そうだね、1万5000字だね。2週間分くらいの分量を用意してきました。大学の諸用で1週間はパソコンを執筆に使えなかったのです……!お待たせしてしまい、本当にすみませんでした!
今回は水着回ですが、同時に色々と重要なことをやろうとした結果、本当に二話分の内容になってます。
「……ここが、私有地?」
「ええ。一応……そうですわ」
「日本で本当の意味でのプライベートビーチを設けるのには、色々と制限があるからな。まあ、これも神堂家の財力あってのことだが」
「それにしても、凄いわね……」
神堂家が所有するプライベートビーチに海水浴に来た総二(ソーラ)達だったが、その『プライベートビーチ』とは、なんと島だった。
彼らは現在、海を一望できるコテージタイプのホテルに居る。素人目にも贅を尽くしたものだとわかる調度品の数々に、客が快適に過ごせるよう計算されつくされた内装。神堂家が心血を注いだであろう豪奢な施設に、総二や愛香などは面食らって動けないような状態だ。
「ああ、本当に凄いな……島を買うとか、なんというか発想のスケールで負けた気分だ……」
「島、か……」
「どうしました? 習さん。あ、日焼け止め持って来ませんでした? 貸しますよ?」
「いやなんでもない。……日焼け止めは、借りるぞ」
(どういうことだ? 昨日から、私の胸の内がざわつく……)
習は総二からプレゼントされたリボンで髪を結んだ時以来、その胸の内に熱いものが込み上げてくるような感覚を覚えていた。それは肉体的な異常ではない。もっと深い部分、精神や心と呼ばれるものの奥底から湧き上がってくるような感覚……。
(なんだ? これは。これは──私の感情か?)
「……習さん?」
「トゥアール……。ああ、なんでもない」
トゥアールに声をかけられ、習は無意識のうちに、右手の甲を抑えていた。そのことに気づかないトゥアールではなかったが、この時、彼女は何も言えなかった。
もしかしたら、今習は『シュウジ・クロス』の記憶を呼び覚まそうとしているのかもしれない。そう思っても、確証がない以上、不用意な発言はできない。それがどんな影響を与えるか、わからないから。
これが総二や愛香ならば何か言えたかもしれないが、トゥアールは戦士ではなく、科学者である。
(……仮説は、ある。だけど今は、ハートブレスの解析でもなんでもして、もっと確かな情報を集めなければ……)
「おーい! 二人とも、何してんの!? さっさと脱衣所で着替えるわよ!」
「あ、ああ……」
「行きましょうか、習さん」
(……なぜだ。昨日から、私の……私の周りのもの全てが、私の中にある何かを刺激してくる)
得体の知れない不安と熱。相反するものを同時に心中に抱えながら、二人は脱衣所に向かう。今はただ、海を楽しむために。
♢
白い砂浜、輝く海、青く澄んだ空──まさに絶好の海水浴日和。そして素晴らしいビーチには、それを彩る美女がつきものである。
「は、恥ずかしい……この水着って、その、面積……」
「こういうのは気にしないものですよ、総二様。しかしこのお胸……私のものよりは小さいですが、これは……」
「うひゃあ!? ト、トゥアール! そこは────ひゃっ!?」
「あんたにフィナーレはないわよ、トゥアール」
「待ってください愛香さん! さすがの私も太陽は無理です!」
総二(ソーラ)と愛香、そしてトゥアールと習の水着は『ビキニ』と呼ばれるタイプのもので、愛香と習はボトムがスカートになっている。下着にも近い形状の水着に総二は恥ずかしがりその肢体を隠すが、その仕草もまた、
「どう? そーじ、あたしの水着……」
「…………似合ってるな、愛香」
「……ありがと」
愛香に促されて彼女の水着を見る総二は、普段のツインテールばかりに目がいく彼ではなく、美少女の艶姿に見惚れる健全な男子高校生のようであった。そんな総二の様子を見て、総二に水着を見せることを恥ずかしがっていた慧理那も、思い切って前に歩み出る。
「み、観束君! わたくしは……その……」
「可愛い……」
「え」
「ご、ごめん。ありきたりなことしか言えなくて……」
「い、いえ! 十分ですわ!」
「ふむ……観束、私の水着はどうだ?」
「すごく大人っぽいです」
「ふふん、そうだろう。大人っぽさこそが、私の強みだからな」
慧理那と尊、主従の水着は可愛らしさとセクシーさという真逆の方向性で二人の魅力を引き立てていた。ともすれば親子にすら見えかねない両者の体格差だが、慧理那が持つ大人びた部分と、尊が持つまだ若々しい部分。両者のかみ合いは、新たな魅力を生み出していた。
「総二様! 私と習さんの水着も見てください!」
「む、私はいいと言っただろう、トゥアール……」
「恥ずかしがらずに、ほら!」
「ああ……二人とも、とても綺麗だ」
「う、うむ……? そ、そうか……」
「シンプル・イズ・ベストというやつですね。この私ほどとなれば、飾り気など不要なのです!」
トゥアールと習の水着も、意図してのものではないが対になっている。黒と白、スレンダーな習と豊満なトゥアール。両者の水着姿に対して総二は同じ感想を抱いた。この総二の反応は、習とトゥアールにとって好ましいものだったようで、トゥアールはドヤ顔で自慢の肉体を見せびらかし、習は珍しく赤面して恥ずかしそうにしていた。
「……ふむ、綺麗というのならば、だ。総二……お前こそ、随分と可愛らしいじゃないか」
「習の言う通りだな。この中だとお前が一番、バランスが整っている」
「ええ!? そ、そんな……」
「そうですわね、観束君……素敵ですわ……」
今の総二……ソーラの肉体を一言で表すとすれば『完璧』以外にないだろう。大きすぎることも小さすぎることもない、均整のとれた肢体、そしてその頂点に輝くツインテール……まるでツインテールの女神のようなその体は、水着になることによってさらにその魅力を増していた。
「しかし、ふーむ……観束、お前お洒落に興味はないか? その体、飾り立てないのは勿体ないと思うのだが」
「………………ありませんよ?」
「その間はなによ! 総二あんたわかってんの? 原因を突き止めて男に戻らなきゃならないってこと!」
「わ、わかってるよ!」
(まあ落ち着け、津辺。観束も今は女だ、なかなか貴重な経験になるんじゃないか? ……奴も女心というものを、少しは理解できるようになるかもしれんしな)
(う……いや、それでも……)
「おーい、二人とも? おーい」
自分から離れてヒソヒソと話を続ける愛香と尊。それが気になって彼女達に近づこうとする総二だったが、その瞬間、尊が一瞬にして総二の背後をとった。
「速っ!?」
「そうだな……まずツインテールからというのはどうだ?」
「あ、あの……!」
「ええ、動くな。髪が傷むぞ」
尊はそう言って慣れた手つきで総二のツインテールを解くと、再び素早くツインテールを結ぶ。
「ほら、できたぞ」
「出来た、って……あれ。房が……」
ツインテールを確かめようと、いつものようにその房へと伸ばされた総二の手は、空を切った。
「もしかして、先生……これ」
「私のように上結びにしてみたのだ。気分転換にでもどうだ?」
(なるほど……! せっかく女の子の体になったんだから、いろんなツインテールを試してみるのもありかもしれないな)
「確かに……いいかもしれない」
新しいツインテールの感触を、その首で、背で、そして手で確かめる総二。
「観束君っ……そ、それならこれはどうですの!?」
尊と総二の間にその小さな体躯を潜り込ませた慧理那は、尊と同じく慣れた手つきで総二のツインテールを解くと、自身と同じ下結びにツインテールを結びなおしていく。
「慧理那、上手だね」
「神堂家の嗜みですから……でも、他の人にするのは初めてですわ」
あっという間に完成した下結びのツインテールは、総二に新しい感覚を抱かせる見事な出来のものだった。しかし女性の体となった総二の髪は、他の女性陣の誰と比較しても長い。下結びで伸ばされたツインテールは、地面に着いてしまっていた。
「あら、観束君髪が長いですから……。立ち上がっても、髪が地面に着いてしまいますわね」
「そっか。あらかじめそういうことも考えて結ばないといけないんだな……」
(なんというか……新しい世界が開けたような気分だ)
「今は普通のツインテールの練習で精一杯だけど、少しずつ、この2つの結び方も練習してみるよ。ありがとう、二人とも」
そう言うと、総二は元の普通のツインテールに戻そうとする。しかし普段とは異なる状況と髪型のためか、思ったようにツインテールを結び直すことができていない。
「ん? あれ……」
「たく、バレッタ貸しなさい! ……ツインテールなら、あたしが結んであげるわよ」
「あ……。ありがとう、愛香」
「全く……今後があっちゃダメなのよ? あんたは男に戻るんだから」
慧理那と尊以上のスピードと正確さで、あっという間に愛香は総二のツインテールを結び直した。ツインテールを愛香に結ばれる総二を見て、慧理那はその頬をぷっくりと膨らませる。
「観束君! わたくしに日焼け止めを塗っていただけませんか!?」
「え、お嬢様、私が塗りますよ」
「いえ、わたくしは観束君に……」
思い切った提案をする慧理那だったが、そこに尊が割って入る。だが、この尊の行動にはなんの思惑も介在していない。ただ純粋に、慧理那に日焼け止めを塗るなら、同性の自分の方がいいだろうと、そう思っているだけである。
「あの人が結婚できていない理由の一つが、わかった気がするな……」
「私にはああ言ったくせに、先生も大概鈍感ね……」
「明日は我が身ですよ、愛香さん。今のままでは孤高のアマゾネスとして、アマゾンの奥地に生息するしかありません」
余裕たっぷりの表情で愛香を煽ったトゥアールはその後、砂浜にビーチフラッグのように突き刺さることになった。逆さまで。
♢
それから暫くの間、彼女達は貸切の海を堪能していた。
特に楽しんでいるのは愛香とトゥアールである。トゥアールをボールにしたビーチバレー、トゥアールをスキー板にしたジェットスキーといった、人知を超えたレジャーを二人で楽しんでいる。
「よくもあたしの水着を外そうとしてくれたわね!」
「愛香さんには腰蓑だけで十分でガボボボボボボ」
「夏、満喫してるなあ……」
総二が騒がしい二人の様子を、海面に顔を出して眺めていると、突然海中でその足が掴まれた。
「わっひゃっ!?」
「フフ……驚いたか?」
「な、習!? なんだよ、もう……」
「暇そうにしていたのでな。それよりも、総二。随分と長く海面を漂っていたな」
「え? ……そんなにか?」
「ああ。まるであの二人に見惚れていたようだったぞ」
習の言う通り、総二は本人も気づかないうちに、随分と長く海面を漂っていたようだ。いつの間にか沖は遠くなり、砂浜にいる慧理那や尊がかなり小さく見えていた。
「あー…………ぼーっとしてたみたいだな。ちょっと危なかったか」
「ふむ……どうだ総二、体力が余っているなら、遠泳でもしないか? 沖に戻ってもいいが……せっかくだ、あそこの岩場まで泳ごうではないか」
「そうだな……よし! せっかく海に来たんだ。思い切り泳いでみるか!」
遠泳と言うには少し短いが、沖よりもだいぶ離れた岩場まで泳ぐ二人。岩場にたどり着いたのは同時だったが、日頃から家柄もあって鍛えている習はともかく、総二は女性の体にまだ慣れていないのか、だいぶ疲れていた。
「習は……すごいな……」
「私など、まだまだ……それよりも総二、大丈夫か?」
「息が少し、上がっただけだ……。でも、少し休憩を……っ!?」
その瞬間、総二は素早く変身すると、習を岩陰に押し込んだ。必然的に二人の体は密着することになり、ハートブレスのない習では、不調とはいえテイルレッドになった総二を押しのけることはできない。
「総二!? な、何を……」
「しっ……。習、あっちを見てみろ」
突然の出来事に赤面し、硬直する習。しかしレッドはあくまで冷静な表情で彼女の口を塞ぐと、遠方に視線を向ける。
レッドの視線の先にいたのは、一人の少女と着ぐるみだった。一見すると、そこまでおかしな組み合わせではない──ここが、私有地だと言うことを除けば。
「!? 奴らは……? 遠すぎて、姿がよく……」
「多分、ダークグラスパーだ。横の着ぐるみは、大きさ的に、メガ・ネとかいうやつか……?」
レッドの指摘通り、謎の二人組の正体はダークグラスパーとメガ・ネである。ツインテイルズに敗北した後もアイドルとしての活動を彼女は継続しており、今日はこの島にたまたま目をつけたダークグラスパーが、メガ・ネを連れて下見に来ていたのだ。
「こんな遠方から……顔や服の判別もつかないというのに、よく気づけたな」
「ツインテールの気配だ。あいつのは特徴的だからな、すぐわかったよ。もちろん習達のもわかるぞ」
「なるほど……」
「ともかく、習は岩陰で待っててくれ。もう少し近づいて、テイルギアであいつらの会話を聞いてみるから」
「ブレスの無い今の私では、変身ができないからな……任せるしかないか。頼んだぞ」
岩陰から物陰をつたい、慎重に近づいていくレッド。ダークグラスパーもメガ・ネも会話に夢中で、レッドの存在には気づいていない。
「しかしそのスク水……なんや?」
「ステージ衣装じゃ。まずこの状態で一曲歌い、MCのまえに現れたお前が突っ込む。これで観客は爆笑し、ボルテージも上がるというもの」
「んなことやったらダダ滑りや! というか名札! 『だーくぐらすぱー』書いとるやないか! 剥がしとき!」
「ぬああああああああおかんか貴様──!!」
しかしレッドが二人に接近したその瞬間、力加減を間違えたのだろうか。ダークグラスパーのスク水の胸元に縫い付けられた名札を、メガ・ネが水着の胸部分ごと引きちぎってしまった。
「────!!」
その光景を見た瞬間、レッドの脳裏にはダークグラスパーとの接吻がよぎり──その動揺のためか、物音を立ててしまう。
「誰じゃ!」
(くっ! 変身を解除して、トゥアルフォンで猫の鳴き声を──いや、あいつの近くでそれはリスクが多すぎる……なら……)
「………………」
「む! テイルレッドではないか! 何故ここに!?」
「お、俺は……パトロールの途中だ!」
レッドはあえて、ダークグラスパーの前に堂々と歩み出ることを選択する。下手に身を隠して正体を晒すリスクを負うよりも、いっそのこと戦闘した方が、仲間が駆けつけられるこの状況ならいいだろうと判断したからだ。
「それよりも! お前こそなんでここに…………。俺に正体知られたくせに、まだアイドル活動を続けてるのか!」
「ふふん、ならば逆に問おう。何故わらわがアイドル活動を止める必要がある?」
「なにっ!?」
「テイルレッドよ、貴様中にもわらわのことを話してなかろう?」
「……どうしてそんなことを言える!」
「なに、簡単なことよ。テイルブルーの存在じゃ」
テイルブルーが自身に執着を見せていることを知っているダークグラスパーからすれば、彼女がライブ中にでも襲撃してこない時点で、レッドがブルーに自身の正体を話していないことなどお見通しだった。
「そもそも、わらわの
「何だって!?」
「少しは罪悪感が薄れたか? まったく、わらわも素顔を晒したのだから、お前もその無粋な鎧を脱いで、一度素顔を……」
「断る! お前にも言ったはずだ! これはトゥアールから託された大切なものだって!」
レッドの怒号に対し、ダークグラスパーは蠱惑的な笑みを浮かべる。
「何じゃ、ちゅーした仲であるというのに……つれないのう?」
「ッ……!」
瞬間、レッドの脳裏に蘇るあの一瞬の出来事。
無意識のうちに唇を抑え、一歩下がるレッドに対して、ダークグラスパーはさらに歩み寄ってくる。
「トゥアールの完成した魅力も良いが、貴様のその未熟さにわらわは目覚めさせられてしまったのじゃ」
「お前、眼鏡が好きなんじゃ……!」
「その通りじゃ。だがわらわは眼鏡をこれ以上ないほど愛しているのと同時、今はお前のことを一番に愛しておる。次点がトゥアールじゃな」
「……何が言いたいんだ」
「ふむ? ……いや、敵にわざわざ塩を送ることもない、か。やはりお前は危ういのう。だからこそ可愛げもあるというものじゃが……」
レッドが混乱していると、ダークグラスパーの傍に控えていたメガ・ネが着ぐるみを脱ぎ、その姿を現した。手を持ち上げての合図に、ダークグラスパーは首肯で返す。
「フ……もう少し話していたかったが、どうやら時間切れのようじゃな」
「何?」
「お仲間のご到着じゃぞ」
その台詞の直後、突如としてダークグラスパーとレッドの間を塞ぐように、大岩が投げ込まれてきた。
レッドが後ろを振り向くと、そこには鬼のような形相をしたブルーと、私有地に侵入されて怒っているイエロー、そして微妙にデザインの変わった仮面をしたトゥアール……もとい仮面ツインテールに、旧仮面ツインテールの仮面を装着した習がいた。
「習……連絡ありがと。おかげでやっっと……こいつに会えたわ」
「ダークグラスパー……!」
「ぎゃあああああ! なんですかイースナ、その攻撃的スク水は!」
「おお! その声はトゥアールではないか!」
普通のエレメリアンならば臆するこの状況でも、ダークグラスパーは小揺るぎもしない。レッドとキスをしたという優越感からか、はたまた未だある力の差からくる余裕か、少なくとも、ブルーの怒りをさらに深めるには十分だった。
「……グラスギアをつけなさい、ダークグラスパー。そのまま丸腰のつもりなら、ミンチにするわよ」
「騎士道なんて気取ってないで、速くやっちゃってくださいブルー。そこがあなたの欠点です」
その拳に力をみなぎらせながら、一歩、また一歩とダークグラスパーににじり寄るブルー。
「そうは言われても、お前達と戦うのは部下の役目じゃからのう。今はゴートギルディに手出しするなと言われておるし……」
煙に巻こうとするダークグラスパーに対し、ついにブルーの怒りが頂点に達する。もはや言葉もなく、ただ拳を振るおうとした、その瞬間────
「なんだ、これ」
ダークグラスパーとブルーの間に、ごろん、と巨大な何かが転がってきた。一見彫像のようにも見えるその物体は、しかし自ら動くことでそれを否定する。
「腹筋の……腹筋の割れた女子は何処に……。ああ、せめて冥府へ旅立つ前に……この爺に冥土の土産を……」
その物体──いや、エレメリアンから放たれ言葉は、まさに亡霊が如くの恨めしさを秘めていた。暑いはずの砂浜が、一転して涼風にさらされる。
ダークグラスパーの差し金か。そう考えたブルーは、一度距離をとる。対して、ダークグラスパーは────
「貴様誰じゃ!?」
「こっちのセリフだあああああああああああああああ!!」
レッドの渾身の突っ込みが、青空へと消えていく。どうやらダークグラスパーでさえも、この突然の闖入者の正体を知らないようである。
「おい貴様、どこの部隊の所属じゃ!? もしや単独行動ではあるまいな!?」
「はて、リヴァイアギルディ様に一言言伝して、出撃しましたがのう……」
「リヴァイアギルディならば一月は前に倒されておるわ。嘘をつくでない」
「おお……ならば、この爺の知らぬ間に、戦いは終わっておったのですか……」
つかみどころのない泰然自若な態度に、さすがのダークグラスパーも苛つきを見せる。
「いや、だから増援が来て戦いの真っ最中じゃ! 今まで何をしておった!!」
「この通り、生きていても化石も同然の爺でしてのう……力つき流されていたところを上陸し、そのままここに……」
「そ、それは……長旅ご苦労」
(ダークグラスパーは来るし、エレメリアンは漂流するし、慧理那には悪いけど、この島呪われてる気がする)
どうやらこのエレメリアンは、元リヴァイアギルディ部隊の者らしい。かつて激闘を繰り広げた敵の名を聞き、ブルーもその狙いを乱入者へと切り替えた。
「リヴァイアギルディの……? まさかあんた、
「いえいえ、
返答を誤れば、ブルーは即座にこのエレメリアンに襲いかかっていただろう。
「爺は、シーラカンスギルディと言いますじゃ……。昔はブイブイいわせておりましたが、今ではこの通り。
「しっくすぱっく……?」
「割れた腹筋が好みか? あのエレメリアン」
「そうみたいね。それも、六つに割れた鍛え抜かれたやつ」
完全にブルーの殺気は、乱入者であるシーラカンスギルディの方に向けられているようだ。これを察知したダークグラスパーは、これ幸いと、シーラカンスギルディに対して命令を下す。
「ううむ、まあ良い。ここは任せたぞ。戻るぞ、メガ・ネ」
「だ、大丈夫かいなこのお爺ちゃん。
飛行形態に変化したメガ・ネに飛び乗って、その場を後にするダークグラスパー。彼女達と入れ替わるように出現したゲートから、大量の
「あっ……待ちなさい!」
「ブルー、あれはもう追いつけませんわ! それよりも、今は目の前の敵に集中を!」
「……わかったわよ!」
「なあトゥア……仮面ツインテール、こいつの反応って今までキャッチできなかったのか?」
「
シーラカンスギルディと名乗ったエレメリアンからは、一切の生気を感じることができない。レッドが目を凝らしても、動いているのか、止まっているのか……。
「お前がここに来たのは、偶然か?」
レッドの問いかけにも、シーラカンスギルディは答えない。ただブルーと習の方を、じっと見つめて────次の瞬間には、習めがけて飛び込んでいた。
「!? 速……」
「…………ふむ」
攻撃の到来を覚悟し、目を瞑って備える習。しかし、攻撃はいつまでたっても来ない。そのことに気づいた彼女が目を開けると、そこには水着でさらけ出された習の腹筋を間近で観察する、シーラカンスギルディの姿があった。
「なっ……!?」
思わず、腹筋を隠す習。精神が女性になったためか、こうした恥じらいを習は見せるようになっていた。
「むっ、その恥じらい……良きですじゃ」
「何してんのよあんたは────っ!!」
ブルー渾身の投槍をひらりと躱すと、続く連続攻撃もシーラカンスギルディはまるで柳のようなしなやかさで避けていく。そこにはヨボヨボとした老体のエレメリアンの姿はなく、歴戦の戦士がいた。
「この動き……今はまだでも、割腹筋の素質ありと見受けましたじゃ!」
「コイツ、さっきまでと全然違う……! トロい動きはブラフだったってわけ!?」
「逸材が二人も……! 老骨に鞭打つどころか、若い頃に戻った気分ですじゃ!」
これまで多くのエレメリアンを屠りさって来たブルーの連続攻撃に対し、シーラカンスギルディは老獪さと俊敏さを持ち合わせた動きで拮抗する。お互い一歩も引かない乱打戦の裏では、イエローがその銃撃で
「ヴォルティックブラスター!」
「モケー」
「モケンケ」
(よし、戦闘員はイエローに任せるか……!)
ブルーを援護するため、駆け出すレッド。それを見送るイエローは、自身の装甲を酷い出来のプラモデルのように、ポロポロと脱いでいく。
「いや待て、どうして装甲を脱いでいる!?」
「撃たなくても、脱げるのですわ……! まさに悪魔的発想ですわ──!」
「そんな発想をするなああああああああ!!」
ブルーがシーラカンスギルディとの戦いにかかりきりの今、このままではイエローが全裸になってしまう──そう危機感を覚えたレッドは、まさか変身できない習やトゥアールにこの場を任せるわけにもいかず、一瞬ブルーとイエローのどちらの方に向かうべきか、迷ってしまう。
「っ!? しまっ……!」
「これで、一瞬で腹筋を鍛えられますじゃ!」
しかしレッドが逡巡する間に、シーラカンスギルディの両掌にブルーが拘束されてしまう。その上、シーラカンスギルディの腹部から取り出したスタンプのようなパーツを、腹部に押し当てられている。それでブルーに腹筋を焼き付ける算段なのだろう。
「ブルー!」
こうなっては迷う暇もない。レッドはシーラカンスギルディの拘束を振りほどこうと組み付き────
「────え?」
あっさりと、片手で振りほどかれる。その上、次は殴りかかっても見向きもされなかった。
(俺……間違いない。弱く、なってる……?)
『……全く、蛮族らしくもないですね! レッド、こうなればフュージョニックバスターを!』
『レッド!
「! そうか……よし!」
レッドのフォースリヴォンからブレーザーブレイドが飛び出し、イエローの脱衣された武装も集まって、ユナイトウエポンが形成される。
「イエロー! ほら合体するぞ! 合体好きなんだろ!?』
「は、はい……。合体好きですわ……ご主人様……」
興奮した様子のイエローも、ユナイトウエポンを使うためか、それともレッドが『合体』『好き』などと発言したことで満足したのか、妙につやつやとした顔つきで、ウエポンを支える。
そして肝心のブルーも、リヴォンから発現したランスがシーラカンスギルディを跳ね飛ばして、ユナイトウエポンに合体。ブルーもシーラカンスギルディの拘束から間一髪で逃れ、レッド達の目の前までやって来た。
「ありがと、レッド!」
「ああ! いけるか!?」
「問題ありませんわ! ターゲット、ロック!」
「え、どこで!?」
ノリノリで叫ぶイエローだが、無理やりな合体であるユナイトウエポンに、スコープなどという上等なものは備えられていない。あくまでユナイトウエポンは、3人──正確には、4人の
だが、シーラカンスギルディを真正面に捉えていることも確かである。ならばあとは、レッドが引き金を引くだけだ。
「ファイヤ──────ッ!!」
ダークグラスパーに対して使用した時とは異なり、十分に間を持たせてから発射するレッド。しかし自身が不調なためか、はたまたハートがいないからか。レッドは発射の反動に耐えきれず、その小さな体が吹き飛びそうになる。
「う、うおお……!?」
「あ、アンカーが刺さらな……! きゃあっ!?」
それでも踏ん張るレッドだったが、反動を受け止めることをアンカーに任せていたイエローは、砂浜にアンカーがうまく刺さらず、衝撃で後ろに転がってしまった。
「イエロー!? まずい、このままじゃ俺も……!」
持ち手が1人いなくなったことで、さらに強い衝撃がレッドを襲う。だが、ユナイトウエポンはシーラカンスギルディを捕捉したまま動かない。
「ぐぬぬ! 飛ばされてたまるもんですか!!」
「ブルー!?」
腹筋に力を入れ、前傾姿勢で圧力に耐えるブルー。彼女のその見事なまでの腹筋力は、シーラカンスギルディが魅入られるには十分すぎた。
「おお────」
ブルーの腹筋に見惚れたまま、
「爺には見えますじゃ……。お互いを高めあい、ついには見事な割腹筋を我がものとした、ブルーとそこな女子の姿が──」
最後まで腹筋に魅入られ続けた戦士、シーラカンスギルディは完全消滅し、彼を消しとばした光波は海を二つに割って、地平線の彼方へと消えていく。
「絶対……ぜーったいムキムキになんて……ならないわよ……!」
なお、現在ハリウッドで製作中の実写版ツインテイルズにおいて、ブルーの役はムキムキの白人男性が務めている。
シーラカンスギルディが目をつけた習は、既に見事と言える腹筋を手にしている。愛香の腹筋が六つに割れる日も、そう遠くはないだろう……。
♢
戦いも終わり、太陽も落ちる頃。帰り支度のためにコテージに戻る慧理那たちを先に行かせ、愛香とトゥアールは砂浜に残っていた。愛香がトゥアールを呼び止めたのだ。
「アルティメギルを全滅させない限り、おちおち旅行もできやしないわね……」
「全く……そうですね。まあ、それはあまり深く考えないようにしましょう。それで、話って何ですか?」
「単刀直入に聞くわ。……トゥアール、あんたのツインテールを結ぶのって、そーじぐらいツインテール属性が強い人間でも、無理なの?」
総二がぼーっと愛香とトゥアールを見ていた時、その視線に2人が気づかなかったわけがない。そしてその視線が、無意識のうちにトゥアールの髪に向いていたことも。
愛香自身、総二のツインテール愛を間近で日々感じているのだ。トゥアールの髪についても、総二ならば……そう考えてしまう。少しでも、可能性はあるのではないかと。
「はい、無理です」
即答だった。
「考えてもみてください。私は以前私の世界で、アルティメギルの作戦の要として選ばれました。いわば、私の世界で私は、この世界での総二様と同じ立場だったわけです。もちろん、総二様にツインテール愛では敵わないでしょうけど……それでも、あの世界では確かに、私がツインテールを一番愛していた」
「……うん」
「それが今じゃ、仮面ですらツインテールの意匠を満足に再現できない……。それほど、属性の呪いは大きいものなのです。それは、気づいてましたよね?」
トゥアールの問いに、愛香は無言で首肯する。総二だからこそ、仮面ツインテールの仮面はツインテールをモチーフにしてあると瞬時に気づけたが、一般人はおろか、長年ツインテールに親しんできた愛香ですら、一目では気づけなかった。
検閲を抜けるのとは訳が違う、世界を騙すような行い……。そうしなければ、トゥアールはツインテールを纏うことができない。
「……トゥアールはさ、怒らないで聞いてほしいんだけど、あたしの胸とかは弄ってきても、ツインテールには触れないじゃない。あんたから、ツインテールの話題を振ってきたことは、一度もない。それこそ、不自然なぐらいに」
トゥアールからの返答はないが、愛香はそれでも話し続ける。
「……悔しく、ないの? 結局そーじは、あたし達の水着よりも、ツインテールの方を見てた……。そういう時さ、思わないの? もしも自分が世界最強のツインテールのままだったら……って」
この時の愛香は、珍しく慎重に言葉を発していた。前置きはしたが、それでもなお激怒されることを覚悟していたからだ。
だが、トゥアールからの返答は予想外のものだった。
「だって……一度でもツインテールを羨ましがったら、総二様はきっと戦えなくなる。後ろめたさを感じて、テイルギアを使うことに罪悪感を覚えてしまいます」
「……トゥアール……」
「一度失った
トゥアールが愛香に見せた笑顔には、負の感情は一切なかった。
「でも、ツインテールを好きだと言う総二様に、共感できないのは……。ツインテールが好きな気持ちを分かち合えないのは、辛いと言えば、それが一番辛いですね」
そのことこそが辛いと言うトゥアールに、愛香は密かな敗北感さえ感じていた。
「……やっぱあんたって、アルティメギルに狙われるだけのことはあったのね」
「そうですか? でも、愛香さん達が戦うところを、ただ見ているだけなのは、歯がゆいです。習さんとゴートギルディの戦いの時とか、何度一緒に戦えたらと……」
「そうだわ。すっかり忘れてた……」
「何をですか?」
「とぼけんじゃないわよ。……会長やそーじは気づいてないみたいだけど。あたしは誤魔化せないわよ。……習に今、何が起きてるの?」
「…………!」
愛香はこの時見たトゥアールの顔を、忘れることはないだろう。今にも泣き出しそうな表情のトゥアールを見て、それでも愛香は止まらない。
「今日戦ったエレメリアンに腹筋を見られてた時、普通の女の子なら、ああいう反応をしたでしょうね。でも習は、普通の女の子とは違うでしょ? ……教えて、トゥアール」
「……ゴートギルディとの戦いで、ハートブレスが破損していたでしょう? あの時、『十文字習』という肉体に蓄積された記憶は無事でした。……でも、ブレスに記録されていた彼女の──いえ、彼の魂は無事ではすみませんでした」
「……? どういうこと? 習が前は男だって話は聞いてたけど……」
「ハートブレスを解析した結果、わかったんです。習さんは異世界から来ていますが、正確には『未来の異世界から』来ています。つまり彼女は、縦軸と横軸の移動を同時に行っていた訳です。……ですが、普通はそんなことできません。非常に多くの障害に邪魔されて、他の世界に渡る前に死にます」
「でも、習は……」
「そうです。習さんは肉体の性別が変わったとはいえ、この世界に無事に来れた。……魂だけの状態で」
トゥアールの言っていることは、実際には簡単なことだ。元々この世界に来る前、『十文字習』の魂である『シュウジ・クロス』は死に、その魂は冥界に居た。それが異世界に時を越えながら移動し、『十文字習』という肉体を得られたのにはわけがある……ということである。
「それが出来たのは、ハートブレスが、『シュウジ・クロス』の魂の保護をしていたからです。ブレスから得られた断片的な情報から考えるに、あのブレスはそれ自体が複数の魂の力で作られたもの……。ハートのギアが複数の
「それじゃ、まさか……?」
「はい。ブレスが破損した時点で、もう『シュウジ・クロス』の存在は消えた……そう考えるのが、普通でしょう」
トゥアールの言葉を聞いて、しかし愛香は動じなかった。トゥアールの言葉にはまだ続きがあると、そうわかっているからだ。
「……あんたがそーいう言い方をするってことは、普通じゃないのね?」
「はい。……少し気になって、調べて見たんです。そしたらありました。『十文字習』という赤子が、生まれた時には息をしていなかったのが、いきなり息を吹き返したという記述が、とある病院に」
「まさか……!」
「本来、
「でも、それならおかしいじゃない。あんたの話が本当なら、習はブレスが壊れた時点で……」
「ええ。ですがゴートギルディとの戦いでの負傷も、すぐに完治していました。……これは私の予想なのですが、おそらくまだ、『シュウジ・クロス』の魂は消えていません。ただ今は、習さんの中で眠っているだけ……。だから、その影響で習さんの様子がおかしく見えるんです。おそらく自分が『シュウジ・クロス』であったことを忘れて、『十文字習』として存在していた時の記憶しか、今は持っていないのでしょう」
「……なんだか話がこんがらがってきたわね。わけわかんない……」
「私も正直な話、全てを理解できている訳ではありません。ですが、習さんの……彼女の『記憶』の覚醒のきっかけになるであろうものは、突き止めています」
そう言うと、トゥアールは白衣のポケットから取り出したトゥアルフォンを操作し、立体映像を映し出した。立体映像の中では、不思議な紋章が浮かんでいた。
「これは?」
「『シャッフルの紋章』。以前ハートブレスを解析した時にも出てきたものです。……これまで総二様と習さんは、ツインテールの共鳴を起こしてきました。その強大な力は、愛香さんもご存知でしょう?」
「まあ……そうね。ドラグギルディと戦った時とか、凄かったわ」
「私は当初、それをハートブレスの性質と、総二様の強大な
「じゃあ、その紋章が? 習の記憶を取り戻す鍵だって言うの?」
「恐らくは……ですが、確証がないんです」
そう言ってトゥアルフォンの電源を切ると、それきりトゥアールは俯き、黙ってしまった。愛香も口を開くことができず、そのまま少しの時が流れる。
陽も落ちてきて、あたりが暗くなり始めた頃──先に口を開いたのは、愛香だった。
「……あのさ」
「なんですか?」
「正直、あんたの話を聞いても、全然ピンとこなかったわ。魂がどうとか言われても、わかんないし」
「そうでしょうね」
「でもさ、やっぱり、辛いでしょ。それはわかる。だからさ──」
そこまで言って、愛香は言葉を詰まらせて──それでもぶっきらぼうに言い放った。
「あ、あたしに…………愚痴っても、いいから」
簡単な言葉がひどく難解な呪文であるかのように、トゥアールはきょとんとした顔で愛香を見つめていた・
「か、勘違いしないでよ! あたしだって、習を助けたいし……。それにあんたが変に溜め込んでたら、そのぶんそーじに変なことするだろうと思って……」
照れて言い訳を初めた愛香を見て、トゥアールは苦笑して答える。
「ありがとうございます」
不意にぶつけられた素直な感情に、愛香はうん、と小声で答えた。
「確かに私、色々と溜まってますから、早速解消してきますね」
「い、いいわよ。どんと……ん?」
「そこで指を咥えて見ていなさい! 女の子同士でも『できる』というところを見せつけてあげます!!」
「待ちなさいよコラ!!」
コテージに向かってダッシュするトゥアールと、それを追う愛香。普段通りの光景だが、普段と違うのは、2人とも笑っているところだろうか。
「知恵熱で心にもないこと口走っちゃったわ! もーいい、二度とあんなこと言うもんですか!」
「ちょ、どこ掴んでるんですか愛香さん!? ああ胸に、胸に!」
習と総二の距離を近づけようと画策された、この小旅行だったが。
どうやら、距離が縮まったのは、彼女達だけではなかったようだ。
次回から決戦!……ですが前もって言っておきますと、『十文字習』はあくまで『Gガン世界でのことを全て忘れたシュウジ・クロス』です。つまり魂が消え去ったというより、魂が傷ついた結果、休眠状態になった影響ですね。理論上は、俺ツイ世界での『十文字習』としての記憶を全て失った『シュウジ・クロス』になる可能性もあったのです。
ちなみにこれは後付けです。ギリギリまでガチ消滅させるか迷ってました。流石にやっちゃいけないと思いなおしましたがね!
習と総二のデートって(番外編以外で」見たい?
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構わん、やれ
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断固として拒否する
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メス落ちまだ?
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習側が記憶失ってたらいいよ
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トリニティ!