全新系裂! 究極東方不敗伝テイルハート   作:天地優介

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お待たせいたしました。いやー大学やらなんやらで忙しく、申し訳ありません。
今回はほぼ話が動いていない気がする。総二(ソーラ)と習(記憶失い済み)のデートシーンも満足な出来じゃねえ!くっ、時間も技術も足りない!

とまあ前置きは置いといて、次回は海水浴イベントです。実は原作だとアラクネギルディとの戦い並みに長いこのくだりですが、本作ではあっさり行きます。それでも戦闘シーン込みだと一万字超えるのは確定ですがね!


第29話ツインテールな記憶

「あ、あの……! ソ……ソ……ソーラ・ミートゥカです。よろしくお願いしましゅ」

 

 女の子となった総二──いや、ソーラの初登校は、その一言から始まった。

 愛香、習による女の子の入浴の仕方と、ツインテールの維持についてと──ともかく2人からさまざまな教訓を得たその次の日には、慧理那の手によって総二は『ソーラ・ミートゥカ』としての陽月学園への編入が決まっていた。

『観束総二』という少年は未知の奇病ツインテイルエンザ治療のため海外に渡航し、それと入れ替わりに編入してきたのが『ソーラ・ミートゥカ』という少女…………これが慧理那達が考えたシナリオである。普段からツインテール愛を公言していた総二だからこそ通る、荒技と言えるだろう。

 

(う……は、恥ずかしいぃ…………)

 

 ソーラは海外からの編入生ということになっているため、その紹介のために臨時の全校集会が行われた。だがソーラが自己紹介をしたというのに、集まった生徒達は静まったまま、彼女を見つめるだけ。無数の視線に晒されたソーラは、気恥ずかしさのあまり足早に壇上から降りていく。

 ────その瞬間窓が割れんばかりの大歓声をあげながら、ソーラに向けて殺到する全校生徒達。

 

「ひっ!?」

「可愛い!」

「彼氏いる!?」

「スリーサイズ!!」

「髪の手入れどうしてるの!? 私は──」

「はぁはぁ……お姉さんと一緒にトイレ行こうね……」

 

「どうなってるんですかここの生徒どもは────────────っ!!」

「この甲斐性なしどもが! 私があれほど質問しろと言っても無言だったくせに!」

 

 トゥアールと尊の声もかき消されるほどの騒音の中で、ソーラは自身の身の危険を感じていた。

 自身のツインテールだけでなく、体まで突き抜けるような──テイルレッドに変身していた時は感じることのなかった類の情熱が込められた視線を受け、ソーラは自身のプライドを捨てた。

 

「あ、あの……すみません、その、おトイレに……!」

 

 顔を真っ赤に紅潮させ、これ見よがしにモジモジとしてみせるソーラ。尿意は演技でも、恥ずかしさは真実である。ソーラのこの姿を見た瞬間生徒達はさっと静まると、相当な訓練を受けた特殊部隊も真っ青の速度で整列。ソーラのための道を作った。

 

「さあ、どうぞソーラさん」

「あ、ありがとうございますう…………!」

 

(……何やってんだろ、俺)

 

 元に戻った後、クラスメイトと、いや人間とこれまでと同じように接することができるか、心から心配になるソーラだった。

 

 

 

 

 

 

 ♢

 

 

 

 

 

 エレメリアンの自室には、そのエレメリアンの特性が大きく現れる。精神生命体である彼らにとって、自室を飾り立て、自分の好きなように染め上げるのは強さへの第一歩とも言える。人が自室を飾ることで気分を変えるように、エレメリアンは自室を飾り立てて自身を高揚させるのだ。

 だが、先ほどから自室の中央で一本の蝋燭を前に佇むエレメリアン────アラクネギルディの自室は、異質だった。

 

「ワームギルディ…………」

 

 静寂と暗闇が支配す彼の自室は、一言で表せば『和』の空間だった。人が暮らす和の世界、和室をモチーフとした部屋には畳が敷き詰められ、まるで道場のような雰囲気である。壁には『男の娘』などと書かれた掛け軸が飾られてはいるが、調度品の類などはほとんどなく、静かな緊張感で満ちていた。

 

「…………はあっ!!」

 

 鋭い掛け声とともに、アラクネギルディは目の前の蝋燭に向け斬撃を放つ。普段は蝋燭の真芯を捉えているはずのその軌跡は、しかしわずかにズレていた。

 

「弟子の死に動揺するとは、私もまだ未熟だったと、そういうことか……」

 

 先日ツインテイルズと戦い散ったエレメリアン、ワームギルディ。男の娘(ガールズボーイ)を掲げるアラクネギルディにとって、瑞々しさと純真さを兼ね備えた彼は、理想の『男の娘』に近い存在だった。故に、彼はワームギルディに懸想していた。

 だが、彼はあえてワームギルディを突き放した。自身の思いを断ち切り、さらに武士道を──『男の娘の道』を突き進むために。それが愛刀を男の娘の棒(アメノムラクモ)と名付けるほどに男の娘を愛した男の、苦渋の決断だった。

 

 だが、ワームギルディは死んだ。それがワームギルディの未熟が原因なのか、それともアラクネギルディが突き放したことが、そもそもの過ちだったのか。その仮定は意味をなさない。ワームギルディは死んだ、それが結果だ。

 

「ツインテイルズ……」

 

 アラクネギルディは蝋燭をツインテイルズに見立てていた。しかし、その剣筋はブレを見せてしまった。この剣筋のブレがツインテイルズとの戦いの時に起きてしまえば、アラクネギルディの命はないだろう。

 

「………………」

 

 ダークグラスパーにはツインテイルズ打倒を誓ったアラクネギルディだったが、その心中には未だ迷いあり。再度蝋燭立てに蝋燭を置くと、自らの迷いを断ち切るため精神を統一しようと、座禅を組もうとした彼だったが──静寂な空間に侵入した不届き者の気配には、黙っていることなどできなかった。

 

「誰だ」

「あら……流石に気づいたみたいね」

「……マーメイドギルディ殿!?」

 

 思わぬ来訪者の出現に驚愕するアラクネギルディをよそに、マーメイドギルディは優雅な足取りで彼に近づくと、胸元から注射器を取り出した。

 

「それは?」

「力よ。お弟子ちゃんの仇、とりたいんでしょう?」

「……なんのつもりか知りませぬが、受け取れませぬ。私は、武人です」

 

 マーメイドギルディの申し出を即座に断ると、アラクネギルディは彼女に背を向ける。マーメイドギルディの噂はアラクネギルディの耳にも届いている。幹部級怪人しか知り得ないことではあるが──マーメイドギルディにまつわる、『悪い噂』も。

 

「帰っていただきたい」

 

 取りつく島もないとは、まさに今のアラクネギルディのことだろう。だが、マーメイドギルディはこうなることを予測していた。

 

「武人の誇り、ねえ……。立派なことだけど、このままじゃあなたはツインテイルズには勝てないわよ」

「……なんだと?」

 

 だからこそ、彼女はアラクネギルディの逆鱗に触れる。彼の武人としての誇りも、強さも、無駄だと言い放つ。

 

「どういう……ことでしょうか。返答次第によっては……」

「あら、怖い怖い。でも少し考えればわかる、簡単なことよ。……ツインテイルズの爆発力は、あなたも知っているはず。ハート一人が戦闘不能になったところで、レッドやブルー、イエローのツインテールにあなたが太刀打ちできるかしら?」

「……あまり私を、舐めないでいただきたい。私は、なにも伊達や酔狂で武人の道を志したわけではありませぬ!」

 

 愛刀男の娘の棒(アメノムラクモ)を抜き放つと、アラクネギルディは自身とマーメイドギルディの間に鎮座していた蝋燭を、その蝋燭立てごと切り捨てる。彼の剣筋は、今度こそ蝋燭の真芯を捉えていた。

 

「あら、お見事」

「……私は、アラクネギルディとして、彼らの死に報いる所存です」

「意思は固いようね……でも、これは受け取っておきなさい。私の言葉が正しかった時に、使ってね♪」

「マーメイドギルディ殿! ……くっ、消えたか」

 

 だが、マーメイドギルディはアラクネギルディの覚悟も、心中も、その一切を考慮しない。DG細胞入り注射器を押し付けると、まるで風のように素早くその場を去っていった。

 

「……力、か…………」

 

 マーメイドギルディが去った後も小一時間、アラクネギルディは自身の手の中にある注射器を、見つめ続けていた…………。

 

 

 

 

 

 ♢

 

 

 

 

 

「よっ、と。……まだ、遅いな」

 

 女性の体になってからというもの、すっかり総二……いやソーラはツインテールを結ぶことに苦戦していた。

 左右のバランス、髪のまとめ方、結ぶ速度……自身でツインテールを結ぶ機会などなく、だがツインテール愛は人一倍のソーラにとって、自身が結んだツインテールはどうしようもなく不恰好なものに見えただろう。

 朝昼夜を問わず、一日30回以上のツインテールを結ぶ訓練を行う。それが、彼が自身に課した日課である。

 

「──ん?」

 

 ソーラの心には、今この状態でツインテールを結ぶことに対して、わずかな違和感があったが────その感覚は、後ろからの声で断ち切られた。

 

「おはようございまぁす」

 

 部屋の中に音もなく入ってきたのは、ネグリジェ姿のトゥアールだった。薄いネグリジェをまとった彼女の姿に頬を薄く染めるソーラ。

 

「ふふ、総二様。ツインテールを結ぶ時間に悩まれているようですね?」

「わかるか。実は、そうなんだ」

「でしたら、これを」

 

 そう言ってトゥアールが胸から取り出したのは、菱形の髪留め(バレッタ)だった。ソーラが受け取ってみると、髪留めからはほのかな温かさと、テイルギアに近い感触が伝わってきた。

 

「これ、髪留め(バレッタ)か?」

「はい。これをこうして……」

 

 トゥアールが銀色に光る髪留めに対し左右に引っ張るように力を加えると、髪留めは三角に割れた。慣れた手つきである。

 

「私が以前────愛用していたものです。ツインテールを結ぶ指南はできませんから、せめてもの役に立てばと思いまして」

「受け取れないよ、こんな大事なものなら……」

 

 ソーラの手のひらに乗せられた髪留めは、トゥアールがツインテールだったということの数少ない証拠品である。写真からも、動画からも、トゥアールが『ツインテールだった』という記録は一切残っていない。彼女の世界が滅んだ今、トゥアールのかつてのツインテールの証明となるものは、驚くほどに少なかった。

 

「ええ。とても大事なものです。だから、あなたに託すんですよ、総二様。……どうせ、捨てることもできなかったものですから。総二様に使っていただけるのならば、この子も本望でしょう」

「トゥアール…………わかった」

 

 悩んだ末、ソーラはリボンを外すと、手渡された髪留めで再びツインテールを結び直す。リボンで結んでいた時よりも格段にツインテールを結ぶ速度は速く、その形も整っている。

 トゥアールの髪留めでツインテールにした総二は、トゥアールのツインテールへの愛が全身を駆け巡るような、そんな錯覚さえ抱いた。

 

「……ありがとう、大事に使わせてもらうよ」

「そうしてくれると、助かります。ところで総二様、実はもう一つ要件があるのです」

「ん? なんだ?」

「────海、行きませんか?」

 

 

 

 

 ♢

 

 

 

 

「……付き合わせちまって、悪いな、習」

「遠慮するな総二。この機会だ、色々と見繕ってやろう」

 

 トゥアールの突然の提案を受けたその日の放課後、総二は習と共に近隣でもっとも大きなショッピングモールに足を運んでいた。以前アルティメギルと戦った場所だが、戦いの被害も少なく、各店今も元気に営業中である。

 

「当たり前だけど、女物の水着なんて持ってないしな……」

「それなら、私が見繕ってやろう。心配するな、母上にこの手のことは叩き込まれているからな」

 

 女性の体になったばかりの総二が女物の水着を持っているはずもなく、他の女性陣のものを借りようにも、サイズが合わない。慧理那や愛香自分達がが用意すると提案もしたが、トゥアールの強い反対意見によって、総二は水着を自らの手で買うことになってしまったのだ。

 トゥアールの目的は総二と習の距離感を、ちょうどいい感じに縮めることにある。突然の海水浴の提案も、総二のリフレッシュと自らの目的を同時に達成するための策略にすぎない。

 

「習がいてよかったよ、俺の周りって、女の子ばかりだから」

「……私も一応女なのだがな」

 

(そこです! もっと距離を詰めるのです……!)

 

 今現在も、トゥアールは二人の様子を密かに観察していた。習も総二も、未だ不安定な状態である。万が一を懸念してのストーキング行為だ。

 

「わかってるって、じゃあ早く行こうぜ。あまり、こう……」

「まあ、そうだな……女物の服が売ってる店など、総二には酷だろう」

 

 総二と習は足早に、女物の水着を中心に取り扱う店へ直行する。トゥアールが事前にリサーチしておいたため、その足取りは素早い。

 

「しかしトゥールもいきなりの提案だったが、まさか慧理那も同じことを考えていたとはな……」

「ああ。そのおかげで神堂家の私有地で海水浴を楽しめるのだから、こちらとしては言うことはないが」

「女物の水着を着るのは恥ずかしいけど……せっかくの海だしな……お、ここか?」

「トゥアールから渡されたメモの通りだな。それでは、さっさと選ぶぞ」

 

(よしよし、順調ですね。こういう場所に買い物に来ることなど、普段はあまりないお二人ですが……これなら、素早く目当ての買い物を済ませるはず)

 

 トゥアールの目論見通り、二人は店内に入るやいなや店員に自分達に合ったサイズの水着を聞き、見繕ってもらうことで早々に目当ての水着は購入し終わっていた。

 

(さて、問題はここからですが──)

 

 だが、ここから二人が『時間も余ったし買い物にでも行こう』と言い出すかどうかはトゥアールにもわからない。帰り道には二人きりになるが、場合によっては海水浴で二人きりにさせる必要があるかもしれない。だが、今回の買い物は事前の計画で愛香や慧理那を引き剥がせたが、海水浴ではそうも行かないだろう。

 

(習さんの記憶回復の手がかりが総二様に宿る紋章しかない以上、できるだけ二人きりでいさせなければ……。それに、お二人のツインテールはこれまで多くの共鳴を見せてきたのです。テイルギアに不備はなかった。ならば、総二様の不調の原因は、総二様自身の属性力(エレメーラ)にあるはず……。うまくいけば、総二様の中にくすぶっているなにかを目覚めさせる、きっかけに──)

 

「む……いつの間にか、リボンが……」

「……! 習、お前ツインテールが解けかけてるじゃないか!」

「いや、家に戻れば予備のリボンが──」

「ダメだ! すぐに新しいのを買おう。お金は俺が出すから! ええと、確か──」

 

(よっしゃラッキィィィィィィィ!!)

 

 二人にとっては思わぬアクシデントだが、トゥアールにとっては宇宙一のラッキーイベントである。思わずガッツポーズをとる彼女を周囲が奇異の目で見つめる中、習は総二に手を引かれ、髪飾りの専門店に来ていた。高級なかんざしなどから、安価で求めやすいものまで、テイルレッドになってからというもの、総二が日々チェックし続けていた店である。

 

「良いのか、総二。これは私の問題だぞ、お前が金を出さずとも……」

「ツインテールのことだから、見過ごせないんだよ。俺も一度はこの店に来てみたかったし……それに、習にはいつも世話になってるからな」

「…………そうか。ならば、あー、なんだ。総二、お前の髪飾りも買おう。そちらは私が金を出す」

「え? でも……」

「トゥアールから聞いたが……ツインテールを結ぶ特訓をしているのだろう? 結びやすいリボンの方が、良いのではないか?」

「う、でも……」

 

 総二は無意識のうちに、トゥアールから貰ったバレッタを触る。ツインテールを結ぶのにこのバレッタ以外を使うことを、総二は無意識のうちに躊躇っている。そしてその躊躇を、習はすぐに感じ取とる。

 

「ふむ……ならば、髪留めはどうか? 前髪をまとめるヘアピンならば、そのバレッタと共に使えるだろう」

「ヘアピン……いいな、それ」

「フ、お前もせっかく女の体になったのだから、男に戻る前に、女のお洒落を体験しておくのも、悪くはなかろう」

「…………ま、まあそうだな。せっかくこういう体になったんだし……習が言うなら……」

 

 この習の提案に、総二は乗り気の姿勢を見せる。身体は少女『ソーラ・ミートゥカ』でも、その心は『観束総二の』まま……とはいえ、ツインテールであるうちにお洒落を楽しもうというのは、総二にとって魅力的な提案だった。ただ、自分から言い出すにもやり出すにも、気恥ずかしさがあったのだ。

 

「それじゃあ、えーと、どうする?」

「共に見て回るか。良さそうなものがあれば買う、ということで……」

「おう、それじゃそうするかー」

 

 適当に店内をぶらつきながら、品定めを始める二人。傍目から見れば女子学生二人の仲睦まじい様子に見えるが、その実際は割と男性的である。もっとも、片方が中身は男、片方は元男であるのだから、それも仕方のないことではある。

 

「お、これとかいいんじゃないか?」

「ふむ? 確かに、私の髪色とも合った……。総二、こちらも良さげなものを見つけたのだが?」

「桜模様のヘアピンなんてあるんだな……。銀色の、いかにもクリップとかそんな感じのだけかと思ってた」

「そんなわけなかろう。全く、郷に入っては郷に従えと言うが、ツインテールを知るには髪についてもっと知るべきだな」

「確かに……そうだな。もっとこういうことについて、勉強した方がいいのかな……」

 

 こうしたやり取りを交えつつも、総二と習の買い物デート? はこれ以上の発展もなく。最終的に各自の水着を購入した以外は、総二は習に桜色のリボンをプレゼントし、習は紅色のヘアピンを総二にプレゼントするという結果に終わった。

 

「じゃあ、今日はここで」

「うむ。体のことで困ったことがあればいつでも言え。家も近いからな、いつでも駆けつけられるぞ」

 

(……今日はここまでですか。結局、お互いへのプレゼントイベント以外何もありませんでしたね……。先は長そうです)

 

 二人がこれからの事について頭を悩ませるトゥアールだったが、しかし事態は彼女の観測外で動いていた。

 

「…………リボン、か」

 

 家に帰った後、自室で習は総二からプレゼントされたリボンを眺めていた。

 桜柄の、総二が習のことを考えて選んだであろう一品──それを眺めて小一時間経った頃、習は立て鏡の前に立つと、自身のツインテールを纏めていたリボンを解いた。

 

「ん……」

 

 そして桜色のリボンを使って、再び自身のツインテールを結んだ。

 

「……なかなか、だな……っ!?」

 

 そして、リボンを結んだその瞬間、習の右手が熱くなる。これまでにないほど、激しく。

 

「これは……っ!?」

 

 その熱さはすぐに引いたが────しかし、習の『心』には確かな熱が残っていた。

 

「この、感覚は…………なんだ?」

 

 その熱の正体に習は気づけず、その夜は眠ってしまったが……彼女の心に残る熱は、『彼』の記憶の一端を習に見せていた。

 

(私の、使命……ツインテールとこの世界を守ること……いや、だがそれと同じぐらい、大切な何かが……あった気がする……)

 

 夜はまだ深く、日はまだ登らない。だが、太陽が消えることはない。

 確かな使命を感じながら、習は深い眠りの中に落ちていった……。

 

 

 

習と総二のデートって(番外編以外で」見たい?

  • 構わん、やれ
  • 断固として拒否する
  • メス落ちまだ?
  • 習側が記憶失ってたらいいよ
  • トリニティ!
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