(ここまで詰め込んだ回は)初投稿です。なんか2、3話分のネタは突っ込みました。正直この次の回でもう終わってもいいんじゃないかなとは思いましたが、本当に書きたいシーンは原作15巻を乗り越えた先にあるからね、まだ頑張りますよ!
……このドラグギルディ、なんかタフだな。
「うおおおおりゃああああああああっ!!」
「むううううううううんっ!!」
テイルレッドの剣と、ドラグギルディの剣が激突する。その周囲には
「レッド!右です!」
「…………っ!」
「ほう……これにも対応してくるか!」
しかし、仮面ツインテールもただ黙って突っ立っているわけではない。彼女はツインテール属性を失ったとはいえ、その真骨頂は科学力と分析力にある。そして仮面ツインテールの仮面には様々な機能が盛り込まれており、その機能とかつての経験を用いてドラグギルディの動きを分析し、彼が打ってくる次の手をリアルタイムでレッドに伝えていた。そしてレッドも、そのツインテールによって仮面ツインテールのアドバイスを一切漏らさず聞き取っており、この連携によって、レッドは実力で自信をはるかに上回るドラグギルディの最終闘態相手に、なんとか互角の勝負を演じていた。
「そんな余裕ぶってていいのか?今度は……こっちから行くぜ!」
「戯言を!テイルレッド……我が教え子たちのことごとくを倒したお前の強さ、それは認めよう!しかし……我のツインテールの方が、剛毅!」
仮面ツインテールのアドバイスも受けて、ドラグギルディの剣戟の隙間を縫うように駆けるレッド。しかしドラグギルディはレッドの動きを受けて、さらに早く、さらに重くその大剣を振るう!レッドもなんとかその剣戟に対抗しようとするが、仮面ツインテールの頭脳でさえも読みきれない刹那、ついにドラグギルディの剣が、レッドの剣を真正面から捉えた!
「ぐっ……!ううっ!」
「レッド!やはり、今のレッドではドラグギルディの剣は……!」
「このまま押しつぶしてくれる……!」
レッドは間一髪でドラグギルディの大剣を受け止めるが、体格差・放つ属性力・そして体勢の有利、全ての要素がドラグギルディに味方しているために、今にもその幼い体は押しつぶされてしまいそうだ。
「はあ……はあ……」
レッドは息を荒げ、地面に片膝をつく。ツインテールの形に地面が削れるほどの、レッドとドラグギルディの激しい戦い。しかしそれは、ドラグギルディの勝利で終わろうとしていた。
「その首もらった、テイルレッド……!!」
自らの剣にさらなる力を込め、レッドにとどめを刺しにかかるドラグギルディ。しかしその状況において、なお──レッドと仮面ツインテールは、不敵な笑みを浮かべていた。
「今だ!ハートっ!」
「おおうっ!
「っ!?なに……っ!?」
レッドの要請に応え、
「馬鹿な!テイルハートはこれまでの戦いで、この技を用いることはなかったはず……!」
「あなたたちの侵略が途絶えていた間は、わずか二日間……その間に、この私が何も手を打たなかったと思っていたのですか?」
「まさか……!」
「あなたの予想通りですよ、ドラグギルディ。さすがに
そう、ツインテイルズに合流するまでは、変身機能と武器生成機能以外は備えていなかった『ハートブレス』だが……アルティメギルの侵略の合間を縫って、仮面ツインテールはこれを解析。テイルブレスに備えられた
ドラグギルディも、戦士である前に将である。レッドとの一騎打ちに持ち込んだのも、自身のこだわりはあれど、それが最も確実な勝利方法でもあったからだ。当然、ツインテイルズがレッドとの一騎打ち中に策を用いてくるのも想定して、レッドとの戦闘中もハートからは離れるように立ち回り、ブルーからはオーラピラーの拘束を万が一にでも受けないよう、できるだけ注意していた。
そこに、これまで遠距離武装などほぼ用いたこともないハートからの、初使用のオーラピラーによる拘束。さすがのドラグギルディも、勝利を目前とした状況では、これを避けるのは不可能だった。
「うっ、動けん……!」
「お膳立ては済ませた!レッド、木っ端どもはワシとブルーに任せ、お前は最大の一撃を叩き込めぃ!」
「わかった!」
レッドはブレイザーブレイドを構えなおし、ドラグギルディを真正面から見据えると、
「ブレイク! レ……ッ」
「ドラグギルディ様ぁぁぁぁ!!」
「ッ、なんだ!?」
しかしその直前! レッドの叫びを遮って、ドラグギルディの無事を願う咆哮が響き──次の瞬間オーラーピラーは攻撃され、ドラグギルディの拘束は解かれてしまった!
「なっ!?」
「オーラーピラーは拘束技……外からの攻撃には弱い……ですが、
「大丈夫ですか、ドラグギルディ様!」
「ラビットギルディ……。なぜ、お前が……!」
膝をつき、自らの剣でその巨躯を支えるドラグギルディに駆け寄ったのは、彼の部下であるエレメリアン、
「なぜ、と。その理由を問われますか……ドラグギルディ様。やはり、あなたは気づいていなかったのですね」
「なにを……言っている!」
「……あなたも知っているでしょう? 私は孤独な者、寂しい者の味方である、と……。今のあなたは、私がこれまで見た誰よりも、孤独です!」
「!」
「ですから……助けに来たまでのこと! さあ、かかってこいテイルレッド。ドラグギルディ様が回復するまで、この私がお前の相手をしてやろう!」
そう高らかに宣言するラビットギルディの足は、震えていた。彼はドラグギルディへの忠誠こそ部隊内でも人一倍高いが、その戦闘能力はツインテイルズ……いや、たとえその中の誰か1人が相手でも、敵わない程度だろう。
しかし、それでも彼は立ちはだかる。全ては、上官を孤独にさせないために。『あなたは1人ではない』と、そう証明するために。
「……ラビットギルディ。我とテイルレッドとの戦いに、手出しは無用!」
「っ! ですが!」
「負傷はこの通り、我が属性力によって既に回復した! お前はテイルハートの相手をせよ。またオーラピラーで抑えられてはかなわん。奴の押さえをするのだ!」
「……はっ! わかりました! 背中はお任せあれ!」
ドラグギルディの指示を受け、ラビットギルディは歓喜して飛び上がり、
「テイルハート! 先程はよくも……ドラグギルディ様の不意を突くとはな!」
「フッ、我が流派は兵法も嗜む。『敵を知り、己を知れば百戦危うべからず』と、孫子の兵法にもあるようにしたまでのこと!」
飛び込んできたラビットギルディの攻撃をさばきながら戦場を駆け、舌戦にも応えるハート。
「成る程……やはりやるな。しかしテイルハートよ、貴様本当に自分自身のことを把握できているのかな?」
「……なにが言いたい?」
「こういうことだ!」
このままではラチがあかないと思ったのか、ラビットギルディはハートに向かって、自らの身体より不快な不協和音を放った。不協和音を警戒し、咄嗟に耳を塞いで防御するハート。しかし……!
「っ、ぐ!? こ、これは……!」
「教えてやろう……私の
不協和音を聞いた直後、ハートはその胸を押さえ、にわかに苦しみだす。毒でも盛られたのか? そうハートが思考した瞬間、彼女の脳裏には、不意にある人物の姿と声がよぎった。
「……ドモン!?」
『師匠……』
「敵を知り、己を知れば百戦危うべからず……か。なるほど、その人間の言葉は真理と言えるな」
「……ワシになにをした!?」
「気づかないか? 私の属性力……その真髄は兎のごとき脚力ではない。
そう、ラビットギルディはその外見的特徴から、特殊能力を誤解されやすいが──彼が持つ属性力の最も大きな力は、兎の耳のごとく敏感に、他者の心の中に潜む孤独……それを『音』として感知する能力なのだ。
この能力は、兎のように孤独を嫌がる者、寂しげでありながら群れの中に生きる者を愛してやまないラビットギルディが、その存在を感知するために身につけたものだが……しかし、この能力を身につけたことで、ラビットギルディはさらに別な能力まで身につけたのだ。
「今! 貴様が聞いた音は……単なる不協和音ではない。貴様自身の心の中身を音として変換し、それをぶつけたのだ! 故に、先ほどの音は貴様以外には不協和音となるが……貴様にとっては、トラウマを再起させる音になる!」
『待て、ドモン! 貴様、兄殺しの業を背負うつもりかぁ!?』
「ぐっ、うっ、おお…………」
十文字習となって、15年もの時を過ごしたハートにとって──既に東方不敗としての記憶は、過去のものとなっている。無論愛弟子ドモンとの日々や、シャッフルの仲間たちと過ごした時間は記憶に刻まれており、忘れることはないが……それでも長年の時は、人から嫌な記憶を消そうとするものである。
『人間もまた自然の一部!』
「そうだドモン……だが、ワシは……」
「このような手は使いたくはなかったがな……」
ラビットギルディが必殺の一撃を準備する間にも、かつての苦い記憶に苦しめられるハート。そして彼女の『苦い記憶』、その中心にいるのはいつの時も、愛弟子ドモン・カッシュと地球の自然という、彼が最も愛したはずのものたちだった。
愛ゆえに、人は苦しむ。その苦しみを今、ハートは自分の全霊で感じてしまっていた。
「ハート! いったいどうしちゃったのよ!」
「ハート!」
「無駄だテイルレッド! ラビットギルディの奴め……自らの矜持を押し曲げてまで、
「…………っ」
ドラグギルディの言う通り、ハートはまるで、反響していく音のように彼女の底から現れる記憶に、完全にとらわれ、動けないでいた。
もし、彼女が『東方不敗』のままであれば、この技をくらおうとも動けていただろう。しかし今の彼女は、東方不敗と魂を同じくする、同一人物であり──同時に、極めて他人に近い存在でもある。魂は体験していても、肉体がその悲しみを覚えていないがために、戸惑っているのだ。自分の中から湧き上がってくる、どうしようもない負の感情に。
「……もはや返す言葉もない、か。ならば──」
──だが、今の『彼女』には、かつての『東方不敗』には無いものがあった。
「──ハート! なにをしているのですか? ……立ちなさいっ!」
ラビットギルディの言葉を遮り、その動きを縫い止めるほどの鋭い声が響いた。その声の持ち主は、仮面ツインテール……その人であった。
「トゥア……いや……仮面、ツインテー……ル」
「……愛ゆえに人は苦しみます。ですが同時に、愛ゆえに人は生きるのです。……ハートブレスに各種機能を盛り込むため、検査した時…………失礼だとは思いましたが、念のため隅々まで調べさせてもらいました。その時、私は知りました。……あなたの、過去を」
「!!!」
「ハートの……過去……?」
仮面ツインテールの衝撃的な発言に、ハートは固まる。しかし仮面ツインテールはそれさえ御構い無しに、自らの声をハートに投げかけ続ける。
「……あなたの過去については、この戦いの後にお話します。ですが、これだけは忘れないでください。……私もかつて、ツインテールを愛し、自らもツインテールであり続けました。だから、私の世界にツインテール属性が広まった時……私は、それを止めませんでした。どうしようもなく、嬉しかったから…………それがアルティメギルの策略の結果だと、頭ではわかっていても……止められなかったんです。その結果、私は負け──私の世界は、人も自然も、なにもかも無気力な状態となりました。端的に言えば、滅んだのです」
「………………」
「ですが、今この世界は違います! ……確かに、あなたは昔大きな誤ちをしたのかもしれません。でも、
「……ワシに、これを託した、者達……」
『シュウジ! 今より私たち全員の力をもって、あなたにアルティメギルを構成する怪人ども……『エレメリアン』に対抗する術と!』
『お前の魂がお前のまま、異世界へ行くためのエネルギーを託してやる!』
『属性力とはワシらにとっても未知のエネルギー! されど臆することはあらず! たとえどのような肉体に成り果てようと、汝ならば必ず事を成し遂げられよう!』
『さあ………我らシャッフルの力を受けて! 飛びなさいシュウジよ!』
「……あなたがあなたのまま、この世界に来た意味を! ……あなたがずっと愛していた属性で、ハートに変身する意味を! その熱さそれが胸にあるのなら……立ちなさい! 立って、戦いなさい! テイルハートッ!!」
「………………!!」
「……っ! 思わず聞き入ってしまったが……だがしかし、孤独な者の叫びは、孤独な者には届かぬ! その命もらった!」
仮面ツインテールのあまりの気迫に呆気にとられていたが、ここでラビットギルディが跳ねた! 彼は自らの属性力を最大限に練り上げ、必殺の一撃をハートに放つ!
「くらえっ! テイルハートォォォォ……!」
「……『私』のこの手が真っ赤に燃えるっ!」
「!?」
しかし──その瞬間! ハートの手の甲には紋章が輝き……そして、仮面ツインテールが
「勝利を掴めと!?」
「……轟き、叫ぶっ!!!」
仮面ツインテールの問いかけに応え──忌まわしき宿命を乗り越えて、ついにその闘志を燃え上がらせるテイルハート! 彼女が全身から発する属性力の輝きは、黄金となってハートの肉体を照らし、ラビットギルディが放った属性力をかき消す!
「なんだ、あの属性力の輝きは!?」
「これは……。ハート、お前の属性力と……もう一つ、ツインテールが!」
「……『東方不敗』としての、
彼女が、瞳を閉じる。
兎の耳が、針の落ちる音も聞き逃さないように──彼女の耳も、いやその全身が、こぼれ落ちる水の雫を見逃さないほどに、研ぎ澄まされていた。
「……『テイルハート』としての、ツインテール属性」
その足、その腕、その胴体、その顔、その
「2つの属性力を合わせ持つ──それこそが、ハートブレスの……いや、テイルハートの真なる力っ!!」
「……馬鹿な、確かに
「もう、迷わん……! ワシは、この世界に生きる『私』として……そして同時にあの世界に生きた『ワシ』として、この力を振るう!」
もうハートの中に迷いはない。全てを振り切りった彼女はラビットギルディとの決着をつけるべく、自身の中に潜む属性力を引き出していく。
「ハァァァァ……!」
「う、うおおおおおおお!!」
ハートの中にある2つの属性力……これまで眠っていた力はまさに爆熱的に増大し、ラビットギルディの身体を震えさせる。だが、彼はその結末を悟りながらも逃げなかった。
「ドラグギルディ様の、ためにぃぃぃっ!!」
「……師のため、自らの想いのため、向かってくるか……! ならばこそ、この技を放つ意味もあるというもの!」
ハートが胸の前に差し出した、2つの手の平の間に凝縮された属性力が……1つの塊に変化していく。その塊はまるでツインテールを支える頭のような形状に変化していき……そこで終わりではなく、
「あれは……! ツインテール!?」
「流派……東方不敗が、最終……奥義ぃ!」
「ううわあああああああああああ!!!」
「石破っ! 天驚けぇぇぇぇぇんっ!!」
ハートの絶叫とともに放たれた一撃が、ラビットギルディをその叫びとともに飲み込んでいく。
「おおおおおおおおおっ!!」
放たれた一撃は、ハートの更なる叫びに応じるように威力を増していき──ラビットギルディを消滅させた勢いのまま、
「チャンス……! ブレイクッ、レリーーズ!!」
そして、身動きのとれない
「エグゼキュート……ウェェェイブッ!!」
オーラピラーでまとめる必要もなく、莫大な属性力を纏った水槍は極太の線を空中に引く。そしてその線が引かれた後に、もはや
「馬鹿な……! あれほどの数を用意したというのに、この一瞬で!?」
「……! 今しかない!」
流石にこの事態には驚愕を隠しきれず、少なからず動揺するドラグギルディ。そしてその隙を見逃すハートではなかった。彼女は自らの体に激を入れると、その腕を回転させ、空中に陣を描いた。
「十二王方牌、大車併!!」
「!? 小さなテイルハート……!?」
ハートが描いた陣より出でたのは、小さい十二体のテイルハートだった。
その小さなテイルハート達はドラグギルディに取りつき……次の瞬間!
「ばぁくはつ!」
「ぐおっ!?」
ハートの掛け声とともに、小規模だが爆発! ドラグギルディの体にダメージを与え、彼の周囲を爆煙と砂埃で包み、その視界を封じた。
「レェェェッド! 今こそっ!!」
「わかってる……! オーラピラー!」
「これは……! そうか、テイルレッドの動きを悟らせないために……!」
そしてハートが叫ぶと同時に、レッドはオーラピラーを展開。煙で視界を防がれたドラグギルディはレッドの動きに気づけず、拘束される。
「っ! 煙が、風で──」
「ブレイク、レリーズッ!」
風が吹き、爆煙は晴れ──視界が晴れたその瞬間、ドラグギルディが見たのは、ブレイザーブレイドを
「これで、終わりだぁぁぁぁぁっ!!」
炎の剣を振り上げて、迫真の叫びをあげて剣を振り下ろすレッド。これで決着がつく──ブルーも、ハートも、仮面ツインテールでさえもそう思った……その瞬間だった。
「オオオオオオオオオオオッ!!!!」
「!? な…………!」
ドラグギルディのツインテールが、さらなる輝きを見せて羽ばたき──レッドの放ったオーラピラーは消えてしまった。
ラビットギルディの死と、テイルハートの覚醒と、そしてレッドとのツインテール属性の共鳴……その全てが、今ドラグギルディのツインテールを研ぎ澄ましていた。
「まずっ……!」
「ウ、オオオオオオ!!」
空中でブレイザーブレイドを振り上げままの、無防備な体勢のテイルレッドの体を、ドラグギルディはその剣で思い切り斬りつけた。
「がっ、ひゅっ……!?」
「「「レッド!!」」」
テイルギアの装甲──それでさえ殺しきれない威力の直撃をくらい、レッドの小さな体が耐えられるはずもない。まるで風に吹き飛ぶ紙のように、彼女は容易く吹き飛ばされ、地面へとたたきつけられた。
「ぐっ、あっ…………」
「そんな……! あと、もう少しだったのに!」
「ドラグギルディ……やはり、化け物……!」
地面へと倒れ伏し、うめき声をあげるレッド。その無残な姿を見て、ブルーと仮面ツインテールは改めて戦慄する。自らが相対する存在の容赦の無さと、その力に。
「脆い……脆いな、テイルレッド! それでも、我が教え子達を倒した者か!」
「っ、ぐ、う…………」
「確かに、お前のツインテール属性……その強さは認めよう! だが、貴様が纏うギアの方がその進化にはついてこれない! エレメリアンとしての我と、人間としての貴様。この差が、この戦いの決定的な差となった!」
「ドラグ、ギルディ……!」
「まだ、立ち上がるか……! ならば……っ!?」
だが──同時に、ドラグギルディも戦慄した。しかしそれは、レッドが立ち上がった事実にではない。
……レッドが放つ属性力が、
「まさか……!」
「そのまさかです、ドラグギルディ。ギアが進化についてこれない? それなら──その進化についていけるようになるまで、何度でも調整するまでです! もっとも、レッドのギアは私でさえ理解不能なほどに、独自の進化を遂げようとしていますが……!」
「ギアを変質させるほどのツインテール属性だと!? ……テイルレッド、貴様の放つ
「俺は────俺はっ!」
「ツイン……テールだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」
レッドは叫び、立ち上がり──剣を持たない左手に、新たにもう一本のブレイザーブレイドを出現させる。
「2本……だと!?」
「ツインテールを作るのに必要な髪飾りは2つであり、それ故にフォースリヴォンも2つ。ならば、ブレイザーブレイドがもう一振りあるのも当然です!」
「ブレイクレリーズ!」
既に
「なにっ!?」
レッドの思わぬ行動に驚くドラグギルディ。しかしレッドが投擲した2本のうち、1本は外れ、もう1本は命中したが──それは、ドラグギルディが盾として構えた大剣にであった。
「意表は突かれたが……失策だったな、テイルレッド!」
「いいや違うぜ、ドラグギルディ! ──後ろを見な!」
「……まさか!」
レッドの言葉とは別に、猛烈な気配を背後から感じ、首だけでドラグギルディは振り返る。彼の目に映っていたのは、その右手に紋章を輝かせ、手を伸ばすテイルハートの姿。
「おおおおおおっ!」
ハートが伸ばした手の先にあったのは──さっきレッドが投擲した、2本めのブレイザーブレイド。レッドは最初から、この挟み撃ちが狙いだったのだ。
「っ、だがレッド! お前には拳による攻撃手段は無い! 我がこの剣を弾き飛ばせば──っ!」
「いいや……ドラグギルディ。さっきのハートの輝きを見て、確信した! 俺のこの右手の甲に宿った、紋章……その力と、その意味をな!」
「!? なんだ、この属性力は……!? ツインテール属性にも通じる……この暖かなものは……!」
ハートの紋章に呼応して、レッドの右手にもシャッフルの紋章……『キング・オブ・ハート』の証が輝く。そして紋章はレッドの脳裏に、ある1人の男の記憶と、その男の力を与えていた。
「俺のこの手が真っ赤に燃えるっ!」
レッドが発した口上に驚きつつも、ハートが応える。
「おおう! 勝利を掴めと!」
「轟き叫ぶっ!」
レッドの右手が赤く光り、にわかに熱をおびだす。その開かれた手が伸びる先は──ドラグギルディの大剣に防がれたままの、ブレイザーブレイド!
「っ! いかん、この剣を早く──!」
「オーラ、ピラーッ!」
「!」
「させないわよ……ドラグギルディ!」
ブルーのオーラピラーによる、一瞬の拘束──まばたきにも満たないその間に、ハートの右手の熱はブレイザーブレイドにまで伝わり、レッドの爆熱も最高潮にまで達し──!
「「ばぁぁぁぁくねつっ!!」」
「究!」
「極!」
「「けぇぇぇぇぇぇぇぇんっ!!!!」」
ハートとレッド、2人の叫びが重なり──その瞬間、2人は交錯! ドラグギルディの大剣は、レッドが掴んだブレイザーブレイドによって砕け散り──彼の体には、2双の剣が、まるでツインテールのように突き刺さっていた。
「……ぐ、お、おお…………」
「……ドラグギルディ」
「ツインテールの、幼女に、背中を洗われる、ことと──生涯を看取られること、それが我が、望みであったが──フ、ハハ……まさにテイルレッド、そしてテイルハートよ……まさか、2人もの、ツインテールの、幼女と、少女に……看取られることに、なるとは、な……」
「どこまでも、前向きなやつだのう……」
「…………もしかしたら、お前が生まれ変わって、人間になったその時は──いや、お前がエレメリアンじゃ無ければ──俺たちは、友だちになれたかも、知れないな」
「……全ては夢よ、だが……ああ、『全身がツインテール』だったか……確かに、最期に見たお前は──まさにツインテールそのものだったぞ、……テイル、レッ……ド…………」
その、言葉を最期にして──アルティメギルの中で、誰よりもツインテールを愛した戦士は──爆散した。
「……終わった、のか……? っ、あ…………」
その爆発を、背中で感じた瞬間──疲労の極みに達したレッドの変身は解除され、観束総二へと戻り、倒れそうになる。
「総二様!」
「そーじ!」
「総二!」
だが、彼が地面に倒れることはなかった。トゥアールが、愛香が、習が──彼のかけがえのない仲間たちが、彼を支えてくれたからだ。
「みんな……」
「そーじ……あたしたち、勝ったのよ!」
「……まったく、あの土壇場で紋章の力を引き出すとは──総二よ、お前は大した男よ!」
「総二様……」
「…………俺、この世界を、守ったんだな……」
「……はい!」
こうして、夕焼けの中──ツインテイルズとドラグギルディとの決戦は──ツインテイルズの勝利で、終わったのだった。
次回? ……どうしようかな
習と総二のデートって(番外編以外で」見たい?
-
構わん、やれ
-
断固として拒否する
-
メス落ちまだ?
-
習側が記憶失ってたらいいよ
-
トリニティ!