浮き雲に成り代わった者   作:白炉丸

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浮雲 38

ガラッ 雨のフィールドに到着した。 当たり前だが、水は全て抜かれていた。

 

「ぐっ…ハア、ハア、」

 

居た、山本武。

 

毒にやられて倒れているのを見つけた。

 

「ハア、ハア、、! ヒバリ… おまえ…」

 

山本武の声は無視し、ポールを倒す。リングは山本武の方へ転がるように計算した。

〔べつに張り合ってるわけじゃねーから〕

山本武は手元に転がってきたリングを リストバンドに差し込む。

 

これで雨の守護者は動けるようになったな。

 

「ハア、ハア、 ふ〜〜 いやーまいった… サンキュ!」

「 校舎で死なれると風紀が乱れるんだ。死ぬなら外へ行ってもらう。」

「あはは、なんだそりゃ 」

「 ……( 事実だろ )」

 

フラ フラ どんっ と、出血は止まったが、貧血なことは変わらないので体がフラつき壁に肩が当たってしまった。

 

「おい、大丈夫か?」

「 何のことだい? 」

「…………」

 

山本武が少し呆れているのを感じるけど、弱みは見せたくないからね…

 

 

「交代だ!こっからはオレが引き受けた。」

「 …勝手にしなよ。 」

「おう!じゃ、行ってくる!」

 

そう言って、山本武は走っていった。

 

・・・・少し、休むか… あ、 体育館がブッ壊れる事忘れてた・・・・今更か…

XANXUSが解凍されるまで休めるな。 休憩休憩っと。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

沢田綱吉は、零地点突破初代(ファースト)エディションでXANXUSを凍らせた。全身を氷に包まれたXANXUSは、冷凍仮死状態になった。 もう、これが溶けることはないと、沢田綱吉は言う。

 

だが、、その場に マーモンが大空以外のボンゴレリングを持って現れ、リングの秘められた力を使い、XANXUSを包んでいた氷を溶かした。

沢田綱吉が持っていた大空のリングはベルフェゴールに取られ、ヴァリアー側に、全てのボンゴレリングが渡った。

 

沢田綱吉側の雲以外の守護者も その場に来た。

 

 

「受け継がれしボンゴレの至宝(しほう)よ。若きブラッド・オブ・ボンゴレに大いなる力を!」

 

大空のボンゴレリングはXANXUSの指にはめられた。

 

大空のボンゴレリングが、そして他の守護者のリングが共鳴するように光り輝く

 

こ…これは…‼︎ 力だ!!! とめどなく力があふれやがる!!! これがボンゴレ後継者の証!! ついに!!ついに叶ったぞ!! これでオレはボンゴレの10代目に・・」

 

そのとき、 ドクン! という音をXANXUSは耳にした。瞬間、、

 

「!!がっ!!」 !ゴパッ‼︎

 

XANXUSの全身から、(おびただ)しい量の血が噴き出した。

 

 

リングがXANXUSの血を拒んだ。その結果がこれ。

 

XANXUSは9代目と血が繋がっていない。ブラッド・オブ・ボンゴレなくしては後継者として認められない。

その事実を知ったXANXUSは、(いか)り、決意した。9代目をひきずりおとし、ボンゴレを手に入れると、そのために起こしたクーデター ・・・

 

 

「9代目は、血も掟も関係なく、誰よりおまえを認めていたはずだよ。 9代目はおまえのことを、本当の子供のように・・」

 

XANXUSは、沢田綱吉から伝えられる、その言葉は欲していない。だから叫ぶ。

 

 

気色の悪い無償の愛など!! クソの役にも立つか!!オレが欲しいのはボスの座だけだ!! カスはオレを崇めてりゃいい!!オレを(たた)えてりゃいいんだ!!

 

血で滑り、XANXUSの指から大空のリングが抜け落ちる。

 

「XANXUS様!あなたにリングが適正か 協議する必要があります。 」

「だ…だまれ‼︎ 叶わねーなら道連れだ!! どいつもぶっ殺してやる!!

 

「大さんせーだボス」「当初の予定通りだよ」

XANXUSの言葉にヴァリアーが追従(ついじゅう)する 。

 

「どこまで腐ってやがる。やらせるかよ!」

 

沢田綱吉側の守護者はそれを止めるために動こうとする。

俺も、よろめきながらもそこに合流する。

 

 

この場では2対5、沢田綱吉側が有利に見えた。だが ヴァリアーは、総勢50名のヴァリアー隊が到着する、お前たちは死ぬと言った。

外部からの干渉を認めるわけにはと発言したチェルベッロをベルフェゴールが殺した。

その結果、チェルベッロはヴァリアー側を失格と言い、観覧席の赤外線を解除するボタンを押したが、ヴァリアーに細工されてしまっており、観覧席に居た者達は外に出ることが出来なかった。

 

するとそこに 3人のヴァリアー隊が現れた。

 

「ナイスタイミーング 待ってたぜ。」

 

だが、様子がおかしい

 

「報告します。我々以外のヴァリアー隊全滅!!!」

3人は息を切らし、ヒザをつく者、倒れる者がいる。

「奴は強すぎます!!鬼神のごとき男がまもなく・・」

 

暴蛇裂覇(ぼうじゃれっぱ)!!!」

巨大な鉄球が飛んできて、ヴァリアー隊を吹っ飛ばした。

 

 

「取り違えるなよボンゴレ。 オレはおまえを助けにきたのではない、 礼を言いにきた。」

 

ヴァリアー隊を全滅させたのはランチアという男。かつて、六道骸に操られ沢田綱吉達と戦った事があった者だった。

 

 

ランチアが現れたことによって 不利になったと感じたのか、ベルフェゴールが沢田綱吉にナイフを投げた。

 

そのナイフを山本武が防ぐ。

「おっと、そーはいかねーぜ」

クローム髑髏は幻術を使い、幻覚の火柱でマーモンを攻撃する。

「逃がさない」

俺はトンファーから鎖を出し、攻撃する姿勢をとる。

「 ねえ、決着つけようよ 」

笹川了平も拳を構える。

「いかせんぞ」

獄寺隼人は沢田綱吉の前でダイナマイトを構える。

「10代目!おケガは!」

 

守護者達は、ベルフェゴール、マーモン、倒れているXANXUSを囲む。

 

それを見て、ベルフェゴールはナイフを捨て、両手を上げる。マーモンも、もう諦めたようだ。

 

役立たずのカス共が… くそ! ちくしょう! てめーら全員!!!呪い殺してやる!!!

 

 

 

チェルベッロがXANXUSに近づき会話をしている。XANXUSは気を失い、話し終えたチェルベッロが宣言する。

 

「お疲れ様でした。それでは、リング争奪戦を終了し、全ての結果を発表します。 XANXUS様の失格により、大空戦の勝者は沢田綱吉氏。 よって、ボンゴレ次期後継者となるのは、沢田綱吉氏とその守護者6名です。 」

 

 

これにて、大空戦そしてリング争奪戦の幕が閉じた。

 

 

 

 

皆が勝利の余韻(よいん)(ひた)る中、ただ1人だけは、もうすでに次の戦いに目を向け、ほんの少しだけの期待感、緊張感、恐怖心を心の中に浮かべていた。


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