そして、今回でようやく、FGO側と合流させられます。次回から、舞台はFGO側の方へと移っていきます。
あと、一つ思った事。ラブコメシーンを書いてて、ティルとフライ姉が同じ場所にいると、何故かいつも修羅場と化してしまいます。まぁ、書いてて楽しいんですけどね。
では、前書きはこのくらいにして、どうぞ!!
「・・・どうだ、フォルさん。まだ聞こえてるか?」
「はい。それも、だいぶ強く、うぅ・・・!」
「だ、大丈夫フォルカスちゃん!? マスターさん、やっぱり、これ以上は・・・。」
襲撃から幾許かの時が経ち、フォルさんから話を聞いて数分後。オレ達6人は、フォルさんの頭に響く『声』を頼りに、先程スケルトン達を生み出していた魔法陣があった、森の奥の滝近くまで来ていた。一応、何か不足の事態が起きては困るので、部隊の方はティル経由でデュリンの方に任せてある。
あと、オレの読みが正しければ、おそらくフォルさんの頭に響いているのは、FGO第1部に置いて、『人理焼却』というとんでもない事をやらかした『採集決戦の的』、もとい、あの『72柱の悪魔』達の、ひいてはその集合体たる『
それと、フォルさんにのみ聞こえているのは、おそらく『72柱の悪魔』の内の1体と同じ名前を持つからだろう。向こうだと似た名前に確か、『フルカス』とかいう呼び方のやつがいたけど、多分そいつだと思う。『生命院』にくっついてる目立たないやつだったが、同名の存在、この場合『同位体(本来の使い方と違うかもしれない)』と仮に呼称するが、おそらくそいつが原因だろう。――閑話休題。
で、今そのフォルさんの頭に響く声を頼りに歩を進めているのだが、流石に頭の中に、それも負の感情をドロドロに混ぜまくった(怨嗟、慟哭etc.)の声が、しかも歩を進める旅に強くなってるのだ。当然、フォルさんにかかる負担は推して知るべしという奴だろう。アッスーも心配して、これ以上のフォルさんの同行を中止した方がいいと進言してきたが、件のフォルさん自身が、その提案を止めた。
「大、丈夫だよ。アスカロン・・・。もうちょっとだけ、頑張らせて。それに、アスカロンが信じて、傍にいてくれるなら、こんなの、何ともない・・・!」
「フォルカスちゃん・・・。うん、分かった!」
「無理だけはしないでくださいね、フォルカス。最悪、私達だけでも何とか調査は進めますので。」
「いえ。ここまで来ておいて、離脱する訳にもいきません。せめて、最後まで責任は、果たさせて下さい。」
「・・・分かりました。ただし、本当に無茶だけはしないようにしてください。」
ティルの提案にも、フォルさんはうんとは頷かなかった為、無理はしない事をティルが厳命した上で、再び移動を再開するオレ達。そうして歩を進めていると、然程経たずに魔法陣のあった場所に到着した。さすがに
まぁ、ここまではあくまで前座だ。さて、ここからはフォルさんにより負担を強いてしまう事になるが、現状彼女にしか、この元凶への手掛かりを探れる存在がいない為、仕方がない。
「・・・フォルさん、ちょっとこの辺を適当にウロウロしてみてくれないか? もし、頭に響く声が少しでも強くなったら、教えて欲しい。他の皆は、ちょっとここで待機だ。」
「了解です。」
「分かりました。」
「は~い。」
「分かりました・・・。うっ・・・。」
「っ、フォルカスちゃん!!」
オレが出した指示でフォルさんが動き出すが、ここまで溜めてる負担がキツイのか、フラッと倒れそうになった。慌ててアッスーが支えに入るも、かなり息も切らしており、やはり辛そうだった。・・・こんな時、負担を肩代わりしたり、他に力になってやれないのが悔しい。が、
「・・・すまん、やっぱり―――」
「―――いえ、大丈夫、です。アスカロンに支えてもらえば、いけます・・・!」
「フォルカスちゃん・・・。」
オレにそう返すフォルさんの目は、オレに「ここで外すのは許さない」、「自分の我儘に付き合わせて、それに自分達も同意した。だから、ここで仲間外れにされるのは嫌だ。」と言っているような気がした。明らかに無理してると分かってはいる。が、そんな目をされては、流石にオレも、これ以上止める気が出なかった。
「・・・分かった。アッスー、頼んでいいか?」
「・・・はい!」
アッスーに支えて貰いながら、足を動かすフォルさん。そんなフォルさんに、たまに心配そうな視線を向けながらも、二人三脚で足を進めるアッスー。普段はアッスーが無茶してフォルさんが支える事が多い為、こういう光景を見るのは、場違いと思いながらも、少し新鮮だった。―――閑話休題。
そうして、俺達の周りをうろうろしはじめたが、どうにも成果はなさそうだった。時々、アッスーが尋ねているが、フォルさんも首を傾げたりするばかりだった。が、森の奥にある滝から離れるように歩くと、弱くなったと感じたらしく、その為、二人は次に滝の方向へと足を向けたのだが、すると途端に、「うぅ・・・!」と唸って、急にフォルさんがしゃがみこんだ。
「っ、フォルカスちゃん!? 大丈夫?! しっかりして!!」
「ハァ、ハァ・・・。」
アッスーが肩を揺すって声をかけるも、これ以上は厳しいのか、頭を押さえて、呼吸を荒くしているだけで返事を返せそうになかった。それを見たオレとティルは頷き合うと、二人に近づいて、アッスーに言葉をかけた。
「アッスー、すまん。ここでフォルさんと待っててくれるか?」
「えっ、マスター?」
「ここで戻れって言うのは簡単なんだが、それだとフォルさんが納得しないだろう? だから、アッスーはここで、フォルさんと一緒に休んでいてくれ。ここから先は、俺達4人で行ってくる。」
「で、でも・・・。」
オレの言葉に逡巡するアッスー。まぁ、さっきフォルさんとあんなやりとりした直後だしな。きっと、無茶してでもついていきたいっていうフォルさんの意志を尊重したい、けど、これ以上無茶は重ねて欲しくないって言う気持ちもあるから、どう返事するべきか迷ってるんだろうな。すると、横にいたティルとロンギヌス、フライ姉が、アッスーを諭すように言葉をかけた。
「アスカロン。今のフォルカスを一人にするのは、流石に危険です。それはわかりますよね?」
「は、はい。」
「なら、あなたはここで、フォルカスを守ってあげてください。それが、あなたの今やるべき事です。もし、私達が戻るまでに彼女が動けそうになったら、彼女をビーチの方へ連れて行って下さい。」
「ティルフィングさん・・・。」
「アスカロンさん、私からもお願いします。フォルカスさん、きっと動けるようになったら、無茶すると思うんです。だから、親友であるアスカロンさんに、ここはお任せしたいんです。」
「確かに、どこかの誰かさんと同じで、フォルカスちゃんも割と無茶しがちだしね。だから、アスカロンちゃんはしっかり、フォルカスちゃんの手綱を握ってあげて。本人の気持ちを尊重したいのも分かるけど、無茶する子の引き際はちゃんと見極めてあげるのも、時には必要だよ。」
「ロンギヌスさん、フライシュッツさんも・・・。分かりました! マスターさん。それに皆さんも、気をつけて下さいね。」
「あぁ。・・・よし、じゃあ行きますか。」
元気よく返事をしたアッスーは、フォルカスを何とか背中におぶって、近くの木の裏へ移動していった。それを見届けたオレ達もまた、フォルカスが頑張って教えてくれた、元凶の手がかりがあるだろう場所、滝の方へと足を進めていった。
―――――――――――――――――――――――
「・・・どうだ、何かありそうか?」
「そうですね・・・。あっ、マスター。滝の裏側に、まだ道が続いています。」
「滝の裏? こりゃまたベタな展開だな。」
マスターくんと私達が滝の近くについて探索を進めて早く。マスターくんがティルフィングちゃんに何か見つかったか聞いてみると、滝の裏にまだ道が続いているのを見つけてくれていたよ。あっ、どうも〜。最近水属性のコマンドキラーズ*1*2としてのユニットが増えた、皆のお姉さん、フライシュッツだよ〜。ここからは、私の視点で進めていくね〜。
「フライ姉、誰に向かって喋ってんだ?」
「ん〜、読者の皆〜。」
「メタいメタい。第四の壁越えちゃダメでしょ。」
「アハハ・・・。相変わらず、こんな時でも自由ですよね。フライシュッツさんは。」
「自由過ぎるのも、困りものですがね。それとマスター、先程の道ですが、小さな洞窟のようになってるようです。道幅も、縦に並ばないと、人一人通るので精一杯な狭さですが、どうしますか?」
「アッスー達にあぁ言った以上、ここで引き下がるなんて選択肢はとうに捨ててるさ。ティルを先頭に、ロンちゃん、オレ、フライ姉の順番で並んで入るぞ。」
「分かりました。フライシュッツ、くれぐれもマスターに迷惑をかけないでくださいね。」
「は~い。」
やった〜、マスターくんの近くだ〜。よ〜し、めいいっぱいアピールしよう、と思ってたけど、ティルフィングちゃんに先手を打たれて釘を刺されちゃった。しょうがない、甘えるのは帰ってからにしようかな。
・・・それにしても、マスターくんの秘密って、いったい何なんだろう。ティルフィングちゃんにロンギヌスちゃんは、何か知ってるみたいだけど、ティルフィングちゃんはともかく、ロンギヌスちゃんは付き合いとして、私とそう大差はないはずだし。
まぁ、かくいう私も、ちょっと丨他人《ひと》には言えない秘密があるにはあるんだけど。内容が内容だから、今は読者の皆にも言えないんだけどね。こればかりは、流石に他の『エンシェントキラーズ』の皆が目覚めたとしても、言えないよね。実際、『あの人』にも口止めされちゃってるし。
まぁ、私の秘密はどうでもいいとして。問題はマスターくんのヒ・ミ・ツ。いったい、何を教えてくれるんだろう。ん〜、「実は神様の遣いでした!」、とかだったりして。アハハ、まさかね〜。・・・もし本当だったら、割と笑えない冗談なんだけど、ね。ハァ、こういう時、頭のいいミネルヴァちゃんとかがいてくれたらな〜。私って、こういう時でも自分の『好き(もちろんLove)』って気持ちを優先したくなるというk「イデッ!!」、ん?
「っ〜〜〜〜!!」
「あっ、マスターくんごめ〜ん!! 大丈夫〜!?」
「・・・自分の身長が低い事を恨めしく思ったのは、高い所の物を取ろうとした時以来だな。というか、フライ姉も大丈夫か? おもっくそ頭が胸とぶつかってたし。」
「私は平気だよ。ごめんね、色々ちょっと考え事しちゃってて。」
「そっか。まぁ、もしオレの『秘密』の事を考えてたのなら、もう少しだけ我慢してくれ。ここを調べて戻ったら、絶対話すから。」
そう言うマスターくんの顔は、少し悲しそうな表情をしていた。まぁ、マスターくん自身も、隠し事は好きじゃないって言ってたから、やっぱり罪悪感を感じてるんだよね。・・・ダメだな、私。こんな顔をさせたかったんじゃなかったのに。よし、ここはお姉ちゃんとして、ちゃんと弟を慰めてあげないと。
「っ、フライ姉?!」
「もう、マスターくんは抱え込み過ぎ。確かに、隠し事をされたのは、ちょっとイヤだったけど。でも、それも事情があっての事なんでしょ? なら、お姉ちゃんは怒らないよ。だから、そんな悲しそうな顔しないで。ね?」
マスターくんを抱きしめながら、そう優しく語りかける。マスターくんは、急に抱きしめられて、最初混乱してたけど、「ごめん。」と謝って、ギュッと抱きついてきた。
「謝らなくていいよ。私は、マスターくんが好き。大好き。だから、そんなマスターくんの秘密なら、どんな事でも受け入れるから。だから、気にしないで。」
「・・・うん。」
「えぇ、マスターは気にしなくていいです。それとフライシュッツ、そこを動かないでクダサイネ。」
「・・・へっ? アイダッ!?」
マスターくんの返事の直後にティルフィングちゃんの声が聞こえたかと思うと、脳天に思いっきり何かを叩きつけられた。イッタ〜、もう何なの〜。私はただ、マスターくんを慰めてただけだったのに〜。
そんな恨みがましく声のした方を向くと、そこにはいかにも「私、怒ってます!!」といった感じのティルフィングちゃんと、その後ろに苦笑しているロンギヌスちゃんがいた。ティルフィングちゃんは、右手の人差し指と中指を額に当てると、盛大に溜息をついてから、口を開いた。
「ハァ〜〜。先程釘を指したばかりなのに。仕方なかったとはいえ、あなたをマスターの近くに配置するのに同意したのは失敗でしたね。」
「そんな事言わなくてもいいでしょ〜! だいたい、今のはマスターくんが落ち込んでたから、慰めてあげようとしただけだし!!」
「だからといって、そこまでやる必要はないでしょう?」
「ティルフィングちゃんだって、さっきやってたクセに〜!!」
「グエッ!?」
「なっ!? あれはその、泣きそうだったマスターを落ち着かせる為に、仕方なくですね!」
「ほら、似たような理由じゃない!! だったら、ティルフィングちゃんに止める権利はないはずだよ!!」
「ン〜〜!! ン〜〜‼」
「人がやってるからオッケーなんて、子供ですかあなたは!! 時と場合を考えて下さい!!」
「ふ、二人とも、こんな所で喧嘩しないでください!! それよりもフライシュッツさん、マスターが!!」
「「へっ・・・?」」
ヒートアップにヒートアップを重ねた私とティルフィングちゃんの喧嘩に、ロンギヌスちゃんが仲裁に入ってきた。そして、私にマスターくんの様子を見るように促すと、そこには胸に顔を埋めて身動きを取らないマスターくんが、って胸!?
「ま、マスターくんごめんなさ〜い!! 息止めちゃってた〜!!」
「なっ!? マスター、しっかりして下さい!! こんな事で死んだとか、笑い事にもなりませんよ!!」
息が止まって危うく死にかけてるマスターくんを、慌てて私とティルフィングちゃん、ロンギヌスちゃんで何とか蘇生させると、開口一番軽い小言を言われたのは、ちょっとした余談だよ。その後、互いに悪かったという事で、謝りあって、洞窟の調査を再開する事にしたよ。って、いつの間に着いてたんだ。奥まで意外と短かったんだね。
――――――――――――――――――――――――
ふぅ、マスターが息を吹き返してくれて良かったです。あっ、どうも。ロンギヌス、です。ここからは、私視点で進めていきます。
では、まずは状況の説明からしますね。今私達は、滝の裏側にあった細い道から奥へと入っていき、ちょっと開けた空間があったので、そこにいます。まぁ、行き止まりなので、おそらくここが目的地になるんだと思います。
今いる空間、ですが、奥に綺麗な青白く輝く水晶が安置されている以外は、特に目立った何かがある訳でなく、水晶自体も、私やティルフィングさんが触れても特に何も起きないので、少し手詰まりになっていました。
今、ちょうどティルフィングさんが、それをマスターに説明している所です。
「なるほどな。ん〜、手詰まりか?」
「現状では、そう判断する以外ないですね。」
「・・・ここまで来て、何もない、か。仕方ない、一旦―――」
―――戻ろう、と、たぶんマスターが言いかけたその時です。急にマスターが動きを止めて、キョロキョロと周りを見渡し始めました。
「ま、マスター? どうしたんですか?」
「・・・今、誰かがオレを、いや、助けを求める声が聞こえてきたんだ。何も聞こえなかったか?」
「・・・私達には、何も。ロンギヌス、フライシュッツ。あなた達はどうですか?」
「いえ、私にも聞こえてないです。」
「私も〜。マスターくん、聞き間違いじゃないの?」
マスターにだけ聞こえるという助けを求める声に、困惑する私達。斬ル姫は本来、人よりも肉体だけでなく、感覚も鋭いので、マスターにだけ聞こえて、私達に聞こえないというのは、いったいどういう事なんでしょうか? フライシュッツさんは、聞き間違いじゃないかと言ってましたが。
「いや、確かに―――っ、また聞こえた!!」
そう言って、水晶の方へ視線を向けるマスター。すると、「まさか・・・。」と呟いて、徐ろに水晶の方へと近づいていき、それに手を触れました。
―――今思うと、ここで水晶に手を触れようとするマスターを、水晶の一番近くにいた私が止めていれば、何かが違ってたのかもしれません。でも、さっき私とティルフィングさんが触れても何も起きなかったのもあって、大丈夫だろうと、少し油断してたのかもしれません。
何はともあれ、マスターは水晶に手を触れてしまいました。おそらく、何も起こらないだろうと、そう思っていたのですが、現実はそれと真逆の状況になりました。
「っ、水晶が、光って・・・。」
「っ、ティルフィングちゃん !! 足元見て!!」
「えっ? っ、これは、魔法陣ですか!?」
「えぇ!?」
マスターが水晶に手を触れると、突然水晶が光出し、この空間の床一面に魔法陣が浮かび上がってきました。しかも、水晶と魔法陣の輝きが、ドンドンと強くなっていき、気付いた時には、私達は光に包まれて、意識を失ってしまいました。
「っ、マスター・・・!!」
―――意識を失う直前、そんなティルフィングさんの悲痛な声が、聞こえた気がしました。
――――――それから、数時間経っても戻ってこないマスター達が心配になったアスカロンが、フォルカスをビーチに戻し、デュリン達にも相談してあちこち捜索したのだが、マスターやティルフィング達の姿も形も、まるで初めからいなかったかのように、ラグーナ島からなくなっていたのだった――――――。
―――そうですか、彼が。
―――いえ、今更後悔しても、詮無きこと。あの者が彼の世界へ接触した時点で、こうなる事は運命づけられていたのかもしれません。
―――ですが、おそらく大丈夫でしょう。幸い、彼一人だけで、彼の世界へ旅立った訳ではないようですし。
―――さて、彼の世界へいくのであれば、彼らが今のままでは、おそらく不便ですね。・・・過保護かもしれませんが、少しだけ、手を出してもいいでしょう。もちろん、彼の王達を刺激しない程度に、ですが。
―――これで、良いでしょう。では、後は時の流れに任せましょう。どうか、人の理を、獣達から救って上げてください。『クレア・バラージュ』―――――。
最後の独白は、ちょっとした伏線です。
次回の投稿は、6月頃になると思います。最近、体調が芳しくないんですよね。特に腰がヘルニアを患ってまして。
という訳で、またちょっと投稿が遅くなります。ご了承ください。それでは!!