ユイの学園生活   作:夏生

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閑話 クラスの反応

「今日、このクラスに転校生が来るらしいぜ」

 

 目の前の友達が興奮したように言った。

 クラスのみんなもこの言葉に反応して、話題が転校生の話題になった。

 当然、最初に出る疑問は転校生が男子なのか女子なのか。

 男子側は、新しい友達が増えるということで男子を希望し、女子も同じ理由で女子を希望していた。

 中には異性がいいという反応もあったが、どちらかといえば少数だ。

 ちなみに俺はどっちでもいい。

 むしろ俺は、転校生が来ることで嫌な気持ちになった。

 今までこのクラスのメンバーで日常を過ごしてきたのに、一人加わることで、日常が変化してしまう嫌悪感と言ったらいいのだろうか。

 友達と遊んでる時に、後から予定外の参加者によって遊びのルールを改めないといけなくなり、シラケてしまう感覚や熱が冷める感覚、もしくは仕切り直しに近い感覚だ。

 転校生が嫌いだとかそいういうことではない。なんで他のクラスではなくこのクラスなんだ。

 新しく変化することがなんとなく気に入らない。

 

  

 ───と、そんなくだらない事を思っていた時期が俺にもありました。

 

「今日は新しいクラスの仲間を紹介します───」

 

 担任の先生がそう言った時、先生の後ろに付いてきていた転校生を見た。

 黒い髪のロングヘア……それもかなり長い。どうやら女子のようだ。

 整った顔に、パッチリとした目……正直言って、めちゃくちゃ可愛い!

 

「今日からこの学校に通うことになった”桐ヶ谷ユイ”です。よろしくお願いします」

 

 さらに鈴の音のような澄んだ綺麗な声に、俺はもう心が奪われていた。

 生まれて初めての一目惚れだった。っていうか初恋というやつかもしれない。

 幼稚園の時に可愛いと言われてたあの子とか、今男子に人気のあの子とか、この桐ヶ谷さんに比べたら大した事ない。

 もう、芸能人ですか? ってレベル。

 その桐ヶ谷さんが俺の隣の席に座った。

 え、どうしよう……何言えばいい?

 

「よろしくお願いします」

 

 そう考えてるうちに桐ヶ谷さんから挨拶してきた。

 す、すぐに返事しなきゃ……

 

「あ……うん」

 

 俺はバカか! あ……うん、ってなんだ!

 

「どうかしましたか?」

 

 俺の様子が変だと思ったのか、桐ヶ谷さんが不思議そうに見つめてくる。

 あぁ、めちゃくちゃ可愛い……ずっと顔を見てたい……

 だが、今の俺の気持ちを知られたくないので、なんとかやりすごそう。

 

「い、いや……なんでもない」

 

 だから俺はもっとうまく何か言えないのかよ!

 ってか顔熱い! ぜったい今、顔赤くなってる!

 

「そうですか……」

 

 桐ヶ谷さんが、俺から視線を外して先生の方を向いた。

 正直、助かった気持ちと、残念な気持ちが入り混じる。

 けど、しばらくは席が隣なのはラッキーだ。話す機会はいくらでもある。

 

 

───と、思っていた時期が俺にもありました。二度目だけど。

 

 休み時間になっても女子達に囲まれて話しかけられない。

 俺が邪魔者みたいな扱いを受ける。

 ってか、ここ俺の席なんだけど?

 仕方なく席から離れて女子に囲まれた桐ヶ谷さんを見た。

 

「転校生は女子だったか……ちぇ、男子だったらよかったのに」

 

 俺の友達は男子希望だったようだ。

 

「転校生、すごく人気だな……」

「珍しいし、仕方ないんじゃね?」

「桐ヶ谷さん、かわいいよな……」

 

 なに!? 早くもライバル登場か!?

 けど、俺も桐ヶ谷さんは可愛いと思う!

 

「なんだよお前。もしかして好きになっちゃったのかよ?」

「バッ、バッカ! そんなんじゃねぇし! 全然好きになんてなってねぇし!」

「え……お前分かりやすすぎじゃね?」

 

 あっぶねぇ! コイツみたいに言わなくてよかった……!

 好きとか言ったら俺もイジられるかもしれないし、他の人には黙っとこう……。

 

 

 算数の授業が始まった。得意教科なので、わからないところがあれば教えてあげてやらなくもない。

 桐ヶ谷さんの様子を見てみると、周りをきょろきょろと見ていた。

 何かわからない問題でもあったのだろうか?

 そう思ってノートを見てみると、すでに全問解き終わってた。

 ってか字、めっちゃ綺麗。お手本みたい。

 先生に問題を当てられても、考える素振りもなくすぐに解いてしまう。

 残り時間は、プリントが配られて、その問題を解くことになった。

 終わらなかったら宿題らしい。おれは必死に問題に取り組んだ。

 

 チャイムが鳴って授業が終わった。

 プリントの問題は終わらなかったが、クラスの中でも算数が得意な方の俺が終わってないからクラスのみんなも終わってないだろう。

 桐ヶ谷さんはどうなんだろう? チラッとプリント見てみると、すでに全問解き終わってた。

 え? 桐ヶ谷さん、すごく頭いいの?

 桐ヶ谷さんは前の席の鈴川と話していて、この休み時間は学校を見て回るらしい。 

 

「遊びに行こうぜ!」

 

 桐ヶ谷さんが気になるが、友達に気持ちを知られたくなくて、友達と一緒に外に遊びに行く。

 俺も学校を案内したかったなぁ……。

 

 

 

「今日、このクラスに転校生が来るらしいぜ」

 

 いつもバカな会話してる男子達だけど、今日は違った。

 転校生が来るの? このクラスに? 

 男子かな? 女子かな? どんな人だろう……。

 教室のみんなも似たような話をしている。

 かっこいい男の子とかも魅力的だけど、個人的には女子がいいな。

 

「今日は新しいクラスの仲間を紹介します───」 

 

 教室に入ってきた子は女の子だった。ってか、めっちゃかわいい!

 黒髪で髪が腰くらまであるロングヘア。お人形さんみたいに綺麗な子。

 

「今日からこの学校に通うことになった”桐ヶ谷ユイ”です。よろしくお願いします」

 

 桐ヶ谷ユイちゃん……声もめっちゃ可愛い。

 絶対お友達になろう!

 

 クラスの女子のみんなも私と同じこと思ってたらしい。

 朝の会が終わるとみんなが集まってきた。

 ユイちゃんすごく困ってるなぁ……そんなユイちゃんも可愛いけど。

 ま、後ろの席だし、話す機会は他にもあるでしょ。

 

 

 算数の授業が始まった。算数はすごく苦手。

 計算がすごく面倒くさい。そう思ってる女子は意外と多い。

 ユイちゃんが先生に問題を当てられた。

 可哀想……頑張って!

 ……あれ? ユイちゃん、問題解くのすごく早くない?

 もしかして、算数得意なのかな?

 プリントが配られた。解き終わらなければ残りは宿題らしい。

 残り時間少ないし、絶対終わらない。

 後ろをチラッと見てみると、え!? もう解き終わってる!

 ユイちゃんにニコッと笑われた。笑顔めっちゃ可愛い……ってそんな場合じゃない!

 さっき配られたのにもう終わったの?

 このクラスで算数が得意な男子もまだ解いてるのに?

 チャイムが鳴ってユイちゃんに話しかけた。

 

「ユイちゃん、頭いいんだね! あっ、前の学校ではもうやった内容だったの?」

「元々計算は得意なんです」

 

 計算が得意なのか。頭いいんだなぁ。

 

「いいなぁ。私、計算苦手なんだー」

「そうなんですね。えっと……お名前を聞いてもいいですか?」

 

 あ、そっか。まだ私の名前知らないのか。

 

鈴川 早希(すずかわ さき)よ。ユイちゃんはこのあとどうするの?」

 

 できればこの休み時間に仲良くなっておきたい!

 

「私は、この休み時間に校内を見て回ろうかと」

 

 私も行こう!

 

「じゃあ私が案内してあげる!」

「ほんとですか!? お願いします!」

 

 すっごい喜んでくれた。あぁ、いい子。それに笑顔めっちゃ可愛いなぁ……もう可愛いしか言ってない。だって可愛いもん!

 一緒に教室を出て校内を歩く。

 すごい校内を見てる。そんなに珍しいかな?

 ユイちゃんが私たちの学年の廊下を歩くと、みんなユイちゃんを見ていた。

 転校生だから珍しいってのもあるけど、可愛いもんなぁ……。

 あ、今すれ違った男子、すっごいユイちゃん見てた。あれはユイちゃんのこと好きになったな……気持ちわかるけど。

 でも、ユイちゃん気づいてなさそう。

 ユイちゃんの好きな男の子ってどんな人だろ?

 でも、この話題はもう少し仲良くなってからかな。

 図書室や音楽室などを見て回る。理科室とか家庭調理室とか、まだ使ったことないけど場所だけは知ってる。

 あと、5年生とか6年生の上級生の階ってなんとなく怖いけど、ユイちゃんすごく堂々としてる……怖くないの?  

 

「学校って意外と広いんですね」

「そうかな? すぐ慣れるよ」

 

 ユイが興味を示したのはコンピュータ室と家庭調理室だった。

 パソコン使えるの? それにお母さんの料理の手伝いとかもしてるのかな? 偉いなあ……

 私もお料理しようかな。

 

 私は、休み時間終了のチャイムが鳴るまでユイちゃんを連れ回した。

 今度、私の友達にも紹介しよ。




ユイちゃんの隣の席の男子と前の席の女子の鈴川早希ちゃん視点で書いてみました。
男子達の名前はいずれ出る予定。

学校でのユイの服装

  • ロストソングで登場したお嬢様風のブレザー
  • メモデフで登場したセーラー服
  • 私服
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