未来逃走Ⅱ―無実の弾丸―   作:中2病人間M

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遂に死の収監所の正体を突き止めた海斗は計画を練るため春日部市まで向かうのだった。


決断

「春日部、何年ぶりかな」

 

 

その時

 

 

「海斗……海斗じゃねぇか」

「!!鈴木さん」

 

 

そこには拓也のお父さんだった鈴木 孝也(スズキ タカヤ)さんがいた。

 

 

「鈴木さん、お久しぶりです!!」

「おう、久しぶり……ん?海斗、戻ったということは死の収監所の正体がわかったのか?」

「はい、突き止めました」

「そうか……よし、とりあえず、レジスタンス銭湯行くか」

「はい」

 

 

俺と鈴木さんは春日部レジスタンス銭湯に向かったのだ。

 

 

 

 

 

そして、春日部レジスタンス銭湯では墓があったのである。

 

 

「みんな……ただいま……」

 

 

俺は昔の逃走ゲームで死んでしまった皆のその墓を拝んだ。

 

 

そう、ここには逃走ゲームで一緒に戦ったみんなが埋葬されていたのだ。

 

 

「海斗兄さん!!」

 

 

武也がこっちに走ってきたのである。

 

 

「おう、武也、久しぶりだな、今、何歳だっけ?」

「俺は17歳だよ」

「そんなかぁ、会った時はまだ13歳のヒヨコだったのにな」

「ヒヨコは余計だよ」

「そうだな」

 

 

 

 

 

その後、建物の中に入り話し合いが始まった。

 

 

「レジスタンス銭湯建て替えたんですか!?」

「ああ、ただ、姿形はそのままだけどな……んで、海斗、死の収監所は何処にあるんだい?」

「えぇ……ハワイと言う島です」

「ハワイ?随分昔に聞いたことがあるような……」

「ハワイは元々、アメリカの島です」

「え、ア、アメリカ!?」

「はい」

 

 

俺は大島に行ったことやそこで見つけた日記のことを話したのだ。

 

 

 

 

「……なるほどねぇ……」

「鈴木さん、俺はこれからハワイ収監所に行きます、場所も分かっています、4年も経っちゃったけど莉緒や健太を助けに行く」

「待て待て、あそこに侵入した者は逃走ゲームに参加させられることもなく死刑だよ……収監所で収監されている者はたしか脱出し陸に辿り着きさえできれば罪が無くなって追っては来ないはずだけど侵入者はそうはいかないし、第一どうやってそのハワイへ向かうんだ?」

「………でも、助けたいんです……仲間を!!」

「…………そうだな、なら、大阪の一般人参加型の逃走ゲームに参加して優勝すると賞品として免罪符が手に入るんだがそれを手に入れるのはどうだ?」

「免罪符?」

「ああ、免罪符は国王が気まぐれで作った小さい機械だ、何か罪を犯しても終わったときに免罪符のスイッチを押せば罪がなくなるはず……」

「なるほど……でも、すぐに俺のことはいいですよ、莉緒たちを助けられれば」

「……いや、自分のことも気にしろ、それに免罪符はお金でも買える、どうにかお金ためて免罪符手に入れて収監所へ向かった方がいいんじゃねぇのか?」

「…………」

 

 

俺は大阪でビラを見ていたが参加者が失敗したら犠牲となるから参加したら殺される可能性も高いし安全に収監所に向かうならお金を用意して免罪符を手に入れる方が確実だった。

 

 

「……………………………………………………………………………………………………なら、参加するか」

「えっ……」

「鈴木さん、免罪符って押す前に人に触れて押せばその人たちも無罪にできるよな?」

「……あ、ああ……」

「大阪の逃走ゲームで優勝して金と免罪符を手に入れそのお金で人を雇いハワイを襲撃して戻ってきたら雇った人たちを触らして免罪符を押せば安全に莉緒や健太を助けられる」

「待て待て、危な過ぎるだろ……」

「でも、俺ひとりで収監所を行くよりも免罪符と手に入れた金で人を雇えば助けられる確率は上がるよ」

「だがなぁ……」

「ハワイ収監所はたしか10年に一度収監所を処刑するんでしょ、ならば助けたい!!決断さけてください」

「………………」

 

 

そこへ、

 

 

「なぁ、親父、海斗兄さん、俺も参加する」

「何言ってるんだ武也、馬鹿なこと言うなよ……」

「俺だって収監所の収監者………兄貴を助けたい、さっきの海斗兄さんの話は聞いてたぜ、ならば優勝できる可能性として俺も参加するって」

「たしかに参加してほしいけどお前は危な過ぎるぞ、武也」

「ここでたくさん国王たちの敵と戦ってたりしてんだぞ、舐めてもらっちゃ困るぜ」

「…………………………絶対にだめだ……」

「鈴木さん……」

「親父、何と言っても俺は行くからな」

「だがな……」

「拓也兄さんが死んだ気持ちは分かる……だからこそハワイ収監所にいる兄貴を助けるよ、親父」

「………………」

「じゃそうゆうことで大阪だっけ?に移動する海斗兄さんに着いていくわ」

「……………鈴木さん、いいのか?」

「………………………………間違えても……死ぬなよ……」

「親父、サンキュー」

「海斗……武也をよろしくなぁ……」

「……もちろんです、死なせませんよ………………それとこれを預かってもらえますか?」

 

 

俺は逃走ゲームが終わった時に国王が渡してきた拳銃と実弾4発を鈴木さんに渡したのである。

 

 

「今は持ってない方がいいから預かってくれませんか?」

「わかった、預かろう……」

「ありがとうございます」

 

 

 

 

そして、俺と武也は鈴木さんと別れて2人で久保ステーション(旧東京駅)から新幹線に乗り込み大阪に向かった。

 

 

「着いたな、海斗兄さん」

「ああ、遊びじゃないぞ」

「もちろん!!」

 

 

俺と武也は受付の大阪久保タワーに向かったのだ。

 

 

「2名だな」

「はい」

「よし、志村 海斗と鈴木 武也の登録を完了した、6日後の午前10時にここに集合だ」

「ああ」

「任せろっ!!」

 

 

 

 

 

その後俺と武也は飯を食いに行ったのである。

 

 

「もう、何年間もこの国をさ迷っていたから物凄い地理に詳しくなった」

「海斗兄さん、すげぇな」

「まぁな」

 

 

俺と武也はラーメンを注文してテーブルに置き俺はラーメンを食べながら武也と話していた。

 

 

しかし、武也はラーメンを全然食べていなかったのだ。

 

 

「どうした?」

「いやぁ、やっぱ緊張して……」

「そうだよな………………逃走ゲームは危険だ、でも、今回の逃走ゲームは最悪逃走ゲームのエリアから逃げても大丈夫だから安心しろ」

「えっ」

「犯罪者の逃走ゲームは終了後残った人間を一斉に殺害されるけど参加型は終了後に残ってた奴は殺害とかされず無視されるだけらしいから」

「なるほど……だけど俺は海斗兄さんか俺が優勝できるように頑張ってやるっ!!」

 

 

武也はラーメンを一気に食べたのだった。

 

 

「おぉ……すげぇ……」

 

 

 

 

 

そして、6日後の午前10時に大阪久保タワーに参加者が集合したのである。

 

 

「そろそろ始まるな」

「だな、海斗兄さん」

「参加者はこのスマートフォンを受けとれ」

 

 

赤服隊の格好をした男が参加者にスマホを配っていた。

 

 

赤服隊の格好を見るだけで昔の逃走ゲームを恐怖として俺は思い出したのだ。

 

 

「このスマホの待受画面はそのグループの生存者リストなんだ」

「海斗兄さん、俺はBグループだぜ」

「俺はEグループだ」

「バラバラか」

「だな……まぁ、お互い頑張ろうな」

「おう!!」

 

 

その時

 

 

大阪久保タワーの屋上に大日本王国の国王の久保 直毅が現れたのである。

 

 

「勇気のある諸君よ、もうすぐ開始だ、赤服隊!!」

 

 

赤服隊が何人も目の前に並んだのだった。

 

 

「健闘を祈る……それでは、ゲームスタート!!」

 

 

 

 

 

一一一一一Eグループ生存者リスト一一一一一

 

浅川 次朗(アサカワ ジロウ) 【生存】安藤 幸喜(アンドウ コウキ) 【生存】

 

石田 吾朗(イシダ ゴロウ) 【生存】井上 良太(イノウエ リョウタ) 【生存】

 

柿田 相馬(カキタ ソウマ) 【生存】上山 詩音(カミヤマ シオン) 【生存】

 

唐沢 豊(カラサワ ユタカ)  【生存】北倉 瞳子(キタクラ トウコ) 【生存】

 

木村 剛(キムラ タケシ)  【生存】小松 俊樹(コマツ トシキ) 【生存】

 

黒須 八郎(クロズ  チロウ) 【生存】櫻井 奈々(サクライ ナナ) 【生存】

 

志村 海斗(シムラ カイト) 【生存】瀧本 正平(タキモト マサヒラ) 【生存】

 

田中 咲(タナカ サキ)  【生存】寺本 小百合(テラモト サユリ)【生存】

 

中島 祐介(ナカジマ ユウスケ) 【生存】仲村 加奈(ナカムラ カナ) 【生存】

 

中村 草太(ナカムラ ソウタ) 【生存】新田 浬(ニッタ カイリ)  【生存】

 

長谷川 颯太(ハセガワ ソウタ)【生存】原田 遼(ハラダ リョウ)  【生存】

 

本間 太郎(ホンマ タロウ) 【生存】前田 良樹(マエダ ヨシキ) 【生存】

 

三浦 桂太(ミウラ ケイタ) 【生存】毛利 宗一郎(モウリ ソウイチロウ)【生存】

 

山田 雪男(ヤマダ ユキオ) 【生存】横山 伸昭(ヨコヤマ ノブアキ) 【生存】

 

 

 

在籍28名

生存28名

死亡0名




さて、とうとう逃走ゲームが始まりました、次回は新しい仲間に会います

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