『AFO』はアホ、ハッキリわかんだね   作:毎日健康黒酢生活

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悪の組織『科学班』の日常

『やぁ、『ドクター』調子はどうだい?』

 

「面白いのが完成したところさ!助手の核世(かくせ)紀末(のりすえ)君が良いアイディアをいっぱい出してくれるんだよ!彼は火器に愛されてるし、火器を愛してる!ほら!紀末(のりすえ)君もこっちに来なさい!スポンサーには挨拶をちゃんとしなきゃ!」

 

AFO(アホ)』が少女を連れて拠点の地下深く、ラボスペースにいる『ドクター』を訪ねる。『AFO(アホ)』としてはこの少女の未知を『ドクター』と共有したくてここを訪ねたのだが、当の本人は少女を歯牙にもかけず興奮気味に研究成果の発表をしたいようなので少女の紹介は後回しにして成果発表と助手の紹介を待つ。

 

『ドクター』の声に呼応するようにして、ラバスペースの奥から機械の山を掻き分けるようにして、助手の紀末(のりすえ)が出てくる音がする。

体型がガッチリとした特徴的な髪型をもつ寡黙そうな男性がゆっくりと陰から現れる。長髪を体の中心から少しズレたところで刈り上げ、反対側に肩口から二の腕ぐらいの長さまである長髪をアシンメトリーのように流すインテリそうなサングラスをかけた薄汚れた白衣を纏う男性が物憂げに現れる。

 

「……うす。……紀末(のりすえ)です。」

 

それだけ言うと紀末(のりすえ)は『ドクター』に作業に戻っても良いですか?とでも言うような視線を向けるが、『ドクター』はそれを無視して研究成果の発表と彼の紹介を進める。

 

「いやぁ!彼は普段は口下手なんだけどね、火器を持つと雄弁になるよ!そのギャップがまた面白いんだ。ねぇ、開発した子供たちもってきてよ!」

 

「了解です。」

 

しばし待つと奥の暗闇から紀末(のりすえ)がカートを引き、大量の重火器を持ってきた。

重厚な音を響かせながら進むカートの上には大雑把に布がかけられているだけでカートから飛び出た武骨な金属が隠す気もなく垣間見える。

 

「……徹夜続きでキツいんで早くしてください。」

 

「ツレないこと言うなよ。ほら、試し撃ちだ。的は『AFO(彼ら)』で大丈夫、実演販売ってやつだよ。」

 

「……いいんスね?」

 

『ドクター』が意味ありげに実演を促すと嫌々ながらも紀末(のりすえ)が掛けられていたベールを外し、乱雑に火器を一つ掴みおもむろにその標準を『AFO(アホ)』へと向ける。

 

火器を持った瞬間、紀末(のりすえ)の屈強な体がさらに膨れ上がり、遂に着ていた白衣すら打ち破り、筋骨隆々とした肉体を衆目に晒した。着ているのは下半身のズボンのみで上半身には最初から着けていたのかいつの間にか刺々しい肩パッドが乗っている。さらにはいつの間にか片側に流していた長髪が天を突くような髪型、()()()()となっていた。

 

 

 

「ヒャッハー!!!汚物は消毒だ~っ!!!」

 

 

 

小型化など考えずに威力と持続時間のみを考えて巨大化された()()()()()()()()()の炎が『AFO(アホ)』へと迫る。

ナパーム弾の炎は、人体や木材などに付着すると、その親油性のために落ちず、水をかけても消火が出来ない。消火するためには専用の界面活性剤を含む水か、油火災用の消火器が必要である。また、ナパーム弾の燃焼の際には大量の酸素が使われるため、着弾地点から離れていても酸欠によって窒息死、あるいは一酸化炭素中毒死することがある。

 

直前、壁に阻まれるようにしてその炎が防がれ、研究所の壁へと飛散する。

その様子に『ドクター』は慣れたものなのか、専用の消火器を使い鎮火しながら、室内へと大量の酸素を送り込む。

AFO(アホ)』と『彼女』は突然の無法に悠然と立ちながら無法者への対処を話し合う。

 

【愚者よ。この虫は消すか?】

 

『いや、いいよ。面白い。武器はまだあるようだし、続きを見てからでもいいだろう?』

 

ナパーム火炎放射器が効かないと分かると紀末(のりすえ)……いや、『ヒャッハー』は武器を切り替え、両腕に軽機関銃をそれぞれ持ちフルオートで射出する。虫一匹逃さない弾幕の中『ヒャッハー』の咆哮が響く。

 

「オラオラオラオラオラ!!!」

 

弾幕の射出音と地面に薬莢が落ちる金属音が響く。

銃弾の弾幕ですら障壁に効かないと分かると次は人の背丈ほどもある武骨な螺旋状の巨大なランスのようなものを取り出す。

 

「これでもダメなら次はこれだぁー!!!」

 

そう、ドリルである。

ドリルの先端はギュインギュインと唸りながら回転しながら障壁にぶつかる。

金属が擦り切れていく耳障りな高音が響くが障壁には傷1つ付かない。

『ヒャッハー』はさらにドリルの回転出力を上げながら持ち手にあるボタンを押してドリルの刀身を射出する。

そして、射出した反動で後方にステップを踏み距離を取って新たな武器を構える。

 

ポケットから取り出されたソレは、ハンドガンよりやや大きめの形をした『携帯式ロケットランチャー』だった。

単発使い捨て式のロケットランチャーの引き金を引き、焼夷弾の雨が『AFO(アホ)』に降りかかる。

雨の中で傘をさす様に、障壁によって雨が防がれる。

 

AFO(アホ)』は軽いステップを踏みながら『ヒャッハー』に歩み寄る。

『ヒャッハー』は最後に豪奢な装飾が施された拳銃を『AFO(アホ)』に向けて何度も打ち込む。

軽い空気が弾ける音と、『AFO(アホ)』の革靴の音が周囲に響く。

 

AFO(アホ)』は『ヒャッハー』が握っている拳銃を手で掴むと個性『分解』でパーツの一つ一つまで細かく分解する。

 

『確かにいい銃だ。しかし、その装飾(エングレーヴ)は何の戦略的優位(タクティカル・アドバンテージ)もない。』

 

()()()()()()()。僕好みだ。火炎放射器にガトリング、ドリル、パイルバンカー。合理が好きな『ドクター』の発案ではないだろう。』

 

『君の発案だね。()()()()()()。』

 

『だが、()()()()()()()()()()()()()()()()。』

 

そういうと『AFO(アホ)』は『ヒャッハー』の掌を握っている逆の手を前に出し、ゆっくりと中指を引き絞り、親指で引き留める。

 

親指と中指で円を描くようなソレは……弾けた。

 

そう、ただの()()()()である。

 

しかし、『ヒャッハー』の巨体はゴムボールのように軽く壁へと激突する。

その凄まじい衝撃からか『ヒャッハー』はピクリとも動かず、気絶して火器を手放したことにより天に聳えるようにして立っていた髪は萎びて倒れた。

 

「どうだ?中々いいだろ?」

 

『うん。ただ、火炎放射器は小型化して、チューブを腕に巻き付けて衣服で隠す様にしたら、炎を出す個性と勘違いして面白いと思うね。』

 

「ほう!それはいい!紀末(のりすえ)が起きたら検討してみるよ。」

 

『彼の変わり様は個性かい?』

 

「ふむ。あやつは火器を持つと性格が過激になるんだ。しかし、使ったことの無い火器でも一瞬で使えるようになる。正しく、火器に愛され、火器を愛する男さ。」

 

『面白いね。そういう特殊な人間は大好きだよ。彼が起きたら、「効率何て考えないでやりたいようにやりな」って伝えといてくれるかい?』

 

「承った。そういえばなんでラボに来たんだ?」

 

ただの雑談から一転、火器の展覧会によって忘れていた『AFO(アホ)』が来た理由を尋ねる。

AFO(アホ)』はおもむろに背後にいた『彼女』を『ドクター』の前に見せる。

 

『手だけ変化してくれるかい?』

 

【相分かった。】

 

すると『彼女』の手が暗緑色に変色していき、掌がだんだんと織物がほぐれていくかのようにほどけ、無数の暗緑色の触手へと変化する。

てらてらと光るその触手、不気味に絡み合う節足動物のような動き。

あまりに冒涜的なその光景に『ドクター』は()()()

 

「……個性か?」

 

『NOだ。()()()()()()()()()。『彼女』は未知(オカルト)だよ。』

 

『彼女はこう見えても数百mにもなる巨大な邪神だ。今は人間に化けて貰ってる。それに様々な能力が使える。』

 

『変身。消せない炎の発火。心臓の強制停止。醒めることのない悪夢の投影。確認しただけでもこんなにもステキな不思議ばかりだ。』

 

 

言葉を切り、悪友にサプライズをするかのように『AFO(アホ)』は『彼女』の両肩に手を乗せ『ドクター』へ微笑む。

 

 

 

 

 

『ちょっと、『彼女』と実験(オママゴト)しないかい?』

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

「ヒャッハー!!!」

『ドクター』はとっくにSAN値0、ハッキリわかんだね。

『彼女』の挿絵を開示してます。(※トレスしてます)
名前募集は次回更新まで受け付けていますので皆さんご参加ください。


【挿絵表示】
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