五等分の花嫁 √中野三玖   作:おとぎの

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すいません。風太郎の五年前のエピソード、アニメにはギリギリ入ってないんですね·····。原作既読推奨のタグを付けておきました。気づかせてくれた人、ありがとうございます(´・ω・`)


#6 あのラーメン屋·····チェックしておきましょう。

 

「アンタのせいで三玖が逃げちゃったじゃない」

「だから俺のせい·····いやタイミング的に俺か·····」

「なら迷う前に追うの! アンタ男でしょ!?」

「男なのは関係ないが·····まぁ行ってくる」

 

 仕方がない。どういうわけか知らないが、どうやら俺は三玖に避けられているようだ。

 でもさっき別の場所で昼食取ろうとした俺に対して、『行っちゃうの·····』って引き留めようとしてたはず·····。もうどういうことかわけがわからん。

 

 二乃の言葉に対し三玖を探すことを決めたのはいいが·····一体どこへ行ったんだ? まだ出会ってから二日目になのだ。

 よく行く場所やら性格やらを俺が知っているはずもなく、食堂を出たところで足を止めてしまっていた。

 

 手当り次第探していくしかないか·····。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 思わず飛び出してきてしまった。

 

 けれどあの場に残っていたら、普段少ない私の表情の変化を、二乃達は指摘してきただろう。

 こんな表情は、たとえ十年一緒にいた姉妹だとしても見られたくはなかった。

 

 

 彼が風太郎君だったなんて·····。顔の面影は確かにあった。性格は大分変わってたみたいだけど·····それでもやっぱり嬉しい。

 私のことは覚えていなかったみたいだけど·····無理もない。

 風太郎君は落ち着いて、真面目になった。まだ少し周りが見えてないみたいだけど、勉強もできて·····良い方向に、変わったんだ。

 

 私とは、違って。

 

 でも五年前のことは覚えていてくれた。写真も大切にしてくれていた。

 風太郎君が今の私を、昔の私だと認識していないのならそれでいい。

 

 やることは変わらない。

『私』が私自身を認められるようになった時には、その時には。

 

 私から告げよう。

 

 

 5年前のことと·····今の私の気持ちを。

 

 

 

 でも今は再会出来たことを素直に喜ぶとしよう。

 

 

 突然逃げ出して悪いことしちゃったな·····。

 二乃達には適当に言い訳しとかなきゃ·····。

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

「スマン·····一階から·····屋上まで、見てきたんだが·····どこにもいなかった·····」

 

 俺は膝に手を当て、息を整えながら二乃達に報告した。

 しかしそれに対しての二乃の返答は·····。

 

「大丈夫よ。もう戻ってきてるから」

 

 衝撃的なものだった。

 

「はぁ!? なんで·····俺を避けてどっか行ったんじゃ無かったのか? 何してたんだよ·····」

「何してたって·····アンタねぇ·····」

「上杉君、女の子にはね、聞いちゃいけないこともあるんだよ?」

「ホント男ってデリカシーがないんだから·····」

 

 と、一花と二乃。

 

「そうですよ上杉さん! 三玖はトイレに行ってただけです! 心配いりませんよ!」

「四葉、アンタねぇ·····」

「四葉も十分デリカシーがないですね·····」

 

「なんだよそれ·····」

 

 どうやら俺の知らないところで勝手に解決していたらしい·····。

 

「大丈夫。別にフータローを避けてたわけじゃない」

「そうなのか·····なら良かった·····のか?」

 

 しっくり来ないが·····まぁいいか。

 

「今日からフータローが私たちに勉強教えてくれるんでしょ·····?」

「お、おう。そうだな。三玖は勉強出来るのか·····?」

「全然出来ないよ·····だから必要なんだよ」

「? 何がだ?」

 

 

「私たちには、フータローが必要だから。」

 

 

 一瞬、五年前のあの子の言葉と重なった。

 

 

『お互い一人で寂しい者同士仲良くしようよ。私には·····君が必要だから』

 

 もう一度、会えるだろうか。

 

 不要なものは捨てていけ。

 自分が要らないものだと気付いてしまったあの日。

 暗いなにかに沈んでしまいそうだった俺を、照らしてくれたあの子に。

 

「どうしたの·····? フータロー?」

「·····っ。ああ·····スマン。考え事してたんだよ」

 

 

 京都でたまたま出会っただけ。

 どこに住んでるのかなんて知らないし、名前すら聞くことができなかった。

 

 半日あの子に連れ回されただけの思い出·····だが、五年経った今でも昨日のことのように覚えている。

 

 

 

 腕時計を見ると、もう授業まで五分と少しだった。もうすぐ予鈴が鳴るだろう。

 俺は目の前の弁当箱を持って立ち上がろうとした·····が、昼食後に関わらず、弁当箱が妙に重たいことに気付く。

 

 そして、俺は重大なミスに気が付いた。

 

 

 俺、らいはの手作り弁当食べてねぇ·····と。

 

 

 元凶の三玖は、こちらを見て不思議そうに首を傾げているだけだった。

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

「デカイな·····」

 

 俺は目の前にそびえ立つタワーマンションを見て圧倒されていた。さすが金持ち。

 

 昼休みが終わり5,6時限目が過ぎると、俺がいる教室、三玖の元に五つ子が集まった。そのまま案内に着いてきた訳だが·····他の生徒の視線が痛かった。

 俺が転校生の女子五人と一緒にいるんだ。見られてしまってもおかしくない。

 五月は帰り道に肉まんを二つ食べていた。昼にあれだけ食ってたのにまだ食うのか。と思ったが言ったら恐らく怒られていただろう。

近くのラーメン屋を食い入るように見つめていたのは黙って置いてやる。

 

 

「何ぼさっとしてるのよ。置いてくわよ?」

「ああ、悪い」

 

 俺は五つ子に連れられオートロックなるものを抜け、エレベーターで上の階に上がる。随分長いなと感じていると、やっと止まったのは30階。道理で長いわけだ。

 

 このタワーマンションは高層階のいくつかは、一室に階が丸ごと使われているらしい。エレベーターを出た直後に中野家の表札があったのはさすがに驚いた。

 部屋も広い。最新のキッチン設備まで整ってるし·····らいはが喜びそうだ。

 

 リビングに向かい、長方形のテーブルを半分囲むように置かれたソファーの前に立つ。ソファーには五つ子が全員座っている。

 始めようかと思ったところで、突然二乃が口を開いた。

 

「あのさぁ、私は三玖にお昼分けてくれたことも、今日三玖をすぐに探しに行ってくれたことにも一応感謝してる·····けどさ·····」

 

 足を組み直して、俺の目を見て二乃は言った。

 

 

 

「家庭教師、別に要らないんだよね」

 

 

 

 ほう。そう来たか。

 

 いいだろう。受けて立とうじゃないか。

 

 

 

「そうか·····二乃は勉強に関して自信アリ·····と。ちなみになんの科目が得意なんだ?」

 

 

 

 

 




五月の視線の先には二郎系ラーメン

どうも、フィヨルドです。
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ありがとうございます!おかげ様で日間ランキング67位、赤バーになれました!
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これからもよろしくお願いします(´・ω・`)
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