俺は、アリス・シンセシス・サーティを愛している!!!   作:アリスみたいなヒロイン好き

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 ええ、はい皆様のおかげでこのようなことになりました(震え声)

 少しでもこの期待に応えられるよう頑張りたいと思います。

 それでは、お気に入り登録してくれた370人もの方々、感想をくれたlonriumさん、粉みかんさん、評価してくれた9人もの方ありがとうございました。
 とても励みになります。
 
 これからも頑張っていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。

 それではどうぞ。


四話 勉強に甘いお菓子は必須だと思う。

 

 セントラル=カセドラルにかつて存在した大図書館より見劣るものの、ある程度の本が立ち並ぶ図書室。

 そこに、俺とアリスはいた。

 

 「それが終われば次はこの本です」

 

 そう言ってアリスは俺の前に、ものすごく分厚い本を置く。

 その際、ドスンと音が鳴るのだからもう重さも相当なんだろう。

 ……整合騎士とは言え女なのにアリス、あの細腕でよく持てるな。

 

 「変なことを考えてませんか?」

 

 流石に勘が鋭い。

 

 「……い、いや、その細腕でよく持てるなーと」

 

 「……今回は見逃しましょう」

 

 ジト目で言うアリス。

 アッハイ、次はないんですね。

 それにしても───

 

 「……ところで、あとど位続くのこれ?」

 

 「まだまだありますよ。公理教会の歴史、神聖術の種類、人界と暗黒界について……一日の勉強できる量から逆算して数ヵ月は図書室通いです」

 

 「……マジか」

 

 なぜ、俺たちが数ヵ月も図書室通いになるかといえば勉強のため。

 それが現在の俺の仕事であり、勉強を教える立場にあるのがアリスだからである。

 

**************

 

 「おーし、親睦を深めたところで坊主に仕事を割り振ってやる」

 

 模擬戦が終わり、雑談も切りがいいところで団長がそう告げてくる。

 

 ……そういや、元々その為に模擬戦したんだった。アリスとの雑談が楽しくて完全に忘れてた。

 

 「……そうでしたね。それで叔父様、彼に何の仕事を?」

 

 「ああ、軽い仕事って言ってたからな。というわけで坊主の仕事だが……勉強だ」

 

 「「えっ?」」

 

 あのー団長?今、勉強とか聞こえたんだけど……

 

 「……叔父様今、勉強といいませんでしたか?」

 

 あー、アリスにもそう聞こえたのね。気のせいかなーと思ったんだけどこれって……

 

 「言ったぞ。嬢ちゃん、さっきの会話で薄々勘づいているだろうが、坊主が無知すぎるとは思わなかったか?」

 

 「まあ、確かに。流石にこの地が創世神ステイシアによって与えられた、始まり地であることを知らないのはどうかと思いましたが……まさか」

 

 「ああ、嬢ちゃんの予想通りだ」

 

 アリスが少し考えた後、何か思い至ったのか俺の方を見る。その様子を見て、アリスは考えこむ姿も絵になるなーと現実逃避する。団長も見つめてくるが、野郎に見つめられてもうれしくないです。

 

 「……まともに整合騎士としての教育を終えてないのですか?」

 

 「まともも何も、最低限の戦闘技術を教わったら即、東の大門勤務だよ。暗黒界の事とか最低限は教わったけどその位だ。神聖術も模擬戦とかで見たの真似してる独学だし」

 

 「……さらっと、とんでもないことを言っていませんか?ですが、それでは仕方がないですね」

 

 なんか、アリスが額に手を当ててため息を吐く。そこまで変なことを言っている気はしないのだが……

 

 「まあ、そういうわけだ。ちょうどいい機会だし常識を学んどけ。でだ、嬢ちゃんはコイツに色々教えてやれ」

 

 「なぜ私が!?」

 

 「まあ、負けた罰みたいなもんだ。それに、空いた時間に模擬戦すれば嬢ちゃんにもいい経験になる。神聖術の知識はともかく技術なら坊主の方が上だぞ」

 

 「なっ」

 

 団長の発言に驚いたのかアリスはこちらを見てくる。けど、扱い方がうまいというかそうならざるを得ない事情があったのだ。神聖術を発動するには空間リソースが必要になる。だが、その為の空間リソースが暗黒界だと乏しいのだ。結果、いかに乏しいリソースを活用するのかが重要になる。まともに教わっていない俺が神聖術の技術がある理由だ。……まあ、技術があってもまともに扱える神聖術が少ないので生かす機会なんてほとんどないがな!!

 

 「……暗黒界で数十年も戦えばいやでも身につくよ」

 

 「……できれば、経験したくないですね」

 

 そうだな。できれば日帰りが望ましいよ。

 

 

**************

 

 そいうわけで、俺は数十年前に本来やるべき勉強を仕事として与えられて、図書室通いである。アリスと二人きりであるが、予想していた通りアリスは厳しい。少しの怠慢も許してくれない。少しでも目が泳げば、顔の横に氷が飛んでくる。当たると天命が減るほどではないが痛い。

 

 「……ハァ。お前はもう少し真面目に取り組んだらどうですか?」

 

 いやだって

 

 「普通、好きな人と二人っきりでしかも目の前にいるのだったら、目が追っちゃうって」

 

 「……言っておきますが、私はお前に特別な感情なんて抱いていませんよ」

 

 うん、知ってる。

 

 「そりゃあ、そうだろう。一目惚れしたのは、俺が一方的にだし」

 

 むしろ、自分に一目惚れしてると知っていて普通に接してくれるアリス。それだけで、十分嬉しいのだ。正直、迷惑に思って距離を置かれても文句言えないと思う。それを考えれば、アリスは十分優しいのだろう。

 

 「……なんというか本当にお前と話していると調子が狂いますね。一目惚れしたとか言う割に、手合わせでは手加減しませんでしたが……てっきりそれを理由に手を抜くかと思いましたよ」

 

 「ああ、うん。本音を言えば女と斬り合うのは好きじゃないよ。でも、それを理由に手を抜いたりとかは相手に失礼だろ?アリスもそう言うの嫌いだろうし」

 

 そう。剣を持って戦う以上覚悟を持ってそこにいるのだ。なのに惚れた相手だからとか、性別がとかを理由に戦いで手を抜くのは失礼だ。アリスも性格上そういうのは好きではないだろうし。前に、あの人と戦った時にも似たようなことを言った覚えがある。

 

 「ええ、当たり前です。……それにしても私"も"ですか。誰と比較してるんですか?」

 

 誰って───

 

 「ファナティオさんだよ。知っているだろ?」

 

 「……彼女ですか」 

 

 ファナティオさんの名前を出すと、アリスは少し顔を曇らせる。

 その意外な反応に、俺は驚いた。

 あの人、割といい人だが……

 

 「もしかして、アリスってファナティオさんと仲悪いのか?」

 

 俺の発言に、アリスは少し気まずそうに視線を横にずらす。

 

 「……別に、仲が悪いというわけではありません。ただ、馬が合わないといいますか……一緒にいると空気が緊迫するといいますか」

 

 「……それ世間一般で仲が悪いって言わないか?」

 

 「………」

 

 あっ、図星なのか完全にそっぽ向いた。

 

 「いや、なんでそんなに仲悪いんだよ。普通にいい人だと思うけど……」

 

 「……貴方には関係ないでしょう」

 

 「いや、仲間同士で険悪とか普通に関係あると思うのだが……」

 

 「くっ……」

 

 アリス自身もまずいとは思っているのか、俺の発言に反論はしてこなかった。正直、二人とも性格似たようなものだから険悪になる理由がわからないのだが……

 

 「───勝てないからです」

 

 「……へっ?」

 

 「勝てないからです!!ファナティオ殿の女らしさに!!」

 

 「……」

 

 いや、えっ?アリスからのファナティオさんと仲悪い理由そこ!?

 

 「もういいでしょう!!私は──」

 

 「いや、なんで!?女らしさってどこが負けてるのさ!」

 

 確かにファナティオさんは美人だが、俺にはどう見てもアリスの方が魅力的なのだが……

 俺の疑問の声に、アリスは表情を暗くして躊躇いながら答えた。

 

 「……彼女は、私と違って料理もできますし、普段は仮面で隠していますが化粧もしています。仕草の端々からも女らしさが見えます。それに比べて私は……」

 

 「……俺からしたらアリスの方がずっと魅力的なんだが」

 

 「っ、お世辞は「本気で言ってるんだけど?」──えっ」

 

 

 いや、何を当たり前のことを疑うのだ。

 

 「アリスは綺麗だし、優しいし、努力家だろ。才能があるって言っても、ここまで多くの種類の神聖術色んな方法でを扱えるのがその証拠だ。一方的に告白した俺にも普通に接してくれるし……正直迷惑に思って距離を置れても、俺は文句は言えんぞ?この前も、模擬戦後に《金木犀の剣》を木の姿にして、天命を回復させている時に見上げた表情とか見とれるくらい綺麗だったし……」

 

 「も、もう、分かりましたから!!や、止めてください!!」

 

 アリスが顔を真っ赤にして俺の口を手で塞いでくる。多分、聞いているのが堪えられなかったのだろう。正直、全部事実なんだしまだ言いたい良い所あるんだが……一旦ここまでにしておこう。首を縦に振って了承したことを伝えるとようやく離してくれた。

 

 「……まあ、俺が言いたいのは、アリスはそのままでも十分女らしいよ。自分を卑下する必要はない」

 

 「うっ、ですが……」

 

 俺の発言が恥ずかしかったからか、こっちを見ずにまだ赤い顔をそらして反論しようとする。

 正直、男ではわからない感性の部分もあるのだろう。ただ、ファナティオさん確かに美人だと思う。もしも二人に明確な差があるのであれば、それは──

 

 「……もしも、差があるとしたら恋をしているかどうかじゃないか」

 

 「──えっ?」

 

 「だから、恋をした好きな人がいるかどうかって話だよ。アリスにいるのか?」

 

 「いえ、いませんが……って、彼女が!?」

 

 俺は恋をしている相手がいないという発言に少しのショックと安堵を覚えた。さっき、俺に対して特別に思っていないと言われたのに恋をしているとか言われたら普通に失恋だ。当分ショックで引き籠るぞ俺。というかだ…

 

 「知らなかったのか?あの人、団長に恋い焦がれてる真っ最中だ。聞いた話だと……ざっと100年以上だったかな?」

 

 「そ、そうなのですか?か、彼女が叔父様に……全然知りませんでした」

 

 アリスは、ファナティオさんが団長に片思いをしているという事実に困惑していた。ここ数年団長の元にいたのに知らなかったのか。というかこれ、ファナティオさん側からアリスへの険悪な理由分かったわ。

 

 「……多分、ファナティオさんはアリスに嫉妬してるんじゃないのか?」

 

 「──えっ?彼女が私に……なぜです?」

 

 「あの人、ずっと兜被ってるだろう?あれって、昔戦った相手がことごとくファナティオさんが女って理由で手加減され続けたのが理由なんだ。だから、あの人は自分の素顔をさらすのにコンプレックスがあるんだよ」

 

 「それは……」

 

 アリスも思うところがあるのか表情が暗くなる。本気で剣を振るっている者からしたら、特に女性からすれば性別を理由にされるのは、最大の侮蔑なんだろう。ファナティオさんもこの話をしてくれた時にはあまりいい顔はしていなかった。まあ、だからって無遠慮にボコボコにするのは違うだろうが。

 

 「逆にアリスは別に顔を隠さず堂々と戦うだろ?多分その辺じゃないか、あの人がアリスを快く思ってない理由は。後ついでに団長に懐いてるし」

 

 「叔父様のことは、尊敬していつか超えたい目標だとしか……」

 

 「アリスはそう思っていても、向こうはそう思ってないんだろう。もしくは頭でわかっていても、感情が否定しているかかな」

 

 正直この辺は全部憶測だ。何せ俺は二人の険悪な現場に居合わせたことがない。ただ少し、ファナティオさんのことを知っている身でアリスから話を聞いたらそう思えただけだ。ただ、そう的外れな考えでもないだろう。

 

 「一度腹を割って話してみたらどうだ?もしくは、気を使って団長とファナティオさんが二人っきりになれるようにするとかさ。アリスだってファナティオさんと険悪でいたいわけじゃないんだろう?」

 

 「………そうですね。今度、話してみます」

 

 少し間が開いたものの、アリスはうなずいた。ファナティオさんの知らない一面を知ったからか少しだけ関係の改善に、前向きになった見たいだった。

 

 「……ああ、そうするといいよ。多分、二人はそんなに相性は悪くないと思うし」

 

 「だといいのですが。……少ししゃべり過ぎましたね」 

 

 そういうアリスは時計を横目に見ながら言う。確かに、思ったよりも会話で時間がたってしまった。

 

 「もういっそ、今日はここまでにしないか?ここから勉強する気にもなれないし」

 

 「……まあ、そうですね。今日はもういいでしょう。どうしますか?このまま手合わせでも?」

 

 「あーそれもいいけど少し腹に何か入れないか?昨日、買ってきた菓子があるし勉強後にちょうどいいだろ」

 

 「そうです──待ちなさい!!買ってきたとはどういうことです!?」

 

  えっ、いやどういうことも何も─

 

 「普通に姿を隠して町に降りて買いに行っただけなんだが……」

 

 「お前は何をしているんですか!?」

 

 この後、一時間ほど延々と整合騎士としての心得とか規則を聞かされた。いや、破らずグレーゾーン走っただけなんだが……というかアリスも案外行きたいのだろうか。アリスの所々にそんな雰囲気が感じされた。今度誘ってみるか。

 




 次回はちょっと古戦場などがあるので少し遅れるかもしれません。
 多分次は一緒に街にでも行くと思います。
 長いと分割ですかね。

 それではまた次回
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