『AFO』はアホ、ハッキリわかんだね   作:毎日健康黒酢生活

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私はスカルミリョーネ

キッカケは何だったろう?

 

第1志望の高校に受からず、ヒーロー科の無い高校に通ったことか?

 

高校生活をグレたことか?

 

それとも、一浪した末に三流大学へ通い出したことか?

 

もしくは、就職が上手くいかなかったことか?

 

よく、「人生は枝葉の様に分岐してゆく」という。

 

いくらでも正しい道へ向かう選択肢()はあった。

 

だが、現状はどうだ?

 

私は何故、白昼堂々部下を引き連れ悪事を働いている?

 

「ハァーハッハ!()けい!選ばれし悪の組織(ショッカー)の戦士たちよ!!!」

 

『『『イーッ!!! 』』』

 

私の指示で黒い全身タイツの様な強化スーツに骸骨の模様が施された戦闘服を着る部下たちが周辺の店々を襲い出す。

逃げ出す人々を私の個性を使い地面からコンクリートの壁を生成して囲み逃がさない。

 

悪事(オシゴト)をやるなら徹底的にね。』

 

とは、『AFO(上司)』の台詞である。

一度、悪事(オシゴト)を始めたら中途半端な真似は許されない。もしも中途半端なことをしたら四天王(直属の部下)といえど『AFO(上司)』の悪趣味な椅子の一部に愉快(残酷)に、楽しみ(痛ぶり)ながら変形させられるだろう。

 

仮にも『悪の組織(ショッカー)の四天王』の一人である。同僚には軽んじられ、「四天王になれたのが不思議なぐらい弱っちいヤツ」と馬鹿にされようとも、あの『悪の支配者(上司)』が認めてくれたのだ。

期待に応えておかないと何をされるか分からない。

 

ヴィランになった末に我が身可愛さに自己防衛の為、流されるままにいつのまにか悪の組織(ショッカー)の管理職にまでなってしまった。報酬は歩合制なので、悪事(オシゴト)をすればするほど給金は上がる。負傷時は治癒系の個性を持つ者たちの治療部隊にすぐさま治して貰える。負傷手当もしっかりと出る。更には、休日は自由で、悪事(オシゴト)をしたい時に悪事(オシゴト)をしたい部下を引き連れて回る。

 

あれ……おかしいな。悪役(ブラック)なはずなのにホワイト企業みたいだぞ?

少年の心のまま英雄(ヒーロー)を求めていたら年がら年中人の為に仕えて収入は自分の人気次第、傷病時は収入も無し。

正義の味方(ホワイト)の方がブラック企業みたいだ。

 

いつから私の生活は刺激に満ち溢れたものになったのだろう?

 

 

 

あぁ

 

 

 

それはきっとあの日だな。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

その日、『AFO(上司)』は『飛びっきりの個性を貰いに行ってくる。』と言って単身で何処かへ向かって行った。

よくある取り留めもない『AFO(上司)』の趣味だ。

あの人は人から個性を奪い、自分のものとして扱い、他人に授けることができる。

なんて不条理で万能な個性なのだろう。

長所を奪い、持ち味を嘲り、笑いながら我が物顔で扱う。

確かに強い。

バカだって分かる。

 

だけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

あの人の強さはあの嗤い顔だ。

 

当たり前のように、他人をアリの如く弄ぶ際に見せるあの笑顔。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

その強い光に惹かれて『AFO(カリスマ)』に有象無象(小蝿)が集まりだした。当時の私もその有象無象(小蝿)のうちの一つだった。

 

夜が深まり日付が変わろうとした頃に、酒が回ってきた有象無象(小蝿)悪事(オシゴト)へ繰り出そうと拠点を出ようとしたその瞬間、扉が大きく跳ね上がり天井へ突き刺さった。

 

開け放たれた扉があった場所には『AFO(上司)』がニヤニヤと嗤いながら有象無象(小蝿)に向けて集合をかけて皆の注目を集めていた。

 

そして、開口一番。

 

運命の一言を言い放つ。

 

『君たち。四天王を決めようじゃないか。』

 

誰もが呆然としている。

ヒーローの襲撃かと思って身構えてた雑魚も、酒を煽っていた雑魚も、『AFO(上司)』の帰りを待っていた雑魚も。

誰もが事態の急変に着いて行けてない。

いち早く、冷静になった自称『AFO(上司)』の一番の部下が側に駆け寄りおべっかを使いだす。

 

「またまた!大将ったら冗談がァァァォァッ!」

 

AFO(上司)』が小さく腕を振り、そいつの上半身の半分ほどを吹き飛ばす。人死には慣れているはずなのに誰もが恐怖で身を竦めた。味方だと思ってた『AFO(上司)』が雑魚(部下)を殺した。

理解が追いつかない周囲を急かすように囃し立てる。

 

『ほらほら、早くしないと僕がみぃーんな殺しちゃうよ?』

 

そこからは阿鼻叫喚だった。

あれほどの地獄を俺は知らない。

誰もが恐慌状態に陥り、生きるために隣の者を、死にたくないから酒を酌み交わしあった者を、明日のために仲間を殺し回った。

 

その様はまるで『蠱毒』だった。

 

AFO(上司)』の掌の中で蟲達が殺しあう。

 

この光景を『AFO(上司)』はきっとニヤニヤと眺めていたことだろう。

 

窓の外がようやく朝日が昇り始め、諸々の陰は深い瑠璃色に、諸々の明るみはうっとりした琥珀色の二つに分断された光景になった頃には、その場に立っているものは4人まで減ってしまった。

他の3人は以前より高い実力で有名なヴィラン()だった。一転、私はただのチンピラ(小蝿)。私の個性は拘束系なため他の3人に比べて決定打がない。とうとう自分の番が来たか、と覚悟を決めた時。

 

パチパチパチ

 

と、空拍手と共に開戦からずっと眺めているだけだった『AFO(上司)』が歩み寄ってくる。そして、()()()4()()に手を差し伸べてくる。あの魔性の、真性の『()()』を、その笑顔に添えて。

 

『いやー、面白い見世物だった。』

 

『おめでとう。諸君。』

 

()()()が『AFO()』の部下だ。』

 

『これから失った人数分、いや、それ以上に組織拡大をする。』

 

『モチロン。手伝ってくれるよね?』

 

その質問に誰からともなく膝をつき、地獄の時間が終わったと安堵し、自ずと『AFO()』へと(こうべ)を垂れる。

その様子に『AFO(上司)』は満足したようで続ける。

 

『うん。素直でいいね。』

 

『増えたヴィランは君たちが勝手に指揮して悪事(オシゴト)をしてきな。勝手に部下をどんどんと増やしな?』

 

『なんだったら、その寄せ集めで僕に反逆してもいい。』

 

『成功したら僕の持つ全てを譲るよ。』

 

()()()()()()()()()()()()()()。だから人手がいる。そして、それを指揮する『AFO()』直属の部下が欲しいかったんだ。()()()()()()()()()()()。』

 

『僕に着いてきな。いい思いをいぃーっぱいさせてあげる。僕の蟲毒(おもちゃ)たち。』

 

悪魔のように蠱惑的な甘い毒を撒き散らす。

 

良かった。

自分は選ばれた。

 

それだけが私の心の中に満ちる。

 

そして、『AFO(上司)』は顎に指を当てやや考え込む動作の後、自分の目的をなんてこと無しに軽く、散歩に行くように宣言する。

 

 

 

『とりあえず、世界征服しようか♡』

 

 

 

その後は、激動の日々だ。

他の四天王(同僚)に舐められ、増える部下の配備、管理職の選別、サポートアイテムの手配、その他諸々の雑務をしながら、『AFO(上司)』の指示で裏社会の組織を潰し回って裏社会の覇権を握ったり、優秀な科学者を集めて不気味な実験をしたり、オカルトの謎を個性を使い全力で解明したり。

 

……それはまた別の話だ。

 

そして、それらの悪事(オシゴト)をこなしていくうちにいつの間にか胃腸薬と友達となった。

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

……そして、今に至る。

 

営業成績(オシゴト)の近い同僚(カイナッツォ)には舐められ

 

高飛車な同僚(バルバリシア)はサボり、拠点でダラダラしてるのを怖くて注意できずに養い

 

武人気質な同僚(ルビカンテ)は実力のあるヒーローが出てきた際しかオシゴトをせず

 

悪事(オシゴト)を現場で取り仕切ってるのは『四天王』の中でもこの私『スカルミリョーネ』しか居ない。

 

現場から離れることもできずに、『AFO(上司)』の無茶振りを一挙に押し付けられる。

 

あぁ、今日も悪事(オシゴト)はそこそこ出来たから邪魔者(ヒーロー)が来る前に帰るとしよう。

 

「おい!戦闘員ども!引き上げるぞ!!!」

 

『『『イーッ!!! 』』』

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

拠点へ戻ると珍しく『AFO(上司)』が私を待っていた。

 

全くもって嫌な予感しかしない。

 

だが、逃げ出すことはできないのだ。

 

知らなかったのか…? 

 

AFO(魔王)』からは逃げられない。

 

悪事(オシゴト)の報告もそこそこに『AFO(上司)』が語り出す。

 

『実はね。スカルミリョーネ君。』

 

『僕は拠点を地下百階からなる巨大地下迷宮にしようと思ってるんだ。』

 

『手伝ってくれるよね?』

 

AFO(上司)』がニヤニヤと私の前まで歩いて来て、有無を言わさずに両肩にその掌が乗せられる。

 

 

 

私は無言でただ首を縦に振るしか無かった。

 

 

 

あぁ、また胃腸薬を買いに行かなきゃ。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

「鉄は熱いうちに打て」ってばっちゃが言ってた。(2回目)

多くのご反響いただき作者は驚愕しております。
メインは『英雄と敵の二重生活』のスタンスで執筆をしておりますので、この作品を通じて作者のことが気になった方は見ていただけると嬉しいです。
そちらは多くの秘密、伏線を抱えながら物語が進んでいくので読み進めていくうちに話がドンドン加速していく様は少しばかりの自信があります。

私事なのですが、この度Twitterを開設させていただきました。
作品の進捗度、更新のお知らせ、細かい設定、作者の他作品の一文に込められた作者の想いを読者の皆さんと共有、また意見交換などできれば嬉しいなと思ってあります。よろしければフォローよろしくお願いします。m(_ _)m
https://twitter.com/DayVinegar

最近ふとした時に、4作品もマルチ投稿していてどの作品から作者を知っていただけたのか気になってしまったのでアンケートいたします。ご回答いただけると読者層の把握、作者のモチベーションになる、他の読者様はどれをご覧になってるのかなど分かるので是非、お試しください。m(__)m

  • 英雄と敵の二重生活
  • 『風見幽香』な私。
  • 『AFO』はアホ、ハッキリわかんだね
  • 個性:斬島
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