短編であれですがもうちょっと続くんじゃ
昏睡から目覚めて幾度か経った
弱り切った身体から動けるくらいまでには回復した
『転生者』としては微妙だが一般人としてはそれなりの回復力だとは思う
転生特典とか貰っとけばしのぶを悲しませなくて済んだのかもしれない。
しのぶ救済は転生したあとに誓ったことだった
元々蜜璃さん推しだったなんて口が裂けてもいえない
まぁ、『宵鷺逢魔』じゃなかった時の話だから捨て置こう。
いくら寝てたのか分からないから。とりあえず現状把握に何か月か費やした
「………ちょっとした浦島太郎だなぁ」
縁側で茶を啜る。
「何がです?逢魔くん?」
「あ、いや…時の流れはすごいなぁと」
ちかくないっすか?しのぶ…自然に恋人つなぎとか。やばい。
本当美人になった。艶が凄くてエロい(語彙力)
髪も伸びより女性らしい体つきになっている
けど三十過ぎたようには全然見えないし。20代前半に見えるもんよ
大人の色気に少女のあどけなさの融合召喚よ。むしろ色気にあどけなさをチューニングしてさらにオーバーレイしてる(混乱)
身体はおっさんだけど中身はまだ10代なんだよなぁ俺は(哀しみ)
耐性はねぇんだよ!!
あの頃はしのぶへの恋が猪突猛進していたけど今はどきまぎする
若さって怖ぇ…
手に感じる体温と鼻孔をくすぐるしのぶの匂い
こうして甘えてくる事は俺が目覚めてからは常だった。仕事しているときでも隙あらば接触してくる
うん、俺が昏睡してたからね。いろいろ自制やしたかったことがあったろう
毒だ。猛毒過ぎる。
砂糖を丸呑みしたような甘美な猛毒だ
つまりなんだ
(かわいすぎるだろっ!!!!!!!!!!!!!!)
「どうかしましたかっ…?」
上目遣い。かわいすぎるってつってんだろ!!
これで三十過ぎとか合法かよ!
「……い、いやなんでもないよ」
「あの頃の貴方はもっと情熱的でしたよ」
「わ、若かったからね…」
たぶん死なせたくないて必死だったのもあるしね
……転生前は非モテだった希ガス
「ふふっ…責任を取って下さるんでしょう?」
甘い囁き。しのぶみたいな美女に言われたら即答せざる得ない
「それはもちろん。」
何だろう、肉食獣のような目をしているよ?しのぶさん?
草食獣の、気分ってやつかしら…?
「……昼間だよ…しのぶ…?」
「…仕事も一段落してますし来客の予定もありません。今までの分取り返すには時間が足りませんから」
躙り寄ってくる。
「だめ…ですか?」
顔と顔が零距離。しのぶの吐息の音すら聞こえ甘い匂いで頭がクラクラする。宝石のようで蕩けた瞳。ぷるっとした唇に。しのぶの全てから目が離せない
断れねぇよ。妻に此処まで言わせたらあれじゃん。いろいろ駄目じゃん。
「……駄目じゃ無いよしのぶ。……だけどさ」
「…らぶらぶー?」
「ん?」
「はい…?」
「ご機嫌うるわしゅー。しのぶ様おーま。」
ミニマムカナヲがそこにいた。
いつの間に…?
…ち、邪魔が
こら舌打ちするんじゃ無いよ子供だよ?しのぶ?
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カナタ。そう名付けたカナヲの長女。
名付け親はしのぶらしい。カナヲと旦那さんに頼まれたらしい
「一人で来たのかい?」
「そーだぞおーま」
カナヲをそのまま小さくしたような少女はフンスと鼻を鳴らす
「なんでまた」
度々カナヲ達が家族で遊びにくることはあったが彼女一人で遊びにくることは初めてだ
齢8歳が一人で遊びにくるには遠いはずだ
カナヲが嫁いでいった彼の故郷は蝶屋敷からはそれなりにある
「よく来たな…まぁ…鬼がいない時代か」
それでも小さな女の子には厳しい道のりだ
野生動物が出たらどうする
「喧嘩した」
「誰と?」
「母様と」
「カナヲと?」
俺としのぶは顔を合わせ首を傾げる。
仲が良すぎる家族で喧嘩したとは聞いたことがない
「どうしてさ」
「炭汰のことばっか気にするから」
この前生まれたばかりの末っ子だ。
なるほど子供らしい嫉妬か
「…そか、まぁ迎えが来るまでいるといい。良いよねしのぶ」
「そりゃ、……いいですけど…」
ありゃこっちも拗ねてる。
「…………予行練習と思えばいいんじゃない?」
「なんのです?」
「俺と貴女の子供の」
しのぶの百面相みたいに顔が変わり最終的に恍惚の表情になりニヤける
キャラ崩壊してるよねやっぱり
「やだ、母様来ても帰らない。此処の子になる!!」
さてどうしたものやら
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
家出してきて、それなりに汚れ傷があったためしのぶに風呂に入れて貰い処置してもらう
俺は……竈門家に文を付けた鎹鴉を送る
多分心配して駆け回っているに違いない。……明後日位には来るだろう
「………姉さんは夜深にどう説いてたかなぁ…あの人砂糖飴並にベタ甘々だったから参考にならねぇんだよなぁ」
と部屋に戻ると寝息を立て寝ているカナタの姿がある
「寝ちゃったか」
「はい、さぞ疲れていたんでしょう」
「そりゃね」
「カナヲと喧嘩ってびっくりしました」
「びっくりって?」
「喧嘩って事は喧嘩って感情同士のぶつかり合いです。…やっぱり昔のあの子から想像できません。」
「そだな。…俺は今のカナヲはやっぱり深くは知らないよ。けど…母親になるって変わらない訳にはいかないんじゃないかな?」
「…ですかね…?」
「うちの母親もそうだったよ。…昔は弱い人だったらしい。自分の意見も通せないくらいだったって。けれど…俺の記憶では強い人だったよ」
これは転生前の話。『宵鷺』家の母親は早く亡くなっている。今生では父親の『宵鷺黄昏』が男手一つで3人を育ててくれた
「だからいつまでもカナヲは昔のままのカナヲじゃないし喧嘩くらいだってするだろ」
「そうですね…やっぱり親にあるというのは凄いことなんですねぇ…なんかカナヲに先を越された気分です」
眠るカナタの頭を撫でながら呟く
「…………名前考えとこうか」
「…そうですね」
甘く蕩けた少女のようなはにかみ。
「『宵鷺』家は夜にちなんだ名前付けられてるんだよね」
俺は逢魔が時からそのまま逢魔。姉さんは夜明け 妹は深夜を捩って
「お任せします。男の子でも女の子でも」
「ま、まぁ気が早いけど」
「あら生めなくなる年齢まで待たせたら恨みますけど」
ニコニコ
あ、はい善処します