私は『我らが救世主を崇め讃える会』会長です 作:通りすがりの錬金術師
「おはようございます……」
「キヨ!?」
「ちょっと、もう学校来て大丈夫なの!?」
昨日、放課後にミライの部屋に様子を見に行ったら、高熱を出して寝込んでいた。ミライは一人部屋だから連絡してくれる人もいなくて、自分でも連絡できなかったみたい。
「1日中寝たら熱も下がったし、まだ少しダルいけど大丈夫だよ……」
「それならいいんだけど……無理しちゃダメだからね!」
「体調が悪くなったらすぐに言ってくださいね?」
ミライはそれに頷いて席に着いた。
それはそうと、響は今日もいない。昨日、少し帰ってきたと思ったら何も言わずにすぐに出ていった。心配もさせてくれないなんて……バカ。
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約3時間前
「防衛大臣殺害犯検挙の名目で検問を敷き、その中を一気に駆け抜ける!」
「名付けて、天下の往来独り占め作戦♪」
もうまもなく日が昇り始めるだろう時刻。これより完全聖遺物であるデュランダルを移送する為の作戦が始まろうとしている。
我が救世主と櫻井了子がデュランダルと共に、その周りをエージェントの乗った車が護衛し、目的地である永田町の記憶の遺跡まで一直線という作戦だ。
私は風鳴司令と共にヘリコプターに乗り、空から周囲の監視とアナザーライダーが現れた際の対処が主な役割。
完全に日が昇り、順調に目的地への道を走っていく。このまま無事に終わって欲しかったが、そうは問屋がおろさないらしい。
エージェントの乗る護衛車がどこからか攻撃を受け、橋から落下したり、爆発したり、吹き飛んだりしていく。どうやら下水道からノイズが攻撃してきているらしい。
『うひゃあ!?』
『弦十郎くん。これ、ちょっとやばいんじゃない?』
今回の作戦にあたって渡された通信機から我が救世主の悲鳴と、櫻井了子の声が聞こえてくる。
『この先の薬品工場で爆発でもしたら、いくらデュランダルといえども……』
「わかっている!このノイズたちはデュランダルを直接狙わず、的確に護衛を狙っていることからデュランダルを傷つけないよう制御されている可能性が高い。だが、あえて危険地帯に飛び込むことで敵の攻め手を封じるって寸法よ!」
「それはいくらなんでも危険過ぎませんか?一歩間違えれば……」
『それで、勝算はあるの?』
「思いつきを数字で語れるものかよ!」
あまりにも危険過ぎる作戦を提案する風鳴司令に一声かけるが、割り込んで話してきた櫻井了子が了承するかのような返事をしたことで作戦が決まった。
櫻井了子は作戦通りに薬品工場へと入り車を走らせるが、大量のノイズに囲まれ車が大破。薬品へと引火したのか、激しい黒煙を伴う爆発が発生し、下が見えなくなる。
「我が救世主!」
「くっ、煙が邪魔で見えん……。それに、どうやらお出ましのようだ」
ヘリコプターのドアを開け、外を見ていた風鳴司令の方を向くと、数発のミサイルがこちらに飛んできていた。
まずいと思い、ドライバーを巻きウォッチを起動しようとしたその時。
「ムンッ!」
そんな声と共に迫ってきていたミサイルが全てヘリコプターに当たる前に爆発した。………はい?
「さて、攻撃されたからにはお返しといかなくては。いくぞ、ウォズくん!」
そう言いミサイルの来た方へと飛び降りる風鳴司令。さすがに降りた先にノイズがいてやられたとかになると大変なことになるので、私も慌てて飛び降りる。
【ウォズ!】
【アクション!】
「変身」
【投影!フューチャータイム!】
【スゴイ!ジダイ!ミライ!】
【仮面ライダーウォズ!ウォズ!】
そして空中でウォッチをドライバーにセットし変身する。
先に降りた風鳴司令の横に着地すると、目の前にはこの前、空さんが交戦したというアナザーフォーゼと赤いカブトムシの怪人のようなアナザーライダー『アナザーカブト』の二体が立っていた。
「ふむ、ノイズはいないのか」
「そのようですね」
アナザーフォーゼはロケットやドリル、ガトリングにレーダー……等、様々な力を扱えるアナザーライダー。そしてアナザーカブトはクロックアップという超高速移動能力を持っていたはず……。どう攻略したものか。
【クロックアップ】
アナザーカブトが腰を叩くと同時にその場から消える。そして
アナザーフォーゼも驚いたのか、その場で固まっている。私は何もしていないので必然とこれは風鳴司令がやったこととなる。
「戦いで動きを止める等、狙ってくれと言ってるものだぞ!爆震!」
更に力強く一歩を踏み出すと、アスファルトで舗装された地面がめくれ、衝撃が目に見える形でアナザーフォーゼを襲う。それを受けたが、なんとか立ち上がったアナザーフォーゼは左足にガトリングを生成。それをこちらに撃ってきた。
「ハッ!」
再度足を踏み込み、今度はその場で隆起させた地面を盾のようにし銃撃を防御する。ここで急に風鳴司令が振り向くと同時に手を伸ばす。すると、また高速移動してきただろうアナザーカブトがその手に掴まれてその場から動けなくなった。
「……なんでクロックアップを見切れるんですか」
「知らいでか!男の鍛錬は飯食って映画見て寝る!それで十分よ!」
「いえ、流石に意味がわかりません……」
だが、この謎鍛錬で我が救世主が成長しているという事実もあるし……まさか、これが正しい鍛錬法!?
これについては一端考えることを止め、アナザーフォーゼの方に駆ける。クロックアップを見切れるならアナザーカブトは任せても大丈夫……いや、大丈夫なのか?風鳴司令は一応人間――ほんとに人間なのかは疑わしいけど――なので、勝てる保証は……。
そこまで考えた所で、アナザーカブトの炎を纏った蹴りを拳一つで打ち破ったのがチラリと視界に入ったので、思考を放棄した。
そして残った本能のまま、アナザーフォーゼに殴りかかろうとしたとき、薬品工場の方で光の柱がそびえ立った。その柱が徐々に倒れていき薬品工場を二つに切断、大爆発が起きる。
それを見て正気に戻った。あそこには我が救世主が!
【クロックアップ】
「う゛っ!?」
その瞬間にクロックアップしてきたアナザーカブトに蹴られ、地面を転がる。起き上がり、周囲を見るとアナザーカブトとアナザーフォーゼはそこからいなくなっていた。
「ウォズくん!大丈夫か!?」
「ええ。風鳴司令は……無傷ですか」
「いや、靴がボロボロだ。高かったんだぞ、これ。一体何本映画が借りられるか……。それよりも……」
「我が救世主たちが心配です。急ぎましょう」
――――――――――――――――――――――
「……主、…が救……、大丈夫ですか!?」
「う、うーん……私、一体……」
「これがデュランダル。貴女の歌声で覚醒した完全聖遺物の力よ」
目が覚めて視界に入ってきたのは、ボロボロになった薬品工場。これを……私が? デュランダルを掴んだ瞬間、頭の中に全てを壊せって流れてきて、それで……。
「とりあえずここを離れましょう。漏れでた薬品で体に害があってはいけませんから」
ウォズさん……あれ、そういえばウォズさんって私が戦っている間何を?
「アナザーライダーが現れたのでそちらの対処をしておりました。手伝えず申し訳ない」
「あ、いえいえ!気にしないでください。それなら仕方ないですし……あはは」
「しかし、我が救世主。貴女の師匠はほんとに人間ですか?アナザーライダー二人相手に無傷で勝ったのですが……」
え、師匠なにしちゃってるんですか!?
書いてたら何故かこんな内容に……主人公が主人公出来てるか心配だ。
G編はYouTubeでアニメ見てて思い付いてるから早く書き進めたいが書く時間が……。
以下、またまた思い付いたネタ(たぶん書かない)
「私は天の道を往き、総てを司る女。天ど……じゃない、立花 響」
この女、カブトの天道総司に惚れ込んでいる憑依転生者である。なお、シンフォギアの事は全く知らない模様。
「あの人が言っていた。男がやってはいけない事が二つある。女の子を泣かせる事と、食べ物を粗末にする事だ」
「御姉様……」
そして世界を巻き込んだ出来事に巻き込まれていく!
「子供の願い事は未来の現実。それを夢と笑う大人はもはや人間ではない」
「この身はもう人のものではない!」
「私が望みさえすれば、運命は絶えず私に味方する」
その手に来るは赤いカブトムシ。
「変身」
『HENSIN』
【天の道を往き総てを司る撃槍】
「私は世界の中心。ならば世界は私が救ってやる」
いつの日か、日の目を見る時が来る!……かもしれない。
こうでも書いとかないと連載中の作品ほっぽりだして書きそうで怖い。いや、書いてもいいんだけど……。
それはそうと天道語録とシンフォギア世界、意外とマッチしてる気がする。『たとえ世界を敵にまわしても守るべきものがある』とか『子供は宝物。この世で最も罪深いのは、その宝物を傷つける者だ』とか……。