ラブライブ!サンシャイン!! 小原家の使用人!! 作:ぱすえ
昨年の薮椿さん企画小説参加をキッカケに、ラブライブ!の小説を一つ書いてみたい!!と言う思いが爆発し、本作の執筆致しました!!
相変わらずの駄文ですが、どうぞよろしくお願いします!!
小原家の使用人、クソガキ共を探す!!
誰かが呼んでるような雨上がりの午後……
水溜りの水を盛大に跳ね上げ一台の自転車が内浦の海岸沿いの道を駆け抜ける。
その自転車(ボディフレーム:ステンレス製 変速系統:内装3段 要約:クッソ重いママチャリ)を漕ぐ者は、スーツを着た男だった。
その男は、まるで鬼の能面をつけたかのような形相をしていた。さらには跳ね上がる水でスーツがビッシャビシャビシャに汚れようともペダルを回す。
「あぁぁんのぉ クソガキャァァアアア!!! 今日という今日は許さねぇぇぇ!!!」
内浦の海岸沿いに穏やかではない叫び声がこだまする。
………この側から見ればかなり危ない部類に入る男。
名をサトウ(偽名) といい。
年齢 20才 職業 小原家使用人
だだ今、絶賛クソガキ3人組を追跡兼捜索中なのである。
***
同刻
ー内浦の海岸沿い近くー
「ね、ねぇ2人共?今なんか変な声聞こえなかった?」
「いいえ、変な声は聞こえてませんわ。わたくしが聞こえたのは今の果南さんの声だけですわ。」
「んー? そうネー。そんな声聞こえてないよー果南♪ねーねーそんなことより!今日は何して遊ぶ?ダイヤ!果南!」
そんな会話をしながら歩く、松浦果南、黒澤ダイヤ、小原鞠莉の3人。
そう、彼女達こそ先程、小原家使用人がクソガキ3人組と言っていたものの正体である。
そもそも、なぜ彼女達が、「クソガキ」などどという蔑称で呼ばれているのは、とある訳があるのだが…それは後ほど語られるであろう。
「……気のせいかな? そーだなぁ…!?ッ いいこと思いついた!!」
歩き始めた果南が、何やら思いついた様に、二人に声をかける。
今日は午前中雨が降っていたので、外で遊べなかった分色々と溜まっているのだろう。
いつもの3倍増しの元気の良さで、2人に声をかける。
「隠れ鬼やろう!!」
「…隠れ鬼ですか?」
「ホワイ? 果南、かくれおにって何ぃ?」
説明しようッ!!
隠れ鬼とは、かの有名な"かくれんぼ"と"鬼ごっこ"が融合し誕生した遊びである。
ルールは簡単。逃げ手は、最初かくれんぼの要領で隠れ、もし鬼に見つかったらタッチされるまで逃げる。
鬼は、逃げ手を見つけタッチする。
というものだ。
しかし……
「果南さん…申し訳ないのですが、3人という少人数では鬼の負担が……」
ダイヤが言う通り、これを少人数でやろうとすると、高確率で鬼が1人になる。
これがどう言うことかと言うと、
鬼という役は休む暇なく、見つけると追いかけると言う動作を終わるまで延々と続けなければならない。
これが2人などの複数人ならば、負担ば分散されるが、1人の場合負担は分散することなく全てのし掛かってくる。
つまり、鬼になったら最後。
持てる体力を全て総動員し、さながら獲物を追いかけるライオンの如く早期に勝負を決めに行かなくてはならない。
だが、この特性を"外遊びマスター"と小学校で影ながら称される松浦果南が知らないわけはなかった。
「むふふ! ねぇー鞠莉?今日のお迎えって"あの人"だよね。」
「うん。サトウが迎えに来てくれることになってるよ〜 ねーねー果南。かくれおにって言うのを早くやろっ!」
「ま、まさか…果南さん…貴方って人は……」
ニタァとどう見ても悪いことしか考えていない様な笑みを浮かべる果南。これから遊ぶ隠れ鬼なるものに興奮する鞠莉。そして、何かを察し若干引き気味のダイヤ……
「よぉぉぉし!鬼は、鞠莉んチの使用人さんッ!今日は頑張って5時過ぎまで粘ろうぉ!! 」
「おー!!」
「……果南さんまだ、あの時の事を根に持っているんですね…」
こうして、小原家の使用人vsまりだいなん3人組の壮絶なる隠れ鬼の幕が切って落とされたのである。
***
一方その頃
そんな事など一切知らない使用人は、沼津某所で死にかけていた……
ーサトウsideー
「ゼェ…ゼェ……マジであいつらどこ行きやがった……」
俺は坂道で自転車に身を預けくたばっていた。
ただでさえ思い自転車を漕ぎ、激しい有酸素運動を行なっているため、全身汗だくで息絶え絶えだ。しかも、目は死んだ魚の様に虚ろになっており、最早希望もクソもない。
なぜこの様なことになってしまったのか?
それはちょうど、2時間前……
ー小原家にてー
俺は焦っていた。
今日のちょうど昼前あたりであったろうか、主人の愛娘である鞠莉が通う小学校から連絡があった。
なんでも、担任の先生に急遽出張が入り午後の授業が無くなったらしい。
そのため、お嬢様(鞠莉)を迎えに行こうと車を出した。
が、
よりにもよって今日、小原家の公用車が天に召されていたのだ。
……天に召された原因(昨日の鬼ごっこで、俺のサーチ能力に秒殺されまくったお嬢様がやけを起こして、車の排気口ににんじん突っ込んだことに起因)は割愛するが、とにかく車が使えなくなった俺は、仕方なく小原邸の隅に転がっていたママチャリを手にし、迎えに行ったのだ。
まぁ、そんなこんなで学校へと着いた俺であったが、そこには、お嬢様の姿はなかった。
瞬間、
ツゥ〜〜
背中に冷たいものが走る。
まさか……誘拐でもされたんじゃ………
決してありえない話ではない。
鞠莉お嬢様は、お世辞ではないが小学生とは思えないほど容姿端麗、かつ外人特有の色っぽさがある。
もしかしたら、そこら辺のゲスな男達に金銭的といわゆる性的な目的で…………
「お、お嬢様ぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
耐えようもない不安と自身の非力さに頭を抱え学校の校庭に崩れ落ちる。
そんな、俺の様子を見かねた1人の女性教師が慌てて駆けつけてくる。
姿から見て、新人だろうか?薄く化粧をして小綺麗な服を着てやがる……
「小原さんの保護者の方ですよね?小原さんなら大丈夫です!先程、松浦さんと黒澤さんと一緒に遊びに行くと言ってこの学校を出たばっかりです。」
ゴンッッ
頭を鈍器でフルスイングで殴られた時と同じぐらいの衝撃が襲う。
そして、ギギギ…と音を立てながら首があらぬ方向へと向き、女性教師を睨みつける俺。
「なん…で……」
「へっ???」
「なんでぇぇ!!よりにもよってそこらへんの誘拐犯よりもタチの悪い彼女達にぃ?お嬢様を預けたんですかぁ??」
「ひぃぃッッ!?」
腹の底からうねる様に出てくる陰湿な声に、女性教師は悲鳴をあげる。
ズリィ…
俺は、まるでゾンビの様にその場から立ち上がる。ぐちゃぐちゃになった校庭の泥が俺のズボンからずり落ち嫌な音を立てた。
そして、ピクピクっと痙攣している顔の表情なんとか直し、満面の笑みで女性教師に近づく。
「申し訳ありません。どうにも素が出てしまいまして……それで、お嬢様はど・ ち ・ら ・にぃ?」
「あばばばばば!!!」バタッ
女性教師がそのまま、泡を吹いて倒れる。
…そんなおっそろしい顔してたのか俺?
まぁともあれ、お嬢様は、ハグゥ&デスワー(奥様命名)の2人と一緒にいるという事が分かった。
その為、あの3人組がいつも遊んでいそうな場所をしらみつぶしに見て回った。
そして、今現在に至る。
「クッソォォォォォオ!! なんでだよ、居そうなところ全部回ったのに、一回たりともかすりもしねぇ………」ガチャンッッ!!
そう叫ぶが状況は一変する事なくただ時が過ぎていく。
もう疲れたよ…パトラッシュ……
俺はバランスを崩し、寄りかかっていたママチャリ(パトラッシュ号 つい先程命名)がぶっ倒れる。それに身を預ける様な形で、俺も地べたに突っ伏す。
あの3人…つまり、お嬢様である小原鞠莉を含めた、ハg……松浦果南、黒澤ダイヤは溢れる元気と人一倍の行動力を持っている為、捜し出すのは大変である。
しかし、ここまで捜索時間が長引いたことは過去に1回も無い……
普段は、今まで見て回った数ヶ所の彼女達の遊び場いずれかに居るはずなのだが、今回はそれらの場所に居なかった。
……なんだろう。意図的に避けられてるとしか思えない。
肉体的はボロボロだが、まだ辛うじて動く頭でそう必死で考えていると、
「ねーねー! 次何処行く?」
「そうだなー」
「ここら辺となると…難しいですわね」
何やら誰かの話し声が聞こえてくる。
なっ!? 人か?
今の状況、つまりは、チャリと共に地べたに寝転がっている俺の姿は、どう見ても普通では無い。
ガキ共を追ってる途中疲れ果ててぶっ倒れましたー。というこんな姿見られた暁には末代までの恥、いや…そんくらいで済めばまだいいだろう。
ならば、取るべき行動はただ一つ
やべぇ…どうにかして隠れねぇーと…
不幸中の幸か、側に身を隠すのに丁度良い茂みがあった為、残る力を振り絞り、芋虫の如く動きながらそこに身を隠す。
なお、自転車に関しては最早引っ張る気力がなかった為放置である。
…頼む!! 見つからないでくれッッ!!
年甲斐もなくギュッと目を閉じて都合のいい時しか信じた事がない神に願う。
タッタッ!!
足音が近づく。それとともに、俺の緊張は頂点に達した。
ドックドックと、とてつもない音を立てながら暴れまわる自分の心臓の鼓動を感じながら足音が過ぎていくのをだだひたすら待つ。
が、
「ん? なんだろうこの自転車…」
…しっ、しまったぁぁぁ!!!
通行人の1人が放置された自転車に気づき、あろうことか、こちらの茂みに近づいてくるではないか。
放置自転車くらい無視しろよ!!田舎じゃ日常茶飯事な案件だろうが!!
そんな心の叫びも虚しく、他の通行人もこちらに寄ってくる。
最早年貢の納め時、そう覚悟した瞬間、思わぬ奇跡が起きた。
「これは…いわゆる放置自転車と言われるものですわ!」
「ほーちじてんしゃ?ダイヤーどういう意味なの?」
「路上に放置…つまり、自転車を駐輪場などの公的なスペース以外の場所に置き、そのままにすることですわ!これは違法駐輪と同じく都市部でとても問題になっていて、歩行者や車の交通を妨げるものとして厳しく取りしまわれているのです。
まぁ…要するにゴミですわ!」
「oh……そうね、ゴミはゴミ箱に捨てないといけないわ!」スッ
「あー、、触っちゃダメだよ鞠莉。コレ見るからにばっちぃし、汚いよー。」
………探し求めていた奴らが俺の目の前に現れた。しかも、ご丁寧に俺の愛車をボロクソ言ってくれるではないか。
散々手こずらせてくれやがって……
ただですむとおもうなよぉ?
腹の奥底から真っ黒い感情が込み上げ、さっきまで、死にかけていた体と頭に嘘のように活力がみなぎってくる。
同時に、ニヤリッっと自身の口角がアホのような角度で引き上がるのを感じた………
***
子供というのは、一度物事に関心が移ると中々飽きないものだ。
そして、その時間がサトウに悪智恵を働かせてしまうとは彼女達は夢にも思わなかっただろう。
一方3人はというと、そんな事はいざ知らずダイヤは目の前のゴミの処理について考え込み、果南と鞠莉は木の枝やら草やらで、自転車をゲシゲシと小突いている。
……ダイヤはともかくとして、幼年〜小学生辺りの性として、道端に落っこっている汚物を何かで突くというのは避けられないものなのであろうか?
さて、そんな事はどーでもよく。
ゲシゲシ「……?……ッッ!?」
ふと、鞠莉が自転車にあるナニかに気づきゲシゲシと小突いていた手を止める。
そんな鞠莉の急な変化を不思議に思ったのか、果南が声をかける。
「あれ? どうしたの鞠莉?」
「も、もしかしたらコレ……」
若干鞠莉の手が震えているのは目の錯覚であろうか?
「サ、サトウの自転車かもしれない……」
「「ッッッッ!!!???」」
カタッ…コロコロ……
果南の手から小枝が落ち、ダイヤの顔から笑顔が表情が無くなる。
「に、逃げよう!!行くよ!2人とも!!」
「待ってください!」
果南が急いでその場から立ち去ろうとした瞬間。ダイヤが叫ぶ。
「ここに鞠莉さんの使用人の方の自転車……何か引っかかりますわ……」
「ちょっと待ってよ!!今そんな事言ってる場合じゃないって!逃げないと見つかっちゃうよ!………?」ピタァ
変に考え込むダイヤをやや焦り気味で急かす果南。
そんな彼女の足に何か生温かい物が触れる。
そして、それを疑問に思った果南が足元を見ようとした瞬間。
ガサアッッ!!
茂みの中から音が聞こえ、ビクッと3人の肩が跳ね上がる。
その隙に何者かが果南の足とダイヤの足をガッシリと掴む。
そして…茂みの中から白いビニール袋を被った、泥だらけのスーツの怪人が這いずりで出てきた。
「く ぁ w せ d r f t g y ふ じ こ l p !!」
更に、その怪人は奇声をあげながら体をくねらせ、2人を茂みの中に引きずり込もうとする。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
「ピィギァァァァァァアアア!!!」
涙目になりながら悲鳴を上げ、まるで、某ホラー映画のように排水溝と言う名の茂みに引きずられていく2人。
一方、生き残った鞠莉はと言うと、何かを察したのか表情は冷めきっており、周りに何かを探し始めた。
さて、
茂みに引きずり込まれそうになっている2人はギャーギャー騒ぎ立てながら必死に足をバタつかせもがいている。
が、怪人へのそんな抵抗も虚しく、どんどんズリズリと引きずられてしまう。
「ぐへへっっ! お嬢ちゃんたぁちぃ 今の今まで小突かれていた自転車君と同じ目に合わせてやるから覚悟しろぉよぉ??」
ねっとりとした気味の悪い声で2人を威圧する怪人。その声は恐ろしくもどこか楽しげであり、怪人のゲスすな心を表しているようだった。
「わたくしは小突いてなんか居ませんわ!!」
「ゴミ扱いしたよね?ぼくちん許せぇないなぁ」
「嫌ァァ!!ルビィィィィィィィイッッ!!せめて、せめて死ぬ前に妹に合わせてぇぇ!!」
「ダ、ダイヤ! 諦めちゃダメだよ …グスッ ぅっ ぅぅヤダぁぁぁあ!! 誰か助けて!!!」
ただならぬ、危機的状況に取り乱す2人。
「ゲヘヘヘ 散々手こずらせやがってザマァねぇぜギャハハッッ!! ハグゥとデスワー打ち取ったr
「shit!!! サトォォォォォオ!!」 なっ!!??」
勝った!!
そう確信した怪人ことサトウに、鞠莉が突撃してくる。しかもその手には、結構太めの木の棒を持って…
「お、お嬢様ッ!?それはシャレにならな……」
「shut up!!チェストォォォォォオ!!」
「ま、待って!流石に調子乗りすぎちまぃ…… ぐべぇっ!?!?」
ゴォッッ!!
木の棒がビニール袋にクリーンヒットし、鈍い音が周りに響き渡る……
こうして、サトウの逆襲、そして、3人と1人の隠れ鬼に終止符が打たれたのであった。
***
ゲシッゲシッ
全てが終わった後、3人は何かを執拗に蹴っている。
その何かとは、先ほどの戦いにおいて敗北した、小原家の使用人である。
彼女達は口々に言う。
「変態」「ロリコン執事」「変人ビニール仮面」……
あられもない人格否定の言葉が次々にサトウに刺さり、心を抉っていく。
完璧(?)な敗北を期したサトウにはもう立ち上がる気力すら無く、ただその報いを受けていた。
だが、心の底で思うのだ……
ああ、状況は酷いけれども……これはこれでありなのかもな
ともあれ、お嬢様は見つかった訳だしな
と……
数年後……
「サートーウ!早く車を出しなさい!high schoolの入校式に遅刻しちゃうわ!」
美しい声が、小原邸に響く。
その声の主はもちろん我が主人の愛娘
小原鞠莉の声である。
「ハイハイ、んなに急かさんでくださいよ……なんたって俺はもう、30近いジジイなんすから。」
そして、それに少し気だるそうな声で返す使用人が1人。指の間で、黒塗りの高級車の鍵をグルクル回す彼の名前は
小原家の使用人 サトウ
ワーワーと騒ぎ立てる主人のじゃじゃ馬娘に、使用人は悪戯っぽくこう問いかける。
「お嬢様、高校入学おめでとうございます。しかしですね、高校に入ってからもまた松浦と黒澤の奴らと良からぬ悪巧みせんでくださいよ。
ほんとに…怒り狂った奥様止めるのも大変なんですからね」
「わかった!」
「(ぜってーわかっちゃねぇなこの顔は…)分かればよろしいですよ。後それと、入校式ではなく、入学式です。日本語をお間違えないように。」
「相変わらず無愛想ねー そのくらいいいじゃない!」
へいへいさいですか。 と、生返事をしながら、屋敷の外に停めてある車に乗り込み、クラッチを切りエンジンを掛ける。
「お嬢様ー。出発しますよ。」
「oh! 早く行きましょ!」
新たな門出への第一歩といったところか、車に乗り込んでも、はしゃぐ彼女を尻目にサトウは思う。
ああ、神さまどうかこのじゃじゃ馬娘を見守ってください。
どうか、万が一間違っても俺のようにならないでくださいと……
***
さてさて、冒頭長くなり申し訳ない。
この物語は、俺…つまり小原家の使用人サトウが見てきた、小原鞠莉と言う女の子の成長譚である。
そして、同時に彼女に……いや彼女達救われた
他の作品との三足わらじ状態であり、投稿ペースが遅くなってしまうとは思いますが、よろしくお願い致します!!
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