私は『我らが救世主を崇め讃える会』会長です   作:通りすがりの錬金術師

19 / 23
シンフォギアXV視聴……わぁお……(語彙力崩壊)


奇跡開眼!ガングニール!

「ハァ、ハァ……まだ倒れる訳には……」

 

 

 アナザーアギト(増殖体)と戦闘していたウォズ。これまでに五体を倒し、残りは十体。だが、既に半日近くアナザーアギトと戦い続けているウォズの体力はほとんど残っていない。

 

 

【タイムエクスプロージョン!】

 

 

 そしてまた一体。ウォズのキックで爆散し、中の人が排出される。気絶してる人はウォズが抱え、即座に離れた場所へ移動させる。先に倒したアナザーアギトから排出された人たちがいなくなっていることから、気づいて避難したか、誰かに救助されたのだろう。

 次を倒しに行こうとしたウォズだが、そこで足から力が抜けて地に膝を着く。そこにアナザーアギトが襲いかかり、殴る蹴るの攻撃を受けたウォズは変身が解除され、地を転がる。

 

 

「ウォズさん!?このっ!退いてください!」

 

 

 響はそれを見て助けに行こうとするが、アナザーアギト(本体)は響を逃がすまいと攻撃を仕掛ける。ウォズに迫るアナザーアギト(増殖体)が噛みつこうとしたその時。現れたアナザーゴーストの回し蹴りで吹き飛ばされる。

 

 

「空……さん」

 

 

 そのままアナザーゴーストはウォズの代わりにアナザーアギトと戦い始めた。

 翼は相変わらずアナザーキバと戦っているが、ここに一人。アナザーアギト(本体)が響に集中したことでフリーになった人がいる。

 

 

「今だ!持ってけぇぇ!!」

 

 

 クリスだ。クリスは二発の大型ミサイルを背負い、一発をフィーネに向けて発射した。ジャンプし地を駆け、ミサイルを避けるフィーネだが、もう一発がカ・ディンギルに向けて発射された。

 

 

「させるかっ!」

 

 

 それをネフシュタンの鞭を伸ばして破壊するフィーネ。だが、ミサイルは先程までフィーネ自身を追っていたもう一発が存在している。それはどこに行ったと周囲を見渡すとミサイルに乗って飛んでいるクリスが。

 

 

「何をしようと、カ・ディンギルはまもなく発射される!」

 

 

 フィーネがそう声を張り上げた時だった。

 

 

「 Gatrandis babel ziggurat edenal 」

 

「……そんな、この歌って!」

 

「チッ!おい、白ウォズ!」

 

「無茶言わないでください、フィーネ。あそこまで飛べるのはいませんよ」

 

 

 クリスの歌声が響き渡る。

 

 

「 Emustolronzen fine el baral zizzl 」

 

 

 カ・ディンギル、クリスのアームドギアに共にエネルギーが充填されていく。

 

 

「 Gatrandis babel ziggurat edenal 」

 

 

 その二つの輝きが最高潮に達する。

 

 

「 Emustolronzen fine el zizzl 」

 

 

 そして放たれる二つの砲撃。クリスの絶唱がカ・ディンギルの砲撃を受け止める。しかし、それもわずかな間。次第に弱まるクリスの一撃。そしてクリスは、月は、カ・ディンギルの一撃に飲まれた。

 だが、それは無駄ではなかった。月は欠けたが完全に砕かれることはなかった。

 

 

「そんなまさか、そらされたのか!?」

 

 

 驚愕するフィーネに、泣き崩れる響。空気を呼んだのかは不明だが、白ウォズに静止させられアナザーライダーも動きが止まっている。

 

 

「そんな……せっかく仲良くなれたのに、こんなことって……」

 

「……自分を殺して月への直撃を阻止したか。ハッ!無駄なことを。見た夢も叶えられないとは、とんだグズだな」

 

「……笑ったか。命をとして大切なものを守り抜くことを、お前は無駄だとせせら笑ったか!」

 

 

 異変は起こる。

 

 

「そレガ……ユメゴとイノちヲ、ニギリツブシタヤツノイウコトカ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!」

 

 

 フィーネの言葉に響は激怒。ビルドアーマーが解除され、全身が黒く染まって目を赤く光らせている。ただならぬ状況に翼は焦る。

 

 

「おい、立花!立花!」

 

「融合したガングニールの欠片が暴走しているのだ。制御できない力にやがて意識は塗り固められていく」

 

「そんな……」

 

「さあ、やれ!」

 

 

 フィーネの号令が合図となり、アナザーアギトが全て響に襲いかかる。

 

 

「ウ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!」

 

 

 だが、理性を失ってかつてない力を発揮する響の前に、増殖体のアナザーアギトは一掃される。瞬く間に敵は本体とアナザーキバ、その配下三体、フィーネと白ウォズだけになった。

 

 

「理性なきその身ではアナザーライダーは倒せまい!」

 

「……我が、救世主……」

 

 

 その拳がアナザーアギトに突き刺さり、大きく吹き飛ばす。そして響は()()()()()()()()()()ウォッチのスイッチを押した。

 

 

【アギト!】

 

 

「な……に!?」

 

 

 ウォッチが起動するが、響の姿は変わらない。しかしライダーの力は得ていたようで、アナザーアギトを貫いて爆散。変身者と砕けたウォッチが転がる。

 

 

「ッ!アナザーキバ!」

 

 

 白ウォズの言葉に従い、アナザーキバは配下を響にけしかけ自身は白ウォズの下へ。三体を吹き飛ばすと、次に響は目についた翼をターゲットに取った。攻撃をなんとかしのぎ、耐える翼。

 

 

「やめろ、立花!私が分からないのか!?」

 

「ハハハ、どうだ?立花 響と刃を交えた感想は。お前の望みであったな」

 

 

 そしてカ・ディンギルが再起動する。それに驚く翼にフィーネが説明する。一発で終わっては兵器として欠陥品。デュランダルを炉心に取り付け、必要ならなんどでも放てると。

 

 

「だが、お前を倒せばカ・ディンギルを止める者はいなくなる!」

 

「ふん、やってみろ」

 

 

 そこに襲いかかる響。受け止める覚悟を決めた翼が剣を地面に刺したその時。アナザーゴーストが翼の前に立ち、代わりに抱き締めたのだ。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

『な、おい!何をしてるんだ!空!』

 

『ごめん、どのみち私はここでリタイアみたいだから。後のことは、響ちゃんたちのことは、お願いするね』

 

『………任せときな。あそこには翼もいるんだ。なら、あたしはやってやるさ!』

 

 

 ここはアナザーゴースト・天寺 空の精神世界。ここで彼女は一人の友霊と話していた。彼女がこれまで暴走しなかった理由。それは彼女に憑いていた友霊たちがその命を燃やして空を守っていたからだ。だが、これまでに一人を残して全てが消えてしまった。守るもののない彼女の意識もまもなく消えてしまうだろう。

 

 

『行ってくる!』

 

『行ってらっしゃい』

 

 

 空の姿はそこで消えた。

 

 

 

 

 

『んで、お前さんはどこに行くつもりなんだ?』

 

『決まってる!響の所……ってお前誰だ!?』

 

『俺様はユルセン。まあ、ちょっとした案内人さ』

 

『お、おう……。なんかどっかで聞いた声してんな』

 

『そいつはどうでもいいから!さっきのやつのように霊感のないやつに取り憑くのは難しいんだぜ?だから特別に俺様が手伝ってやるよ』

 

『そいつは助かるんだが、なにが目的だ?』

 

『フヒヒッ、そいつはお前さんにはどうでもいいことだ。ほら、着いてきな』

 

『あっ!てめッ、待ちやがれ!』

 

 

 ユルセンと名乗った幽霊を追っていった先には一つの扉が。どうやらこの先が響の所らしい。

 

 

『ほら、早く行けって。おっちゃんもこの扉作るのに苦労したらしいし長く持たないって言ってたからな』

 

『あ、ああ……。よし、行くか』

 

『幸運を祈ってるぜ~……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……頼んだよ、新しいゴースト』

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 暗く、濁った世界。それが響の今いる精神世界だ。押し潰してくる破壊衝動に抗う響。そこに一筋の光が射し込む。

 

 

『大丈夫だ。落ち着け響』

 

『あな、たは……?』

 

『気にすんな。ちょっとした死人のお節介だ』

 

『お節介?』

 

『しばらく眠ってな。あたしがなんとかしてやるからさ』

 

『え……』

 

『後、体借りるな?』

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 アナザーゴーストに抱き締められた響は通常のシンフォギア姿に戻った。だが、アナザーゴーストが急に響を突き放し、体を大きく反らすと共に謎の玉を放出し吸収。そして響に襲いかかる。

 

 

「な、天寺女史!?」

 

 

 反応に遅れて、間に合わないと思った翼だが、響がその拳を掴んだことで安堵した。

 

 

【ゴースト!】

 

C()r()o()i()t()z()a()l() r()o()n()z()e()l()l() G()u()n()g()n()i()r() z()i()z()z()l()

 

 

 そして響は……いや、響に取り憑いた誰かはその手に持っていたゴーストウォッチを起動すると共に聖詠を歌った。

 

 

「なんだと!?」

 

「そんな、今の……歌は……」

 

【カイガン!】

 

 

 響のギアが分解され、インナー姿に。そしてそこから再構築されるギア。その姿は翼にとって、フィーネにとって、そして二課のメンバーにとってとても懐かしいものだった。以前と変わっているのはオレンジ色のフード付きパーカーを被っていること。

 

 

【ゴースト!】

 

『幻、夢。優しい手に包まれ』

 

 

 その口から放たれる声は響のものだが、戦い方や雰囲気は別人。それも翼たちがよく知っている人物のものだ。

 

 

「あれは……。いや、そんなことが……」

 

 

 響(?)は腕を組み合わせると装甲の一部をパージ、槍を作り出した。それをアナザーゴーストに振るい、反撃の暇すら与えずに攻めていく。

 

 

『風に逆らって……輝いた未来へ帰ろう』

 

LAST ∞ METEOR

 

 

 回転する槍から竜巻が形成され、アナザーゴーストを浮かび上がらせる。そこに駆ける響(?)。飛びあがり、所謂ライダーキックが放たれた。

 

 

『Sing out with アァァァス!!!』

 

GUNGNIR ∞ OMEGA DRIVE

 

 

 アナザーゴーストを貫き、変身が解除された空が落ちてくる。それを響(?)は受け止め、そっとカ・ディンギルから離れた地面に下ろす。

 

 

「……そのギアに歌。まさか、奏なの?」

 

『……ああ、そうさ。ちょっと響の体借りてるが、正真正銘、翼の相方の天羽 奏さ』

 

「かな……ムグッ!?」

 

『ほら、まずはやることがあるだろ?』

 

「……そうだね。フィーネを止めよう!」

 

 

 そう、響に取り憑いた者の正体は天羽 奏。これまでもずっと、空と共に翼の側に居たのだ。

 

 

「天羽 奏だと!?ありえん!貴様は二年前に死んだはずだ!」

 

『でも、あたしは今こうしてここに存在している。まあ、死人なのは間違いないけどな』

 

「ちぃっ、白ウォズ……どこ行った!?」

 

 

フィーネは白ウォズにも援護させようとするが、いつの間にか白ウォズはアナザーキバと共に姿を消していた。

 

 

『行くぞ!覚悟はいいか、フィーネ!あたしと翼、両翼揃ったツヴァイウィングなら!』

 

「どこまででも遠くへ飛んでいける!どんなことでも、乗り越えてみせる!」




暴走していたのでアギトこと津上さんとの対話は出来ませんでした。……え?ゴースト?(めそらし)
継承の儀?こんなシリアスでやれる度胸をミライちゃんが持ってるとでも?………ええ、持ってます。ですが、まだ疲労で動けないので不可能です。


天羽 奏(ゴースト)
本人。ツヴァイウィングのライブ事故で死亡後、幽霊となって会場付近にいた所を空に見つかり、共に行くことに。会話出来るのが空だけだったので、空以外彼女の存在を知らなかった。空がアナザーゴーストとして戦う際は彼女が取り憑いて戦っていた。現在はゴーストウォッチと共に響に憑依中。

アナザーライダーから排出された人たち。
NINJYAによってこっそり救出されシェルターにいます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。