喰種の僕がヒーローに   作:『『白』』

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やっと、推敲を終えました。
遅くなってすみません。

誤字、脱字や文章表現に違和感等を感じましたら、一言くださると嬉しいです。




993-7=?

今世の両親が死んでから約2ヶ月半が経つ。

 

僕はあの話の二日後に、僕を引き取ってくれるという女の人が来て、それから今までその人の家でお世話になっている。

 

この2ヶ月半で、僕のこれからの行動指針は決まった。

 

もしかしたら、僕と同じ状況に陥っている前世の仲間がいるかもしれない。

 

そう思った僕は、有名になれて、不本意にも奪ってしまった今世の僕の夢も叶えられる。

そんな、一石二鳥のヒーローになることを決めた。

 

そうと決まれば、やるべきことは今世の僕が知っていたので、その目標に向けて行動するだけだ。

 

僕は今度こそ、間違えない。

 

それに、何も出来ないのはもう嫌なんだ。

 

居るかどうかも定かじゃないけど、皆を見つけて守るためには、やらなきゃいけないことはいくつかある。

 

だから取り敢えずは、 有名なヒーローになるために、

 

────雄英高校ヒーロー科に入学する。

 

 

 

それと、この2ヶ月半で分かったことも多い。

 

まず1つは、この体のスペックが前世よりも高くなっていることだ。

 

具体的に言えば、五感が鋭くなったのと、身体能力が上昇していた。以前よりも数段高くなっているように思う。

 

また、元々他の喰種より優れていた再生能力も、赫子で刺したお腹の穴が数秒で元に戻るし、指を千切っても10秒程で生えてくるくらいには上昇している。

 

そして、他の喰種に劣っていた体の頑丈さも、多分頑丈になっていると思う。

 

これは、本当に頑丈になったかよく分からないが、赫子でお腹を刺したときに、少し刺さりにくいような感じがしたから頑丈にはなっているはずだ。出来ればなっていてほしい。

 

つまり僕は、喰種が人より優れているところが、さらに優れた体になったという事だ。

 

無個性なのにどうしてだろう。実は個性があったのだろうか。

 

 

 

また、ここ2ヶ月半で、喰種としての食事は一回で済んでいる。

 

僕が最後に食べたのは、退院して二週間後。つまり、ここ2ヶ月は何も食べていないのだ。勿論、食べたのは自殺者の死体だ。

 

前世では一回の食事で1ヶ月がギリギリだったのに対して、今では、2ヶ月程経ってやっとお腹が空いてきたのだ。

 

そろそろ食べないといけない。

 

勿論、食べたのは自殺者の死体で、夜中にネットで調べた自殺の名所等を回り、苦労して見つけた死体を食べるのだ。

 

しかし、同居人がいるなかでどうやってその目を欺いて夜に出歩いているのか。

 

それを話すには、同居人の説明をしなければいけない。

 

僕を引き取ってくれた女性。

 

彼女の名前は 香山 睡。

 

とても綺麗で、スタイルの良い魅力的な女性だと思う。

 

彼女は「18禁ヒーロー ミッドナイト」という名前でヒーロー活動をしていて、実績は勿論の事過激なコスチュームでも有名なヒーローだ。

 

今世の母の妹で、自分から引き取ると申し出てくれたらしい。

 

彼女は、ヒーローをしているためパトロール等で夜遅くに帰ってくる事が多く、晩御飯は僕が作って置いておくから、その日に何時頃帰ってくるか連絡を入れてもらっているので、丁度タイミングを見計らって抜け出して、死体を探したのだ。

 

僕は彼女にはとても感謝している。

 

当然引き取ってくれたこともそうだが、僕がヒーローになりたいと言うと、休日や時間が在るときに本で読んだ格闘技術の実践稽古に付き合ってくれている。

 

勿論、本気ではやっていないが。

 

そして、時々僕があんていくの皆を思い出し、沈んだ気持ちになっていると、優しくお母さんのように頭を撫でてくれるのだ。

 

まだ未婚の女性にお母さんは失礼かも知れないが、僕の中では、記憶の中だけの今世の母よりも彼女の方が余程母親のように感じる。

 

また、住み始めた頃は僕が何も口にしない事を心配していたようだが、病院で目が覚めてからお腹がすかないから食べない。珈琲以外口にする気が起きない。と言ってあるので、僕が何も食べないことはもう違和感を覚えていないみたいだ。

それと、眼が不意に赫眼になって驚かせても悪いので、眼が変色することは既に伝えて、一応医療用の眼帯も常につけるようにしている。

 

 

1つだけ困ったのが、洗濯だった。

 

基本的に家事は全て僕がしているのだが、つまりは、洗濯も僕がするわけで。

何かと睡さんの下着は過激なものが多い上に、軽くもみ洗いしなければいけないものが殆どで、どうしようか迷っていたら、睡さんは気にしないからいいよと言う。

戸惑いつつも仕方なくやっていたら、少しずつ慣れては来たが、それでもやっぱり戸惑ってしまう。

まあ、睡さんは忙しいから、仕方ないけどね。

 

 

今日は日曜日。そろそろお昼なので、外へ出るための準備をする。

 

毎週日曜日のお昼は、睡さんと一緒に喫茶店に珈琲を飲みに行くのだ。

 

しかし、そこらの喫茶店なら、正直店長や古間さん達に教えてもらっていた僕の方が美味しく淹れられる。

 

毎日、モーニングコーヒーは僕が淹れているし。

 

けれど、珈琲しか飲まない僕を気遣った睡さんに連れてきて貰った喫茶店、ノブレス。

 

あそこの珈琲はとても美味しく、それに、どこか店長の淹れる珈琲に似ている。

 

だから、どうしても飲みたくなって、平日は学校の帰りに毎日通っている。

 

中学生の分際でお金使いが荒いと思うかも知れないが、金銭面は余裕を持てる理由があるので毎日通っても問題ないのだ。

 

 

そういえば、もう春休みもとっくに終わり学校が始まっているのだが、このヒーロー社会においての義務教育は、前世と違うこともあり、なかなか面白かった。

 

ただ、いかんせん中学の内容では簡単過ぎたので、既に高校3年までの学習は修めてある。

 

なので、ここ最近は学校へ行く意味が無くなってきた。

 

理解していて、更に先へ進んでいるのに、もう一度授業を聞きに行くなんて無駄な事だとは思うが、出席しなければ内申に響き、雄英に受からない可能性が出てくる。

 

学校にヒデのような友達でもいれば楽しかったかも知れないが、僕が体に入る前からボッチだったので、そんなの今さらだ。

 

受験が終わって、合格したら即不登校になるつもりだが、少なくとも受験までの残り約8ヵ月は通わないといけないと思うと、気持ちが億劫になる。

 

そんな僕の沈んだ気持ちも、ノブレスの珈琲を飲めるのだから、と奮い立たせて毎日頑張っているのだ。

 

 

ふと、睡さんに買って貰ったスマホにメッセージがきた。

 

どうやらパトロールからそのままノブレスにいくから、先に行って待っていて欲しいそうだ。

 

既に準備は出来ていたので、家を出る。

 

何事もなく、落ち着いた雰囲気を醸し出す扉の前にたどり着く。

扉を開けると、カランカラン、と扉のベルが小気味良い音をならして僕を迎えてくれる。

その瞬間に僕の鼻孔に珈琲の良い匂いが突き刺さる。

香りを楽しみながら、いつも座っている窓側の二人席に座る。

 

「いらっしゃい。研くん。日曜日に一人で来るのは始めてじゃないかな?」

 

椅子に腰を掛けて一息ついたところで、60歳くらいの優しそうな男性が話しかけてくる。

 

彼がこの店のマスターだ。

 

名前は知らないが、睡さんがマスターと呼んでいるので、僕もそう呼んでいる。

 

「いえ、睡さんはパトロールから直接来るそうなので。先に僕だけ来たんです。」

 

そう言って、言葉を返すとマスターは頷き

 

「なるほど。それじゃあ珈琲は香山さんと一緒に出せば良いんだね?」

 

と言ってくれる。

 

僕はそれに、はいお願いします。と言って鞄から、持ってきていた本を出す。

 

暫くそれを読んでいると、カランカランと音が鳴り、扉が開く。

 

店に入ってきたのは、SMプレイで使う衣装のような過激なコスチュームに身を包んだヒーロー。

 

その名も「18禁ヒーロー ミッドナイト」つまり、睡さんだ。

 

「いらっしゃい。香山さん。」

 

「えぇ、こんにちは。マスター。いつものをお願いするわ。」

 

「畏まりました。」

 

互いに挨拶を交わし、注文を言った後こちらにすたすたと歩いてくる睡さん。

 

睡さんが向かいの席に着いたのと同時にパタンと本を閉じて、机の上に置く。

 

「お疲れ様です。睡さん。」

 

「えぇ、ありがとう。研。」

 

「ところで、今日も遅くなってしまいますか?」

 

「いえ?今日は速く帰れるわよ。

 

でも、どうして?」

 

労いの言葉をかけ、聞きたかった事を聞いてみる。

 

どうして?か、本当は今日の夜にでも喰いに行こうと思っていたからだが、今日は無理なようだ。

 

そんなことを考えつつ、咄嗟に思い付いた嘘を吐く。

 

「いや、また少し相手をしてほしくて。今日の夜に時間をとって貰ってもいいかな?」

 

「ふふ…勿論、いいわよ。」

 

まただ。最近、僕が彼女に嘘を吐くと、決まって今のようにふふ、と少し嬉しそうに、それでいて少し悲しそうに笑うのだ。

 

もしかしなくても、嘘がバレているのだろうか?いや、嘘はバレていても本当の事は分かっていない筈だから問題はないか。

 

「そう言えば、今日って午後からサイン会よね?」

 

「はい。後一時間後からですね。」

 

「さすが、まだ1冊しか出してないのに凄い人気ね。この前、テレビでも取り上げられていたわよ。まだ発売1ヶ月で売上が数万部を越えたって。」

 

そう。これが、まだ中学生の僕が毎日喫茶店に、珈琲しか飲まないとはいえ、通い続ける事が出来る理由だ。

 

僕は睡さんの元で生活させて貰っている訳だが、親に遺産と呼べるものは殆ど無かった為、当然の事ながら金銭は全て睡さんに出してもらっていた。

 

しかし、この体に入って1ヶ月程経った頃

 

そんな状態でいるのが申し訳なくなった僕は、この年でも、責めて自分が本を買うためのお金位は稼ぐ事が出来ないか。

 

と考えたのが、小説を書くことだった。

 

ただ、例え僕が本を読むのが好きでも、売れる本を書けるかと言われても、書ける気がしない。

 

でも、それは僕が1から物語を書くならばの話だ。

 

「確か、拝啓カフカ。だよね?高槻泉くん。」

 

これが、僕の考えた結果だ。

 

高槻先生には、本当に申し訳なく思ったが高槻作品なら、売れることは間違いない。だって面白いし、実際に売れた実績もあるのだから。

 

それに、これは何もお金儲けだけが目的ではない。

 

1つは、ヒーローになったとき既に世間に知られているのなら、有名になる近道ではないか。

 

もう1つは、こうして前世の情報を流す事で、同じ状況にある者が今日のようなイベントに顔を出してくれるかも知れない

 

と、思ったからだ。

 

つまり、高槻先生に対する途方もない罪悪感を除けば、これは一石三鳥にもなる賢い選択なのだ。

 

ただ、前記のデメリットが大きすぎて全然得をしている気にはなっていない。

 

「やめて下さいよ。僕なんてまだまだですから。」

 

ああいう事を言われると、罪悪感が更に大きくなるからやめて欲しい。

 

「そんなに謙遜する必要は無いと思うよ研くん。

お待たせいたしました。こちら、珈琲2つとサンドイッチでございます。」

 

マスターがそんなことを言いながら、注文したものを持ってきてくれる。

 

「ありがとう。マスター」

 

「ありがとうございます。マスター」

 

睡さんと一緒に礼を言う。そして、

 

「けど、謙遜なんてしていませんよ。本当に僕はまだまだです。」

 

と、心からの本音を告げる。

 

「研くんはそう思っているかも知れないけれど、君の回りは既に君の事をそういった目で見ている。と言うことだ。」

 

「かく言う私も、君のファンなのだから。高槻先生。拝啓カフカ、とても面白かったですよ。」

 

ふふふ、と笑いながら僕にそう言うと、睡さんもクスクス笑い出す。

 

僕は、ため息をついてから二人に習い、軽く笑みをもらす。

 

30分程経って、僕はそろそろサイン会が、睡さんは午後からも仕事があるので、店長に美味しかったです。また来ます。等と言って店を出た。

 

「それじゃあ、研。サイン会、頑張ってね。」

 

「はい。睡さんも仕事、頑張って下さい」

 

今日のイベントは、誰か来てくれないかなぁ。とか、高槻先生には本当に申し訳ない。なんて考えながら、僕はイベント会場へと、歩みを進めた。

 

 




今回はあんまり進みませんでした。
確か、体育祭手前ぐらいまでならあったはずなので、早く推敲終わらせて出せたらなと思います。

ヒロインアンケート。⚠️あくまでも調査です。1位が絶対にヒロインになるわけじゃぁないです。⚠️

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  • トーカちゃん&響香ちゃん
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