偽真・女神転生   作:シド・ビシャス

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こんにちは、お久しぶりです。遅ればせながらですが、第二話を投稿します。


初戦

 

 

 

 

 手持のCOMPを操作してキツネノナマモノを一旦COMP内に収容する。

 

 

 

「召喚キツネノナマモノ」《Summoning O.K?》

 

 

 

 

 

 

 

 召喚を選んで決定し、キツネノナマモノを呼び出す。

 

 

 

「凄いです! マグネタイトがあるからHPも減らないし、COMP内に入って居たらHPが回復しました!」

 

 

 

 どうなるかと思ったが、キツネノナマモノの感想から真・女神転生ifの時のような感じらしい。これは有益な情報だ、何しろ実際に仲魔にしなければわからないことだったのだから。

 

 

 

「さて……どうするか」

 

 

 

 COMPの画面から飛び出して来た自身の初仲魔であるキツネノナマモノを見ながら考える。取り敢えず戦闘を経験してみるか(先程とは違うマトモなヤツな)

 

 

 

 

 

 路地裏をそのまま歩き続け、彼方此方を見ながらキツネノナマモノに問い掛ける。

 

 

 

「そう言えばお前以外の種族の悪魔に此処で出会ったか?」

 

 

 

『出会ってませんよ〜、もし私が出会っていたらサマナーさんに会えなかったと思いますし』

 

 

 

「そうか」

 

 

 

 率直に勝てないと言うことか。確かに本人から聞いているステータスでは……低過ぎる、と言うか特技が一つも無しだからなあ。

 

 

 

 と、その時前方にユラユラと動く人影が現れた。よく見なくも病院着(バイオハザード2のミラ・ジョヴォヴィッチが始まりに着させられていたアレ)だけでおまけに裸足、更に言えばその顔は土色であり頭はパッカリと開頭されていた。

 

 

 

「……グロいな」

 

 

 

 そう呟きながらニューナンブを両手で構える。拳銃を撃つ時の基本姿勢を取り――引き金を引く。そうしてニューナンブから放たれた弾丸はゾンビの胸に見事に当たり、風穴をあけた。そうしてゾンビの方は此方をやっと襲う対象と判断したようで自身の両手を俺にに向けて先程より早く進んで来る。

 

「あわわ、サマナーさん! サマナーさん! 早く早く次を撃ってください!」

 

「そう慌てるな、わかっているから」

 

 そうキツネノナマモノに言いながらも構えはそのまま解かずに、此方に近付いて来ているゾンビの頭に狙いを付けて発砲すると先程当った時とは違ったヒット音と効果エフェクトが現れてゾンビはその場に崩れ落ちた。

 

「クリティカルヒットしたのか……?」

 

「やりましたね、サマナーさん!」

 

 撃つ場所でダメージやクリティカルヒットの判定が変わるのか? これも貴重な情報だ。最も、対象によって判定基準も変わるだろうから頭を必ず狙えばいいと言うわけではないのだろう。そう考えながらニューナンブのシリンダーを出して撃った二発の空薬莢を取り出して路地の影に投げ捨てると、スピードローダーが入れてあるポケットとは別のところからバラの弾取り出して詰め直してシリンダーを戻し次に備える。

 

 クリティカルヒット以外だと何発でゾンビは倒せるのか、そしてそれ以外の敵ならば……? 序盤の序盤とは言え、知りたい事は山程ある。

 

「続けて戦闘するから、敵が居たら方向と数を教えてくれ」

 

「はい!」

 

 

 

 

 §§§§§

 

 

 

 

「さ、サマナーさあん! 右の通路から二体! 左の通路から同じく二体来ますっ! あぁああ!! 怖いですサマナーさあん!!」

 

「これだとゲームのジャンルもタイトルも違うッ! キツネノナマモノ、後退するから俺達の後ろの確認を!」

 

「はいっ!」

 

 油断した……暗くなり、夜になればなる程敵の出現率がまさかここまで上がるなんて。一体目を倒した後、再びゾンビを見付けデータ取りの為に先程の二発目のクリティカルヒットした部分を狙って撃ったら再びの大当たり。これはもしかしてと思った、そのままリザルト画面に進むとレベルアップが表示された。幸先の良さに得たポイントを能力値に振り、キツネノナマモノの方を見ると――……コイツもレベルアップしていた。

 

 どう上がったのか聞きながら見てみると……"全能力値が1上がっていた。"

 

 まあ……上がらないよりはいい。

 

「で、スキルは何か覚えた?」

 

「覚えませんでしたっ!」

 

「……そっか」

 

 何か覚えてほしかった……。が、まあ……覚えなかったからとそこは気にはしない。まだまだ序盤であり、これから先に覚えるからいい――――。

 

 

 ――そう本気で思っていた俺なのだが……。

 

 時間による変化をあまり考えず、兎に角ゾンビを倒し続けた。始めは病院服のソレばかりだったのだが……時間の経過とともに服装と言うか種類が代わって行った。それでも何発か撃ち込めば倒せた事からその場で長く戦い続けた、そう……戦い続けてしまった。

 

 

 ――残りの残弾も考えずに。

 

 

 結果、残弾に気付いた頃には裏路地の十字路での戦いが仇となり三方向から結構多目の数のゾンビたちが向かって来ていて急いで撤退を選択した……。幸いな事に、真後ろの通路からのゾンビはそこまで現れなかった事から何とか戦闘不能にならずに済んだ。まあ……弾が切れたので傷薬を使いながら無理やり走り抜けたのだが――。

 

「……死ぬかと思った」

 

「さ、サマナーさあん! 早く、早くコンプ内に入れてください!HPが〜!!」

 

「わ、わかった」

 

 傷薬もとうに無くなり俺のHPの数字の表示は赤、キツネノナマモノも戦えてはいなかったが居るだけでゾンビの攻撃のターゲットがそちらに割り振られて結果的にそれで助かったのだ。戦闘時は逃げる避けるに徹していたキツネノナマモノだったが、それでもゾンビの攻撃が掠ったりでやはりHPの数字は残り僅かであり……故に赤表示。

 

 本当に危ないところで、ぎりぎり乗り切ったのだ。彼処でゲームオーバーになっていたのなら、セーブは初イン時の拠点でしたのみだから――キツネノナマモノを、仲魔にする前からになると……色々と後悔するところだった。

 

「取り敢えず、傷薬を買いながら回復か弾の補給をしないと」

 

 やっぱり弾数制限付の銃はそんなに調子のると危ない。加えて序盤では単発な上に装弾数も少ない、所持金はここ迄の戦闘で結構な額に増えた。某映画の主人公の様に予備は用意して置くべきか。

 

「……あ」

 

 俺の呟きに対してコンプの画面から喋りかけてくるキツネノナマモノ。

 

「どうしたんですかサマナーさん?」

 

「銃がドロップしていた」

 

「それはおめでとうございますサマナーさん!」

 

 戦闘に集中して夢中になり過ぎ――どんどん視野が狭くなって残弾にも気を向けられていなかったけれど、よくよく考えたら……"持っていた弾より明らかに撃っていた数の方が多かった。"つまり、戦闘時中盤以降に出て来たゾンビコップとかからドロップしたのだろう銃弾をそのまま使っていた訳だ。通常弾だったから攻撃時変化が無く気付かなかった……加えてレアドロップの拳銃も手に入っていた。

 

 これで予備にはなるな。腰の後ろに予備として差し込んで置くことにしながら、他のドロップアイテムとかを見ると――。

 

「ファーの尻尾? アクセサリーアイテムなのか?」

 

 見た目用の装飾品なのか取り出してみると矢鱈と立派な尻尾だ、キーケースとかに付けたとしても本物並の大きさで大き過ぎる……これが女のアバターならコスプレにでも使えるのだろうけれど、男アバターが装備するって。それを見ながら考えていると、始めによった花屋に辿り着いた。

 

「いらっしゃいませ、朝うちに寄られたお客様ですね。どうかなさいましたでしょうか?」

 

「種を、種を売ってください――"九十九粒"程」

 

「――銘柄は朝の物と同じでよろしいでしょうか?」

 

「はい同じで」

 

 そう頷きながら答えると、早速奥に行って用意してくれた。しかし装弾数五発はさっきみたいな状況では正直言ってキツイ……アサルトライフル系の装弾数が多い銃が正直言って早く欲しいところだ。

 

「ありがとうございました、他には何かご入用でしょうか?」

 

「いいえ、ありがとうございます。また寄ります」

 

 

 そう言って花屋を出て再び歩き出す。初日からちょっとハード過ぎた……明らかにやっているゲームが死体と喧嘩をメインにしているゲームメーカーのゲーム並だった。あっちでは香草で回復させていたな、いや傷薬もあったっけ? そう思いながら目の前に見えて来たサトミタダシの店内に入る。相変わらずのBGMが流れている……いいのか、これ。

 

「いらっしゃいませ、何かお探しでしょうか?」

 

「あ、傷薬と――」

 

 先程のことを考えて、倍より多いくらいの数を買った。何と言っても、回復魔法が使えない今の状態ではこれが生命線なのだから。序でに、用心の為にと……毒消しや万能薬も購入。手持ちが増えたり減ったりしているが、若干まだプラスか。

 

「ありがとうございましたー!」

 

 サトミタダシを出て、自身の拠点をめざして歩きながらふと思い出した。そう言えば出会った時にキツネノナマモノはゴミを漁っていたっけ……マグネタイト補給の代わりだとか、だったか? 流石に不憫過ぎた上に、さっきはタゲ取りしてくれたからな……(意図的では無いにしろ、だ)

 

 初めだからな、ご褒美くらい、いいか……? 確かデビルサマナーでは友好度上げる為にお酒とか渡していたし。そう思い、道すがらに有るコンビニエンスストアに入り――多分問題なく食べれるであろう食べ物を複数個買う。その際に、チラリとCONPのディスプレイを見れば……キツネノナマモノはものの見事に丸まって寝ているようだった、鼻ちょうちんすら出している……。そして表示されているヒットポイントは赤から既に回復していて、もう少し収容していれば最大値まで完全に回復するだろう。

 

 そこ迄ヒットポイントの数値が高く無いから、回復も早いな。更に言えば、この【キツネノナマモノ】の抗体ポイントはその強さと同じく最低値だった。それなりに歩いてようやく一減る程度と言う……悪魔好きの悪魔召喚師プレイヤーにはもってこいのタイプだ。まあ……ナマモノシリーズを許せればの話だが――。

 

 そして辿り着いたのは、この世界で自身が目覚めた拠点である建物。何の変哲も無い二階建ての物件。そこの階段を上って二階へ行く、鍵を開けて中に入り施錠を施す。テーブルの上に先程コンビニで買った食べ物を置いてCONPを見てみれば――フル回復していた。

 

 

 それと同時に鼻ちょうちんが割れ、大きく伸びをして起き上がり此方を見て来る。……その動きはトムとジェリーそのもの。いいのか……? と思ったが、同人ゲームだったから構わないか。

 

「回復しました! サマナーさん、サマナーさん、出してください!」

 

 

「召喚キツネノナマモノ」《Summoning O.K?》

 

 

 CONPを操作して再びキツネノナマモノを召喚する。

 

「……此処がサマナーさんの家ですか、安らげそうですね!」

 

 そう言うな否や彼方此方を見て歩くキツネノナマモノ。その行動は猫や犬に近いと思いながらもベッドへ行き、横になってセーブを行う。此れで万が一ゲームオーバーになってもキツネノナマモノは仲魔にしたまま再度遊べる。リアルに戻った俺は軽い食事をして、トイレを済ませ再びゲームへインをすると――。

 

 

ガサゴソガサゴソと、冷蔵庫の扉を開いて中にあった食べ物である魚肉ソーセージ等を出し袋を破いたかと思うと――頬張り始めた、その口元はリスの様である。

 

 若干、驚きと呆れはあるが……腹が空いていたのだと思おうとしていると。咀嚼が進んで喉に詰まらせそうになったのか、牛乳パックを乱暴に取り出して慣れた手付きで口を開き……飲み始めると、腰に手を当てて最後の一滴まで飲み干し切った……。

 

 大きく溜め息をつかずに入られないが、ナマモノシリーズだからなと思っていると――。

 

「フゥ…………ハッ!? ああ! すみませんすみません! サマナーさん、ごめんなさいです! この通りです! どうか許してください! 契約を切ることだけは! お願いですから切らないでくださいませ!!」

 

 腹が膨れて落ち着きを取り戻したのか、そんな風に俺に言って来たキツネノナマモノ。まあ……冷蔵庫の中身はゲームスタート時に用意されていた物だから何とも思わないのだが。

 

「……分かった、許すよ」

 

「ありがとうございますありがとうございます!!」

 

 遜っての土下座である。

 

 此れは、癖でも付いているみたいだな……。若干頭を抑えたい衝動に駆られるが、モデルがあの漫画家……だからなあ。っと、何時までも土下座させていたい訳ではないので……目の前に先程キツネノナマモノ用に買った物を置く。

 

「え、これ、は……?」

 

「お前の分の飯な、今回は頑張ってくれたから……そのご褒美だ」

 

 そう俺が言うと、頭を上げていたキツネノナマモノは目の前に置かれていた物を手に取り此方とソレを何度も見ると言う往復を繰り返した後――。

 

「ありがとうございます!ありがとうございます! ありがとうございます! ありがとうございます!」

 

 半泣きで、ソレ=稲荷寿司を掲げていたのだった。

 

 

 §§§§§

 

 

 その後は半泣きのまま、美味しいです! 美味しいです! と繰り返し、食べ続けたキツネノナマモノ。結局直ぐに食べるのかとも思ったが、突っ込むのは止めておいた。そして……フローリングの床に大きくなった腹で大の字で寝転がっているキツネノナマモノを見ながら俺は思った事を口にする。

 

「キツネノナマモノ」

 

「はい、何でしょうかサマナーさん」

 

「お前に名前を付けようと思うのだが。何時までも何時までも種族の固有名であるキツネノナマモノ、と呼んでいる訳にも行かないしな……」

 

「名前ですか! 嬉しいです! どんな名前ですか!?」

 

 名前と聞いて、興奮気味のキツネノナマモノ。さて……どう言った名前にしようか、うーん……名前名前。あ! 原作者から取ることにしよう、ただ……そのままだと他のプレイヤーにアレだから。

 

 そうだ……性質が真反対になったらまともな悪魔? になるだろうから、その願いを込めて――。

 

「キツネノナマモノ、お前の名前は、"美亜"、ミア、だ」

 

「みあ、それが私の名前……ありがとうございます! これからはみあと名乗りますね!」

 

 どうやら名前に関しては問題無く気に入ったようで良かった。何故美亜? と問われていたら、困っているところだった――。

 

 

 

 

 大の字で寝ている俺の初の仲魔を見ながら思考する。名前を付けた事により、キツネノナマモノこと未亜は"個体としての我"が何れ強くなって行き――何かしらの変化を果たすであろうと考えている。

 

 種族名と言うかそのままではそのままの性質だろう、だが個となれば話は変わる。その辺に関しては女神転生シリーズの色々な作品にて出て来た悪魔からそう考えているわけだが。――まともになってくれれば嬉しい限りなのだが、まともなナマモノシリーズってどうなんだろうな……。

 

 

 

 

 

 続く

 

 




読んで下さりありがとうございました。
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