忍の円卓の鬼神と片羽の妖精   作:三本線

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才能と死神の片鱗

レイたちはあの木登りの後、サクモの火遁で火を起こすと料理をしていた。

実はレイは料理が得意である。彼女であるイチに教えるくらいには料理が得意なのである。

理由は「どうせ食うなら時間かけてでもうまいもん食うべきだ。たとえ任務中でも。」という彼のポリシーによるものである。

ゆえに彼は巻物に封印されたスパイスを取り出すと手際よく熊をさばきスパイスで臭みを消し焼いていくそして残りの肉は山菜と友に鍋で味をつけて煮込む。。魚のほうは単純に塩焼きだが鮮度抜群であるためおいしいであろう。

そして料理が完成する。さすがに5人で食うには多すぎたかと思った量だがミナトが見た目の割りにかなりの大食いであり、レイもまた大食いであるために熊と魚はすぐなくなった。

そしてそんな食事の後交替で見張りをすることになり就寝することになった。

そして翌朝

「よーみんなおはよう。」

とレイが声を掛けるとみなは既に準備を終えて朝飯を用意し始めていた。

昨日レイが取ってきた山菜を味をつけておにぎりにするようだ。

そしておにぎりが出来上がってみんなで朝飯を食べているとサクモが口を開く。

「レイ。今日はどうするんだ?」

「うーん・・・今日も円卓でもいいかなぁと思ってたんだけど昨日の小太郎からの話によると抜忍も死体もあんまりないみたいなんだよねぇ。だから今日からは3人1組で任務にでて一人はユキナに修行を付けるって方針でいこうかなぁと思ってる。」

とレイが言うとユキナは

「ぇ?!ほんとユキナ強くなれるの?!」と喜んでいるようだ。

それを見たイチとミナトも

「うん。私もそれでいいと思うよ。なによりユキナが嬉しそうだしね。」

「はい僕もそうおもいますレイさん」

と聞いたレイは

「よし。じゃぁ今日は俺がユキナに修行をつけるから3人で任務にいってくれ。あ・・一応小太郎を付けるからなにかあったらすぐ小太郎に言ってくれ。逆口寄せですぐそっちにいけるから。あ・・隊長はミナトで。」

と言うとミナトは頷くと「じゃぁいきますかサクモさんイチさん」と言って任務へでる。小太郎もそれに付いていく。

そして残されたユキナとレイはユキナに「じゃぁこれ返すから。」というとユキナに巻物から大鎌を取り出すとユキナに返す。ユキナは喜んでいるようだ。なんでもこの大鎌は父の形見らしい。それを聞いたレイは心の中で(氷の死神・・・噂できいたな。)と戦争を思い出していた。なんでも霧隠れに一騎当千の氷を使う忍がいるという噂だ。だがその忍は戦争が終るとかつて仲間だった忍達に殺された。

(勝手だな。勝てば英雄負ければ賊軍ってかかつての仲間だった忍を殺すなんて)

などと思っていたがいまはユキナの修行だと思い出し、ユキナに簡単な水遁の術と風遁の術を教えていく。

最初こそ印を結ぶのに手間取ったが天才なのか「水遁・水乱破の術」と「風遁・突破の術」を2時間ほどでマスターする。それをみたレイは今度は自分が凍遁の術を使い二匹の龍を出現させる。

「これは結構難しい技だから出来ないと思うけどユキナも氷が出せるはずだから使ってみようか。簡単にいうと水と風をあわせる感じで。」

というとユキナは目を閉じて集中する。するとユキナを中心に周囲の気温が下がる。そして氷で出来た鏡のようなものができあがる。それを見たユキナは

「お父さんとかお母さんが使ってたやつだ!」

「へぇってことは雪一族の秘伝忍術かもな。」

「これってすごい忍術なの?」

「あぁ多分使いこなせればすごい強い忍術なんだろう。今はまだわかんないけどな。」

などとしゃべるとレイが

「おっと忘れてた。ユキナは雷遁も使えるんだったな。じゃぁ雷遁も教えよう。」

というとユキナはまた1時間ほどで1個の忍術を使えるようになった。「雷遁・雷獣牙の術」である。サクモは二匹の獣を操るので雷獣追牙といっていたがユキナはまだ一匹しか出せない。

しかしたった3時間ほどで忍術を覚えるということは忍術の才はレイやハヤトにも引けを取らないであろう。まぁ彼らはユキナと同じ年齢の時点でもっと多くの技が使えていたがそれは彼らが第一次忍界大戦では傭兵として活躍した一族の子供であり、二人にとって戦いは間近であり殺さなければ殺される状況で生きてきたので当然といえば当然だ。

しかしユキナも間違いなく天才だ。なのでレイは今度はユキナに父の形見であるという鎌の使い方を教えることにした。

結果からいうと教えれることはなかった。というよりユキナが基本的なことはマスターしていたのだ。

あの小さい体であの鎌を振るうこと自体レイからすれば驚きだが3歳になったときから父に鎌の使い方を教えてもらっていたのであるという。そうなれば大鎌など敵として戦ったことはあるが自分が使ったことない武器を教えれないのは仕方のないことだ。

なのでまた忍術の修行に戻ろうかというところでミナトたちが帰ってきた。

なので今日の修行は終りということにした。

帰ってきたミナトとサクモがイノシシを背負っていたのでレイは腕がなるといいながら料理に集中する。そして料理が完成し夕飯を食べながらレイが口を開く。

「明日からはローテーションでユキナを見ていこう。明日はミナト 明後日はサクモさんで明々後日はイチ そしてまた俺っていう感じで。」

というとみんなは頷く。そしてユキナはレイ以外の人からなにを教えて貰えるんだろう!!と喜んでいた。

そして5人とも夕食を終えるとまた見張りを交替制として就寝する。

そしてそこから3日間ほど平和に修行と任務が終る。その間ユキナは実力をメキメキと伸ばしていく。

そして事件は4日目レイがユキナの修行を担当する日におきる。

なんと小太郎が大規模な忍の匂いを見つけたのだ。数は恐らく15~20。優秀な感知タイプがいるのかこちらの存在も知られていると小太郎が申し訳なさそうにいう。

それを聞いたレイは神妙な顔で考える。

(奇襲は無理そうだな。優秀な感知タイプがいると小太郎がいっているし。ミナト・サクモさん俺で速攻で片付けたいが・・・そうなるとイチとユキナしか残らない。小太郎と俺の影分身をつけて置くからよっぽどのことがないと大丈夫だと思うが・・・)

などと考えて全員に命令する。

「俺とミナト・サクモさんの3人で速攻で決める。その間ユキナとイチには俺の影分身と小太郎を付ける。小太郎、なんかあったら速攻で俺を逆口寄せしろ。」

頷く小太郎と少し心配そうなユキナ それと覚悟を決めるイチ達

「イチなんかあったら交戦せずにユキナを連れて逃げろ。あいつらの目的はユキナだ。」

「わかってるわレイ。それにあたしも一応中忍よ。それなりには戦えるわ。さすがにあんたやサクモさんミナト君には敵わないけど。」

それをみたレイはそうだなと軽く笑うと真剣な表情になり口寄せの術で一匹の赤い巨狼を呼び出す。

「久しぶりだなレイ。俺を呼び出すのは・・・」

「あぁ・・武蔵今回はちと速攻で終らせたいからな。」

と会話をする巨狼とレイ 巨狼のほうは赤い体毛に自らの力を縛るような鎖を体に巻いておりまるで地獄の番犬のような身体をしている。

それをみるミナトとサクモに向ってレイは

「じゃいきますかサクモさんミナト」といって武蔵と呼ばれた巨狼に乗り走っていく。

それに遅れんとするミナトとサクモ。

そしてその3人と一匹がいなくなってから事件はおこった。

「鬼神と白い牙はいなくなったぞ・・・今がチャンスだ。」

「あぁ・・・それに金髪のやつもいねぇ」

 

レイたちがいなくなってから5分ほどだろうか当たりに霧が立ちこめイチとレイの分身がクナイを持ちユキナを守るように辺りを警戒すると小太郎も敵の存在を感知する。

「イチさん下です!!」と小太郎がいうやいなやレイの分身が何者かに水牢の術で拘束されイチは地面からの強襲に対応できず攻撃をくらってしまった。

レイの影分身が消されず拘束されたのは影分身が消えれば分身の経験が本体に分かってしまうということを相手がしっているがためだった。

それに一瞬気を取られたのを見逃さずイチに攻撃を与えた忍はかなりの手練れであり、油断できないとイチは気を引き締める。だがそこに今まで姿を現さなかった水牢の術の使い手が水分身を使いイチに襲いかかる。イチはもともと後方支援が得意な忍であり近接は苦手である。そんなイチが影分身とはいえレイを捕らえた相手と一瞬の隙を見逃さない手練れ二人相手に敵うはずもなく呆気なく敗北し、いままさに敵がイチに止めをササンとするところだった。

そんなイチをみたユキナが二人の敵に襲いかかるのは小太郎がレイを逆口寄せするのと同時だった。

 

敵を一瞬で片付け二人の元に戻ろうとした3人だがレイが忽然と姿を消す。逆口寄せの術だ。

それを察したサクモはなにかあったのかと走る速度を上げミナトは予めイチに渡してあったクナイに向け飛雷神の術で飛ぶ。

そして一瞬で戻ったミナトとレイがみたのは血に彩られた大鎌と足元にしにかけの男二人を携えトドメをささんとする目に光が失われた少女ユキナの姿だった。

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