俺は、アリス・シンセシス・サーティを愛している!!!   作:アリスみたいなヒロイン好き

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アリスがかわいくて我慢できなかった。
衝動書きですよ!!

今更ですけどね…


一話 一目惚れしたら血涙が出た

 アンダーワールドの人界と暗黒界……その境界線の一つ東大門。

 

 そこよりもわずかに暗黒界側よりの部分にその者はいた。

 

 青色と銀色が中心な鎧を身にまとい、手に持つは人々の想いを元に生み出されし黄金に輝く神器の剣。

 

 誰もが一目で騎士とわかる10代後半の青年ではあったがその周囲は地獄絵図だった。

 

 その騎士の周囲にはただただ、死体があった。

 

 人型の死体、亜人の死体など差異はあれど、その全ては騎士の手によって葬られ天命の尽きた暗黒界の戦士たち。

 

 その数は何千とはくだらないのにも関わらず、その中心で騎士は無傷で立っていた。

 

 鎧や剣に血はついていてもそれらは全て敵の返り血……この地獄とも呼べる異様な光景はその騎士の手によって作られたのだった。

 

 黒髪に染みついた血を見てわずかに眉を曲げながらもそれ以外の感情は表情に出さず、剣についた血を払う為に一振りしたところ彼の頭上で龍の鳴き声が響く。

 

 青年が頭上に顔を向けると、一匹の飛竜が彼の近くに着地した。

 

 「デュソルバートさんか」

 

 その飛竜に彼は見覚えがあった。

 

 こんな最前線に来るものなど限られているからだ。

 

 見覚えのある飛竜から予想通りの男が下りてくる。

 青年の周囲の様子を見ても表情を変えず、

 

 「相も変わらずバカげているな……」

 

 「そんなことを言う為に態々俺のところに?ついに俺と同じ持ち場になりましたか?」

 

 先ほどまでの無表情の顔が嘘かのように表情を崩し軽口をたたく青年に「そんなわけがなかろう」と仏頂面を変えず男は答えた。

 

 「ベルクーリ・シンセシス・ワンから首都に召集命令だ。セントラル・カセドラルに帰還しろ」

 

 「……何か緊急の事態でも?」

 

 その命令に青年は警戒を露わにする。

 というのも青年は最高司祭であるアドミニストレータから直々に境界線の守備を任されている。

 

 その任務を停止してまで帰還しろともなれば考えられる理由は二つ。

 

 非常事態による警戒、もしくは──

 

 「……いや、そちらではない」

 

 「では、新たに整合騎士が選ばれたのか」

 

 そう、整合騎士が新たに選ばれたかだ。

 

 青年の所属する公理教会の中でも最強の騎士たち、それが整合騎士。

 

 メンバーの選定方法など詳しいことまでは知らないものの、全員で30人にも満たない。

 彼らは少数精鋭でありメンバーの増加などは滅多に行われなかった。

 

 その為、新しい整合騎士が選ばれた場合、顔合わせのために彼は帰還することを許されていた。

 

 「そういうことだ。……以上がベルクーリ・シンセシス・ワンからの命令だ。()()()()()()()()()()()()

 

 「了承したよ」

 

 そう言ってレイジは、籠手を外し指でピィーと音を鳴らす。

 少しすると東大門より、赤色の鱗に包まれた飛竜が飛んできた。

 レイジの近くに着陸すると飛竜は彼の黒髪にこびりついた血に気にする様子もなく頬釣りしてくる。

 

 「悪いなペンドラゴン。久しぶりに首都まで頼む」

 

 その願いに応えるかの如く、ペンドラゴンと呼ばれた飛竜は大きく鳴く。

 その動きにレイジは微笑み、飛竜の背中に飛び乗る。

 すると飛竜はそのまま首都に向かって飛び出した。

 

 その様子を最後まで見届け、彼らの後に続くかのようにデュソルバートとその相棒も後に続いた。

 

 

 

**************

 

 

 

 「やれやれ…一体十数年ぶりの帰還だろうな?」

 

 相棒のペンドラゴンを飛竜発着場に待たせてベルクーリ・シンセシス・ワン……俺は団長と呼んでいる人物の元に向かっていた。

 

 俺は、大体数十年前に整合騎士に選ばれた。

 それ以前の記憶はなく、整合騎士に必要なイロハを教わっていた時に少々やらかして以来俺は東大門でずっと勤務している。

 

 「必要な仕事とはいえ、いい加減交代してほしいよ……あーでもあいつらと関わるのは嫌だ」

 

 何十年も同じところに勤務し続ければ誰だって飽きる。

 だが、どういうわけか整合騎士に選ばれるのは性格に一癖二癖もある連中ばかりだった。

 まともなのな人なんて片手に数えるだけだ。

 そんな連中と交流を持つか、敵さえ倒していれば静かな最前線。

 ……悩みどころである。

 

 「今回の奴はまともだといいな~……無駄な期待か」

 

 そう呟きしばらく歩くとようやく団長の待つ部屋にたどり着く。

 

 扉をノックし、「レイジ・シンセシス・ゼロ、帰還しました」と告げると扉の奥から

 団長の声が帰ってきた。

 

 「おお、来たか。よし入れ」

 

 団長から許可が下りると、目の前の扉を開ける。

 

 視線を中に向けるとそこには懐かしい団長の姿とその横に見覚えのない黄金の鎧を身にまとった外見上俺よりも歳がわずかに下の女性がたたずんでいた。

 

 「アリス、こいつがレイジ・シンセシス・ゼロだ。」

 

 「お前がレイジ・シンセシス・ゼロですか……私はアリス・シンセシス・サーティです。」

 

 そう言ってアリス・シンセシス・サーティと名乗った彼女はこちらを正面から見てきた。

 

 その瞬間、俺の中に電流が走った。

 

 「………」

 

 「……?おい、レイジどうした」

 

 いや、なにこれ?

 なんか動悸が激しい。

 彼女…アリスに見られているだけで顔の熱が上がるのがわかる。

 というか、俺任務から帰ってきて速攻で来たせいで髪洗ってなくね?

 

 ……なぜ風呂に入ってから来なかった!!

 少し前の自分を殴りたい。

 

 「おーい?……いや、マジでどうしたんだ?悪いな嬢ちゃん。普段はもう少し愛嬌があるんだが……」

 

 なんか団長が呼んでいる気がするがどうでもいい。

 いや、本当に何なんだろう?

 

 戦闘の勝利にある余韻とも違う。

 何かを達成した時の達成感でもない。

 

 けれど、彼女を見ているだけで自分の中の何かが満たされる。

 同時にもどかしい気持ちにもなる。

 

 「いえ、大丈夫です小父様。……レイジ殿大丈夫ですか?」

 

 まったく微動だにしない俺の様子を心配してかアリスがこちらに歩み寄ってくる。

 だが、その一歩一歩近づいてくるだけでそれだけ俺の中の動機は激しくなる。

 

 とうとう手を伸ばせば届く距離に来ると心配そうな顔をしてアリスはこちらに手を伸ばす。

 その全ての動作が愛おしく感じてようやく俺は悟った。

 

 「……ああ、そうだったんだ」

 

 「えっ?」

 

 出された手を両手で優しく包み俺は精一杯の笑顔を作りながら自分の気持ちを言葉にした。

 

 「君に恋をした」

 

 「………えっ?」

 

 「………はぁ?」

 

 俺が言った言葉の意味が分からないのか首傾げアリスは疑問の声を上げる。

 ああ、ダメだ。

 そんなたわいもない動作ですら愛おしく思える。

 団長?知らん。

 

 「ああ、全く恥ずかしいんだけどな……一目惚れというやつだよ。月が綺麗ですねとかうまい言い回しが言えたらいいんだが……こうして向かい合っているだけで胸が高鳴って言葉に詰まるんだ。だから、素直に言わせてくれ。君が好きだ」

 

 「えっ、あっ、お、叔父様!?」

 

 突然の告白にアリスは顔を赤くし慌てて団長に助けを求める。

 

 「いや、えっ?レ、レイジ。そういうのは段階を踏むべき……」

 

 いや、無理。

 アリスの慌てように少々申し訳なく思うがこの気持ちを抑えておくことはできなかった。

 何処か既視感を覚えるこの他者を愛おしく思う気持ちに、嘘はつけない。

 

 彼女の為なら、俺は()()()()だろうが神様だろうが敵に回せるだろう。

 

 そう思った瞬間、突如右目に痛みが走り頬を何かが伝う。

 アリスの手を包んでいた手を放し右手で痛みの走った目元に手を当てるとそこには血がついていた。

 

 「なっ!?」

 「おい、レイジ!!考えるのやめろ!!」

 

 敵の乾いた返り血などではなく正真正銘、俺自身から流れ出たであろう血が。

 周囲の慌てた声が何処か遠くに聞こえ、だんだんと頭への痛みが増加していく。

 終いには右目に奇妙な文字の列が走る。

 

 ()S()Y()S()T()E()M() ()A()L()E()R()T():()C()O()D()E() ()8()7()1()

 

 この文字の意味は分からないがこれが何なのかだけはわかった。

 これは俺の彼女を思う気持ちを否定するものだ。

 本能がそう叫ぶ。

 

 そんな考えを持つなと、何も考えるなとその目の文字から伝わる。

 

 

 

 ………ふざけるなよ?

 人を愛することが罪だとでも?

 彼女を守りたいと思うことが間違っていると?

 

 知ったことか!!

 それが罪だというのなら喜んで背負ってやる!!

 

 そして何度でも言おう、俺はアリスを守る為なら世界のすべてを敵に回せる!!!!

 

 俺は────

 

 「俺は、アリス・シンセシス・サーティを愛している!!!」

 

 その決意にも見た宣言と同時に右目が限界を迎えたのか吹き飛び血が飛びちる。

 俺の血で彼女を汚さないようにと左手で壁を作るがたいして意味はなく、彼女の綺麗な金髪と黄金の鎧に飛びついてしまった。

 

 「──すまない、俺の血で君を汚してしまった」

 

 「……えっ?あっ……それよりもお前の右目が」

 

 「アリスの姿が綺麗すぎて見るのが耐えられなかったんだ。まったく団長たちは耐えているのに情けない」

 

 少しでも彼女の心配を和らげようと言い訳をするが駄目だな。

 こちらを心配そうな表情で見てくる姿は変わりなく、俺は助けを求めるかのように団長の方へと視線を向ける。

 

 「………と、とりあえず目の治療してこい」

 

 正直きつかったんで助かります。

 まあ、アリスを思えばいくらでも耐えられるが。

 

 「そうですね。すまないがまた後で」

 

 「……とりあえずこれで拭きなさい。そのまま出歩くのはまずいでしょう」

 

 団長に促され出ていこうとする俺に、アリスは手巾を手渡してくる。

 それ見つめて一言、

 

 「洗って、高級菓子のセットをつけて返すな」

 

 「いや、普通に洗うだけでいいですから!?」

 

 だって俺からしたら高級品の手布よりも価値あるし。

 

 そんなやり取りをしながら俺は団長の部屋を一旦後にした。

 

 




小父(右眼の封印は愛で破る物なのか?)

??「違うわよ!!」



物語はアリスが整合騎士になり番号を与えられた後なので15歳から。


アリスヒロインのオリ主物もっと増えて。
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