アリアも書かないといけないのに……
「あら?その声は……」
「久しぶりね。ナナリー」
「まさか…ラペ姉様ですか?!」
「そうよ。本当に久しぶりね……」
私はナナリーに近づき、幼い頃と同じように、頭を撫でる。
「この感触…。懐かしいです」
ふと、私はルルーシュを見る。
「ラペ……その辺までにしといてくれ」
さすがに話が進まないからだろう。私はナナリーから手を離す。
「あっ……」
少し名残惜しそうな声を出すが、表情を見るにすぐ切りかえたようだ。
「さて、色々聞きたいこともあるからな。っと、咲世子さん。お茶を用意してくれるか?」
「はい、分かりました」
いつの間にかいた、メイドのような格好をした女の人が答える。
「あぁ、ラペは知らないか。彼女は篠崎咲世子さん。アッシュフォード学園にいる俺たちの身の回りを世話してくれている…メイドだな」
「なるほどね。咲世子さんよろしくお願いします」
「えぇ、よろしくお願いします」
「さて、ラペ。あの事件を起こしたのは誰かというのは知ってるのか?」
そう問いかけてくるルルーシュ。あの事件とはルルーシュとナナリーの生みの親であるマリアンヌ様が無くなり、ナナリーの目と足を奪った事件のことだろう。
「1つ聞くわ。ルルーシュちょっとこっちに来て」
そう私は言い放ち、席を立つ。ルルーシュも着いてきてるようだ。
私とルルーシュはナナリーと咲世子さんの聞こえない場所に来る。そして私は口を開く。
「ねぇルルーシュ。まず、黒の騎士団って知ってる?」
「あぁ、もちろん知っているさ。ブリタニア及びこのエリア11にテロを起こしている者達のことだろう?」
「ルルーシュ。あなたはその中の、いえトップに居る。ゼロという人物を知ってるかしら?」
「あぁ、聞いたことはあるな」
「ダウトよ。ルルーシュ」
「それはどういう……」
「ルルーシュあなたは私の直属部隊を知ってるでしょ?」
「なるほど、やはりお前には叶わないな」
「認めるのね。あと、これは私の推測だけど、多分父上も知っているわ」
「どういうことだ?」
「私は最初、普通の民家に住む予定だったのよ。だけど、ここクラブハウスに住むことになった。勅令ではないけどね」
「なるほど、ある意味監視役という訳か?ちょっと待て、という事は、俺とナナリーが生きてることを父上は知ってるということか?!」
「その可能性は高いわね。まぁ、暗殺とかはないと思うわ」
「なるほど、もしバレていて狙われていたとしたら、俺達がここまで生きていられるはずが無い。そういう事か」
「ええ、その通りよ」
「それとあなたの聞きたいことに答えるわ。私は犯人を知っている。けど、それを教えることは出来ないわ。それを知ればあなたは壊れる」
「分かった。聞かないでおこう」
「それと、私もギアスを持っているし、効かないわ」
「なっ…それは……」
「私はコードを持ってる。それプラスギアスも使えるってことね。まだ詳しくは話せないけど」
「分かった。ひとまずナナリーの所へ戻ろうか。時間が経ちすぎた」
「了解。行こうか」
「すまん、ナナリー。待たせてしまったな」「ごめんねナナリー」
「いえ、そんな…私は大丈夫ですよ」
「ありがとな(ね)。ナナリー」
「ねぇラペ姉様。校内ではなんとお呼びすればよろしいですか?」
「そうだね〜。ラペさん…とかでいいよ」
「分かりました。そう言えば、なぜこの学園に通おうと思ったのですか?」
「ここにルルーシュとナナリーが通ってるのを知ったからって言うのが1つと、普通の学生生活が送ってみたかったからだね。あそこはもう、お嬢様とかラペーニャ様とか言われてつまんなかったしね」
「ふふっ、ラペ姉様らしいですね」
「そう?普通だと思うけどね〜」
「ラペ。お前は昔から変わってないな。普通なら皇女らしくいるが、お前は普通の家庭生活を体験したい。だの、一般人の行くような公園に行きたいと言って、その時警備も身辺警護のみで公園内には知らせるなと言ったり、まぁ変装は完璧にしていたから問題ないようだったがな」
「だってぇ、それに変装って言うより普通の格好をして普通に自分で化粧してただけだよ?」
「それが皇女らしくないというのですよ」
「むー」
………………
…………
……
そんな話を楽しみ、ルルーシュとナナリーと別れ私は部屋に戻っていく。
さて、ここが今日から私の家か〜。うん。私が持ってきてない荷物…スーツケースがあるね。
私は不思議に思いそのスーツケースを開ける。中に入っていたのは拳銃と、特殊な防弾加工のされたアッシュフォード学園の制服と、一般人が着てるような服が入っていた。
送り主を見てみると、
『シャルル・ジ・ブリタニア』とある。つまりこれは父上がわざわざ送ったものだろう。
制服じゃない方は私の側近にでも聞いたのかな。
とりあえず、私は入学と贈り物の感謝を含めてこのエリア11に来て初めての連絡を入れようと携帯を手に取る。
『はい、こちらブリタニア宮殿、皇帝陛下執務室です』
日替わりで電話番をしている中の1人が出る。
「あ、もしもし。ラペーニャです。父上に変わっていただけますか?」
『皇女殿下。分かりました。申し訳ありませんが、少々お待ちくださいませ』
そう電話番は言いおき、保留音を鳴らす。
……
『もしもし』
低い声が聞こえてきた。父上だ。
「もしもし?ラペーニャです」
「まずはこう言わせてもらおう。転入おめでとう」
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