胡蝶の君へ   作:九咲

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妄想が広がったら風呂敷も広がった


短編がふさわしくないだろうと思い連載中に変えてみた次第
アフター畳めば終わります(筈だ)


しのぶアフター②

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

明朝

 

子供というのは元気なものだ。

 

俺としのぶも朝が早い方だったが既に起きていて身支度整えていた

カナヲ達夫婦の躾の良さが伺える。

 

「おはよーございます。しのぶ様おーま」

 

俺に対して呼び捨てなのは多少気掛かりだがあれだろう

 

 

今日は仕事だ。カナヲ達からの鎹鴉はまだ来ていない。もし今日中に返事がなければ何かしらアクションがあるだろう。

 

薬屋の手伝いをしちゃいるが何かしら手に職を付けなければ…

 

「ふふっ養ってあげますよ?」

 

なんて言われたが元平成っ子の俺でも恥だと思うのに大正の時代にヒモとか村八分ものだろう。今は昏睡状態から回復したというお情け?があるがいつまでも働かないわけにはいかない

もちろん男手の必要なことをしているが生計を立てる何かをする必要はある

 

転生前教職免許を取っていたが結局腐らせていた微かな記憶があった

 

「寺子屋かオモシロそうな気がするな」

 

と考えながら朝の仕事をこなす

 

 

「お~い、宵鷺いるか?薬を売ってくれ」

 

「はいはい…お待ちを…あれ宇髄さんじゃないですか」

 

蝶屋敷に併設する薬屋の店先に元柱の宇髄天元さんがそこにはいた。

かつての派手男は今や風格のあるイケオジである

隣には3人の、嫁の一人雛鶴さんが付き添っていた

 

「久しぶりだな。嫁とはうまくいっているのか?」  

 

「あ、はい」

 

「かたくなるな。派手にいけ派手に」

 

相変わらずの派手男である

 

「最近腰が痛くてなぁ…歳かなぁ。雛鶴」

 

「昨日もハッスルしていたのによく言いますね」

 

現役かよ。まぁ雛鶴さんも須磨さんもマキヲさんも見た目はまだお若いしね。くノ一ってすげー

 

「ん…?」

 

宇髄さんの目に手伝いをしているカナタがうつる

 

「おー、ついに子供が」

ニヤニヤ笑う

 

「いやいや目覚めたのついこないだですよ?」

 

「寝込み襲われたらワンチャン」

 

「流石にそんなはしたないことしませんよ宇髄さん」

 

しのぶが薬を用意して雛鶴さんに渡している

 

「そりゃ悪かった」

 

「もう天元様」

雛鶴さんは呆れた顔をしている

 

「………………何回かしようか思いましたけど」

ボソッと、俺にしか聞こえない小声で言う

 

えー…

 

「で、炭治郎んとこの子か何回か見かけた事あるわ」

 

「来てるんですか?」

 

「あ、いや……」

雛鶴さんの言葉に口ごもる

 

 

「はぁ、家出…ねぇ」

 

「まぁ子供ならあることでしょうけれど女の子ですし」

 

「俺はねぇわ。そんなことしたら離反扱いで抜け忍として殺されてたわ」

 

忍びでしたから殺伐でしたわ。大正怖い

 

「まぁ、竈門くんのところでも喧嘩するのね。超仲良し家族かと思ってたわ」

雛鶴さんもびっくりしている

やっぱりそういう認識か

 

 

「おはようございます」

カナタはぺこりと挨拶する

 

「おう、やはり炭治郎んとこだわ。躾の良さが伺えるわ」

 

同じ事、皆考えるなぁ

 

「飴をやろう」

 

「あ、ありがとうございます」

 

イケオジだわ

 

「ま、子供出来た時の予行練習にすればいいさ。うちのはやんちゃ過ぎる」

 

宇髄さんちは雛鶴さんが二人、須磨さんが三人、マキヲさんがまさかの五人の大所帯だ 

子沢山が時代的に多いも嫁さんが三人みればやっぱり別格だ

 

「ま、頑張りな」

と手を上げ去って行く。雛鶴さんも会釈し付いていく

 

「……一姫二太郎ですかねぇやっぱり」

 

 

「うっす」

 

頑張りまっす

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

昼頃、炭治郎くんの鎹鴉から返事があった

 

明日、此方へ迎えにくるそうだ

 

 

……末っ子の炭汰は身体が弱く発熱を繰り返す事が多い

 

長男の炭雪は真面目な性格もあり両親の仕事をよく手伝っている

 

真ん中のカナタは遊び盛りのやんちゃのわがままで母親にべったりだそうだ  

 

唯一の女の子だし家族を失っている炭治郎くんからしたら目に入れても良いほど可愛くて仕方ないのもあるだろう

 

それでも母親に甘えたくて仕方ないのだろう

 

 

夜の縁側にて歌を口ずさむカナタの姿を見つける 

 

昼間はしのぶにカナヲを重ねていたのかついてまわっていた

しのぶも満更ではなさそうだったけれど

 

「あまり夜に外に出てると鬼が出るぞ」

昔よく父親に言われてた事を言う

 

「鬼なんていないよ」

 

「…………そっか。そんな時代か」

 

「?」

 

カナタのとなりに座る。よくよく見ると本当カナヲに似ている。首をかしげる姿も。まぁ大分表情豊かだけど

 

「…………カナタ達が生まれる前にはいたんだよ鬼は」 

 

「嘘だぁ」

 

「俺もな、子供の頃はそう思ってたんだよ…けれど鬼はいたんだよ」

 

「良い子にしても悪い子にしても鬼は来るよ」

 

「………脅かしてる?」

ちょっとビビってるな。まぁ気の強い子はそれ位でいいだろ

 

「でも、今は大丈夫だよ炭治郎くんたちが親玉倒してくれたから」

 

「父様が?流石父様ー」

 

「でも、外は危ないことでいっぱいさ。人でも悪い奴はいる。…………守ってくれるのは親だよ一番はね」

 

「おーまは守ってくれないの?」

 

「手に届けば守るよ。でも俺もこれから子供が出来れば届けないかもしれない」

 

「でも母様は炭汰ばかり構うもん」

むくっと頬を膨らませ縁側で足を軽くばたつかせる

 

「お姉ちゃんだから……って言われてたんだろう」

 

「うんよく言われる」

 

「我慢しなさいとは違うよカナタ。お姉ちゃんは妹や弟を守らなきゃ。俺もな姉さんと妹がいたんだけど姉さんは俺らを守ってくれたし俺も妹を守らなきゃって思ったよ」

 

「……」

こっちをまじまじと、見ているカナタ

 

「…………ま、俺の言いたい事はそれだけだよ。ほら饅頭。しのぶには内緒な半分こしよう」

 

「う、うん」 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

明朝

 

薬屋を開く時間前から慌ただしい来客があった

 

 

「………………熊?」

 

「そうらしいのよぅ……」

近所のよく世間話をする噂話好きのお民さんが形相を変えて入ってくる

 

 

「………熊……ねぇ。まぁそうならお民さん今日は外出控えなさいな。うちも気を付けるから」

 

「おまいさんも身体が弱いんだろう?気を付けてーな。しのぶちゃん、泣かしたらおばちゃんがおまいさんも泣かしたるわ」

 

そらまた剛気で……

 

 

「熊ねぇ」

 

今は春。冬眠から目を覚ました熊が腹を空かしてるか

 

「………………まさかな」

 

お民さんが帰った後熊という事に引っ掛かる

 

確かに熊が人を襲うケースはあるが……大概は鬼だった

 

鬼舞辻がいない今は……可能性は限りなく低い

 

「…いやいや、まぁ鬼舞辻無惨が死ぬ前に昏睡状態になったし実感ないのかもしれん……いつまで剣士気分でいるんだか」

 

鬼は今はいないし童磨は殺した。俺が刀を握る必要はない

『宵鷺』の剣位は残したいけれど

 

「剣術も教える寺子屋か。ふむ…」

 

検討しよう

 

 

「……今日迎えに向かうという事は明日かな?」

 

「の筈ですね。ま、天候次第ですけど」

 

しのぶがついでくれたご飯を受け取る

 

「……熊が出たらしいから気を付けてーなってお民さんが」

 

「熊…ですか…?うん…?ここら辺で熊が出たなんてここ何年かは聞いてませんけどね」

 

「熊…?」

 

少し不安そうにするカナタの頭を軽く撫でる

 

「お前の両親は強いから大丈夫だよ」

 

「べ、別に母様の心配なんて…」

 

 

まぁ少しやな予感はしていたけれど…

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