「無理だよ」
「奈々ちゃん、頑張ろう」
「わしは奈々は無理かと思うで~」
「えっ……」
「ゴローさん、ジョークのおつもりでしたらジョークになってません」
奈々ちゃんは戦車が50台現れたことで怯えていた。
「ん?奈々ならその気になったら砲弾よけられるんとちゃうのか?」
「えっ?」
「…………!!あ、それならできるかも」
「奈々ちゃん、お前……」
「海斗君、ごめんごめん、時間とらして」
「はぁ、もういい頑張ろう」
「うん!!」
「おっしゃ行くで」
「「はい、ゴローさん!!」ちゃん!!」
「絶妙なハモりやな」
その時
「くるでっ!!」
戦車が1台大砲で発砲してきたのだ。
「おっと」
奈々ちゃんは本当によけたのである。
「奈々ちゃん、やべぇ」
「海斗君、ゴローちゃん、とりあえず、どっか安全な場所へ」
「「おう!!」」
俺たちは橋の下の用水路に逃げ込みそこで一晩を明かしたのだった。
そして、次の日の朝。
「これからのmissionは大変だろうな」
「そうやろうな」
「あー、また嫌になってきたよー」
「おいおい、奈々ちゃん」
その時
国王メールがきた。
『通達、今回のmissionは風船の破壊だ、大阪の上空に風船を3つ飛ばした、本日の24時までに破壊できなければエイリアンロボットを1機導入する。なお、破壊方法は自由とする。諸君の健闘を祈る』
「やけに簡単なmissionじゃな」
「たしかに……鋭利な物でも投げれば割れそうですしね」
「しかも、エイリアンロボット1機来られても車と海斗君の力さえあれば怖くないよね」
「あー、奈々ちゃん、あの閃光は使えるかわからないよ」
「えー……」
「ええやないか、風船割ればいいだけの話や」
「そうっすね」
「いこいこー」
その時
戦車が1台橋の下に降りてきたのだ。
「来やがった、奈々ちゃん、ゴローさん、戦車が50台あるかもしれないけど俺たちが力を合わせれば何が来ても怖くない!!」
「うん!!」
「おう!!」
お、あの技、使えるかもな。
そして、戦車が大砲を発砲したのである。
「おらっ!!」
俺は砲弾に黒い閃光を放ち砲弾と黒い閃光はぶつかり合い互いに消滅した。
「海斗、流石やな」
「まぁ、それほどでも……さて、行きましょう!!」
「おう!!」
「うん!!」
俺たちは戦車の横を通り過ぎ橋まで上がり戦車から離れたのだ。
しかし、その間にも赤服隊が発砲してきたのである。
「くっ、邪魔じゃぁ!!」
ゴローさんが拳銃で赤服隊に発砲し、奈々ちゃんが赤服隊を格闘技で蹴散らし、俺は武器になりそうな物を持って赤服隊と戦った。
「海斗君、あの黒いの放ててよかったね」
「……………」
「どうしたの?」
「……エイリアンロボットの時より弱ってるな」
「そうなんだ……それじゃ、さっさと風船を探さなくちゃね」
「そうだな……おっ」
近くに車を見つけたのだ。
「奈々ちゃん、あそこの車に乗り込もう」
「うん、ゴローちゃんも早く!!」
「おう!!ちょいまっとれ」
俺は車の窓ガラスを割ろうとしたのである。
「ちっ、割れない……4年前はすぐに割れる車が多かったのにこれ強化ガラスだ」
「海斗君、どいてっ!!」
「えっ?」
奈々ちゃんは硬い物を持ってきて窓ガラスを割った。
「……奈々ちゃん……その感じだと窓とか割るの初めてじゃないよね……」
「……秘密っ」
「…………はい」
「じゃ海斗君、運転ね」
「……任せろっ」
俺はハンドルを握りアクセルを踏んだのだ。
「ゴローちゃん、まだぁ?」
「今いくでぇ!!」
奈々ちゃんがドアを開けてゴローさんは赤服隊を撃ちながら走り出した車に飛び込んだのである。
「よし、海斗君!!」
「あいよっ」
俺はアクセルを全快にして走り去った。
しかし、行く手には戦車が2台いたのだ。
「2台もいるよ!!この車じゃやばくない?」
「こうなったら……奈々ちゃん、フロントガラス割って!!」
「え」
「早くっ!!」
「素手だよ」
「あ……」
「こうしたらええで!!」
ゴローさんは拳銃を発砲しフロントガラスに円を描くように銃創を作ったのである。
「やれ、奈々」
「はぁい!!」
奈々ちゃんは銃創の真ん中を両足で蹴り飛ばしフロントガラスにくり貫かれたように穴が開いた。
「ありがとうございます、奈々ちゃん、ゴローさん」
その時
1台の戦車が大砲を構えたのだ。
「ベストタイミング!!」
俺は黒い閃光を発砲寸前の大砲に撃ち込んだのである。
「完璧だぜ」
「なるほど!!」
「海斗君、すっごい」
俺はハンドルを回し動かなくなった方の戦車の横を通り抜けた。
しかし、もう1台が発砲してきたのだ。
「ちっ、奈々ちゃん、ハンドル!!」
「うん」
俺は車から体を乗り出して砲弾に黒い閃光を放って爆発させたのである。
「オッケー、奈々ちゃん」
俺は再びハンドルを握り車を走らせて砲弾が届かない場所まできた。
「すごいなぁ、海斗君」
「さすがじゃの」
「いや、ぶっちゃけお二人の方がすごいですよ」
「いや、海斗君、君は人間離れしてるよ」
「いや、奈々ちゃんこそ」
「そもそもわしらに普通の人間はおらん」
「「……間違いない」」
その時
「って、海斗!!前をみるんじゃ」
「えっ……」
目の前に電柱があったのだ。
俺はそのまま車を電柱に衝突させてしまったのだった。
「前見ろよ、海斗君のばか野郎!!一般人轢き殺したらどうするの!!」
「ゴメンゴメンゴメン!!」
「ゴメンじゃなくてごめんなさいでしょ!!」
「……ごめんなさい」
「よろしい!!………くはないね、どうしよう」
そこへ、戦車が3台来たのである。
「来ちゃったね」
「アホ、逃げるでっ!!」
俺たちが車から脱出した直後に砲弾で車が破壊された。
そして、そこへ赤服隊も数名やってきたのだ。
「赤服隊まできたね」
「奴らはわしらで何とかする、海斗は戦車を!!」
「はい!!」
俺は戦車に黒い閃光を放とうとしたが閃光は出なかったのである。
「まじか!?できねぇ」
「嘘でしょ!?海斗君」
「やばいでぇ」
ゴローさんも奈々ちゃんも焦りながら赤服隊と戦った。
その時
「あっ、風船見っけ」
「「なにっ!!」」
奈々ちゃんが上空に浮いている風船を見つけたのだ。
「あっ!!」
しかし、風船が風に飛ばされてしまったのである。
「走るんじゃ!!」
俺たちは戦車の横を通り抜けた。
「戦車案外のろいね、方向転換できないみたいだから後方に回れば平気そう」
「お、あそこにバイクがある」
「乗るでぇ」
俺たちはバイクを3人乗りしエンジンをかけ走り出したのだ。
「あったよ!!」
奈々ちゃんが再び風船を見つけたのである。
その時
国王メールがきた。
「ゴローさん、内容は?」
「『通達、風船が2つ破壊された、残り1つ』、あれが最後や!!」
「なら破壊しなくちゃね」
「近くに敵はいないな」
「絶好チャンスじゃな」
そして、風船が俺たちの上の位置まで飛んできたのだ。
「よし、わしが……」
ゴローさんは拳銃で風船を撃ったのである。
その時
「えっ!?」
「なんやと!?」
「なにこれぇ?」
割れた風船からピンク色の物体が飛び散り俺たちに降りかかった。
「ブレーキィィ!!」
俺はバイクの急ブレーキをかけて何とか停止したのだ。
「なにこれ、くっついてとれないよっ!!」
その物体は凄まじい粘着性で俺たちはバイクから降りることすら出来なくなってしまったのである。
「これは……イタズラガム!?」
「イタズラガム……あの、うるさい奴を黙らせるのに使うイタズラグッズやな」
イタズラガムとはガムを噛んだ人の口を粘着力で固定してしまうイタズラグッズであった。
「嘘でしょ!?風船を破壊するとイタズラガムが撒き散るって、まさか、このガム、誰かが噛んだやつじゃ……」
「奈々、それどころちゃうって!!」
その時
スマホのメール音が鳴ったのだ。
「国王メールか?くそっ、スマホ、開けねぇ」
そこへ、赤服隊がやって来たのである。
「あかんでまじで」
「流石にやばいよぉ!!」
このままだと……何か方法は……くそ、全く動けない。
ゴローさんも奈々ちゃんももがいていたがどうにもならなかった。
「お前ら国王様の罠に掛かったな、心配するな、今、楽にしてやるよ」
赤服隊が笑いながら俺たちに拳銃を向けたのだ。
やばい!!
「死ねぇ!!」
「あかんあかんあかん」
「やめてぇ!?」
「クソォォ!!」
その時
「え……」
急に俺は睡魔に襲われたのである。
「急に眠気が……」
俺はそのまま気を失ったのだった。
「………ここは……」
俺は車の座席で目を覚ました。
「海斗君、目覚ました?」
「あ、ああ」
「お、海斗、起きたようやな」
「はい……どうなった?」
「……海斗君が突然気絶したと同時に周りの赤服隊も全員気絶しちゃったんだ」
「……!!それって」
そう言えば前回の逃走ゲームでも同じようなことがあったよな。
「また、あれか……」
「また?海斗、前にもこんなんがあったんやな?」
「……はい、ゴローさん」
「海斗君、本当に何者なの?黒い閃光といい、今回といい」
「奈々ちゃん、それは俺にもわからない………あっ、ガムからはどうやって抜けたの?」
「あー、あのガムはぬるま湯程度で溶けるんだよ」
「でも、俺たちは身動きが出来なくなってたし、どうやってお湯を?」
「この親切な青年がわしたちにお湯をかけてくれたんじゃ」
「ん?」
助手席から顔を出したのはなんと武也だったのだ。
「武也!?無事だったのか」
「ああ、海斗兄さん」
「海斗、知り合いやったらしいな……ん?兄さん、兄弟か?」
「いえ、ゴローさん、友達の弟です」
「そうか」
「武也、無事でよかった」
「兄さんこそ」
「ほな、どこか寝るとこ探すで」
俺達は寝床を探しにそのまま車を走らしたのだった。
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