十話くらいまでは毎日投稿頑張りたいなぁ。
もっと出来るかなぁ·····そんな感じです。
風太郎の中で、三玖を『中野さん』と読んでいますが、まだ五つ子に出会ってない為です。最初から名前呼びは少し違和感がね·····。
それを踏まえて、どうぞ。
プルルルル……。
上杉らいは
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Re:
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今日も一人でご飯食
べてる?
TEL下さい(´・ω・`)
らいはからメールが届いた。たった今五分前の予鈴が鳴ったところだが……ギリギリ行けるか。
メールの通り俺はらいはに電話をかける。
この時間に何だろうか。確か今日らいはの小学校は午前授業だったはず。家で何かあったか……だがメールの文面から不穏なことは感じ取れない。
数回ダイヤル音が繰り返した後、らいはの携帯に繋がる。
「もしもしらいは? メールのことなんだが……」
「お兄ちゃん!! お父さんから聞いた!?」
らいはの大声が俺の耳に響き、反射的にスマホから耳を離した。
どうやらかなり興奮しているらしい。不穏なことではなく、ひとまず安心する。
「ど·····どうしたらいは?落ち着いて話してくれ」
「あ、ごめんね。うちの借金無くなるかもしれないよ」
「は?」
唐突なことに俺は驚く。
「お父さんがいいバイト見つけたんだ。最近引っ越してきたお金持ちの家なんだけど、娘さんの家庭教師を探してるらしいんだ」
ほう·····家庭教師か。しかし借金がなくなる程なのか?もしホントならぜひ受けたいところだが·····。
「アットホームで楽しい職場! 相場の五倍のお給料が貰えるって!」
不穏なのはらいはではなく、今後の俺の未来らしかった。『アットホーム』『楽しい職場』『相場の五倍のお給料』短いらいはの言葉の中に怪しい言葉が三連続。正直不安でしかない。
「これでお腹いっぱい食べられるようになるね!」
しかしらいはの嬉しそうな声に、既に退路は断たれていることを自覚した。
らいはの言葉に反応して、ぐぅ。 となった自分の腹が憎らしい。
あぁ。昼食あげるんじゃ無かった·····。5,6限は集中力を欠くことになるだろう。腹が鳴るのを誤魔化すので必死になるはずだ。多分。
「んでその娘さんってどんな奴なんだ?」
「え? 高校生の人だよ。お兄ちゃんの高校に転入するって言ってたし·····名前·····そう! 」
「中野さんって言うらしいよ」
「中野三玖です·····どうぞよろしくお願いします」
「·····!」
驚いた。
飯盗っ·····あげた人じゃん!
顔やスタイルが良く転校生でお金持ち。教室の生徒はざわつき始める。だが俺は一人別のことを考えていた。
らいはが言っていた特徴に全て当てはまる。
つまり·····どうやら俺はあいつの·····中野三玖の家庭教師をやるらしい。
一瞬黒板の前に立つ彼女を見ると·····あ、バッチリ目が合った。何故かキョトンとした表情をしていて·····すぐに目を背けられてしまう。
俺食堂で変なこと言ったか·····?いや言ってないはずだ。むしろ昼食を分けたことが吉と出ただろう。彼女に変な印象を持たれると困る。上杉家の家計がかかっているのだ。
中野さんは担任の教師に促され、そのまま俺の右斜め後ろの席に座った。
さて、どうしたものか。
もう関わることも無いと思っていた矢先、まさかこんなことになるとは。
·····食堂の最後、嬉嬉として皮肉ぶつけちゃったけど·····大丈夫だよな?
◆◆◆
「中野三玖です·····どうぞよろしくお願いします」
彼がいた。
思わず目を見開き、目が合い、少しして慌てて目をそらす。
食堂でご飯を分けてくれた優しい人。
生徒手帳、返さないと。それと。
なんであの写真を持っているのか。
風太郎君は金髪だったけど、でも彼は違う。
もし、風太郎君の事を知っているなら、是非聞きたい。
また、彼と話がしたいな。
◆◆◆
自分が住むマンションへ向かう帰り道。
ぐぅ〜。
「お腹すいた·····」
お腹がなるのは今日で2度目だ。
「·····? 珍しいわね。それ、いつもなら五月のセリフなのに」
からかい混じりに隣を歩いている二乃が言う。
一度目は初対面の男の人で恥ずかしかったが、今一緒にいるのは十六年以上一緒に過ごしてきた姉、一花と二乃だからあまり恥ずかしくはない。
「うん·····財布忘れちゃって」
「えっ!? てことは三玖、あんた昼食べてないの!? アタシの所に来ればお金貸したのに」
「強制絶食ダイエット法? あんまりおすすめはしないよ 」
二乃が驚いた声を上げ、一花は一体何を言っているのか分からない。
「私は五月じゃないからダイエットは間に合ってる·····あと、昼はちゃんと食べたから·····」
本人がいない所で体型を弄られる五月は不憫だと思う。まぁ言ったのは私だけど。
いやそもそも五月が悪い。名前を書いておかないと食べ物はすぐに食べられてしまう。
他の三人は知らないだろうけど私は知っているんだ。夜中に五月が冷蔵庫の中身をコソコソ漁っているのを。
「食べた? 財布を忘れたのに? 」
「うん。親切な人がいてね、半分分けて貰えたの」
「へぇ〜。親切な人いたもんね。でもアンタよく知らない人と話せたわね。どちらかというと苦手なタイプでしょ。会話とか」
「まぁそうなんだけど·····色々あって」
ふーん。と二乃はこれ以上は聞いてこなかった。視線が前方にあるクレープ屋を捉えていたので、興味が移ったのだろう。
しかし。
「男のにおいがするわね·····」
「えっ!? なになに?」
「長女の勘よ」
一花の唐突な発言により二乃の興味は再び引く戻される。男と聞くと目が無いのが二乃だ。
将来変な男にかかりそうなランキング五つ子の中で一位なのは伊達じゃないなと発言主の一花は思う。ちなみに五月は二位だ。
「三玖·····その食べ物をくれた人って、男なの?」
はぁ。と私はため息をつく。
こうなったら素直に話すしかない。特に隠すことでもないのだし。
二乃達は本気で心配しています。五月の体重増加を。
どうも。フィヨルドです。
話がたまに脱線するのは申し訳ない。
大丈夫です。次回からはちゃんと甘い感じになりますよ、多分。
次話もよろしくお願いします(´・ω・`)