4巻ラストは融合フォーム爆誕!!!
「「私は……テイルマスター!!」」
「テイル……マスター!?」
『総二様……いえ、習さん……?? …………ちょっと私の理解を超えていますね、この事態は!!』
ハートとレッドの融合によって現れた、黄金のツインテール──テイルマスター。レッドが大きくなった姿のようでもあり、ハートのような雰囲気でもあり……正しく2人が
赤色に煌めくツインテールと、漆黒の装甲。その姿は人知を超え、エレメリアンの思考をも超えて、まさにツインテールの化身と呼べるような神々しいものだった。
「何者だ、貴様……! 何者だと、聞いている!!」
激昂し、叫ぶバフォメットギルディ。だがマスターの姿は、毛先一つとして揺るがない。
「「私はツインテールだ!!」」
「貴様……! だが、そのような姿になったところで何も変わらん!」
そんなテイルマスターと対峙するバフォメットギルディだったが、その戦意は衰えない。戦士としての矜持か、それとも首領への狂信的な忠誠心か。ともかく常人には想像もつかない何かが、神秘のツインテールを前に彼の体を突き動かしていた。
「まずは……!」
バフォメットギルディは手中の剣を握りしめると、そこから次々と斬撃波を放つ。彼の
「「ふっ!!」」
『触れただけで弾き飛ばした!? これは……!』
テイルマスターはただ斬撃に対し、触れるだけでそれを消滅させた。
「ぬう……!」
さしものバフォメットギルディもこれには怯むが、首領の封印を破った以上、撤退することも負けることも、何より彼自身が許さない。
「「どうした? もう終わりか?」」
「ぬかせ!」
バフォメットギルディはその背から翼を生やすと上空へと飛び上がり、高速で飛翔。向かう先はテイルマスターではなく──────町の方角だった。
「!? あいつ……」
「町の方へ向かっていますわ!?」
「「させるか!!」」
テイルマスターもすぐさまバフォメットギルディを追い、その足裏からエネルギーを噴射して飛翔する。
ロケット噴射のような勢いで飛び立っていくテイルマスターだったが、彼女の前方は暗雲が行く手を阻んでいた。
『え、えーと……マスターさん! その暗雲はバフォメットギルディが出現させたものです! 突入すれば
「「わかってる!
『そういう話じゃないですよ!?』
勢いを落とさず
「足止めにもならんとは……!」
「「
「その通りだ。ツインテール属性が最強であるのも、それが理由よ! だが……ツインテール属性が最強であっても、貴様らが最強のツインテールであるはずが無い!!」
自身の必殺技の一つが無効化され、バフォメットギルディも驚きはしたものの、未だその態度には余裕があった。
「貴様の速度では、俺が目的を果たす前には追いつけまい!」
「「くっ!!」」
バフォメットギルディとマスターの間には、確実な出力の差がある。だというのに、飛行中の両者の距離は埋まらず、それどころか徐々に離れていく。これはマスターが生まれたばかりの戦士で、その強大すぎる力を制御する術がまだ未熟であり────対してバフォメットギルディは長年戦い抜いてきた戦士である。つまりは力の制御で差がついてしまい、それで追いつけていないのだ。
『単純な
「「そうは言っても、難しいし……それに全力でやると、何が起きるかわからないぞ!!」」
「まだあの形態に慣れていないのか……!? ならば勝機は十二分と見た!」
アラクネギルディとの決戦場所から町までは単純距離で考えても、車で数時間はかかるような場所である。その距離を数十秒で飛んできたバフォメットギルディは、空を覆う暗雲へ向けて手をかざすと、自らの
『また
「「なら、何度でも!」」
降りかかってくるであろう業の雨を受け止めるべく、構えるマスター。しかし暗雲から降り注いだのは
『あれは……!?』
「さあ行け! しもべ達よ!」
『何か』は暗雲から無数に町へと降り注ぐと、次々に人々へと取り憑いていく。
「なっ、なんだ!?」
「いやあっ!! こっちに来ないで!!」
「「っ、やめろっっ!!」」
マスターも『何か』を迎撃しようとするが、暗雲から次々と降り注いでくる『何か』の数は、いくら彼女であっても多すぎるものだった。
「うっ、うわああああ………………」
「た、助け…….…………」
「う、あああああ…………」
「な、なんだ、これ…………」
『何か』に襲われ、取り憑かれた人は悲鳴をあげるが、その声は途切れ、次の瞬間には地面へと倒れ伏していく。そして倒れた人からは新たに『何か』が生まれ、それをバフォメットギルディが吸収していく。
「「貴様、何を!?」」
「テイルマスターと言ったな……。なに、貴様らが融合してマスターとなったように、俺も他者の
「「なんだと!?」」
「感謝するぞ、テイルマスターよ。貴様らのおかげで、俺は更に強くなる手段を得た!」
「俺の
「「卑怯な手を……!!」」
「言ったはずだ! 俺は首領様のために負けられぬと!」
守るべき町と人々が苦しむ中、その上空でマスターはバフォメットギルディと激突する。全身からツインテール属性を放出させ、高速で格闘戦を挑むマスターに対し、バフォメットギルディはその手に携えた剣を振るい、彼女のツインテールを執拗に狙う。
「「くっ!!」」
「貴様らの力の源がツインテールであることは知っている! ならばそれを断ち切ってしまえば、二度と戦えまい!!」
『ツインテール属性ではなく、ツインテールそのものを狙ってくるなんて……!』
エレメリアンは、皆等しくツインテールを愛する。一部の例外を除いて────ツインテールを断ち切ることなど、その発想すら浮かばない。あくまで彼らは、ツインテールを『奪う』のが目的なのだから。
だが、バフォメットギルディは首領への狂信によって、自らの中にあるツインテールへの手心をねじ伏せていた。
「ツインテールを庇いながら戦うのはやりにくいだろう! いや……ツインテールだけではないな!」
「「くっ!!」」
マスターがバフォメットギルディに苦戦しているのは、ツインテールを狙われていることだけが原因なのではない。彼女はまだ、完全に力の制御ができていない。そんな状態で今のバフォメットギルディを攻撃すれば、吸収された人々の
「これも言ったはずだ……。そのような姿になったところで、何も変わらん!」
「「!!」」
そうするうち、ついに両者の均衡が崩れ……テイルマスターのツインテール、その左房が切断された。
『そんな…………っ!!』
「終わったな……」
左房を切られ、不揃いのツインテールのまま、テイルマスターは落下────
「がっ!?」
『えっ……!?」
バフォメットギルディの左角が叩き折られ、消滅する。それと同時に彼に吸収されていた人々の
「ば、馬鹿な……! 何が……!!」
「「言ったはずだ。
『……! まさか、融合によって総二様と習さんのツインテール属性が最大限に高まり……ツインテールそのものとも呼べるレベルにまで!? しかし、それでは何故自我を……!』
「「ハートの技と、レッドの力! 二つのツインテールの重なりが、私をツインテールへと昇華させ……! テイルマスターとした!!」」
ツインテールそのものでありながら、同時にレッドとハートの融合した戦士、テイルマスターでもある。どこまでも矛盾していながら、しかしツインテールであるがゆえに全てを内包し、それ故に矛盾しない。全てを超越した融合戦士こそが、このテイルマスターなのだ。
「貴様……! どこまでも、俺の癇に障る……っ!!」
「「終わらせるぞ! バフォメットギルディ!!」」
テイルマスターの両手の紋章が煌めきを増すと同時、彼女のツインテールを保っているはずのバレッタが展開し合体。ブレイザーブレイドをさらに強化したような、一振りの巨大な剣へと変貌した!
「「サンシャインブレイド!!」」
「太陽を……手にしたのか……!?」
あまりの熱量と光に焼かれ、マスターが太陽となったかのように錯覚するバフォメットギルディ。彼の闇を焼き尽くすかのようなその光は、自分の心と向き合い、新たな力を得たレッドとハートだからこそ放てるものだ。
「「いくぞ!!」」
「…………!」
サンシャインブレードが振り抜かれ、光波がバフォメットギルディを襲う。自身も斬撃波を放って対応するバフォメットギルディだったが、彼の闇の力はことごとく通用せず、ただ光に飲み込まれていく。
「ちいっ……!」
ならばとバフォメットギルディはあえて自分から光波に近づき、直接剣を叩きつけて光を打ち消す。だが次の瞬間、バフォメットギルディは自身の頭部に強烈な衝撃を感じた。テイルマスターががら空きの頭部に、背後から容赦無く踵を打ち込んだのである。
「がっ!?」
「「気を取られている暇はないぞ!!」」
「ぐっ!」
バフォメットギルディは振り向きざま、空間ごとえぐり取るような一閃を放つ。しかしマスターはその一撃を手甲で軽々と受け止めると、膝を振り上げてバフォメットギルディの剣を打ち砕いた。
「なにっ!」
思考する前にバフォメットギルディの身体が動いた。斬撃を紙一重で避けると、再び人々から
「「はあああああああっ!!」」
「速い……!?」
マスターはブレイドを投げ捨てると、まさに雷光の如き速度でバフォメットギルディに追いつき、火炎を纏った左拳で殴りかかる。バフォメットギルディもとっさに腕を交差させた防御姿勢をとるが、マスターの拳はその防御の上から突き刺さり、彼の肉体を遥か天空まで吹き飛ばしていく。
「ぐっ、ぐおおおおおおおおおっ!?」
全身の力を振り絞り、空に広がる暗雲の手前でなんとか踏みとどまるバフォメットギルディ。だが彼の眼下、地上には新たな太陽が顕現していた。
「「はああああああああああああっっ!!」」
「なんだ……あの
『両手の紋章が共鳴を……!? これは……これまでにない……!』
マスターの両手でシャッフル・オブ・ハートの紋章が煌々と輝き、彼女の
その
「「私の両手が真っ赤に燃える! 真紅の翼が輝き猛るっ! 夜明けを結べと轟き吼えるっ!!」」
「「ばぁぁぁぁぁぁぁぁくねつ!! 双龍拳────────ッ!!!」」
テイルマスターの両手から、真紅に猛る龍が咆哮を上げ放たれる。
双龍は絡み合い、一つの巨大な拳となってバフォメットギルディと激突する!
「オ……オオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!」
バフォメットギルディも全ての力を振り絞って、闇の波動を放つ! 上空でマスターの光とバフォメットギルディの闇が激突し、その対決は世界を震わせる衝撃となって、人々の眼に焼き付けられる!
『き、基地の機器が異常を……! 愛香さん、慧理那さん! そちらは大丈夫ですか!?』
「心配しなくても、あたし達は大丈夫よ……! たぶん、二人が守ってくれてる……」
「お二人とも……! 負けないで……!」
「なんだ、あれ……!」
「戦ってるのは……レッドちゃん!? それとも、ハートお姉様!?」
「どっちだっていい! 頑張れ! 負けるな──!」
「頑張れえええええ!!」
トゥアールも、ブルーも、イエローも、そして町に生きる全ての人々も。両者の対決を見守る誰もが、マスターの────ハートとレッドの勝利を願っていた。
「「ううおおおおおおおおおおッッ!!」」
「グオオオオオオオオオオオオオオ!!」
雄叫びをあげ、力をぶつけ合う両者。永遠とも思える刹那の果てに────ついに両者の力は、相殺した。行き場を失った力の奔流は両者を呑み込み、爆炎がお互いの姿を隠していく。
人々が固唾を呑んで見守る中────先に爆炎の中から現れたのは、バフォメットギルディだった。その体は傷ついているが、彼の目には勝利の確信があった。
「!!」
『マスターさん!』
「耐え、切ったぞ……! 貴様とて、力を、使い果たしたはず……! 再び
だが────バフォメットギルディの瞳に映ったのは、力を使い果たしたテイルマスターの姿などではなく─────既に投げ捨てた筈のサンシャインブレイドを構えた、傷ひとつない彼女の勇姿だった。
「ツインッ!」
「サン!」
「「ブレイザァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!!!!!」」
テイルマスターの全身全霊の必殺剣が、バフォメットギルディに向け放たれ…………空に広がる暗雲ごと、彼の身体を切り裂いた。
「────首領様、申し、わけ………………」
バフォメットギルディの言葉は、光の中に消えていき────
────ついに彼は、完全に消滅した。
♢
長く思えた戦いだったが────いちおう、学校の休み時間に抜け出して戦いに赴いていたのである。
「お二人とも……! よかった、元に……!」
「すごかったですわ! まさに奇跡のフュージョンでしたわ!」
レッドとハートの融合は────バフォメットギルディを打倒した後、トゥアールが出現させた転送ゲートから学校に戻る時に解除されていた。
「あんた達……よく土壇場であんなこと出来たわね……」
「まあ……本当にそうだな……」
「ワシもよく、あんな真似をしたものだ……。下手を打てば、永遠にツインテールのままだったかもしれぬというのに……」
テイルマスターへの変身は、まさに奇跡の変身だったのだろう。二人にとっても、融合時の記憶はあやふやなようだった。
だが、バフォメットギルディを打ち倒したという実感だけは、二人の中にもしっかりと残っていた。
「それでも、お二人は今こうして、ここにいるんです……。良かった、本当に……」
「トゥアール……」
これまで抱えていた問題の多くが一気に解決したことで、思わず涙ぐむトゥアール。しかし彼女にはまだ、確認すべきことがあった。
「それでは、総二様……」
「そうだな────」
レッドの身体が光に包まれ、その変身が解かれる。光が収まった後に立っていたのは、ソーラ・ミトゥーカではなく……ツインテールを愛する少年──観束総二だった。
「おかえりなさい、総二様……」
「ああ。ただいま」
(ツインテールは惜しいけど────心にツインテールがある限り、俺はもう大丈夫だ)
(総二、そして皆……。この一件、いつか礼をせねばならぬな……)
こうしてバフォメットギルディとの戦いは終わったが、彼らにはまだやるべき事があった。
「とりあえず、愛香とトゥアールは先に帰っててくれ。一緒に教室に戻るわけにもいかないだろ」
「そうね。それじゃ会長、また放課後」
元々総二はトイレに行くと言って抜け出してきたのだ。愛香達と教室に戻れば流石に不自然だと判断した総二は、戻る時間をズラそうと提案した。
しかし彼は忘れていた。
「……総二、外見てみて」
「ん? どうし………………」
「ソーラちゃああああああああん! ごめんよおおおおおおおおお!!」
「もう迷惑かけないからあああああああああああああ!!」
「お願いいいいいいい!! 出てきてえええええええ!!」
「……もう一回、ソーラになるしかないのか…………」
深い絶望に包まれた総二の弱音は、青い空へと消えていった……。
♢
アルティメギル基地────ダークグラスパーもといイースナの私室では、イースナとメガ・ネプチューンが、テイルレッドとテイルハートの活躍を見聞していた。
映像はテイルマスターの誕生までは捉えられていなかったが、それでもバフォメットギルディをツインテイルズが打倒したことは、二人にとって驚愕すべき事実だった。
「こらイースナちゃんも、色んな意味でうかうかしてられへんで」
「テイルレッドちゃん、可愛い……。私に追いつこうと、頑張ってる……」
「うっそこの子……こら友達できんわ」
驚愕すべきというだけであって、イースナは特に驚愕しているわけではなかった。恋する乙女の彼女には、テイルレッドの活躍しか目に映らないようだ。
「いっそのこと、目の前でパンツを脱いで……。いや、発信機を……」
「年頃の娘がなに考えとんねん! はしたないわ!」
いつも通り変態的なことを思案するイースナと、メガ・ネプチューン。しかし彼女達のコントが続く前に、二人の頭上の空間が突如として裂ける。
その空間からは稲妻が飛び出すが、その稲妻は二人を打つことはなく、やがて長方形に収束して手紙となった。
「これは、首領様からの……!」
「なんやて!?」
イースナはダークグラスパーへと変身し、おそるおそるアルティメギル首領からの手紙を開封する。初めは『何か罰でも与えられるのか』と思い、青ざめていたダークグラスパーだったが、手紙に書かれていた内容を読み進めるうち、その表情は険しくなっていく。
「な、何やって?」
「……メガ・ネ。
「
「倒さないのではない、倒せないのだ。奴はな……」
首領からの手紙に書かれていたのは、裏切り者の捕獲任務。
だが──それはダークグラスパーである彼女を持ってしてもなお、苛烈で厳しい任務。
「……一体、何者や。その裏切り者は」
「かつて首領様が直々に封印した、アルティメギル最強と謳われた戦士──。ポニーテール属性を持つ、唯一のエレメリアンじゃ」
「ポニーテール属性……!?」
ツインテール属性と対をなす、ただ唯一のエレメリアン。その捕獲命令となれば、ダークグラスパーである彼女でも骨が折れるものとなるだろう。
しかし彼女には、捕獲対象とは別に懸念事項があった。
「しかし、首領様直々の封印を解いて脱走するとは……。これはもしや、奴に協力者がいるやもしれぬな……」
第五巻の内容をわかりやすく言うと
「劇場版仮面ライダーウィザードinマジックランド」
です。
元々劇場版っぽい展開だったので、いっそのことマジの劇場版仕様で原作以上に盛り盛りするぜー!します!
習と総二のデートって(番外編以外で」見たい?
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構わん、やれ
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断固として拒否する
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メス落ちまだ?
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習側が記憶失ってたらいいよ
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トリニティ!