エウレカセブンの世界で発達障害について取り扱われないかな、という思いで書きました。
‐セカンド・サマー・オブ・ラブ、その光は世界の救済か‐
12006年4月3日の朝、その新聞の記事を目にしたジョウタロウ・ハザマは、コーヒーを一杯すすった。
「世界を救う、か……そんなことは所詮、一時のしのぎに過ぎん」
ジョウタロウはコーヒーを苦く感じたのか、角砂糖を4つ入れてスプーンでかき混ぜた後、それを皿に置き、再びコーヒーをすすった。
「人々に手を差し伸べない限り、いずれあの男のような悲劇は繰り返される。そう遠くないうちにな。そしてクダンの限界も、だ」
デューイ・ノヴァクのクーデターの発生要因は不明だが、ある仮説ではヴォダラクや異星からの移住者をはじめとする者たちへの人種、宗教差別や近年増加傾向にある障害者への社会的冷遇、さらには官僚や大企業の経営者だけを経済的に潤わせる政策がデューイの憂いにつながり、それをリセットしようと彼がもくろんだのではないかといわれている。
さらには11800年に発見された地球と非常に似た環境を持つ7つの惑星『オルタス』に住まうヒューマノイドたちの存在もまた、かつてコーラリアンの存在がそうであったようにクダンの限界の引き金となりつつある。
「マオ、許してくれ。父さんはね……急がなければならないんだよ」
ジョウタロウは机の上に置かれた写真立ての写真に写った水色の髪をしたツインテールの少女である愛娘の笑顔に目を見やると、最後のコーヒーをすべて飲み干し、椅子を引いて立ち上がった。机に置手紙を残してジョウタロウは玄関に向かい、茶色の扉を開けて自らの青い三角屋根を持つ白い家を後にした。
‐愛しのマオへ 父さんはしばらく旅に出ます。大事な仕事です。今は理由を明かせませんが、父さんは今から急いで人々を救わなければなりません。今地球では数々の大変な出来事が起こっています。それを解決しない限り、人々に明日はないでしょう。どうか、そのことを覚えていてください。 父、ジョウタロウより‐
「お父さん……?」
その翌朝、目覚めたマオは自分と2人暮らしをしていた父を探していた。その際、マオはテーブルに置いてあった1通の手紙に気づく。
「これって、どういうこと?」
紙を広げ、マオの顔が青ざめた。
「そんな……お父さん!」
マオは靴も履かずに玄関を飛び出し、あたりを探した。が、当然父の姿はそこにはない。
「どこへ行っちゃったのよ……」
マオは息を荒げながら、手を膝につけて立っていた。
足の裏についた土を玄関で落とし、再びリビングに着いたマオはもう一度手紙を読み返した。
「……ん? 裏に何か書いてある」
そこには『ホーリー・ランド』という福祉施設の名前と、その住所が載っていた。
「ホーリー・ランド? 確か福祉施設よね、障害を持った人たちが通う……あたしもこの前、発達障害と診断が出たし、通えるかな? それに、どんなところかは知らないけど……何かあるかもね」
手紙を閉じ、マオは意を決した。
「決めた決めた! ちょうど学校の連中に合わせるのも飽き飽きしていたし、ここに行ってみるか!」
マオは先月に合格したエルマリート学園大学附属高校の入学手続きの紙を乱暴に縮めてゴミ箱に捨て、合格祝いに父から買ってもらったノートパソコンでブラウザを立ち上げ、ホーリー・ランドのWebサイトにアクセスし、入所手続きを行なうのであった。
TRPGのログをまとめなきゃ……と思い、書いたものなんですが、夜にあわてて書いたものなので粗が多々あるかもしれません……
機会があれば修正するかも
【補足】
2019/04/12
マオの父、ジョウタロウの名の由来についてですが、「ブラック・ジャック」に登場する主人公「間黒男」の恩人「本間丈太郎」としています。
「ジョジョの奇妙な冒険」第3部の主人公の名前とよく思われてしまいます……(笑)