今回は短めですが、本作のクロスオーバー部分がようやく動き出します。これまで散々引っ張ってきたゴートギルディも、ようやく再登場です。
ともかく三巻はこれまで!次は最初の山場の四巻ですよ!
(……そんな、ここまで来て…………)
状況は最悪だった。満身創痍になりながらもダークグラスパーを無力化したツインテイルズ達の前に、そのダークグラスパーが相棒と呼ぶ
「……ブルー」
「レッド……?」
「二人を……頼む。
絶望的な光景を前にして、レッドは仲間達を逃がすため、自身が殿となる決意を固める。
「待て、レッド! お主だけでは……くっ!?」
「ハート!? もしかして、とっくに限界を超えて……いけませんわ!」
レッドを止めるため立ち上がろうとするハートだったが、その全身が悲鳴をあげていた。もともと少ない
「レッド!」
「止めないでくれ、ブルー」
ブルーの言葉にも耳を貸さず、決意を固めてブレイドを構えるレッド。そして、レッドと相対するメガ・ネプチューンMk.Ⅱは────
「初めまして〜イースナちゃんがお世話になりました〜」
────こともあろうに、レッド達に向かって、ペコペコと頭を下げ始めた。
「ほんっまごめんなあ〜。この子友達おらへんから、遊んでくれる子にはもう粘着質で! せやから友達なくすゆーとるのに」
「余計なこと言うな! おかんか貴様は!」
まるでこれから特攻するような気持ちで構えていたレッドも、ハート達も、皆がメガ・ネの予想外のキャラクターを目にして固まってしまう。
「……」
「……」
「……」
「……」
無理もない。メガ・ネとダークグラスパーの関係は、短いやり取りの中でも『母と娘』の関係のようにも見えるものである。だというのに、メガ・ネが発するのは無機質な外見と、それとは裏腹に暖かな口調のどちらにも似合わない、幼さを残した甲高い声。無慈悲な戦闘マシーンかと思っていたツインテイルズの面々にとって、メガ・ネのキャラクター性はあまりにも意外すぎた。
「あっ! こらはしたないで! 年頃の娘がそんな格好して!」
「馬鹿者! これは名誉の損傷じゃ!」
「はー……しゃあないわ、今服とかもっとらへんから…………はいこれ! QRコードのシールや! 胸とお股に貼っとき!」
「わらわのアドレスではないか!? まあ貼るが……」
((((貼るのか…………))))
阿吽の呼吸で繰り出される漫才劇。それを眺めるレッドの前に、ほぼ裸の……ある意味においては、裸よりよほど恥ずかしい格好をしたダークグラスパーが近づいてくる。
「テイルレッドよ」
「……なんだ」
「貴様を、我が好敵手と認める。もう、トゥアールのことはとやかく言わん。受け継いだそのツインテール属性、極限まで使いこなしてみせよ」
「言われるまでもねえ」
「貴様も……わらわを好敵手と認めるか?」
「お前がツインテールを……そしてそれ以上に眼鏡を愛する限り、戦いは避けられないだろうからな」
「フッ、わかっておるではないか」
全裸より恥ずかしくとも、一応局部は隠された状態である。レッドはこのシリアス(であるはず)な雰囲気の中で、ダークグラスパーから目をそらすという無様な真似は避けれていた。
が、その代償は重かった。何故ならば、以前まではトゥアールのみに向けられていた、ダークグラスパーの──いや、イースナのまとわりつくような暗い視線、それを正面から受け止めてしまっているからだ。
『ッ……いけません! その目はダークグラスパーのものではなく……間違いなくイースナのもの! ストーキングを純愛とほざく、厚顔無恥な雌の顔です! すぐ逃げてください総二様!』
「よく見ると貴様、凛々しい顔をしているな。感じるぞ、その愛らしさの裏に隠された、男らしさを……。な、何か、見ているとたまらぬのう」
そう言うとダークグラスパーは、息を荒げ、まさに変態そのものな手つきで自身の局部を隠すシールを剥がし、レッドに手渡してきた。
「何してんのよヘンタイ!?」
「ぐっ、体が動けば……!」
ブルーの抗議と、ハートの視線。それを受けても止まらず、ダークグラスパーは妙に生暖かいシールを、レッドの小さな手に握り込ませる。
「このシールにはわらわのアドレスがプリントされておる。いつでもメールを送るがよい、いついかなる時であっても、二分以内に返信を返すことを約束しよう」
「えっ……」
「アドレス交換のついでじゃ。唇も交換しよう」
「……またかよ」
この時のレッドは大きなミスを犯していた。それは、パピヨンギルディのことを思い出してしまったことである。
唇の型を求め、その唇の型を取った板で攻撃するエレメリアン。その性壁と戦い方は、どうやらレッドたちに強烈な印象を与えたようだ。唇と聞いて、まず真っ先にパピヨンギルディのことが思い浮かぶ程度には。
「……むちゅっ」
「「『ああああああああああああああああああああああ!!!』」」
「れ、レッド!!!」
今、レッドの耳には四人の絶叫も届いてはいない。
感じているのは、ただ喪失感のみ。全身から力が抜けていくような、そんな感覚。
「……見ておるだろう、トゥアール。すまぬが……わらわはその心をレッドに奪われてしまった。わらわのことは諦めてくれ!」
『えっ、なんで私が振られたみたいになってるんですか!?』
ダークグラスパーによる突然の求愛行動──それに誰もが困惑する中、ブルーが獣のような唸り声をあげて動きだす。
「っがああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「危な!?」
ブルーが渾身の力で投擲したランスを、間一髪で白刃どりするメガ・ネ。もしもここまでの戦いで彼女が消耗していなければ、すぐにでもダークグラスパーに飛びかかっていただろう。
「何を……何をしてくれてんよあんたはああああああああああああ!!」
「ゆくぞメガ・ネ。今日のところは引き上げる。また会おうぞ、ツインテイルズ! テイルレッドよ!」
「……うーん、ザ・悪役って感じのセリフやわ、イースナちゃん……」
ブルーの慟哭にも耳を貸さず、ダークグラスパーは捨て台詞を残すと、先ほどとは異なりバイク型に変形したメガ・ネの背にまたがった。局部を盛大に露出したまま。
「ギャ────! せめて何か羽織ってから乗りぃや!!」
「何をいうかメガ・ネ! この裸体はわらわの敗北と恋慕の証! であるならば、このままレッドの視界から消えるまで尻を晒すが、敗者の責めじゃ!」
「見せつけたいだけやろがああああああサドルに直に! 直に────!!」
走行の振動で揺れるメガ・ネ。それにまたがるダークグラスパーは、なぜか顔を赤くしていた。おそらく性の目覚めだろう。
「待てゴラアアアアアアアアアアアア!!」
ブルーが死力を振り絞るが、あと一歩のところで届かなかった。そうしてそのまま、ダークグラスパーは走り去っていってしまったのである。
「う、うう……観束君の初めてが……あんまりですわ……」
『へ、変身してたからノーカン! ノーカンです! ね!?』
イエローやトゥアールの声も、今のレッドには響かない。極度の疲労に襲われたレッドは、そのまま変身を解除しようと────
「あ、れ……?」
「レッド! ……どうかしたのか?」
「あ、ハート……い、いや、なんでもないよ」
そう言って一拍置いた後、レッドはようやく変身を解除し、男の姿に戻ることができた。仲間達も疲れているからか、続いて変身を解除していく。
だが、トゥアールも気づかぬうちに異常事態が起こっていた。その一つは、レッド──総二の変身解除に関する不調と、そして……
「あいつ……今度会ったら……いや、こっちから誘い出して……」
「尊に迎えを頼んでおきましたわ……。今日は疲れました、帰りましょう」
「…………うむ、そうだな」
(……
トゥアールも知らない、レッドの不調とハートの不調。この二つの不調が波紋を引き起こすことになるとは、未だ誰も──当人達ですら予想できぬことだった。
♢
アルティメギル大首領の宮殿──が存在する次元の狭間、そこに隣接した次元の中に、一つの
その研究所の中を、我が物顔で闊歩する影が一つ。まるで人魚のような美しさを持つそのエレメリアンの名は、そのものマーメイドギルディである。エレメリアンの中でも珍しい、女性型のエレメリアンだ。
「ふん、ふん、ふふ〜ん」
今現在の彼女は、非常に上機嫌だった。かねてより『
「自己進化・自己増殖・自己修復の三大理論……」
マーメイドギルディは自身の研究室に入ると、明かりをつける。広々とした空間の中央に鎮座するのは、トリコロールカラーをした、まるで悪魔のような風貌のロボットだった。
「全く、人間にしてはとんでもない発明ね、この────」
「『デビルガンダム』か」
「……!」
『デビルガンダム』。そう呼ばれたロボットを見上げ、悦に浸っていたマーメイドギルディも気づかぬうちに、彼女の研究室に侵入したものが一人。それは、首領からツインテイルズ討滅の任務を受けていたにもかかわらず、ダークグラスパーとの合流が遅れていたゴートギルディだった。
「あら、ゴートちゃん。いいの? 話は聞いてるわよ〜首領様から任務を受けたって」
「任務ではない。勅命だ」
「変わらないじゃない」
「変わるとも。少なくとも、私にとってはな」
並みのエレメリアンならば消滅の危険性さえあるほどの殺意をもって、相対する二人のエレメリアン。しかし、睨み合いはマーメイドギルディが折れる形ですぐさま終わった。
「ここで戦うのはなーし。私の可愛い可愛いデビルガンダムちゃんと、DG細胞E型に傷がついちゃいけないもの」
「DG細胞か……。そうだ、今日はそれに用があって来た」
「……へえ? やっと私の発明に頼る気になった?」
「癪だがな」
ゴートギルディをからかうつもりで発した言葉に素直に返答され、面食らうマーメイドギルディ。しかし科学者としての彼女のサガなのか、それとも昔の縁からか、すぐさまゴートギルディの提案を彼女は承諾した。
「いいわ。データ取りにはなるでしょうし、いくつか注射器に入れたものを用意するから、もっていきなさい」
「すまんな」
頭を下げるゴートギルディに対し、マーメイドギルディは露骨に気持ち悪そうな態度を見せる。どうやら、元からこのような関係だったわけではないようだ。
「昔のよしみ……ってわけじゃなく、ただの知的好奇心よ。……なに、相手はそんなに強いの?」
「……リヴァイアギルディとクラーケギルディ、そして我が朋友であったドラグギルディとの戦い……あれを見て確信した。あそこから更なる進化を遂げているならば────私の真の姿を晒さねば、勝てないとな」
「……成る程、相手はツインテイルズね。なら、合点がいくわ。でもそれ、本気で言ってるの? あなたが真の姿を出したら──その世界のツインテール、いえ
マーメイドギルディの手から、ゴートギルディに注射器が渡される。中に入っているのは、DG細胞をマーメイドギルディが『改良』したものだ。
「それは承知している。私の力は、肉体だけでなく心にまで作用するもの。ともすれば、髪だけでない全ての
手渡された注射器を握りしめ、ゴートギルディはそう独白する。生粋の戦士である彼にとって、マーメイドギルディはその生き方から相入れない存在である。だが、彼にとっては戦士としての己よりも、アルティメギルの一人であるという事実の方が、何より重要だった。
「必要とあれば、私は修羅を超えた悪魔にもなろう。それが、首領様の望まぬ結果をもたらすとしても──アルティメギルに仇なす者は、排除しなければならないのだから」
そう言うと、ゴートギルディはその場を去っていった。
「……ゴートギルディ。アルティメギル史上ただ一人、
邪悪な微笑みは、誰の目にも咎められることはなく。
ツインテイルズに対し、最大の危機が訪れようとしていた────
ゴートギルディの強さですが、ゴートギルディとしては、今のツインテイルズが万全なら、多少苦戦はしても倒せる相手です。
真の姿を現したら?原作だとレッドの最強形態と、ダークグラスパーのグラスギアだけが対抗できます。かなり強さ盛り盛りしたよ!
習と総二のデートって(番外編以外で」見たい?
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構わん、やれ
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断固として拒否する
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メス落ちまだ?
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習側が記憶失ってたらいいよ
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トリニティ!