CIA本部提出
財団日本支部ISS壊滅及び改造兵士の処分報告書
財団 日本支部ISS及び所長 氷室 巌含める構成員 死亡を確認
改造兵士レベル2 豪島 レベル3との交戦の末破壊された模様
改造兵士レベル3 鬼塚 義一 サンプルとして護送中の襲撃で焼死を確認
臨床的免疫工学の権威 風祭 大門 死亡
追記
コードネーム「MASKED RIDER」の追跡に関する情報について
改造兵士レベル3 風祭 真及び彼と死亡済みの明日香 愛の間で生まれたと思われるミュータントの赤ん坊に関する報告。
ISS壊滅後、数か月に及び追跡を続けた結果、日本某地方の野山に土葬された明日香 愛の遺体を発見。ミュータントの赤ん坊は無事に誕生し、風祭 真と逃亡を続けている模様。
さらに財団から送られたと思われる改造兵士レベル2と疑わしき男性数名空港で確認。追跡させたものの追跡したメンバーが返り討ちにされ全滅。
更に一月後、交戦中のレベル3を確認。CIAの部隊と共に殲滅を試みる。
レベル3、レベル2との連戦のため弱体化、捕獲に成功。
続いて本部から送られてきた薬品で殺害を試みるものの増援に来た別個体のレベル2の妨害により失敗。
レベル3 風祭 真は財団側に回収されたものの事前に銃撃で使用した特殊弾で死亡した可能性あり。
ミュータントであるレベル3の赤ん坊、現場周辺を捜索したものの発見ままならず。
交戦していた場所が川周辺のためレベル3が川に落として逃がした可能性あり。。
引き続きミュータントの回収及び処分を遂行する。
報告者 セーラ・深町
幻想郷。
博麗大結界により遮断された現代の社会では存在を忘れ去られつつある妖怪や妖精たちの理想郷。
結界が張られた当初は妖怪たちの反発が絶えなかったが現在は沈静化しつつあり、つい最近その結界の管理を担っている博麗の巫女が後継者を設けたなど、和やかな時が流れていた。
そして、この向日葵の咲く丘「太陽の畑」では一部の妖怪からは「脳筋」「花の悪魔」「アルティメットサディスティッククリーチャー」と呼ばれ、恐れられている花妖怪が今日も朝から自分が育てた向日葵を見て回っていた。
「うわあぁ~!幽香だ!逃げろ~!!」
「消し炭にされるぞ!?」
「殺される、みんな殺されるぞ~!!」
花畑近くを飛んでいた妖精は彼女の姿を見るなり、一目散に逃げていく。それだけ彼女は恐れられているのだ。現に少し前に彼女の育てた向日葵で遊んでいた某氷妖精が吹き飛ばされて星になったとかならなかったとか。それ故に彼女が人里に買い物に行く際もまるで周囲に結界でも張っているのか誰も近づかない。買い物に来た店の店主もビビりながら彼女と接する。
そんな彼女であるが実はそこまで恐ろしいわけではない。
妖怪の賢者であり、幻想郷の創造者の一人である八雲紫とはちょっとした縁で知り合い、博麗の巫女ともある程度交流を持っていたりと割と常識的な一面もある。妖精たちに関しても悪戯さえしなければそこまで手を下したりはしない。
まあ、某氷妖精については構ってほしいという意味もあって何度も悪戯しているのかもしれないが。加減は置いといて。
「・・・・・フフッ、今日も元気に咲いているわね。」
彼女は微笑みながら向日葵を眺めていた。一応二つ名はアルティメットサディスティ・・・・・おっといけない、四季のフラワーマスターと名を持っているため、花を育てることを楽しみにしている。そんな彼女であったが不意に自分の花畑に布に包まった何かを目にする。
「ん?」
彼女は昨日までなかったものを目にして近づいてみる。
「なんでこんなものが・・・・・・!」
人里の人間が自分の花畑近くに物でも捨てたのだろうかと思って近くに行ってみると布は人の血らしきものがいくつも付着していた。彼女は恐る恐る布の中身を見てみる。
「・・・・・・・」
中身は眠っている赤ん坊だった。
ただ、普通の赤ん坊ではない。背中に羽のような器官があり、額には第三の目とも言えるものがあった。幽香はもしや妖怪と人間のハーフでこの容姿故に捨てられたのではないかと考えたがその可能性は低い。この赤ん坊からは妖気は一切感じられないからだ。妖怪であるのなら生まれた時から妖気を発するもので消すこと自体は可能だがそれはより成長した熟練者でなければできない。となると残った可能性は外の世界から来たというものだ。
「・・・・・・どうしましょう。」
一瞬、見なかったことにしてどこかへ捨てに行こうかと考えた。
しかし、見つけてしまった以上そんなことをすればどこぞの烏天狗のネタにされかねないし、そうなれば周囲に変な誤解を招くかもしれない。それ以前に例の隙間妖怪が様子を見ているのかもしれない。
「・・・・・・・ん?」
幽香は不意に赤ん坊が目を覚ましていることに気づく。赤ん坊は特に幽香を襲うこともなく、小さな手を彼女に翳していた。
「きゃ、きゃ、きゃ」
「・・・・・・・・」
幽香は笑っている赤ん坊を見て捨てるのはあまりにも酷いと考える。拾ってしまった以上、親代わりをしなければなるまい。
「困ったわね・・・・子供なんて育てたことないのに・・・・ん?」
彼女は布に血で何かが書いてあることに気が付く。
新を わが子を よろしくお願いします
「・・・・」
この子供の親は一体何者だったのだろうか?幽香が想像する限り、少なくともただの人間ではないことはわかるがそれ以外のことは謎だらけだ。
「アァアアアア!アァアアアア!」
「あら?」
何かに気づいたのか赤ん坊は泣き始める。
「えっと・・・・・えっと・・・・」
赤ん坊を泣き止ませるなど長い間生きてきた幽香でもやったことがない。泣き出す赤ん坊を見ながら幽香はとりあえず、変顔をして泣き止ませようとする。
「えっと・・・・・ベロベロバ~。」
「アッ、アァ・・・・・」
必死にあやす幽香に反応したのか赤ん坊は泣き止んだ。幽香は、ホッとしながらもすぐに泣かないように抱っこしながら家の方へと戻ろうとする。
「だ、大丈夫でちゅからね~~(と、とりあえず家に入って寝かせましょう。ミルク買いに行かなくちゃ・・・・それ以外は何用意すれば・・・・)」
幽香が家の中へと戻っていくと空間に亀裂のようなものが入る。
開くとその中は無数の目のようなものが見え、一人の金髪の女性がクスクスと笑っていた。
「クスクスクス・・・・・・まさか、あの脳筋呼ばわりされていた花妖怪があんな顔をするとは思わなかったわ。これはこれで愉快ね・・・・プププ・・・・」
八雲紫はそう言うと隙間の場所を変えて幽香の家の窓を覗く。そこには赤ん坊をあやしている幽香の面白・・・・・・賢明な姿が見えていた。
「さて・・・・・・私は博麗神社の霊夢の寝顔でも見て帰りましょうかね。ウフフッ、その子のことは頼んだわよ、幽香ママ・・・・・なあんてね。」
真さんの扱いの悪さと言ったら・・・・・・・