私は『我らが救世主を崇め讃える会』会長です   作:通りすがりの錬金術師

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なんだろ……一度書き始めるとすごい勢いで筆が進む。
他の作品はこうもいかないのに……まさか、これが愛!?




それと、すっかり書き忘れてましたが、ミライちゃんの持っているウォッチはウォズミライドウォッチだけです。その他のライドウォッチ、ミライドウォッチは一切所持していません。(ブランクウォッチはあります)


響き繋がる未来(ミライ)

 『アナザーシノビ』に『ジカンデスピア(槍モード)』の必殺技『爆裂DEランス』を当てて倒した後、救世主に声をかけた私。次いで、『アナザービルド』を倒しに向かおうとしたその時。

 倒したはずの『アナザーシノビ』が何事もなかったかのように、万全の状態で起き上がったのだ。しかも正気に戻ることなく暴走したままで、こちらに攻撃をしかけてくる。

 いつもやっていた模擬戦では、やられると変身が解除されて元に戻るのにどうして!?……って考えても仕方がない、今度はこっちならどう?

 

 

【ビヨンド・ザ・タイム!】

 

 

 『ジカンデスピア』を放り投げ、ドライバーの『クランクインハンドル』を一度開き、再び閉じるという発動シークエンスを経て必殺技を発動させる。同時に四角の時計盤が『アナザーシノビ』の背後に投影される。そして『アナザーシノビ』に向けて駆け出し、途中でジャンプして空中回し蹴りの体勢に入る。さらに私の周囲を『キック』の文字が回っている。

 

 

【タイムエクスプロージョン!】

 

 

 必殺技が命中した『アナザーシノビ』は後ろの時計盤に当たって捕らわれ、そこで爆発した。

 だけど、やはり『アナザーシノビ』は再び起き上がる。後ろにいる二課の黒服たちも驚いているのがわかる。いったいどういう絡繰り!?

 

 

「ハハハハハ!」

 

 

 思案していると悪魔が『アナザーシノビ』の背後から笑いながら現れた。

 

 

「無駄だよ、仮面ライダーウォズ。『アナザーライダー』は同じライダーの力でしか完全には倒せない。つまり、君たちの誰も彼らを止められないのさ」

 

 

 その言葉にその場の誰もが耳を疑った。同じライダーというのがよくわからなかったが、仮にそれが本当ならば決して倒せない敵を相手にしていることになるからだ。

 

 

「さっさと諦めるがいい。私の目的はそこの立花 響をこの世から消すことだけなのだから」

 

「……だとしても!我が救世主は私が守りきってみせる!」

 

 

 再び『ジカンデスピア』を取り出し、『アナザーシノビ』と交戦の準備をする。『アナザービルド』と戦っていた風鳴 翼も私たちの方に後退してきた。

 

 

「貴方が何者かはわからないけど、お互いの敵は同じ模様。一時的に手を組まないかしら?

もちろん終わったら話を聞かせてもらいますが」

 

「……ああ。共闘の件は了解しよう。

我が救世主、貴女は下がっていて下さい。彼らの狙いは貴女なので」

 

 

 一先ず、三巴にならずに済んだことに安堵する。私は紛れもなく救世主の味方ではあるが、救世主や二課からすれば不審者であることには違いないからだ。

 

 手を組んだ私と風鳴 翼が二体の『アナザーライダー』との戦闘を再開する。だが手を組んだとは言え、連携等は取れるはずも無いので、これは実質的な不可侵条約だ。なのでお互いに先ほどまで戦っていた相手に集中することに。

 

 『ジカンデスピア』を構え、『アナザーシノビ』に向けて突き出す。何度か当たったところで『アナザーシノビ』が後ろ腰から抜いた短刀で受け止められる。

 そこから反撃とばかりに攻めてくる『アナザーシノビ』。こちらも『ジカンデスピア』で弾くように捌き、カウンターでの一撃を狙う。十数回武器を交錯させたのち、上手く短刀を弾き飛ばすことに成功。その瞬間に一気に攻勢に出る。

 だが、それは影に潜られることで避けられた。どこにいったかわからず周囲を警戒していたが、後ろから、右から、左から、様々な方向から現れては攻撃され、そしてまた消えるの繰り返しが行われる。

 何度も攻撃を一方的に受け、これ以上喰らうと不味い状態になったとき、事態は動いた。

 

 

「うおぉぉりゃあぁぁッ!!!」

 

『グオッ!?』

 

「我が救世主!?何を……」

 

 

 下がっていてと頼んだはずの救世主が突然突っ込んできて、『アナザーシノビ』を殴り飛ばしたのだ。

 

 

「だって、このままじゃウォズさんが危ないですから。私も手伝います!」

 

「だが、貴女は命を狙われて!」

 

「それでもです!私は困ってる人がいたら助けたい、ダメですか?」

 

 

 そう言って手を伸ばしてくる救世主。ああ、我が救世主……やはり貴女は……。

 

 

「それに、ウォズさんが私を守ってくれるんでしょう?」

 

「……ええ!」

 

 

 我が救世主から信頼され、更には力を借りられるならば百人力!そう思って伸ばされた救世主の手を掴んだその時、私の腕についているホルダーが光り出した。そこの一つに時計の紋様が浮かんだかと思えば、そこに『アナザーシノビ』とどこか似ている顔が描かれたウォッチが現れた。

 

 

【シノビ!】

 

 

「なんだと!?馬鹿な、今この時点では立花 響に()()()は存在しないはず……。何が起きている!?」

 

 

 このウォッチを見た悪魔は激しく狼狽え、何かを呟いている。

 

 

「くっ、『アナザービルド』!風鳴 翼は無視していい、お前も立花 響を……何!?」

 

 

 何やら風鳴 翼vs『アナザービルド』側でも何か予想外な事が起きているらしい。新たなウォッチを手に取りながらそちらを確認した。

 倒れている『アナザービルド』、呆然と立っている風鳴 翼、そして風鳴 翼を守るようにその二人の間に立つ『アナザーゴースト』。………え?『()()()()()()()()』!?

 

 ちょっと待って、今『アナザーライダー』は全て暴走状態で、あの悪魔の指揮下にあるはずだよね?だから『アナザーゴースト』も同じく指揮下にあるはず。なのになんで?

 

 

「『アナザーゴースト』、まさか君はあの悪魔の力の影響を受けていない……のか?」

 

 

 内心でものすごく動揺しながらも聞いてみた。悪魔に従っていないならその可能性が高い……というより、それしかないから。

 すると、『アナザーゴースト』は首を縦に一回、とても小さくだが振った。

 

 

「あり得ない……何故『アナザーゴースト』が自我を保っていられる!?あまりにも予想外が過ぎるぞ!」

 

 

 こちらにとっても予想外だが、どうやら天はこちらの味方をしているらしい。悪魔の狼狽えようから推測するに、おそらくこの『シノビミライドウォッチ』を使えば『アナザーシノビ』を倒せるのだろう。『ビルド』ウォッチが無いから今のところ倒せない『アナザービルド』は『アナザーゴースト』や風鳴 翼に足止めしてもらえばいい。

 

 

【シノビ!】

 

「行きましょう、我が救世主!お二人には『アナザービルド』を止めていて欲しい」

 

【アクション!】

 

 

 ドライバーの『マッピングスポット』の『ウォズミライドウォッチ』を『シノビミライドウォッチ』に付け替え、即座に『クランクインハンドル』を動かす。

 

 

【投影!】

 

 

 これまで『仮面ライダーウォズ』が写っていた『ミライドスコープ』に新たな姿が写しだされる。

 

 

【フューチャータイム!】

【ダレジャ?オレジャ!ニンジャ!】

【フューチャリングシノビ!シノビ!】

 

 

 仮面に書かれた水色の『ライダー』の文字が外れ、肩の『インストールショルダー』と胸の『エクスパンションバンドライナー』に新たな装備が追加される。

 肩は『シノビショルダー』、胸には『シノビシュリケン』が追加され、黒と緑だった『エクスパンションバンドライナー』が紫色へと変わっている。そして時計の長針と短針を模した頭部センサーは、手裏剣を模した物へと形が変化した。最後に仮面に紫色の『シノビ』の文字がついた。

 これが『仮面ライダーウォズ・フューチャリングシノビ』。これより私たちの逆転劇の始まりである!




ほとんど話進んでないかもしれないけど、きりがいいからとりあえずここまで。



ミライちゃんの容姿
通常(猫かぶり?)モード
黒縁伊達眼鏡装備の銀髪ロングで、かわいさは中の中~上くらいの女の子。身長は161cm。胸は慎ましい(AよりのB)。態度等も特に尖ったところのない、極一般的な高校一年生である。


黒ウォズモード
伊達眼鏡を外して黒のカツラを被って黒ウォズっぽい服を着ている姿。本性(?)をさらけ出している。声は変えていないので、よく聞いてさえいればミライちゃんだとわかるが、テンションや言動が通常モードと全然違うので意外と気付かれない。
我が救世主なのに黒ウォズなのは……うん、悪魔が白ウォズだからってだけです。


『アナザーゴースト』については次で書く予定です。

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