私は『我らが救世主を崇め讃える会』会長です 作:通りすがりの錬金術師
「ヒャアッ!?」
「ウェル博士!?」
「い、いえ、失礼。揺れに足をとられて……」
私たちは今、岩国基地に列車で向かっている。クリスちゃんが了子さんに言われて起動させたソロモンの杖を、アメリカの人にそこで渡すみたい。で、今私と一緒にいるのは、クリスちゃんと友里さんにアメリカのウェル博士っていう人。三ヶ月前、了子さんが引き起こしたルナアタックを解決した私たちを一目見たいとこっちに来たそう。その時に流石は英雄だって誉められた。いやぁ、正面から誉められるってなんか恥ずかしいですねぇ。
「おいおい、ほんとに大丈夫なのかよ……。それといつまで照れてんだ。そろそろ戻ってこいバカ」
「アイタッ!?何するの、クリスちゃん!」
「アタシたちは護衛で来てるんだ。浮かれるな」
うぅ……そうだけど……。
「ん?これって……」
「あ?どうかしたのか?」
「二人とも警戒して!ノイズの反応よ!」
友里さんに言われて、私とクリスちゃんはウェル博士と友里さんを守るように陣取る。
「ソロモンの杖はここにある……ってことは自然発生かよ!?運がねぇにもほどがあんだろ!?」
「二人とも!戦闘許可が出たわ。任せたわよ!」
「……うし!一暴れすっぞ!」
「 Balwisyall Nescell gungnir tron 」
「 Killter Ichaival tron 」
ギアを纏った私たちは列車の上に出て、飛んできたノイズを友里さんやウェル博士に近づかせないようにする。私とクリスちゃんのコンビを舐めないでね!
――――――――――――――――――――――
「……はぁ」
『なにを弱気になってんだよ。翼』
「奏……」
『もうすぐライブなんだから、もっとシャキッとしろって。夢、見つけたんだろ?』
「でも……」
今夜はアメリカの歌姫マリアとの共同ライブ。少し緊張していたところを奏に励まされた。
奏は今、幽霊なのだけどこの『ゴーストウォッチ』を持っていたら姿を見れて話せるということで、立花に貸して貰った。立花はこれを使って色々な力を使えるので少し渋るかと思ったけど、意外とすんなり貸してくれた。理由を聞くと、元々奏に頼まれていたそう。
『そんなんじゃいつか折れるって昔言ったろ?ほら、スマイルスマイル』
奏は手を私の顔に持ってきてつまもうとしている。すり抜けるから触られることはないけど、目の前にある手は邪魔だ。
「奏!」
『はは!それでこそ翼……あ』
「奏?どうしたの?」
奏が急に言葉に詰まって、一点を見ている。何かと思ってそっちを見ると……あ。
「……邪魔したわね。出直すわ」
今夜のライブの共演相手、マリアが残念なものを見たという表情で立っていた。出ていく時に『まさか死んだ相方との妄想話をするような子だったなんて……意外と可愛いわね』なんて呟きが聞こえたが、気のせいだろう。何せ、奏はここにいるんだから!
『いや、翼。挨拶に来たんじゃねぇのか?翼もした方がいいんじゃ……』
ハッ!奏の言う通りだ!待ってくれ、マリア!
――――――――――――――――――――――
「では、このソロモンの杖は僕たちが責任を持って管理させてもらいます」
「ふつつかなソロモンの杖ですけど、お願いします!」
「頼んだぜ……」
「ええ、お任せください」
ノイズの襲撃を無事に乗り気って、基地に到着。これで私の仕事も終わり!後は帰って翼さんのライブを!
「そうはいきませんよ」
「え?」
久しぶりに聞く白ウォズさんの声につられてそっちを向いた時、後ろ――ウェル博士のいた所が爆発して大穴があいた。
「ウェル博士!」
【CLOCK OVER】
ウェル博士の姿が見えなくなると共に白ウォズさんの横には以前、フォーゼウォッチを持っていったアナザーライダー、『アナザーカブト』さんがソロモンの杖を持って立っていた。
「まさか、今の瞬間にソロモンの杖を!?」
「お祝いバカの言ってたクロックアップってやつか!」
ウェル博士も無事か確かめないといけないのに……でもあっちも放っておけないし……。
「さて、今回の私の目的は達成した。帰るとしようか」
「てめぇ、ソロモンの杖を返しやがれ!」
「お断りですよ。さあ、彼女たちの相手は任せますよ……」
ウェル博士の落ちていった穴から何かが飛び出してきて、私たちに攻撃してきた。友里さんを抱えてクリスちゃんと一緒にそこから離れる。その露になった姿を見て私たちはとても驚いた。
「え……『アナザービルド』さん!?なんで!?」
「おい、こいつって確かお前が倒したはずだよな!?」
「う、うん。ウォズさんも一緒にいたから覚えてるはずだよ」
「ってことは、まさかとは思うが白ウォズの野郎、もう一人産み出しやがったのか!?」
アナザービルドさんがまた出てきた理由はわからないけど、ビルドの力は既に持ってるんだ。早く助けてあげないと!
【ビルド】
「クリスちゃん、援護お願い!」
「ああ!」
ビルドアーマーを纏って、アナザービルドさんの方に駆けていく。ソロモンの杖も取り返さないといけない、だから今回は速攻で決める!
「持ってけ、ダブルだ!」
クリスちゃんが大きなミサイルを二つ出して放つ。アナザービルドさんはそれを両手でなんとか受け止めるけど、これで私の方は止められないよね?
「ウオォォォォォ!!!」
高く飛び上がって全力の飛び蹴りをぶつける。ミサイルに気をとられていたアナザービルドさんに直撃して大きく吹き飛び、建物にぶつかって爆発した。
「やったか!」
クリスちゃんがそう叫んだ瞬間、ガラっと音がして煙の中から歩いてくる人影が見えた。
「そんな、あれで倒せなかった……え?」
アナザービルドさんが出てきたと思ったけど違う。あれは……。
「アナザーエグゼイドさん!?」
エグゼイドのウォッチはあるから戦闘員呼ばれても戦えるけど……。さっきまでアナザービルドさんの姿だったよね!?なんで!?
私たちが警戒していると、アナザーエグゼイドさんはその場から消えた。しばらく警戒を続けて、何の反応もなかったから私たちは帰投することに。ウェル博士の捜索は自衛隊やアメリカの人がしてくれるみたい。無事だといいなぁ。
それと、帰りはどうやらヘリを出してくれるらしい。頑張った私たちへのご褒美だってヘリの中で翼さんのライブ中継を見れる事に。楽しみだなぁ!あ、そうだ。一応ミライちゃんに復活?したアナザーライダーの事伝えとかないと。
――――――――――――――――――――――
「うひゃあ!凄いね、流石二大歌姫の共同ライブ!」
「ところでまだビッキーから連絡来ないの?もうメインイベント始まっちゃうよ」
「うん……」
「せっかく風鳴さんが招待してくれたのに……」
「まあ、期待を裏切らないわね。あの子は」
「もう始まると言うのに……」
立花さん、まだ終わらないのでしょうか?……と、立花さんからメール?これは……。
「す、すいません。少しお手洗いに」
「えぇ?もう始まるよ?早く行ってきな!」
流石に皆がいる場所でこの内容を見るのはまずい。トイレの個室で内容をじっと読む。
倒したはずのアナザーライダーの復活。しかも、対応したウォッチで倒しても別の姿になって復活。一体これはどういうことだ?これは後で調べないといけないか……と決め、トイレから出る。どうやらそこそこの時間考えに耽っていたようで、一曲目が終わっていた。今は次の曲までの間のトークタイムらしい。小日向さんたちが待つ場所へ戻ろうとすると一人の女性が私の前に立ち塞がった。その面影はどこか歌姫マリアに似ている。
「先詠 ミライ……いえ、黒ウォズですね」
「ッ!なぜ、それを」
「貴女には悪いですが、ここから先には行かせません」
何故か私の事を知る、意味のわからない事を言う女性がそう言った時、私たちの周りを除いた会場中にノイズが出現した。
『狼狽えるな!』
近くにあったモニターから歌姫マリアの叫ぶ声が聞こえる。そして次の瞬間、彼女はなんとシンフォギアを纏ったのだ。さらに目の前の女性は腰に腕時計の様な形をした大きな端末を当てる。それからバンドが出て巻き付きベルトとなる。
【ゲイツ!】
「変身」
【ライダータイム!】
【仮面ライダーゲイツ!】
彼女は私の様に変身した。私以外の、仮面ライダー……。
「貴女は一体何者だ……」
『「私たちはフィーネ。終わりの名を持つ者だ!」』
そう尋ねると、彼女とモニターに映る歌姫マリアの声が重なった。
書けなかった一期とGの間の話の一つ、それがアナザーエグゼイドとの戦いです。ウォッチ持ってたり、能力を知ってたりするのはそのせいです。早くこっちも書かないと……。でも天道撃槍も書かないといけないし……。