それと、以前お話していたこの小説のタイトルについてなのですが、貴重な案を何件か頂き、その中から『Fate/Phantom Order』というものを採用させて頂きました。この案を送ってくださった遊霧 粋蓮さん、ありがとうございます。
という訳で、今日からこのタイトルに変更させて頂きます。これからも、何卒応援よろしくお願いします。
それでは、第10話です。まだまだ『FGO』の序盤の序盤、どころか、まだ『FGO』側のメンバーと合流出来ていませんが。あと、少し飛んでますが、前回の続きからとなっています。それでは、どうぞ。
「『魔術』に『魔術師』。『マスター*1』、『
「あぁ。オレが知ってるこの世界―――、そうだな・・・、仮にオレ達のいる『天上界』や悪魔のいる『地上界*8』、ラグーナ島のある『海上界』っていう世界を一括りにしたものを『斬ル姫の世界』、この世界を『グランドオーダーの世界』と呼称するが・・・。この『グランドオーダーの世界』は、はっきり言って今オレ達の住んでる『斬ル姫の世界』とは、常識も何もかもが違う。正直、オレも『転生』なんていうイレギュラーで、前世の記憶を持ってここにいなかったら、確実に混乱してた自信がある。」
燃え盛る冬樹の街並みを見て、色々と感情が込み上げてきたのが一旦落ち着いて。
オレは今、ティルにこの世界が自分の知る異世界の一つである事、そして自分の知りうる知識を彼女と共有していた。正直、最初に合流できたのが、オレが『転生』というイレギュラーで『天上界』に生を受けた事を知っているティルで助かったと思った。もしフライ姉が先に合流してきてたらと思うと、説明が色々とメンドくさかったし。あと、余談・・・でもないが、オレ達の服装は今、ラグーナ島の時に来ていた水着とかではなく、普段オレ達が『天上界』でいる時の服装に、なぜか戻っていた。まぁ、さすがに裸に近い格好で放り出されなかっただけ、マシと思うことにするか。
・・・そういえば、あの光に包まれたのは、あの場にいたオレとティル、ロンちゃんにフライ姉だったはず。オレやティルがこっちに来てるってことは、あの二人も多分来てるはずだけど。・・・まぁ、それに関しては、後でティルに会ってないかどうか、聞いてみるか。とにかく今は、この状況の整理をしよう。あの二人のことだし、そうそうやられる事はないはずだろうからな。
ティルはオレの説明を一通り飲み込むと、険しい表情で口を開いた。
「おおよそ、この世界の事は大体把握しました。ですが、だとすると、今の状況は非常に不味いかもしれません。」
「ん、どういう事だ?」
「・・・その、非常に申し上げにくいのですが。実は、この世界に来てから、私の力が、著しく弱体化しているのです。」
「っ、何だって!?」
ティルの一言に、オレは驚愕する。世界間を跨いで服装がなぜか変わった(戻ったともいえるが)とはいえ、流石に能力まで変化する事は予想だにしていなかった。不味い、もしティルに起こってる現象が他の二人にも起こってるとすると、どの程度弱体化してるかわからないが、早く合流しないとあの二人も厳しいかもしれない。特にロンちゃんは、今の強さに到達するまでにかなり時間がかかってたし。フライ姉は・・・、出会った頃ぐらいが普通なら、たぶん問題ないと思いたいが。
とにかく、早めに合流しないと、とオレはそう考えていたのだが、次にティルが発した一言で色々と思考が吹っ飛んでしまった。
「それと、もう一つ。以前と違って、マスターとの、その、魔力の繋がりのようなものを感じるんです。『パス』、とでもいえばいいのでしょうか? とにかく、そんなものが・・・。実は、この繋がりのようなものを辿って、マスターを見つけられたのですが。」
「・・・えっ?」
『パス』、だと? それはおかしい。確かに、『グランドオーダーの世界』にせよ、『斬ル姫の世界』にせよ、戦うものを使役する存在を『マスター』と呼ぶが、あり方が完全に違う。前者ならまぁ、使役する『サーヴァント』という存在が現界を維持するのに魔力を必要とするため、魔力のパスが互いに繋がってるものだが、後者に関しては完全に違うし、オレ達の関係で言えば、個人的なものを除けば、後者に属するはず。『斬ル姫』は基本、自力で魔力をどうにかできるし、肉体も普通に持ってるから、『グランドオーダーの世界』のマスターとサーヴァントの関係のように、魔力のパスを繋ぐ必要はない。なのに、ティルと魔力的な繋がりがあるというのは何故だ? そう思いながら、右手のほうをちらっと見て―――、気づいてしまった。
「・・・ハハッ。ここまで来るともう、驚く気すら起きないな。」
「ま、マスター?」
「・・・ティル、繋がりを一番感じるのって、もしかしてここか?」
そう言って、オレは心配そうな顔をしたティルに、右手の甲にある『剣と翼が交差したような赤い痣』を見せた。ティルは、その痣を見て一瞬口を覆いそうになっていたが、すぐに真剣な表情に戻って目を閉じ、しばらくすると目を開けて口を開いた。
「そう、ですね。そこから、特に繋がりを感じる気がします。」
「・・・なるほど。弱体化のほうはともかく、これで繋がりの方の謎が解けたな。」
「? どういうことですか?」
「ティル、簡潔に言うぞ。たぶん、今のお前は―――」
―――サーヴァント、もしくはそれに近い存在になってる。
そう告げると、ティルは困惑した表情で、オレを見つめていた。
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「・・・私が、サーヴァント、ですか? ですが、身体はちゃんとありますし、魔力だって―――」
「いや、おそらく肉体はそのままなんだろう。だけどこの痣、『令呪』によって魔力的な繋がりがあるって事は、ここではおそらく、ティルはオレの『サーヴァント』ってことになる、んだと思う。」
「・・・・・・。」
マスターから告げられた、今の私の状態。それは、先ほどマスターが、この世界の仕組みの時に話してくださった、魔術師であるマスターと、かつて私達のキラーズと同名の武器をふるった英霊、サーヴァントの関係と同じものである、というものでした。
かつて、とある三家が、この私たちがいる燃え盛る街、『冬樹』の街に作った『大聖杯』。そして、その大聖杯
によって選ばれた7人の『マスター』と、7基の英霊、『サーヴァント』による、願いを叶える為の戦い。それが、『聖杯戦争』。この話を前提とすると、今のマスターと私は、そのマスターとサーヴァントの関係と同じ、という事になります。ただ、自分の身体はそのままですし、魔力だって、マスターと繋がってる事以外、今までと違う点がないため、私としては、今一つピンと来ていないのが実情なのですが。
すると、私があまり理解が追い付いていないと判断したのか、困った顔をして、マスターがまた言葉をかけてきました。
「・・・あ~、まぁ急に言われてもピンとこないと思うから、とりあえず、そういうものだと思っててくれ。正直、オレもあんま分かってるとは言い難いしな。」
「・・・分かりました。そういえば、その一番繋がりを感じる右手の痣、『令呪』、と言いましたか。それは何なんですか?」
「あ~、オレ達だけの事を考えると、あんま関係ないと思って、軽くしかサーヴァントに関して話してなかったから、説明してなかったな。『令呪』、っていうのは、いわば契約の証で、『聖杯戦争』への参加権を有しているという証でもある。そして何より、マスターがサーヴァントに対して行える、回数制限付きの『絶対命令権』を行使する為の、魔力の印だな。」
「なるほど。その痣自体も、魔力を有しているんですね。それで、『絶対命令権』、というのは?」
「まぁ、簡単に言うと、
「な、なるほど・・・///」
マスターの話を聞いて、私は思わず、顔をそむけてしまいました。・・・少し顔が熱いのは、きっと周りの炎のせいです。えぇ、きっとそうです。決して、マスターがそんな、い、『如何わしい目的』で、そんな大切なものを使うはずがないと分かってます。でも・・・、もし、そんな命令をされたら、私は―――
「―――あ~、その・・・。心配しなくても、ティルにそんな、如何わしい命令は絶対しないから! だからその、心配しないでくれよ。な?」
「・・・えっ?」
「いや、その。なんかその、モジモジしてたから、さ。オレがそういう、その、ここでは言えないような事を命令するんじゃないかって、心配してるのかと、思ってさ。」
「・・・・・・。」
・・・マスターの言葉を聞いて、私は今の自分の体勢を確認しました。右手は下腹部に、左手は胸に、そして、ぎゅっと体を抱きしめるような姿勢。・・・はい、平たく言って、誤解されても仕方ない、というより、誤解でもなんでもなく、そういう考えをしていたのは私なので、間違ってはいません。
・・・そう、間違ってはいないのです。ですが、色々と羞恥心を刺激され、挙句誰もいないとはいえ、こんな街中でそんな事を言われた私の思考回路は色々と振り切れてしまい、恥ずかしいのを通り越して怒りの感情が出てきてしまい、気づけば―――
「―――マスター。」
「ん?」
「正座。」
「はい?」
「正座してください。」
―――こんな事を口走ってました。おそらく、数刻ほど前にビーチでマスターを海に突き落としたのを覚えていた私の頭が、手をあげる事だけはいけないと思ってはじき出した答えなんでしょうが・・・。今思うと、燃え盛る街中で正座をさせようとするというのも、なかなか問題がある気がします。はい。
「いや、流石に今はそんなこと言ってる場合じゃ「正座してください。」いやだかr「正座してください。」・・・すまん、悪かった。デリカシーがなかったのは悪かったから、だk「いいから正座しなさい!!」は、はい!!」
―――その後、とある女性の悲鳴が聞こえるまで、私のマスターに対する説教は終わらなかったのでした。
ちなみに、ティルの弱体状況ですが、
序章時点
→☆6レベル90淘汰値50程度姫統合姫強化完了済み
(『FGO』で例えると、☆5最終再臨レベル90フォウくん全強化済み)
第1章
→☆5レベル1淘汰値50程度姫統合姫強化なし
(『FGO』で例えると☆5第一再臨レベル50フォウくん強化なし)
こんな感じです。まぁ、このレベルなのは『FGO』の宝具にあたる『デュエルスキル(以下DS)』を使用できる最低限のレベルがこのレベルだったからです。☆4スタートでも良かったのですが、そこまで使えるスキルに差も余りないと判断し、このような形になりました。
淘汰値に関しても、正直この小説内ではほぼあってないようなものです。サーヴァントなので。あと、絆レベルは表記してませんが、ティル達のデレっぷりから察してくださいw
なので、しばらくティル達は強化抜きでもそれなりに強い状態で戦闘に参加します。序章などは、ラスボス以外特に苦戦もなく通り過ぎてしまうかもしれません。ご了承下さい。
あと、ファンキルからFGOへの戦闘力のコンバートの自分なりの基準を、後日活動報告にて挙げさせて頂きます。よろしければ、そちらもご覧ください。
それでは、また次回。