出す腹積もりです。

習と総二のデートって(番外編以外で」見たい?

  • 構わん、やれ
  • 断固として拒否する
  • メス落ちまだ?
  • 習側が記憶失ってたらいいよ
  • トリニティ!
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